社内ベンチャーとは【作り方や成功例などについて解説します】

記事更新日:2022年07月20日 初回公開日:2022年07月14日

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既存事業に依存せず、「新しい分野を開拓したい」「自発的に考えて動ける社員を育成したい」と考えている企業が増えてきています。しかし子会社を作る場合や分社化する場合には、多くの資金が必要となります。そこで活用できるのが社内ベンチャーという制度です。社内ベンチャーを活用することで、新しい事業の拡大や自発的な人材の育成を行うことが出来ます。社内ベンチャー制度は、大企業だけでなく中小企業においても活用可能です。この記事では社内ベンチャー制度について解説しますので、新規事業の立ち上げを考えている社員や役員の方は是非参考にしてみてください。

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社内ベンチャーとは

新規事業を立ち上げるための独立した組織

社内ベンチャーとは、新規事業を立ち上げるために独立した組織のことです。既存事業が成功している多くの企業は、新しい事業に手を出すことを避けようとする傾向にあります。しかし既存事業だけではリスクの分散が出来ていないため、既存事業が上手くいかなくなった時に企業の継続が難しくなってしまいます。そこで重要なのが社内ベンチャーの活用です。社内で公募を募り、応募された案の中から将来性のあるものを選んで経済支援やノウハウを提供します。

社内ベンチャーと子会社との違い

決定権が所在する機関が異なる

社内ベンチャーと子会社の違いは、決定権が所在する機関が異なるということです。子会社は名前の通りに親会社に意思決定(株主総会など)を支配されています。意思の決定に関しては支配されていますが、経営判断や事業運営に関しては独立して支配されることなく実施可能です。子会社とは異なり社内ベンチャーは事業部等形式は決まったものがありません。事業部ごとに立ち上げを行い、その事業が軌道に乗った場合は分社化を行うこともありますし、子会社としたり完全に独立企業として事業を継続していくのが一般的です。

社内ベンチャーを立ち上げる目的

会社の事業規模を拡大させる

社内ベンチャーを立ち上げる1番の目的は、会社の事業規模を拡大させることです。企業は営利団体であり、利益を求めます。社内ベンチャーを立ち上げることで新しい商品やサービスを生み出して軌道に乗せることが出来れば、既存事業にプラスして利益や事業規模を大きくすることが出来ます。社内ベンチャーは新しい事業を行い利益を出すということが大前提となっており、社内ベンチャーを行う際には成功させるということが大前提です。

会社の資産を有効活用する

社内ベンチャーは会社の資産を有効活用することが立ち上げる目的とされています。企業が保有している資産(人材や資源・ノウハウ等)は有効活用しなければなりません。資産を上手く活用することによって、企業の利益に繋がります。またお金を銀行に貯めておくよりも資金を有効に活用することが出来るため、大量の資金を眠ったままにさせないという目的もあります。事業拡大という大きな目的もありますが、社内ベンチャーは資産を有効活用する手段の一つであるといえます。

社内ベンチャーの種類と作り方

トップダウン型

社内ベンチャーには、トップダウン型という種類があります。トップダウン型は経営陣からの指令で社内ベンチャーの設立を行うフローです。会社の経営陣と話し合いを行いながら新規事業の発案などを実施します。トップダウン型は経営陣と話し合いなどを行うため、社内ベンチャーとの距離が近く許可を得ることが出来ればすぐに新規事業を行えるという点がメリットといえます。しかし経営陣が指揮を取ることで既存事業とは異なった事業内容にすることは難しく、社内ベンチャーに参加している従業員が経営陣に忖度してしまわない雰囲気作りも同時に重要となります。

ボトムアップ型

社内ベンチャーにはボトムアップ型という種類もあり、ボトムアップ型はトップダウン型とは異なります。従業員の中からアイデアやメンバーを募集して、社内選考によって事業化が決まる方法です。社内ベンチャーを導入している多くの企業でボトムアップ型を採用しています。ボトムアップ型は経営陣との関わりが薄い為、画期的なアイデアが生まれることもあり可能性は無限です。社内から公募することで、従業員が挑戦したかった事業の企画運営が可能なため従業員のモチベーションアップも期待できます。

社内ベンチャーを始める際のポイント

目標と報酬を明確にする

社内ベンチャーを始めるときのポイントは目標と報酬を明確にすることです。社内ベンチャーを設置する目的は何なのか、ボトムアップ型にするのかトップダウン型にするのかをまず最初に決めなければなりません。トップダウン型を採用する場合は社内ベンチャーの担当者、ボトムアップ型は事業案が採用された従業員の報酬定義を事前に決めておきます。企業案が採用されても報酬に変化を持たせていなければ従業員の社内ベンチャーへのモチベーション維持は困難です。事前に付加価値を決めておくことで、社員のモチベーションアップが狙えます。

従業員に経験者や協力会社を紹介する

社内ベンチャーは従業員に経験者や協力会社を紹介することが成功につながるポイントとなります。社内ベンチャー制度が軌道に乗らない原因として挙げられる中に「周りからの協力が得られなかった」というものがあります。本業とは異なる事業を社内ベンチャーで行うことも多いため、成功させるためには親会社からのサポートや協力会社の存在が欠かせません。経験者や同じ事業を行っている協力会社のサポートを受けることが、社内ベンチャーを始めるときに大切です。

セーフティーネットを用意する

セーフティネットを用意することも、社内ベンチャーを始めるときのポイントになります。社内ベンチャーを担当する従業員のほとんどは会社経営の経験や知識を持っていません。そのため事業の発案から創設までの全てを従業員に丸投げしてしまうと、失敗のリスクが高まります。経営陣が事前に経験をもとにして失敗した場合の対応策(セーフティーネット)を用意しておくことで、従業員は安心して社内ベンチャーの設立に取り組むことが出来ます。

