記事更新日:2019年05月15日 | 初回公開日:2018年02月13日
人事・労務お役立ち情報 外国人を初めて雇用する前に、事前にルールを決めておく方がトラブルを回避できます。国の文化によって感覚が違う事柄もあったりしますし、日本人従業員に戸惑いなどの影響が出てしまう場合があります。その中で一番大切なことは、「仕事中の母国語を禁止する」ということです。同じ国の方がいたりすると、ついつい母国語で会話をしてしまいがちですが、これを許してしまうと社内に悪影響が出る場合が多いです。
日本人側としては、分からない言語で会話をされ、外国人同士が笑っている姿などを毎日見ていると、時間が経つにつれてそのことが気になるようになり、いつの間にか日本人と外国人との間に溝がうまれる可能性があります。そういったことを防ぐためにも、「母国語禁止」のルールを設けつつ、さらにはランチ会や歓迎会などを行い、外国人と積極的なコミュニケーションをとった方が良いです。
基本的に指導方法については、日本人と差をつけることなく接するようにしてください。そのうえで大事な点は2点あります。
1点目は外国人の方へダメだしをする場合は、決して他の従業員の前では怒らないでください。特に中国人の場合は、人前で怒られることが、何事にも変えられない屈辱的なことになります。加えて必ずその場で呼び出して伝えるようにしてください。日本人の場合は落ち着いた後から呼びだしたりして伝えることもありますが、それでは外国人には伝わりません。
2点目は外国人の方は家族との時間をとても大切にするので、2週間程度の長期休暇をとって母国へ帰国したいと希望することが多いです。日本の文化からするとそこまで長い休暇は滅多にとることはできませんが、外国人にとってはそれが当たり前のように考える方が比較的多いです。外国人は、聞かないと言ってこないことも多いので、こちらから事前に確認をして希望を聞くようにしてください。その時に、希望には答えられない場合には前もってその旨を伝え、状況を理解してもらうか他で調整するか話し合われる必要があります。
ここでの注意点が日本人従業員から見た場合に、外国人従業員だけ特別扱いしていると見えてしまうケースがありますので、そうならないように気遣ってあげるようにしてください。
外国人雇用を検討する場合に最重要になってくるのが「日本語能力」だと思います。この日本語能力を目視的に認識できるものとして日本語能力試験があります。この試験には毎年約65万人程度の外国人が受験されています。評価はN1~N5の5段階評価でN1が一番良い評価です。試験内容にはスピーキングテストはなく択一のみとなっているので、この試験結果だけでは日本語での会話の出来を判断することは難しいですが、最低限私たち日本人と意思疎通がとれるレベルはN2以上かと思います。
ここで注目してほしいのが、この日本語能力試験を来日してどのくらいで取得したのかという期間です。来日が間もない時に取得しているのであれば伸び幅があるともいえます。逆に5年以上日本にいるのにN2の合格者となると、今後日本語能力がさらに上がるまでに時間がかかることになるともいえるので、採用の際に参考にして頂ければと思います。外国人の採用から定着まで徹底サポート
この記事を書いた人
塩野 豪(しおの ごう)
行政書士塩野豪事務所の代表。
外国人ビザ(在留資格)の専門家として活動し、フィリピンやカナダなど外国との繋がりも強い。
人材紹介会社の外部顧問としても活動している。
HP:行政書士法人フォワード
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