心理的安全性の意味とは?【ぬるま湯にならずに心理的安全性を高める方法】

記事更新日:2020年12月15日 初回公開日:2020年11月25日

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2019年度の世界幸福度ランキングでは、世界156カ国中日本は58位になっています。これは日本人が心理的に働きづらさを感じていることが原因と言われています。しかし、一般的に日本人は勤勉であり、真面目で誠実であることが長所です。仕事にもしっかりと向き合い、誠実にこなしている人がほとんどではないでしょうか。心理的安全性が高い人は、生産性を上げることができます。今回は、心理的安全性というキーワードについてご紹介します。心理的安全性を企業に取り入れたい人や、仕事の生産性を上げたい人は読んでみてください。

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心理的安全性とは

恐怖や不安を感じない雰囲気のこと

心理的安全とは、「一人ひとりが恐怖や不安を感じることなく、安心して発言や行動ができる状態」のことを言います。職場でどのような発言や言動をしても、他の人が受け入れてくれることです。日本人は空気を読んで発言することを重視する傾向があると言えるでしょう。それとは違い心理的安全性は、空気を読まない発言や突拍子もない発言に対しても拒絶をされない状態です。個々の意見を尊重することが大切です。安心して発言や行動ができる職場作りが大切です。

自分らしさが発揮できること

自分らしさが発揮されることで、心理的安全性が高まります。仕事場で自分らしさが発揮できないと、自分の発言や言動に対して自信が持てなくなってしまうでしょう。社員一人一人が相手の発言や言動を尊重し合うことが大切です。職場で過ごす時間は一日の中で最も長い時間です。一日の多くを自分の気持ちに正直に過ごすことができれば、心理的安全性も自然に高まります。自分らしさが発揮できることで、率先して業務改善を行い、社員同士の協力し合う心が生まれるでしょう。

心理的安全性がないとどうなる

無知だと思われる不安が増す

心理的安全性が低い人は、仕事の中で分からないことがあった時、こんなことを聞いたら自分は相手に無知だと思われるのではないかという不安を感じます。不安を感じる理由は、感じたことを自分らしく発言するのが難しい職場環境にあることです。こんなことも分からないのかと相手に思われることが不安で、質問をできないというケースが上げられるでしょう。自分が相手に無知だと思われる不安を感じ、相手に分からない部分を質問できないと、仕事の疑問が解決されないままになってしまいます。相手に分からないことを質問しないままにしておくとやがてミスに繋がる可能性もあります。

邪魔をしているという不安が増す

心理的安全性が低い人は、ミーティングなどで発言をする時に不安を持ちやすい傾向があります。理由は自分の発言が相手の邪魔をしていると思い込んでしまうからです。邪魔をしているという不安が生じると、自発的に発言をしなくなってしまうでしょう。すると、創造的な発想が生まれにくくなり生産性も下がってしまうかもしれません。反対に邪魔をしているという不安が無い状態であれば、様々な意見を出し合うことができるでしょう。

無能だと思われる不安が増す

心理的安全性が低いと、仕事でミスをした時に無能だと思われる不安が増します。また、行動をした後失敗をした時に相手から無能だと思われるのではないかと不安になります。仕事のミスや失敗したことを言わなくなることで、さらに重大なミスが起こる危険性が生まれます。また、自分の起こしたミスを認めなくなり問題が可視化されません。無知だと思われる不安が無い状態であれば、問題やミスが早い段階で報告され、業務がスムーズに進んでいくでしょう。

ネガティブだと思われる不安が増す

業務の改善について指摘をしたいと思った時にネガティブだと思われるのではないかという不安が出てきます。仕事に関する指摘をすると、物事に対して否定ばかりすると思われると感じてしまうからです。大切な場面で相手に指摘しないことが続くと、チームで改善すべきことが改善されなくなってしまう危険性があります。反対にネガティブだと思われる不安が無ければ、業務に関して感じたことなどを素直に言うことができます。それにより、業務の改善化などが進み、仕事がより良い方向で進んでいくでしょう。

心理的安全性を確保する目的

生産性の高い職場を作る

心理的安全性を確保する目的は、生産性を上げ成果を出すためです。心理的安全性が確保されると、チームは将来のビジョンを見つけることができるようになるでしょう。そして、チームが一丸となって一つの目標に向かっていきます。自由な雰囲気で自分らしい発言や言動ができる環境は、心地良さを感じます。結果、生産性や集中力が上がるでしょう。生産性の向上は企業の業績アップや、個々人のスキルアップに繋がっていきます。企業内にポジティブな変化が訪れるでしょう。

効果的なチームを可能とする条件を探す

社員の生産性を上げ成果を上げる、効果的なチームとは何かを模索し続けることは大切です。心理的安全性は、効果的なチームを実現することの一つとして大きな役割を果たします。心理的安全性を確保することは、チームが一つになり同じビジョンに向かって進んでいくことに繋がるでしょう。企業全体で成果を上げることは、一人一人が活発に自由に発言や言動ができる環境が大切です。日頃から効果的なチームを実現するために心理的安全性を確保していきましょう。

心理的安全性の高め方

相手の気持ちを理解しようとする

相手の気持ちを尊重し、理解しようとすることが大切です。相手の話を遮らず、最後まで耳を傾けます。また、ざっくばらんに話せる雰囲気が作れるようにしましょう。相手の気持ちを理解しようとすることで自由な発言ができる雰囲気作りをしていきます。チームの一人一人が空気を読んで発言しているという状態を作り出さないようにしましょう。自由に議論が交わされるようにチーム全体が相手の気持ちを理解しようとする姿勢が大切です。

