記事更新日:2021年02月05日 | 初回公開日:2021年01月15日
用語集 人事・労務お役立ち情報 グローバル用語解説評価制度とは社員の能力や業績、仕事に対する意識等を評価し、企業の運営や発展に役立てる目的で用いられる制度のことを指します。評価制度は国や時代背景により変化するもの。そのため既に評価制度を活用している企業であっても定期的に評価制度を見直し、最善の評価制度を利用する必要があります。長年同じ評価制度を使っている場合、評価の結果から社員が企業に対し不満を持ってしまう可能性もあるでしょう。
評価制度を取り入れる目的に、会社の目標や方針を社員に理解してもらうためという点があげられます。企業方針や現在企業で目標と掲げていることを社内全体で共有できていますか。一般的に評価制度を作成する際は企業方針や現在の会社の目標を元にすることが多いです。そのため評価制度を活用することで社員たちは今会社が求めていることを把握することができるでしょう。企業の方針が理解できれば社員も何に注力すべきなのかが明らかになるため業務効率も上がり、理想の企業へ近づくことができるかもしれません。
評価制度を取り入れる目的として、社員のモチベーションを向上させるためという点もあげられるでしょう。貴社では社員のモチベーションを維持するための取り組みを行っていますか。社員のモチベーションを維持することができなければ業務効率が落ちたり、業績の悪化を招く原因になってしまいます。評価制度を取り入れることで社員の気を引き締めることができ、最終的に社員のモチベーションを向上させる効果が期待できるでしょう。
評価制度を取り入れる目的として、社員の処遇や人事配置を見直すためという点もあげられるでしょう。客観的に社員の能力を判断したうえで、社員の処遇や人事配置を決定できているでしょうか。評価制度を導入すれば企業への貢献度が高い社員を抽出できるため、処遇や人事配置を見直す際のデータとして評価制度を利用できます。また評価制度を用いて処遇や配置を決定することで自分の能力が会社に正当に評価されていると感じることができ、社員からの企業イメージも向上することでしょう。
評価制度を取り入れる目的として、上司と部下間のコミュニケーションを深めるためという点もあげられるでしょう。部署内で社員たちがうまくコミュニケーションできているか確認していますか。不安なことや悩みごとがある時、すぐ上司に報告や相談ができなければ業務中に事故が発生する可能性があります。一般的に評価制度を用いて評価を行った後は上司と部下との間でフィードバックを行います。フィードバックを行う中でコミュニケーションを深めることができ、万が一の事故も防ぐことができるかもしれません。
評価制度は年功序列主義から成果主義へ変遷したと考えられています。戦後、日本は高度経済成長期に入り、労働者たちは安定した職場環境を、企業は安定して人材を確保し続けたいという思いから年功序列主義の評価制度が日本で広まりました。しかしバブルが崩壊するとともにリストラされる労働者が増え、能力の高い社員が生き残る時代に突入。これらのことから経済状況の変化によって日本の評価制度は年功序列主義から成果主義に変わっていったと言えるでしょう。
アメリカではノーレイティングを取り入れる企業が増加しています。ノーレイティングとは社員にランクをつけて評価しない評価制度のこと。日本企業では評価期間を決めてA評価やB評価、S評価などと社員をランク付けして評価をすることが多いでしょう。しかし今の日本のような評価制度をアメリカで使用した際、リアルタイムで自分の努力を評価されない点や失敗への不安から思い切りのある挑戦ができないといった問題が発生。これらの問題を解消すべく、現在のアメリカではノーレイティングの評価制度が広まっています。
評価基準の1つに業績評価があげられます。業績評価とは社員が企業の業績にどれほど貢献できたかをみる評価基準のこと。業績評価を評価制度に取り入れることにより年功序列の評価制度をなくし、社員1人1人の功績を平等にみることができるといったメリットを感じられるでしょう。業績評価は営業職だけでなく、職種ごとに目標を設定しその目標を達成できたかどうかを見ることで、他部署でも利用できる評価制度になります。
評価基準の1つとして能力評価もあげられるでしょう。貴社では社員の知識や技術を定期的に評価できているでしょうか。そもそも能力評価とは業務を行う上で必要となる知識や技術をどれだけ社員が有しているか見て評価する評価基準のこと。業務を行う中で知識量や技術面は成長するため、能力面も一度だけでなく定期的に評価する必要があります。社員に対し業務に関する知識や技術をもっとつけてほしいと考えている企業の場合は特に、能力評価を評価制度に盛り込むといいでしょう。
評価基準の1つとして情意評価があげられるでしょう。データで見える部分のみで社員を評価していませんか。情意評価とは会社に対する想いの強さや業務への意欲といった社員の精神面を評価する評価基準のこと。データには表れない精神面の評価を行うことで、理想の社員を育てることができるといったメリットがあります。また人格面を評価対象に入れることにより、業績や能力が高ければいいといった自分勝手な考えを持つ社員を減らすこともできるかもしれません。
