通年採用のメリット・デメリット【いつから?通年採用の企業の紹介も】

記事更新日:2020年06月12日 初回公開日:2019年04月23日

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最近の企業では多くが通年採用という仕組みを導入しています。これは、経団連が定めた就職活動の時期限定でなく、1年間フルで採用活動をしていることで、学生にとっても便利ですね。実際にメリットやデメリットはありますが、通年採用を導入している企業も増えていることは事実です。リクルートやユニクロなど日本を代表する企業が始めています。日本を代表する企業が導入しているほどなので時代の流れで通年採用が主流になる日がくるかもしれません。

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通年採用とは

企業が年間を通じで採用を行う事

通年採用とは、企業が年間を通じて新卒・中途問わず、自由なスケジュールで採用活動を行うことを指します。これまで、日本では、経団連が独自に「就活ルール」を定めて経団連加盟・非加盟問わず、多くの企業が、「新卒一括採用」しているでしょう。企業が同じタイミングでその年の大学3年生をを対象に横並びで新卒採用情報を解禁して、翌年の4月1日に一斉に入社してもらう仕組みが行われてきました。しかし、近年では優秀な人材を確保するために通年採用を行う企業が増えてきました。

通年採用が広まった背景

売り手市場で新卒採用が難しくなったから

近年では、少子高齢化の影響もあり売り手市場のため、優秀な学生の確保が難しくなってきています。海外企業や外資系企業では、これまで通年採用が行われていました。多くの日本企業もそういった会社に優秀な人材を取られる前に自社が獲得する方法として、通年採用を導入し始めている企業が増えてきています。通年採用が増えたことによって、留学生や帰国子女などの海外志向をもつ学生や、企業とのアンマッチにより早期離職する第二新卒の人材を受け入れやすくなりました。

2018年に就活ルールが廃止されたから

2018年10月に、経団連がこれまで主導してきた「就活ルールの廃止」を発表したことや、2019年4月に経団連と大学側での協議の結果、通年採用を拡大することを合意しました。それらの背景もあり、通年採用を始めた企業も多いでしょう。企業側は、通年採用を始めることにより、春季一括採用だけでなく、在学中に専門分野の勉強やインターンシップを経験した学生の卒業後の選考もかんがえました。海外留学した学生に大して時期を問わず選考するなどの様々な採用プランを作成しています。

通年採用の企業側メリット

年間を通して採用することが出来る

通年採用を導入することで、企業側のメリットとしては、1年間のうち特定のタイミングで採用や入社を実施する必要がなくなります。新卒の学生や中途採用の人材なども、春や秋の入社のタイミングを待つことなく、好きなタイミングで入社させることが可能になったでしょう。これまでは、途中で内定辞退者が出ることも加味して、予定の人数よりも多めに内定を出す傾向がありました。しかし、通年採用により年間を通じて様々な人材と接触を持つことができるため、無理な採用計画を押し進める必要がなくなりました。

時期が合わなかった留学経験者や外国人も採用しやすくなる

通年採用を導入することで、既存の就活ルール(春の一括採用の時期)で、選考時期に合わなかった学生は多いです。9月卒業の学生や、留学等によって卒業時期がずれた学生日本の大学とは卒業時期が異なる外国人や海外大学卒業生の採用にも企業側が対応できるようになりました。これにより、各学生に合わせた選考フローで対応できるため、企業側もグローバル人材の獲得にも対応しやすくなるでしょう。

時間に余裕が出来るのでミスマッチが防げる

一括採用のように、1日に何10人の応募者と面接を行って選考することや、競合他社の選考状況を気にする必要が通年採用を導入することでなくなります。企業側は余裕もを持って一人一人の応募者と向き合い選考を進めることが可能となるでしょう。これによって、学生の能力や考え方を慎重に見極めることが可能となり、企業側が求める人材と応募者のミスマッチを低下させることが可能となります。

通年採用の学生側メリット

応募期間が限定されないので時間に余裕が持てる

通年採用を実施している企業へは応募期間が限定されていないため、大学の試験期間や、体育会系の学生の試合の時期などの忙しい時期を避けることが可能となります。また、複数の企業に無理やりエントリーする必要もなくなりました。そのため、本当に自分の行きたい企業をしっかりと見極めることや、業界研究や志望理由の作成、面接対策などにしっかりと時間を確保し準備を積むことができますね。

