記事更新日:2020年06月03日 | 初回公開日:2019年04月15日
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外国人を雇用しようとする際には、入国管理局に外国人の就労ビザの許可を求める申請を出す必要がございます。この申請の際に、外国人本人の学歴や職歴の記載がある履歴書を提出することがございます。履歴書自体は、必ず提出しないといけない必須書類ではありませんが、必須書類である申請書に職歴を記載する箇所がございます。この職歴を記載する箇所は、スペースが少なく記載もしづらいです。ですので、申請書には「別紙参照」と記載し、別紙として履歴書を添付することが多いです。そしてこの履歴書について、そこまで重要と思っていない方も多くいらっしゃいますが、日付や経歴は大切になります。後に経歴詐称が判明すると、今後一切その外国人が就労ビザを取得することができなくなる可能性も出てきてしまいます。入国管理局に提出する書類は、半永久的に残りますので、以前に提出した書類と矛盾が生じると、審査官は以前の申請または今回の申請に虚偽が疑われると判断します。虚偽を疑われると、その外国人から提出される書類すべてにおいて信憑性が低いと判断されかねません。そうなってしまうと、今後の申請においても疑義が疑われ不許可になってしまいますので、決して安易に面倒などという理由等で真実とは違う内容で申請することはしないでください。
履歴書に限らず、入国管理局に提出した書類の中で意図的ではなく記入ミスをしてしまった場合はどうすればよいのでしょうか。その場合は、間違った記載をしてしまった理由を素直に書いた説明資料を提出するしかありません。例えば、勘違いなのであれば、「勘違いで前回の申請時に提出した資料では〇〇と記載してしまいましたが、真実は〇〇です」といった形で説明資料を付けて、その証拠資料も提出するべきです。何も言葉で説明せずに提出するだけであれば、審査官はなぜそうなったのかを理解することができません。理由があるのか、意図的に行っているのかを判断できない場合は、疑義があるということで問題になることがございます。
実際に履歴書の記載違いで就労ビザが認められなかった例をご紹介いたします。ご紹介するのは、一般的な就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)の申請時に起こった事例ですが、以前に技能実習生として働いていた経験がある外国人を採用しようとしたケースになります。ここでポイントとなるのが、“技能実習”という制度ですので、簡単にポイントだけお伝え致します。技能実習というのは、発展途上国などに日本の技術を移転するのが目的となっており、すでに外国で日本で学ぶ予定の仕事の経験があることが技能実習のビザを取る要件の1つになっています。この仕事の経験というのを装うために、外国人は本当は母国で大学を卒業していたのですが、現地のエージェントが技能実習のビザが通りやすくするように、高卒と履歴書を勝手に変更し、(職務経験を長く見せるため)申請していたことが、一般的な就労ビザの申請時に発覚し、今回は大卒として申請を出しているので不許可となりました。(一般的な就労ビザは基本的には大卒の要件がございます)この事例では、外国人本人に非はないものの、学歴詐称にて日本で技能実習生として3年もの間、就労していたことを入国管理局は重くみて、この方の一般的な就労ビザの申請は通さないと判断されてしまいました。すごく可哀そうな話ではございますが、真実を説明したとしても、現地エージェントが意図的に勝手に履歴書を変えたということを認める書類を作成してくれることは考えづらく、その結果証拠が提出できないので、今後この外国人に日本の就労ビザが認められることはないかもしれません。この事例は、少し極端ではありますが、日付一つにしても大切な情報になりますので、面倒だったとしても必ず確認をとるようにしてください。
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グローバル採用ナビ編集部では外国人の採用や今後雇い入れをご検討されている皆様にとって便利な「就労ビザ取得のためのチェックリスト」をご用意いたしました。また、在留資格認定申請書のファイル(EXCEL形式)もこちらよりダウンロード可能です。
他社での事例やビザ申請の際に不受理にならないようにまずは押さえておきたい就労ビザ取得のためのポイントを5つにまとめた解説付きの資料です。
塩野 豪
(しおの ごう)
行政書士塩野豪事務所の代表。
外国人ビザ(在留資格)の専門家として活動し、フィリピンやカナダなど外国との繋がりも強い。
人材紹介会社の外部顧問としても活動している。
HP:行政書士法人フォワード
ビザプロ
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