評価制度の手法として目標管理制度(MBO)があげられるでしょう。貴社では社員たちが積極的に業務を行っているでしょうか。目標管理制度とは社員自身が仕事上の目標を立て、その目標の達成度を見て評価する手法のこと。目標管理制度は社員自身で目標を立てて実行していくため、社員の主体性が向上するメリットがあります。仕事に対するモチベーションを上げてほしい、もっと社員1人1人が会社の一員として仕事に励んでほしいと考えている企業にとって目標管理制度はおすすめの手法でしょう。
評価制度の手法としてコンピテンシー評価もあげられます。コンピテンシーとは高い成果や業績に繋がる行動特性という意味。コンピテンシー評価は自社の理想の社員像をコンピテンシーモデルとして設定し、そのコンピテンシーモデルを評価基準として社員を評価する手法のことを指します。コンピテンシー評価を行うことにより、理想の社員像が会社側も社員側も明確になるため、社員の育成にも利用できる手法だと言えるでしょう。
評価制度の手法として360度評価があげられます。360度評価とは上司だけでなく、部下や同僚など様々なポジションの社員が他社員の評価を行う評価手法のこと。業務の都合上、上司だけで評価を下すのは情報に乏しいと感じている企業もあるかもしれません。360度評価を用いることで上司の評価だけでは分からなかった社員の働きぶりを知ることができ、処遇や配置転換を行う際の有用な情報として評価結果を活用できるでしょう。
評価制度の手法の1つとしてOKRもあげられます。OKRとは企業の目標を達成するためにそれぞれの部署やチームで何ができるかを考え、目標を決めて達成状況を評価する手法のこと。OKRを導入することで企業全体が1つの目標に向かって業務に取り組める点から、業績の向上が見込めるというメリットがあります。処遇の決定ではなく生産性を向上させるために導入される手法である点や、短期スパンで評価を行う点が目標管理制度との大きな違いと言えるでしょう。
評価制度を用いる際のポイントとして、直属の上司が評価を行う点があげられます。貴社では社員を評価する評価者の選定をどのように行っているでしょうか。一般的に評価制度を用いて社員を評価する場合、一番近くで社員の働きぶりを見てきた直属の上司が評価者となることが多いでしょう。特に部下の精神面や能力面の向上は長時間一緒に働いている社員でなければ分からないことが多いです。評価者の選定を行う際は社員の努力過程を知っている社員を選ぶようにしましょう。
評価制度を用いて評価する際のポイントに、直近の行動のみで社員を評価してはいけない点もあげられます。評価を行う際、直近の勤務状況だけを見て社員を評価していないでしょうか。評価日直近の勤務態度や業績のみで評価を行うと、評価日近くで仕事に精を出し評価が終わると仕事に身が入らなくなる社員が出てくる可能性があります。このような社員が高く評価されるようになれば企業に対する信頼を失いかねません。評価者は社員たちの日々の行動を記録し、評価期間全体を見て評価できるよう努めましょう。
評価制度を用いる際は、評価基準を社員にあらかじめ説明しておくこともポイントの1つでしょう。実際に評価を行う前に評価基準を社員に共有できていますか。事前に社員へ評価基準を説明しておかなければどういう基準で評価されるのかが不透明となり、評価結果に不満を持つ社員が出てくる可能性があります。また評価基準をあらかじめ伝えておくことで企業の方針や理想の社員像が明らかとなるため、社員も目標を立てて業務にあたることができるでしょう。
評価制度を用いて評価を行う際は、私情を挟んだ評価を行わないように注意しましょう。上司に気に入られる行動ができているかで昇進が決まると考えている社員もいるかもしれません。しかし上司との関係の深さや好き嫌いで社員を評価してしまうと評価基準が曖昧になり、評価結果に不満を持つ社員が出てくる可能性があります。また私情を挟んだ評価を行えば昇進すべき社員が昇進できないといった人事配置のミスが発生してしまうかもしれません。評価者は俯瞰的な目で評価を行うことを決して忘れないようにしましょう。
評価を行った後、上司から部下へ評価結果のフィードバックを行うこともポイントの1つです。評価結果のフィードバックを行うことで、社員は会社からどのように見られているかや今後の目標が分かってきます。またどうしてこのような評価になったか社員に説明する場を設けることで、評価結果に不満を持つ社員からの反発を抑えることもできるかもしれません。社員の成長を促し、仕事に対するモチベーションを維持してもらうためにも、必ず評価後は社員に評価結果のフィードバックを行いましょう。
評価制度をうまく利用できれば業績の向上はもちろん、社員のモチベーション維持や配置転換を行う際の資料として有効活用できるでしょう。反対に評価制度をうまく活用できなければ会社へのイメージが低下する原因となったり、人員配置の際にミスが生じる可能性が出てきてしまいます。これらのことからも評価制度をうまく活用できるかは今後の会社の発展のためにもとても重要です。社会情勢を見ながら常に最善の評価制度を使って社員を評価するよう心がけましょう。
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