バリュー評価を導入するために【違いや注意点を解説します】

記事更新日:2023年12月19日 初回公開日:2023年12月12日

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バリュー評価とは、自社の価値観を評価基準に反映した人事評価方法の一つです。バリュー評価を人事評価に導入することで、会社は社員に自社の価値観を浸透させやすくなり、社内全体の結束力を高めることができます。そんなバリュー評価ですが、実際に導入するにはどのような手段を取れば良いのか分からないという方も多いのではないでしょうか。今回はバリュー評価の導入方法やメリット・デメリットについてご紹介します。バリュー評価の導入を検討している方は是非ご参考にしてみてください。

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バリュー評価とは

自社のバリューを基準にした人事評価手法

バリュー評価とは自社の価値観を基準にした評価を設定し、社員がその基準に対応した行動が出来ているか否かで人事評価を下す評価基準のことです。バリューという言葉は日本語で「価値」という意味があります。この意味通り、バリュー評価は社員本人が自社にとってどの程度の価値があるかを重視して判断します。そのため、バリュー評価では勿論社員の出した成果も評価基準に入りますが、それだけでなく社員がどれだけ自社の方針や行動規範に従い行動できているかが重要です。

バリュー評価注目の背景

企業の価値観を社員に共有して意識を高める必要がある

バリュー評価が注目される背景には、日本での働き方が大きく変化したことが影響しています。従来の人事評価では、年功序列制が重んじられてきました。しかし、企業が業績を上げるためには個人の経験やスキルだけでなく、集団の総合戦力を上げていかなくてはなりません。そして、そのためには企業の価値観を社員に共有して意識を高める必要があります。このような理由から現在多くの企業では、人価の基準を社員が企業の価値観に適応しているかという点まで視野を広めるために、バリュー評価が採用されつつあります。

バリュー評価とコンピテンシー評価の違い

コンピテンシー評価は優秀な社員の行動が基準となる

コンピテンシー評価とは企業が挙げる理想的な社員をロールモデルとした上で、優秀な成果を出す社員に共通している行動を達成できてきるかどうかで評価を下す手法です。このような特性からコンピテンシー評価は、優秀な社員の行動を評価基準としています。これに対してバリュー評価は、企業が設定した行動規範が評価基準になっています。そのため、社員の挙げた成果だけでなく、行動の過程も評価対象に入るという点では似ていますが、二つの手法は評価基準が異なっていると言えるでしょう。

バリュー評価の特徴

相対評価

相対評価はバリュー評価で用いられる評価基準の一つです。相対評価とは評価対象と他の社員を比較して、自社の価値観にあった行動をどれだけ出来ているかを判断します。バリュー評価は成果重視の評価制度と異なり、数値や業績など見える形での評価基準を持ちません。そのため、実際に下した内容を社員に理解してもらうためにも、自社の評価基準を明確化し周知させていく必要があります。また、相対評価はあくまで判断要素の一つであるため、相対評価の結果が低いからと言って全体の評価が低くなるわけではありません。

多面評価

多面評価では、評価者だけでなく他の上司や部下または同僚など、複数人が評価対象に対して評価を下します。バリュー評価は評価基準に明確な数字が用いられないため、評価者の主観が結果に反映されやすくなります。しかし、評価者の主観に依存した評価結果は公平性に欠けるため、多面評価を取り入れることでバランスを保ちます。また、多面評価では様々な視点から評価対象を見直せるため、今後の課題を発見しやすくなるという点でも重要な要素と言えるでしょう。

情意評価

情意評価とは、相対評価や多面評価などの客観的に見て目標を達成しているか否かではなく、評価対象の仕事への姿勢や熱意を評価するものです。会社では業績向上を最終的な目標としているため、人事評価も社員の成果や目標達成など実際の結果に結びついている行動を評価します。しかし、成長途中の社員を上記の評価基準だけで低い判断を下すと、モチベーションの低下に繋がりかねません。そこで、情意評価を用いて本人の人間性や意欲を評価対象に加え、頑張りを評価することで、意欲低下を防ぐ効果が期待できます。

バリュー評価のルール

具体的に評価項目を設定する

バリュー評価を導入する際には、具体的な評価項目を設定する必要があります。評価基準が曖昧だと、社員が価値観に沿った行動を取るのが難しくなるだけでなく、実際の人事評価の際にも評価者が判断に困ってしまいます。そのため、評価項目は具体的に示さなくてはなりません。具体的には「取引先からの問い合わせに迅速に対応できているか」などが例として挙げられます。この時に設定するのは、自社の価値観や方針に沿った内容のため、設定の際には改めて自社の価値観を確認しておきましょう。

分かりやすい評価方法を設定する

バリュー評価は評価者が後で困らないように分かりやすい評価方法を設定しましょう。例えば、評価時にはあらかじめ作成した評価シートを用いて、目標の達成度を5段階で評価するようにするなどの工夫が必要です。これを行い、あらかじめ社員にも周知しておくと実際に下した評価にも社員からの納得を得やすくなります。また、実践の際には数値での評価だけでなく、評価対象のどの点が評価されたのかや、今後の改善点を記入する項目も設けましょう。

公平さを保つために評価基準を統一する

バリュー評価では多面評価の項目も設けられているため、評価者によって結果が異なる可能性も少なくありません。多くの人から評価を得られる評価方法は公平性が保てる反面、結果にバラつきがあると評価対象者は結果が本当に正しいのか疑問に感じてしまいます。このような事態を防ぐためにもバリュー評価を用いる際は、それぞれの評価者が客観的に評価できるよう、評価基準を統一しましょう。具体的には評価対象が自社の価値観に沿って業務に従事しているかの判断材料となるポイントを知らせておくことが有効です。