年間を通してエントリーできる企業が増える

応募時期が重なっていることや、説明会や面接会を詰め込んでスケジュールの兼ね合いなどの問題により、エントリーする企業を取捨選択する必要がなくなります。応募を受け付けている企業であれば、期間をずらして全てエントリーすることも可能となるため、結果的に一括採用と比べるとエントリーできる企業は増加します。また、海外留学していた学生なども、帰国した後に改めてじっくりと就職活動することも可能となるでしょう。

内定辞退後も他の企業を選ぶことが出来る

一括採用だと、志望した企業から内定をもらえなかった場合や、選考を受けることができなかった場合、春に内定をもらった企業に次の春から務めることが一般的でした。そうしないと、次の一括採用まで1年待つ必要がありました。しかし、多くの企業が通年採用を実施することによって、次の一括採用を待つことがなくなるでしょう。今ある内定を辞退しても他企業の選考を受け、自分の行きたい業界や企業に挑戦することがでます。

通年採用の企業側のデメリット

長期的な採用のため採用コストがかさむ

通年採用を導入することによる企業側のデメリットとしては、結果的に選考期間の長期化に繋がることにより、採用コストが膨らんでしまう可能性があります。求人広告の掲載費用や、地方説明会や大規模な合同説明会への出張費や出店費、入社時期がバラバラになることによって、入社研修の回数が増えるでしょう。それによる費用増加や、人事部の人件費の増加など様々なコスト増加が考えられます。

志望度が低い学生が集まる可能性がある

一括採用ですと、学生側も短い期間で自分の志望する企業を見極めて応募するが、通年採用を導入することで、学生側はいつでも応募できると考えます。就職活動の練習として応募する学生や、志望度は高くないがとりあえず内定もゲットするために応募する場合もありますね。企業側は、こういった人材に対しても個別に対応しなければならなくなるといったデメリットがあります。

通年採用の学生側のデメリット

就活の時期が早まり本来やりたかった事が出来なくなる

企業側はいい人材を他社よりも早く採用するために、就職活動の時期を早めるなどの対策を始める傾向があります。早くから就職活動の準備に入る学生が増え、長期休みだけでなく、普段授業がある中でも企業のインターンなどに参加することで、企業にアピールをする学生も増えるでしょう。これにより、学生の時期に本来やりたかった、部活動や、研究、サークル活動、課外活動への時間が減ってしまうことなどのデメリットもあります。

中途採用と同じ土俵での選考の恐れがある

通年採用を行っている企業の中で、既卒3年以内の人材を新卒として採用する企業もあります。これによって、中途採用の選考者と同じ土俵で戦う必要があり、一度企業で働いたことのある人材と同じスキルや経験や考え方を求められる場合もあります。また、経団連と大学は「学業の成果を重視」する方針で通年採用を推奨するため、大学で学んだ内容などを含めた総合力が学生には必要となるでしょう。

通年採用を成功させるためには

採用サイトから集客する

通年採用を導入している企業は、採用サイト経由での応募者数の増加が重要となります。通年採用の場合、一括採用のような大手ナビサイトが存在しないため、応募者への採用アピールなどを通じて、自社の採用サイトから応募者を集める必要があります。採用情報を載せるだけでなく、応募ができる機能や、応募者とのコミュニケーションが取りやすい機能を採用サイトに追加し集客しやすい仕組みを構築することが大切ですね。

SNSなどで露出を高める

一括採用のように、大手ナビサイトがないため通年採用では求人広告の露出を増やし難いことがあります。採用コストをふんだんに使用できる企業であれば、有名なポータルサイトにバナー広告を出すことなどができますが、そうでない企業にとってはSNSが重要となります。SNSを活用して応募者に企業のことを認知してもらうことや、企業への関心を持ってもらうための仕組みを作ることが必要となりますね。

年間を通して応募してくるので採用体制を常に整える

通年採用をする場合、年間を通じて応募されるため受け入れ態勢を整備することが重要です。一括採用と比べると応募時期もバラバラであったり、選考の流れが一定ではないため、面接を担当できる社員を予め多めに確保しておくなど対応が必要です。また、入社後の研修もまとめてできない場合もあるため、入社月の一部固定や中途入社との合同研修などを予め考えておくことも大切でしょう。

