eNPSとは【調査方法や実際の活用事例をご紹介します】

記事更新日:2023年01月18日 初回公開日:2023年01月18日

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「顧客満足度」や「従業員満足度」という言葉を耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。企業経営を行っていく上で、顧客満足度を高めリピーター等を作ることはとても大切です。しかし、人材不足が社会問題となっている今では、自社で働いて貰っている従業員の働きがいを高め離職されないように対策を行うことも欠かせません。従業員の会社への満足度を図るものとして活用されているのが、「eNPS調査」です。eNPS調査のメリットや手順について解説していきます。人事担当者の方は参考にしてみてください。

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eNPSとは

職場の推奨度を点数化したもの

eNPSとは、職場の推奨度を点数化したものです。Employee Net Promoter Scoreの略称で、従業員エンゲージメントとして職場への貢献度を表す指標として使われています。元々、Appleが顧客のロイヤリティを明らかにするために活用していたNPS(顧客推奨度)を利用して、従業員の貢献度や会社に対しての愛着度を可視化するために用いられたのが最初です。eNPSを活用し数値化することによって、企業や職場の問題の可視化によって対策を練る事ができます。

eNPSとESの違い

eNPSの方が調査後に活かしやすい

eNPSとESの違いは、eNPSの方が調査後に活かしやすい点です。ESは従業員のモチベーションや、業務への満足指数を表すための従業員満足度として活用されています。ESを実施している企業も多いのではないでしょうか。eNPSはESよりも職場への従業員からの満足度が把握しやすい特徴があります。ESよりも掘り下げた質問を行うため、従業員の評価が可視化されやすくなっています。また、eNPSでは点数ごとに「推奨者」「中立者」「批判者」と3つに分類されるようになっており、分類ごとの対策を立てることも可能です。

eNPSの調査から職場改善までの手順

調査から職場改善実行までを行う担当者を決める

eNPSは調査を行う前に、調査から職場改善実行までを行う担当者を決めておきましょう。専任担当者を決めずにeNPSを行おうとすると、せっかく調査をしても職場改善に活かせずに終わってしまうこともある為、実施前に決めておくことが大切です。社内環境などを良く知り、向上を目標としている人事部から選ばれることが多い傾向です。専任担当者は、導入するeNPSの比較や質問内容の決定・職場改善の施策立案実行までを行います。専任担当者を行うことが負担にならない様、事前にしっかりと指示を出しておきましょう。

eNPS調査を行って職場の現状を理解する

eNPS調査を行った際には、職場の現状をしっかり理解する必要があります。eNPSは質問項目が多ければ多い程、データ分析はより行いやすくなります。従業員に回答してもらったeNPS調査の結果をもとに、eNPSを活用している同業他社の結果を参照し照らし合わせを行いましょう。他社平均と比べて、自社内で平均より低いスコアの部分に注力して職場改善を行う必要があります。スコアの高い項目を伸ばすことも大切ですが、スコアが低い部分を把握し何が不満に繋がっているのか把握することが重要です。

調査結果を分析して施策を立てる

eNPSの調査結果を分析して、職場に合った施策を立てましょう。eNPSのスコアが低い部分に対して、項目別に職場環境改善に向けた対策が必要です。部署間やチーム内でのコミュニケーション不足が問題になっている場合には、メンター制度の活用やレクリエーションの企画などを行います。労働環境への不満が多い場合には、ノー残業デーの設定や福利厚生の制度設備など従業員の不満が解消されるような施策づくりを行っていきましょう。

施策を実行する

eNPSで職場改善を行うには、調査結果に沿って立てた施策を実行することが重要です。ポイントが低かった部分を改善するために挙げた改善策を実行するだけで終わらないようにしましょう。実際に行った施策に対し、効果を検証することも大切です。前回行ったeNPSで、ポイントが低かった項目の数値が上がっていれば施策の効果が発揮されている証拠です。しかし前回と数値が変わらない場合は、施策が適切ではない事が示されているため今一度施策を立て直さなければなりません。職場環境を改善していくためには、効果や検証が大切です。

eNPSの計算方法

推奨者の割合から批判者の割合を引く

eNPSの数値は、推奨者の割合から批判者の割合を引くことで計算することが可能です。先述したように、eNPSでは結果が3つのセクションに分類されます。eNPSでは「自分が所属している会社で働くことを親しい友人や家族にどれくらい勧めたいと思いますか?」という質問を行います。0-6点を付けた人を「批判者」、7もしくは8点の人を「中立者」、9・10点の人を「推奨者」とします。推奨者の割合から批判者の割合を引く為、最小値は-100となり最大値は100として表示されます。

eNPSの平均スコア

国内企業は-40から-20程度

eNPSの平均スコアは、国内企業は-40から-20程度です。アメリカ企業と比べると、平均を見てもeNPSが低いスコアになっています。その理由としては、日本人は平均的な数値を好む傾向にあります。特段職場や会社への不満がない従業員も、4-6点を選ぶ人が多く存在しています。4-6点ではeNPSは批判者に分類されてしまう為、従業員が批判するつもりがなくても企業としての数値は低くなりマイナスになる傾向です。eNPSの数値が高いとされている官公庁や自治体でも、数値は-40前後となっておりあまり高いとは言えない数値になっています。

eNPS導入のメリット

従業員の離職防止に繋がる

eNPSを導入する事で、従業員の離職防止に繋がります。慢性的な人手不足がどの企業でも問題になっており、転職を考えている人にとっては選択肢が増えチャンスが広がっています。優秀な人は引く手あまたの為、自社の従業員に離職されないような対策が必要です。eNPSで「批判者」に分類された人達は、中立者や擁護者の約2倍以上離職する可能性が高いとされています。項目ごとに分析することによって、不満の原因を明らかにすることが可能です。不満を取り除く施策を行うことで、従業員の離職を防ぐことが出来ます。

