時間休とは【メリットや注意点についても解説します】

記事更新日:2024年04月02日 初回公開日:2024年04月02日

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時間休とは、1日単位で休みが取れる従来の有給休暇とは異なり、1時間単位で取得可能な制度のことです。時間休は1時間刻みで休暇を取れるという特徴から、従来の有給休暇制度よりも休暇を取得しやすく、現在多くの企業で取り入れられている仕組みです。そんな時間休ですが、細かい仕組みや導入するにあたって考慮すべき注意点が気になると言う方も多いのではないでしょうか。今回は時間休のメリットやデメリットから、具体的な注意点をご紹介します。自社で時間休制度の導入を考えている方は、ぜひご参考にしてみてください。

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時間休とは

1時間単位で付与される有給休暇

時間休とは企業に勤める従業員が1年ごとに付与される年次有給休暇を、1時間単位で取得可能にする制度のことです。通常、有給休暇は取得単位が1日ごとになっていますが、時間休は1時間刻みで休暇を取れます。そのため、病院受診や子供の用事など、少しの用事で早めに退勤したい場合など、多様なライフスタイルに対応できる制度と言えるでしょう。ただし、時間休を導入するには、企業は就業規則への記載と従業員との労使協定の締結が必要になります。

時間休を導入するメリット

企業のメリット

企業のイメージアップにつながる

時間休を導入するメリットは、企業のイメージアップに繋がるという点にあります。時間休は、1日単位の有給休暇よりも必要な分だけ休みが取れるという点が優れている制度です。これは従業員にとって大きなメリットと言えます。そのため、求人情報に記載しておくだけでも、現在育児中の女性や家族介護をしている人にとっては働きやすい職場という印象を与えられます。また、ワークライフバランスを取りやすいという点からも、人材採用のアピールポイントになります。

退職時買取制度を導入している際の負担を減らせる

時間休の導入は、退職時の有給買取制度を導入している企業にとっても大きなメリットがあります。退職時の有給買取制度とは名前の通り、従業員が退職する際に企業側が有給を買い取る制度のことです。この買い取り制度は未消化の有給日数が多ければ多いほど、企業にとっては支出の負担が大きくなります。しかし、時間休を導入して日頃から従業員が有給を消化しやすい環境を整えていれば、このような場合にも支出の負担を軽減できます。

労働生産性を上げられる

労働生産性を向上できるのも時間休のメリットです。時間休は突発的な体調不良や用事にも対応しやすく、高頻度で休暇が取れる制度でもあります。休みがなかなか取れない環境では従業員の疲労が溜まりやすく労働生産性も低下しがちです。しかし、逆に言えば従業員が息抜きのために細かな休暇を取りやすい環境は、個人のモチベーションの維持にも繋がります。そのため、時間休は導入することで従業員の労働生産性を向上させる効果も期待でき、結果的には社内全体の業績向上に大いに役立つ可能性もあります。

従業員のメリット

繁忙期でも有休として取得しやすい

時間休は従業員の立場から見ると、繁忙期でも有給休暇として取得しやすい制度です。企業は業種によっては繁忙期と閑散期があり、繁忙期になるとどんなに休みを取りたいと思っていても、なかなか休みが取れないという従業員も少なくありません。しかし、時間休を上手に利用すれば、午前中は仕事をして午後からはリフレッシュのために休暇を取るなど柔軟な対応が可能になります。そのため、時間休の導入は従業員にとってもメリットのある制度と言えるでしょう。

有休の使い方のバリエーションが広がる

時間休は従業員にとって、有給休暇消化のバリエーションが広がるというメリットがあります。会社員は基本平日勤務のため、病院受診や市役所での行政手続きなどの用事があると、有給休暇を取得せざるを得ません。しかし、1時間程度で解決する用事のために、1日会社を休むのは勿体ないと考える人も少なくありません。そんな場合にも時間休みは、用事を済ませるのに必要な時間だけ休めます。そのため、制度を導入するだけで、従業員は有休消化方法の選択肢が広がります。

時間休を導入するデメリット

企業のデメリット

管理が複雑化する

有給休暇の取得は、管理側からすると労働者がどれだけ休みを取得しているか、残りの休暇は何日あるのかを逐一管理しなくてはなりません。時間休は1時間単位でこれを行わなくてはならないため、一日単位の有給休暇制度よりは管理が複雑化します。このような理由から、時間休は労務管理を行う立場から見ると、業務が複雑化するため面倒に感じられるリスクがあります。そのため、導入時には手続きや休暇の管理にどれだけの労働力が必要かも加味して、考慮する必要があります。

従業員のデメリット

有休取得日数が少なくなる恐れがある

時間休はこまめに休暇を取れるというメリットがある反面、休暇を取り過ぎると一日単位の有休がとりにくくなるデメリットが発生します。従業員が一年に取得できる休暇の日数は、企業によって定められており、時間休の制度があっても休暇の日数が変動することはありません。そのため、時間休を摂りすぎると、後から休暇を取りたい時に必要な日数が余っていないという場合もあります。また、時間休は1時間単位の休暇のため、頻繁に取得すると現在自分にどれだけ休みが残っているのか分かりにくいのも難点と言えます。