通年採用を導入している企業

ソフトバンク

ソフトバンクは、入社時期は4月、7月、10月と年3回に限定していますが、通年採用を導入しています。また、入社する時点で30歳であれば「新卒入社枠」とし、「将来を担う人材には、自分の可能性を限定せず、意思を持って主体的に進路を考え選んでほしい。企業は必要な時に、必要な人材を採用する。」といった「ユニバーサル採用」を実現して、意欲のある人材に幅広く門戸を開いています。

ユニクロ

大学1、2年生を含むどの学年からも応募可能としているファーストリテイリンググループ。また、一度落ちてしまったとしても、次の年に再度チャレンジできるルールもあります。また、選考フローのインターンシップに参加すると、選考を通過した方には「ユニクロパスポート」が発行されます。発行されてから3年以内はこのパスポートを提示することでいつでも最終面接を受けれるといった採用方法を行っています。

ヤフー

ヤフーでは2016年から通年採用を始めています。応募時30歳以下かつ入社時18歳以上であればすべての人が対象となるポテンシャル採用を導入しています。エンジニアコース、デザイナーコース、ビジネスコースから志望するコースを選ぶことができるのも良いでしょう。選考期間には、様々な事業部の社員から現場の話を聞くことができる面談「1on1」を実施しています。入社時期は年に2回となっています。

リクルート

リクルートは、2019年4月入社以降の新卒から国内グループ9社の新卒採用窓口を統合し、グループ会社である「リクルートライフスタイル」の採用方法であった通年採用を始めています。リクルートの企業文化として「企業家精神」や「圧倒的当事者意識」という言葉が有名ですね。これらの価値観に共感できる人材を採用するための方法を実施しています。通年採用に合わせてインターンシップの機会も拡大しており、優秀な学生との接点が増やせる体制を構築しています。

楽天

毎月入社可能で、通年採用を実施していますね。採用は、応募の時点で希望の職種やサービスを応募者に選ばせ、各ポジション別で選考を実施し、個人の能力により給与が決まるように設定されています。入社前の段階から即戦力となる専門性を持っている人材確保を目指しています。入社希望者の年齢や職務経験、入社時期を限定しないことによって留学生等の海外の学生も応募しやすい環境を整えています。

ソニー

早期からコース(職種)別採用(技術系全65コース9分類、事務系全5コース)や、企画提案選考、実技選考など新しい採用方法を取り入れてきたソニーも通年採用を行っています。在学中の学生および卒業後3年未満の方(就業経験の有無不問)を採用の対象としており、多くの応募者に対してて門戸を開いています。コース(職種)別採用では、すでにやりたいことが決まっている方向けの採用となるが、WILL採用として、、事務コースの中から応募者に適した配属先を検討する採用もありますね。

富士通

「新卒や既卒を問わず、いつでも応募可能な通年採用を開始」として、通年採用を実施しています。大学および大学院の最終学年の学生と既卒者を対象としており(職歴不問)、対象職種も全職種としております。通年採用を実施することによって、国内外の様々な優秀な学生を獲得する機会を拡大しているでしょう。応募者の価値観にあった自由度の高い就職活動を可能にすることで、十分な学修経験時間を確保し、さらなる機会を得られる機会を獲れるように支援する」を目指しています。

メルカリ

メルカリも一年を通して採用活動をしています。比較的自由な会社で、応募して不採用だった部門以外の部門も受けられるという柔軟さがあります。これは、他の企業では滅多に見られないシステムでしょう。また、国籍や学歴も不問という完全実力で採用するというのもメルカリらしい採用スタイルで人気ですが、ハードルはかなり高いことで有名です。違う部署にも再エントリーできるので、チャンスが増えます。

通年採用を理解し採用活動に活かしましょう

通年採用は多くの企業で採用していますが、企業によって意味合いが異なります。また、通年採用をすることで、企業も負担になり、学生も普段とは異なる慣れない採用形態に戸惑うこともあります。しかし、少しでも早く決めたい学生や自分の行きたいところで早く仕事たい人が多くいるのも事実でしょう。通年採用を導入することでいち早く企業の優秀な人材確保につながります。

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