顧客満足度が上がる

eNPSは顧客満足度が上がるメリットがあります。eNPSはマイナス面に注視し環境改善に活用するだけでなく、従業員がどの部分に働きがいを感じているのかも数値として把握することが可能です。ポイントが高い従業員程、仕事へのモチベーションを高く持っています。企業からの期待に応えようと、顧客へサービスや商品をより良く提供しようと考え行動を行います。それにより、従業員のスキルアップも見込め顧客へのサービスも向上し、顧客満足度を高めることが可能です。

リファラル採用に活用できる

eNPSを導入するメリットは、リファラル採用に活用できる点です。リファラル採用は、既に働いている従業員の知り合いや友人を紹介して貰い採用する手法です。eNPSが高い従業員は、勤めている企業に愛着を持っている場合が多い為、知人や友人に紹介する際に良いイメージのまま紹介を行います。紹介された友人・知人は似た考えの人が多い傾向にある為、リファラル採用を活用することでミスマッチを減らし定着率を高めることも出来ます。

業績が向上する

業績の向上が見込めるのも、eNPSを導入するメリットです。eNPSを上手く活用できている企業は、従業員の流出防止や採用に活かしているだけではありません。企業への愛着度が高い従業員が増えていくことにより、自社の商品やサービスの質の向上も見込めます。商品やサービスの質が向上することによって、顧客満足度を高めることも可能です。顧客満足度が上がることによって、リピーターの獲得や既存客の口コミなどで新しい顧客の獲得にも繋がります。eNPSを上手く活用することで、社内の様々な改善へと繋げることが出来最終的に企業の業績アップも見込めます。

eNPSを高める方法

コミュニケーションが多く個性が活かせる雰囲気を作る

eNPSを高めるためには、コミュニケーションを多く取ることが出来て個性が生かせる雰囲気作りを行いましょう。eNPSのポイントを上げるためには、従業員が働きやすいと考える環境を提供する必要があります。他の従業員としっかり連携が取れており、型にはまらず個性を生かして働ける環境は従業員の承認欲求等を満たすことが可能です。承認欲求が満たされることで、自主的に動ける従業員も増えて行きます。またミスした時には個人を攻めるのではなく、原因追及などを一緒に行うことでeNPSを高めることが出来ます。

研修や評価制度を見直す

研修や評価制度の見直しを行うことによって、eNPSを高めることが出来ます。しっかりとコミュニケーションが取れてスムーズに業務を行えるようになると、日々の業務は楽しくなるはずです。しかしいくら日々の業務が楽しいと感じていても、頑張りが給与に反映されなければ不満に繋がりかねません。きちんとした基準の元で公平に評価されていると感じることによって、eNPSのポイントを高めることが出来ます。給与だけでなく、組織への貢献度が見える化しやすいサンクスカードやポイントを送りあう制度等があると従業員のエンゲージも高まります。

eNPSを活用するポイント

課題から次のアクションを考える

eNPSを活用する際には、課題から次のアクションを考えることがポイントです。eNPSは職場改善に最適な手法ですが、平均と比べて低いスコアばかり気にしていては上手に活用することは出来ません。ポイントが低い部分から職場の不満になっている原因や課題を見つけ出し、ポイントが高い項目から従業員が自社の強みだと考えている部分を把握しましょう。見つかった問題点や課題の解決に向け、改善するための施策を立案実施していき、eNPSを定期的に実施することで評価がどのように変化していくのか継続的に行うことが重要です。

セグメントに合わせた対策を行う

セグメントに合わせた対策を行うことも、eNPSを活用する時のポイントです。eNPSは結果により3つに分類されます。従業員が感じている問題点や強みは、セグメント別で表示することも出来る為それぞれ分類された人達に適した対応を取ることが可能です。業務上で優秀な人材が「批判者」に分類されている場合には、原因を探り問題を解消できる施策を実施します。そうすることによって、優秀な人材の離職を防ぐことが出来ます。また普段パフォーマンスがあまりよく無い人が「批判者」にいる場合にも、問題と感じている部分を改善することで仕事への意欲が上がり生産性の向上が可能になります。

eNPSの活用事例

ヤクルトスワローズ

株式会社東急エージェンシーでは、半年に一度eNPSを行い職場改善等に活用しています。東急エージェンシーは、働き方改革や女性躍進推進を進めるための部署を2017年に立ち上げました。eNPS調査を活用し、社内風土の改善や評価制度の見直し等様々な改善を実施し社員のエンゲージメント向上を行っています。eNPSの調査で不満が多かった業務時間の長さを改善するために、在宅ワークの導入や会議時間の短縮等従業員の声に沿った改善に努めています。定期的にeNPS調査を行い、結果に沿った改善を行うことで徐々にeNPSのスコアを上げることにも成功しました。

まとめ

eNPSを活用して従業員に対する理解を深めよう

eNPSを高めるポイントや、活用事例に関して解説しました。人手不足の影響により、新しい人材を採用することは簡単ではありません。しかし自社で働いてくれている従業員の企業への愛着度や、働きがいを高めることによって企業への貢献度も上がります。企業への貢献度が高い従業員が増えて行くと、自然と顧客満足度のアップや企業の業績向上も見込めます。eNPSは1回行えばいいのではなく、定期的に実施することで職場改善へと繋がります。eNPSを活用して従業員に対する理解を深めていきましょう。

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