給与テーブルとは【作成の作り方や注意点を詳しく解説します 】

記事更新日:2022年07月24日 初回公開日:2022年07月22日

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会社において賃金体系をどうするかや従業員をどう評価するかを決めることは非常に重要です。今回は、こうした賃金や従業員評価をまとめて示せることのできる給与テーブルについてご紹介します。給与テーブルの作成によって会社の業務効率や従業員の業務に対するモチベーションは大きく変わってきます。つまり、給与テーブルによって離職率や採用人数など、会社の人事に大きくかかわってくると言えます。ですので、経営者の方や人事担当者の方は是非ご一読下さい。

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給与テーブルとは

賃金や給与を決めるための基準となる表

給与テーブルとは、賃金や給与を決めるための表のことを指します。この表では新人から幹部レベルまで等級が振り分けられ、それぞれ給与額が割り振られます。給与テーブルの内容や等級の種類は会社によって多種多様であり、そこからその会社の特色や姿勢をくみ取ることができます。ま一例として、勤務年数の増加に応じて賃金も上昇する年功序列型の賃金テーブルであれば、長期間の勤務による経験を重視する会社であることがわかります。

給与テーブルの対立概念

成果報酬型の報酬体系

給与テーブルの反対の意味をもつものとして、成果報酬型の報酬体系が挙げられます。給与テーブルが社員や従業員の等級に応じて一定の給料を受け取る固定報酬型と呼ばれます。それに対して成果報酬型は会社側が設定した仕事の依頼に対する成果の有無が給料に影響します。つまり、成果報酬型においては等級に関係なく、成果がないと給料が下がってしまう恐れがあります。しかし、この二つにはメリットもデメリットも存在するので、両方を組み合わせた給与体系を持つ会社も多いです。

給与テーブル活用のメリット

従業員に安心感を与えられる

給与テーブルを活用するメリットとして、従業員に安心感を与えられる点が挙げられます。自身の給料がどのような基準や観点において決まっているのかを把握することで従業員は納得をし、安定して給料を得られるという安心感を得ることができます。また、従業員はどのような仕事の仕方をし、その態度がどのように給料につながっているかということを給与テーブルを通して理解することができ、それも安心感を与える一因となっています。

従業員に求めるものを伝えられる

給与テーブルを活用するメリットとして、従業員に求めるものを伝えられる点も挙げられます。給与テーブルは従業員の給与を設定するためだけのものではなく、どのよう能力が求められるのかや先ほども述べたように会社の姿勢を伝えるためにも用いられます。例えば、業務の資格試験の手当ての記載があるのなら専門的な能力を重視していることがわかりますし、家族手当があるのなら安心して働いてほしいというメッセージを伝えられます。

人件費の予算が立てやすい

人件費の予算が立てやすい点も給与テーブルのメリットです。給与テーブル会社の給与体系に一定の基準をもたらすことを意味するので、給与の支払いが毎月一定です。つまり、今後かかる人件費の見通しを立てやすく、かつ会社の資金管理がしやすいという大きなメリットがあります。人件費の予算が立てやすいことで、新たに従業員の採用をする際も従業員の給与の策定と給与体系の説明が迅速に行なえるため、スムーズに行えるでしょう。

給与テーブル活用のデメリット

従業員のモチベーション低下につながる

給与テーブルの活用にはデメリットも存在し、モチベーションの低下につながりうる可能性があります。給与テーブルにより給与が良くも悪くも決まっているので、その基準以上に頑張ってさらに報酬を得たい人のモチベーションをそぎ落としてしまう恐れがあります。また、給与の上限を知ることによって将来に不安を持ち、より良い条件や待遇を求めて同業他社に転職してしまう恐れもあります。企業側には部分的に成果報酬の制度も取り入れるなどといった工夫が求められます。

部署間の対立の恐れがある

給与テーブルの活用のデメリットとして、部署間の対立の恐れがある点も考えられます。会社によっては、部署内で必要とされる技術が大きく異なる場合があり、部署ごとにそれぞれ給与テーブルが設けられる場合があります。その内容によっては、賃金や待遇の違いによって対立が生まれてしまう恐れがあります。それにより社内の秩序が乱れる、または業務にも影響が出てしまいます。つまり、給与テーブルの賃金設定の根拠がどの従業員からも理解し、納得されることが重要うです。

業績変動へ柔軟に対応できない

業績変動に対して柔軟に対応できない点も給与テーブルの活用におけるデメリットと言えます。近年の世界の経済情勢は決して安定したものとは言えず、特に日本において景気は不確実性を帯びてきています。また、物価の変動もかなり激しい世の中です。そんな中で給与が安定している点は従業員にとってはメリットですが、経営側からするとそれらの担保は難しくなってきています。つまり、今の時代に合わせるのが難しくなりつつある形であると言えます。

給与テーブルの作り方

等級を決める

給与テーブルを作る手順として、まず等級を決定します。等級とは、仕事のスキルやレベルを段階的に表したものです。等級を設定する際には会社がどんな人材を大事にするかやどんな人材を目指してほしいかを考える必要があります。それに応じて等級の数や各等級の基準額を決定していきます。等級の数を決める際には、会社の成長スピードを高めること、そして5年後の会社のビジョンと目標を設定を意識すると良いでしょう。