相互の積極的な交流を図る

社員同士で積極的な交流を図るようにしていきましょう。ミーティングを高い頻度で行い、こまめなコミュニケーションをしていくことが大切です。ミーティングを頻繁に行うことで、お互いの本音や素直な気持ちを話しやすくなるでしょう。自分らしい発言ができるようになると、心理的安全性が高くなります。業務の進捗や仕事の目標を素直な気持ちで共有し合うことはとても良いことです。ポジティブな出来事などを皆で話し合うと、心理的安全性だけでなくモチベーションもアップするでしょう。

心理的安全性を確保するメリット

生産性が上がる

チーム全体が精神的に安心して仕事が行えることで生産性が上がります。一人一人の発言が制限なしに自由に行われることで、議論が活発化し情報交換がスムーズになります。トライアンドエラーを繰り返すことで業務改善の向上に速く近づくことに。活発に議論が交わされることによってチーム一人一人の学習の効果も高まりを見せるでしょう。また、心理的安全性が高いと個々人がフロー状態に入りやすいと言われています。心理的な安心感から集中力が上がり、生産性も向上します。

将来のビジョンが描きやすくなる

一人一人の心理的安全性が確保されることによって、ビジョンが明確化しやすくなります。チームの各々が自由な雰囲気で自分らしく働けるようになると、一人一人のビジョンが明確になるでしょう。また議論を活発に交し合うことで、チームのそれぞれのビジョンをよく知ることができるようになります。そして、チーム全体の将来のビジョンが描きやすくなります。チーム全体が同じ目標に向かい、行動にまとまりを見せるようになるでしょう。一人一人が将来について話し合うことで、それぞれのビジョンがはっきりする役割もあります。

心理的安全性を確保するデメリット

社員の向上心が停滞する可能性がある

職場が自由な雰囲気になりすぎると社員の向上心が低くなる可能性があります。自由に発言ができる場所では、社員は心地良い雰囲気で働くことができるでしょう。しかし、心地良いばかりに仕事への責任感ややる気がない人が出てきてしまうと、かえって逆効果になります。仕事のやる気がない人が、他の人に悪影響を与えてしまう可能性もあるのです。職場の雰囲気が優しい雰囲気になりすぎて、ぬるま湯のようになってしまうのは良くありません。社員の向上心が常に上を向くような意識付けを行いましょう。

心理的安全性を取り入れる際の注意点

社員の責任感が薄れないようにする

自由な雰囲気を取り入れるあまり、社員の責任感が薄れないようにしましょう。自由な雰囲気で、自分らしく働くことができることは良いことです。しかし、自分の行動や発言には責任を持ち、緊張感を持って仕事に挑むことも大切です。社員の心理的安全性を高めるために、注意や指摘をしない職場になることはよくありません。一人一人の能力が伸びず、会社の業績にも悪影響を与えかねません。注意や指摘はしっかりと行い、社員の生産性を上げることにも意識していくことも大切です。

上司としての指導は怠らないようにする

部下に対して、業務の注意や指摘をするなどと言った上司としての指導は怠らないようにしましょう。心理的安全性を高めようと意識するとどうしても注意や指摘をすることがしにくくなります。しかし、部下への注意や指摘をすることは大切です。それにより、部下は業務を改善し、業務を正しい方向へ進めていきます。上司としての役割はきちんとすべきです。普段の接し方で心理的安全性を高めることに意識しつつも、部下が間違ったことをした場合には注意や指摘をしていきましょう。

心理的安全性を導入している企業

google

Googleでは、ピアボーナスという同僚にお金を渡してお礼ができる制度を行っています。ピアボーナスとは社員同士が互いに報酬を送り合うことのできる制度のこと。1人ずつにピアボーナスの決定権があり、指定した相手にボーナスを送ることができるという制度です。ピアボーナスを支払いたい人の名前と理由書くことによって相手にボーナスが支払われるという仕組みになっていて、社員一人につき15000円の決裁権があります。お礼をもらった人は、ますます仕事へのモチベーションや生産性が上がることでしょう。お互いのポジティブな気持ちを促す素敵な制度です。

ヤフー

ヤフーでは、Googleも導入しているという1on1ミーティングを行っています。部下と上司が1対1でミーティングを行うというもの。柔らかい雰囲気で行われ、1回30分程度行われます。上司は部下を尊重し、部下の話を傾聴します。部下は自分の話が尊重されていると感じることで、心理的安全性が高まるでしょう。部下が本音を言いやすい雰囲気を作り出すことで、問題の早期発見や業務改善に繋がります。結果、生産性が大きく向上するでしょう。

メルカリ

Googleのピアボーナスと似た制度で、メルカリは「メルチップ」という制度を行っています。日頃の業務での行いをスタッフ同士がメッセージアプリ上で、褒め合い感謝できるというもの。またインセンティブとして社員同士で、報酬を送り合うことができるという制度です。気軽に感謝の気持ちを送り合うことができることは職場の士気を上げます。感謝の気持ちをフランクに伝え合える機会は社員の心理的安全性を向上させるでしょう。

まとめ

心理的安全性を確保し社員のパフォーマンス向上を検討してみよう

職場の心理的安全性が確保されることで、社員のモチベーションや生産性が大きく上がります。そのためには相手の気持ちを理解しようとし、一人一人の発言や言動を否定せず尊重することから始めていきましょう。もちろん、職場の自由な雰囲気のせいで責任感が薄れ、上司が部下に注意や指摘をしないことは避けるべきです。自分の職場の雰囲気を見つめ直して、身近なところから心理的安全性を高める動きを始めてみてはいかがでしょうか。社員の生産性向上を目指しましょう。

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