社内ベンチャーを行うメリットと成功例

低リスクで起業が経験できる

社内ベンチャー行うメリットは、リスクをあまり負うことなく起業の経験が出来ることです。実際に自分でベンチャー企業を設立しようとすると、自分だけではなく従業員の給料の確保が必要です。しかし軌道に乗るまでは利益が出ないというような状況に陥る可能性もあるため、リスクが高くなります。社内ベンチャーであれば、会社に属しながら新しい事業案を考えることが出来ます。少ないリスクで企業経験を行うことが出来て、人材の育成にもつながります。

チャレンジがしやすい職場環境になる

チャレンジしやすい職場環境になるのも社内ベンチャーを行うメリットです。社内ベンチャーを行うことにより次々と新しい製品やサービスが作りだされます。そのことにより社内ベンチャーに携わっている従業員だけでなく、参加していない従業員にも影響を与えることが可能です。社内ベンチャーに関わっていない人達も相乗効果が起こり、社内が活性化に繋がるでしょう。チャレンジ精神を持つことで既存事業の発展も期待できます。企業のイメージアップやより良い人材の獲得も見込めるため、企業が得られる効果は絶大です。

若手の早期育成が期待できる

社内ベンチャーで若手の早期育成が期待できるということも、メリットといえます。社内ベンチャーに携わると本業からは一度離れ、全く違った内容の業務に携わることとなります。自分たちの判断で意思決定を行い、業務を遂行しなければなりません。軌道に乗せるためには営業やマーケティングといった業務だけではなく、経営戦略なども考える必要があります。幅広い実務だけでなく、経営していくためにはどうすべきかの思考力も身に着けることが可能です。社内ベンチャーで培った経験を元に、本業に戻った際に1人のビジネスパーソンとして大きな活躍が見込めるでしょう。

社内ベンチャーを行うデメリットと失敗例

新規事業の成功率が高くない

社内ベンチャーを行うデメリットは、新規事業の成功率が高くないという点です。既存事業に関わりがなく、全く新しい分野で事業を始める場合の成功率はとても低いとされています。社内ベンチャーに携わる従業員は低リスクで起業経験が出来ますが、企業としては新規事業が失敗すると多くの資金を失うことになるため、損害は少なくありません。また新規事業の為に人材雇用を行っていると、失敗によって雇用の継続も難しくなります。社内から人を集めた場合でも、新規事業に関わった従業員は経営陣や周りの目もあり元の仕事に戻った時にモチベーション維持が難しくなるといデメリットもあります。

企業の人材と資金が減少する

社内ベンチャーは企業の人材と資金が減少するというデメリットを持っています。企業内で新しい事業部を作成する場合、経営陣がメンバー選定を行う際や社内からの公募でメンバーを決める場合など事業部として成立するまでに時間を要します。成功すれば問題ないですが、もし事業が失敗した場合にどの程度の資金が必要で損失する可能性があるのかも考えておかなければいけません。新しい事業へ人材を割く際に、既存事業への負荷も考慮する必要があります。社内ベンチャーを行う時には人材や資金が奪われていく懸念も考えて、既存事業に影響を及ぼさない地盤をしっかりと作っておくことが大切です。

社内ベンチャーから誕生した企業

株式会社ルネサンス

株式会社ルネサンスは、社内ベンチャーから誕生した企業です。1979年に大日本インキ化学(現在のDIC)の社内ベンチャーとしてスポーツクラブルネサンスは創業しました。現会長の斎藤氏が始めたものですが、最初は事業ではなく社内で楽しむためのテニスサークルが起源です。その後、斎藤氏の提案で事業化されました。斎藤氏は「事業は小さく生んで大きく育てろ」と考えており、元々テニスサークルだったこともありお金儲けなどは考えていなかったとされています。その考えをベースとしている為、小さいリスクでスピード感をもって事業展開が出来たのです。

無印良品

無印良品も社内ベンチャーとして成功した企業です。無印良品は元々、合同会社西友で1980年に作られたプライベートブランドでした。無印良品は社会によいインパクトを与える活動やサービスを表す「ソーシャルグッド」を行う為に立ち上げられた事業部です。創業当時は家庭用品・食料品を合わせても40品目しかありませんでしたが、その後バリエーションを増やしていき1989年に良品計画を設立して独立しました。無駄な装飾を省いてシンプルな商品を提供するという姿勢は、創業された当時から続いている信念です。

スタディサプリ

スタディサプリも、社内ベンチャーから誕生しました。スタディサプリはリクルートホールディングスの社内コンペ「Ring」によって生まれた事業です。リクルートは社内ベンチャーを早期に成功させて、制度化しました。リクルート社員であれば誰でもRingから応募することが可能になっており、社内起業を経験することが出来ます。スタディサプリはゼクシィ等と同様に社内ベンチャーで事業化され今では主力事業の一つを担っています。先々の起業を考えてリクルートに転職する人がいる程、リクルートは起業に前向きな姿勢を持っています。

まとめ

社内ベンチャーで企業と社員を成長させましょう

社内ベンチャー制度を始める際のポイントやメリット・デメリットについて解説しました。社内ベンチャーは既存事業にとらわれることなく、独立のような形で新しい事業を始めることが出来ます。社内ベンチャーにはボトムアップ型とトップダウン型があるので、自社にあった方法を見極めながら活用していく必要があります。新規事業の成功率は高くないため、最悪の場合も加味しながらしっかりと設計しなければなりません。デメリットもしっかりと把握しながら、長く経営を続けていくために社内ベンチャーを活用して企業と社員を成長させていきましょう。

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