バリュー評価のメリット

社員が企業の価値観を意識するようになる

バリュー評価のメリットは社員が企業の価値観を意識して行動するようになることにあります。バリュー評価が人事評価に用いられると、良い評価をもらうためには自社の価値観に沿った行動をしなくてはならなくなります。そのため、自分の勤める会社でキャリアアップしていきたいと考える社員は、必然的に自社の価値観を意識した行動をとることが予想されます。このような理由から、バリュー評価は社員に自社の経営理念や方針を理解してもらうという意味でも高いメリットが得られる評価方法です。

組織力の強化につながる

バリュー評価で自社の価値観を全ての社員が共有することは、組織力の強化に繋がります。会社が業績を伸ばすためには、社員全体が足並みを揃えて同じ目標を持ち行動していかなくてはなりません。しかし、自社の方針や価値観が周知されていない状態では、社員が同じ方向に向けて行動していくのは困難です。逆に自社の価値観を社員に浸透させられれば、社員は定まった価値観の許で一貫した行動をとれます。また、価値観の共有は社員同士の自発的なコミュニケーションにも繋がるため、強固な組織が築きやすくなります。

バリュー評価のデメリット

社員に納得してもらうことが難しい

バリュー評価は、成果や業績など分かりやすい基準で社員を評価する手法ではありません。そのため、結果が評価者の主観や価値観に依存しやすく、場合によっては社員に納得してもらうことが難しいこともあります。特に、評価対象者と評価者の人間関係が良くない場合、低い評価を付けられると評価対象者が不満を感じることも想像できます。そのため、このような事態を防ぐためにも、バリュー評価を導入する際には必ず複数人が評価に関わることが大切です。

導入までに時間を要する

バリュー評価で公平な評価を下しやすくするには、明確な評価基準と分かりやすい評価方法を設定しなければなりません。また、評価項目を考える際には、自社の価値観はどういったものなのか文字で可視化する必要があるので、しっかりと自社の価値観について理解していなければ設定は困難です。このような事情もあるため、バリュー評価は導入までに入念な準備が必要で、すぐに導入できるものではありません。そのため、導入時には上記の点も含めて、余裕を持ったスケジュールで準備に臨む必要があります。

バリュー評価の注意点

制度の周知を徹底する

バリュー評価を用いて、社員に自社の価値観に沿った行動をとってもらうためには、制度の周知を徹底する必要があります。どれだけ評価項目が詳細で分かりやすいものでも、社員全体に制度の意味や重要性を理解してもらわなければ、高い効果は期待できません。また、人事評価は社員の今後に関わる重要なイベントのため、どんな行動が高い評価に繋がるのか入念な説明が必要です。そのため、導入時には制度の意味や導入の理由について、しっかり社員に説明しておきましょう。

理解しやすい評価基準を設定する

バリュー評価は仕事の過程における行動や姿勢を評価するため、内容によっては社員が不公平感を抱いてしまう可能性も少なくありません。そのため、社員が結果に疑問を抱くのを未然に防ぐという意味でも、上記に挙げた五段階評価を取り入れるなど理解しやすい基準を設けましょう。また、社員本人が自分を評価する項目を設けて、実際に評価側に回る機会を与えることでも評価基準への理解は深まります。このように、バリュー評価は評価対象者への誤解を与えないために、工夫して取り組むことが重要です。

客観的な評価ができるよう準備する

バリュー評価を導入すると、評価者が主観的に評価を下してしまうリスクが発生しやすくなります。これは、評価基準や自社の価値観に理解が薄いと起こりがちな問題であり、本人に悪気が無くても主観が入ってしまうケースは少なくありません。そのため、バリュー評価の導入時には、評価者が客観的に評価できるように、改めて自社の価値観に沿った行動規範や評価基準を明示しておく必要があります。具体的には評価前に評価者を対象にした研修や説明会を開き、基準となる項目について丁寧に説明するなどの方法が有効です。

バリュー評価の導入事例

ヤフー株式会社

インターネット関連サービスを提供する有名企業のヤフー株式会社では、バリュー評価を導入し、4つの価値観を社員で共有しています。ヤフーの評価基準である「ヤフーバリュー」では「課題解決」「爆速」「フォーカス」「ワイルド」の4つの価値観から社員を評価します。さらに、この価値観人材教育にも取り入れることで、全体に企業理念や方針を深く浸透させる工夫が施されています。また、評価では360度評価を取り入れ、必ずコメントを公開することで人材の成長を促しているのも特徴の一つです。

Chatwork株式会社

ビジネスツールで有名なChatwork株式会社ではバリュー評価とOKRを人事評価に取り入れています。OKRとは、「Objectives and Key Results」の略称です。OKRは達成目標と主要な結果を事前に設定し、全体で目標に向かって行動することを目的とした評価手段の一つです。ChatworkではOKRの達成度ではなく、目標にどれだけ積極的に挑戦したかを評価します。この二つを評価対象とすることで、自社の価値観と社員の挑戦心を評価に反映させることに成功しています。

まとめ

バリュー評価への理解を深めて自社に合うか考えよう

バリュー評価は評価項目や基準の設定が難しく、社員の納得を得るためには工夫が必要な評価方法です。しかし、積極的に取り入れることで、企業の価値観を浸透させ自社の団結力を高める目的だけでなく、経験やスキルの有無に囚われず全ての社員に対して公平な評価を下せます。自分の頑張りが評価されていると感じれば、社員の仕事への更なるモチベーション向上も期待できます。そのため、より良い職場環境を築くためにもバリュー評価の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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