報酬体系を決める

給与テーブルを作る手順をして、次に報酬体系を決めます。報酬体系は大きく分けて2種類存在します。基準内賃金と基準外賃金です。基準内賃金は主に時間内での労働の対価である賃金を指し、基本給などがそれにあたります。対して基準外労働は、会社が独自に定める手当のことであり、通勤手当や家族手当などが挙げられます。これらの項目をそれぞれの等級に盛り込んでいきます。この際の手当てはは等級ごとに差異を設けず、次に説明する役職手当で賃金に違いがでることが普通です。

等級の役職定義と役職手当を決める

給与テーブルを作る手順として、次に等級の役職定義と役職手当を決めます。チーフや課長、マネージャーなどが役職名にあたります。役職手当とは、役職に応じて支給する給与のことを指します。役職を定義した後に、それぞれの役職がどのくらい会社に重要かどうかなどを考え、役職手当の額を決めていきます。この際、最初に大まかに金額を決定した後に全体を見て調整することが好ましいです。基本的には権限や責任の重さが高いほど手当を大きくします。

非金銭報酬を決める

給与テーブルを作る手順として、次に非金銭報酬を決めます。非金銭報酬とは、従業員の組織への取り組みや貢献に対してお金以外の形で与える報酬のことです。具体的には表彰制度や社内での留学制度、フレックスタイムなどの働き方に対する制度が挙げられます。賃金という一つの基準しかない金銭型の報酬に対し、非金銭報酬は自由度が非常に高く会社の独自性を反映させやすいものと言えるでしょう。また、非金銭報酬を充実させることで金銭報酬を多少減らしても従業員からの満足感を得ることができるため、人事コストの削減にも繋がるでしょう。

賃金水準の根拠を決める

最後に、給与テーブルを作る手順として賃金水準の根拠を定めます。根拠は内部根拠と外部根拠に分けられます。内部根拠は業務内容やスキルに対する評価基準を指します。各業務内容の必要スキルの高さや専門性、労力などを加味して従業員が納得できるかどうかを確認します。外部根拠は、主に同業他社との賃金比較です。給料水準が他社より低い場合、当然求人は他社へ流れてしまい十分に採用ができない恐れがあります。これらの基準を考慮して賃金の設定に根拠を持たせましょう。

給与テーブル作成の注意点

一貫性を持たせる

給与テーブルを作成する際の注意点として、評価制度と等級制度の間に一貫性を持たせることが挙げられます。細かな内容まで完全に内容を一致する必要まではないですが、これらの間で矛盾が起こると従業員に求めるメッセージが曖昧となります。その結果従業員は何を目指すかがわからず、業務へのモチベーションの低下や会社への不信感を抱かざるを得ないでしょう。ですので、これらを設定する際には、会社の企業理念や求める人材を再確認することが重要と言えます。

客観的な基準を目指す

給与テーブルを作成する際の注意点として、客観的な基準を目指す点も挙げられます。給与テーブルに基づく評価制度や等級制度の運用の目的は、一つに従業員を客観的に評価することにあります。評価の際に主観的な要素があれば従業員は不公平感を感じ、等級や賃金に納得できず不満を持つでしょう。この基準は社内全体で使用されるものなので、誰が評価しても同じように客観的に評価ができるような給与テーブルの作成を心掛けましょう。

給与テーブルをあえて導入していない企業

株式会社サイボウズ

給与テーブルをあえて導入していない企業として、株式会社サイボウズが挙げられます。同社では、給与テーブルの一特徴である年功序列と給与との関係を見直し、転職した人でも評価される制度を設けました。その制度は、市場性という概念を重視したものです。転職者の採用に際して、過去の職場での能力を市場価値ととらえ、会社側がいくらでオファーするかを考えるというものです。つまり、会社側と従業員の間で給料の交渉が随時容易にできるというメリットがあります。今や日本でも転職者は増えてきており、そうした時代様式に合った制度と言えるでしょう。

給与テーブルを導入している企業

株式会社ユニクロ

給与テーブルを導入している企業として株式会社ユニクロが挙げられます。同社の給与テーブルは年収が20以上のグレードに分けられ、それぞれ明確に分かるように記載されています。そして同社は各グレードにおける年収の高さやキャリアパスの流れが明確であったことからネットで話題になりました。実際にその影響で求職する人も多くなり、採用のプロセスとしての戦略となったと言えます。このように、給与テーブルの開示は会社の採用戦略の一環となり、それを上手く活用したのが同社であると言えます。

まとめ

企業の方針に合わせて給与テーブルの活用を検討しましょう

給与テーブルを会社で運用することはデメリットもありメリットも存在します。会社の特徴に合わせて給与テーブルを使うのか、または成果報酬型の報酬体系を使うのかが変わってきます。新卒採用よりも転職採用を重視する企業であれば、年功序列型の給与テーブルよりも成果報酬型の給与体系の方が適しているでしょう。会社の企業理念や採用方針に合わせて給与テーブルを活用するかどうかを検討し、会社が今後発展しやすいような制度づくりを行なっていきましょう。

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