時間休を導入する際に定めるべき事項

取得可能な労働者の範囲

企業には、正社員や契約社員の他にもアルバイト勤務など、様々な雇用形態の人材が所属しています。そのため、時間休を導入する際には、時間休を取得できる労働者の範囲を明確に定める必要があります。例えば、企業で雇用しているすべての人材に時間休を適用してしまうと、従業員の休暇日数を管理する際のコストが大きくなります。しかし、時間休の適用範囲を正社員に絞れば、管理対象を少なくすることが可能です。導入時の負担を減らしたい場合には、上記のように適用範囲を絞るのも一つの手段です。

取得可能な日数

時間休を取得できる日数は、5日以内と決められています。そのため、企業は5日以内であれば、時間休の取得可能日数を任意の数に指定できます。試験的な導入であれば、あらかじめ時間休を1日から2日までと定めておき、様子を見ながら増やしていきましょう。これを行うことで、より労務の負担を軽減しながら休暇の管理が可能になります。そのため、時間休の導入を検討する際には、どれだけの日数を適用するかについても検討していくことが大切です。

1日の有休を何時間とするか

時間休を導入する際には、1日の有給休暇を所定労働時間に合わせて何時間と定義するかを決める必要があります。例えば、企業で定める所定労働時間数が1日8時間であれば、1日の有休は同じく8時間となります。また、時間が7時間半など分刻みの場合は、労使協定のルール上時刻を切り上げて8時間としなければなりません。さらに、その日によって1日の労働時間が異なる場合は、1年間での1日の平均労働時間を元に1日の有休を何時間とするか決定し、労使協定書に記載します。

時間休の注意点

労働者が自由に取得できる

時間休は、通常の有給休暇と同じく労働者が自由に取得できるようにしなくてはなりません。例えば、労働者が時間休の取得申請をした時に、上司が「今日は忙しいから控えてほしい」と拒否することはできません。さらに、時間休の具体的な時間も労働者が任意で決めることができます。労働者は有給休暇取得の理由を説明する必要も無いため、雇用側上記の点も踏まえて適切に対応する必要があります。また、時間休は取得できる上限が5日以内と決められていますが、無理にこの上限まで取得する必要も無い点も留意しておきましょう。

例外的に時季変更権が認められる

上記の通り、時間休は労働者が自由に取得できる権利のある休暇ですが、例外的に時季変更権が認められる場合もあります。具体的には、繁忙期により職場に人員が足りない場合や、他の従業員と希望が被ってしまった場合がこれに当たります。このようなケースでは、物理的な問題から企業が正常に運営できなくなる可能性があるため取得時期の変更が可能です。ただし、変更の際には労働者に納得できるように合理的な説明を行う、別日に休暇を取れるよう配慮するなどの対処が企業側には求められます。

年5日以上の有休を与えなければならない

企業には従業員が1年に5日以上の有給休暇を与えなくてはならない義務が、労働基準法39条において定められています。この最低でも取得させなければいけない休暇には、時間休はカウントされません。そのため、例えば職場で5日分の時間休を取れる制度導入する際には、従業員に最低でも取らせなくてはいけない5日の休みとは別に5日の休暇を付与する必要があります。このような理由から、導入時には従業員に与える有給休暇の日数を何日間に調整するか検討しなくてはなりません。

看護休暇や介護休暇がある場合は別途で認める必要がある

労働者は家族に看護や介護が必要な人がいる場合に有給休暇の他に、看護または介護休暇を取得でき、雇用側は申し出があった場合は原則受け入れなくてはなりません。さらに、看護休暇や介護休暇は時間休と同じく1時間単位で取得可能です。そのため、時間休と混同しやすいですが、企業は上記の休暇について有給休暇とは別途で認めなくてはなりません。このような理由から、従業員が看護休暇を利用して数時間だけ休んだ場合にも、時間休を消化したことにはならないので注意が必要です。

翌年への繰り越しが可能である

時間休は、1日単位の有給休暇と同じく翌年への繰り越しが可能です。これは、余った有休の日数が数日と何時間かになった場合にも同様に適用されます。そのため、例えば前年使わなかった有給休暇が5日と4時間ある場合には、翌年は新規で付与される有休と別に残りの5日と4時間の有休が付与されます。ただし、1年に取得できる時間休の上限は5日までなので、年度が更新されても翌年に取得できる時間を5日以上に増やすことはできません。時間休を導入する際には、上記の点にも注意しておきましょう。

休憩時間には適用されない

時間休が適用されるのは、あくまで労働時間のみであり元々就業時間の間に設けている休憩時間はカウントされません。そのため、1時間のお昼休みを挟んで数時間の時間休を取得した場合に減算されるのは、職場に不在だった時間から休憩時間を引いた時間数になります。この時に、休憩時間も有給休暇にカウントしてしまうと、労働者は1時間分休暇を損してしまうことになります。このような理由から、時間休を計算する際には誤った計算方法になっていないか注意して記録しておくことが大切です。

まとめ

時間休の特徴を理解して導入を検討しよう

時間休は、様々な背景を抱える労働者のライフスタイルに合わせて利用でき、企業側にとっては自社のイメージアップや労働生産性の向上が期待できるというメリットがあります。そのため、導入すれば両者にとって良い影響を与えられる制度と言えるでしょう。しかし、導入時に明確な取り決めが成されていないと、従業員の有給休暇の日数管理等に悪影響を及ぼすリスクも少なくありません。そのため、導入時には制度が及ぼす影響なども考慮した上で、慎重に進めていく必要があります。

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