記事更新日:2024年06月12日 | 初回公開日:2024年06月12日
用語集 グローバル用語解説 採用・求人のトレンド 人事・労務お役立ち情報セカンドキャリア支援制度とは、従業員のセカンドキャリアのサポートを目的とした支援制度です。今の日本では健康寿命が伸び長く働きたいと考える人や定年年齢が引き上げられたことなどの影響により、セカンドキャリアを考える人が増えてきています。セカンドキャリア支援制度はそういった人のために、企業がキャリア開発研修や早期退職を適用した際の優遇制度などを設けて、従業員が退職した後も活躍できるように支援する制度です。
セカンドキャリアとは、第二の人生における職業のことを指します。セカンドキャリアは元々引退を迎えたプロスポーツ選手のキャリアチェンジを指していました。終身雇用制が一般的だった時代には、一つの企業に勤め上げていたためセカンドキャリアという言葉はあまり使われていませんでした。しかし終身雇用制が崩壊し、人生100年時代と言われている中で中高年層が今までの経験などを活かして新しいキャリアを築くことを、セカンドキャリアといっています。
セカンドキャリアはミドル世代の割合が高まっていることから注目されています。シニア世代は、「40~50歳のミドル世代」と「60歳以降のシニア世代」に分けられます。大企業などではミドル世代が従業員の半数を超えている場合も多く、人件費の増加に悩んでいることも少なくありません。しかし労働人口の減少が問題になっている昨今では、若年層だけでなくミドルやシニア層の労働者も貴重な労働力になっています。労働力の一つとして、積極的に採用を行っている企業もあります。
セカンドキャリア支援制度は、経済的支援を行います。経済的支援とは、セカンドキャリアに必要な専門技術を新しく学ぶために受ける講座の費用や、資格取得に必要な費用などを支援することです。独立し起業する場合には事務所の開設費などを支援している企業もあります。セカンドキャリア支援制度における経済的支援には、セカンドキャリアを行うための援助もありますが早期退職希望者に対して退職金の加算なども経済的支援の一つです。
セカンドキャリア支援制度では、情報的支援も行っています。情報的支援は、セカンドキャリアを構築するための知識やノウハウの提供を行います。早期退職者は通常と比べて金額が上乗せされている事が多く、金額面に魅力を感じで早期退職したもののセカンドキャリアの知識を持っていないミドル世代も少なくありません。知識を持たないまま退職してしまう人たちがキャリア形成に失敗しないように、研修やカウンセリングを実施するのも支援の一つです。
時間的支援を行うのも、セカンドキャリア支援制度です。時間的支援は、セカンドキャリアを行うための転職活動や事務所開設を行うための時間を作りやすくする支援方法です。転職や事務所開設は、短期間で実施することは簡単ではありません。セカンドキャリアを実施しやすくするために、企業としては退職準備休暇や時短勤務を行えるように支援している場合もあります。経済的支援も重要ですが、従業員がセカンドキャリアに移りやすいように時間的支援も必要です。
転職支援もセカンドキャリア支援制度の一つです。転職支援とは、従業員のキャリアや能力にあった転職先を支援することです。企業がエージェントなどの紹介機関や転職先と連携し、再就職先を支援します。従業員の能力やスキルを把握している企業が転職先を紹介や斡旋することで、従業員がセカンドキャリアを構築しやすくなります。金銭的な支援や時間的支援が難しい企業は、転職先を紹介することによってセカンドキャリア支援を行えます。
セカンドキャリアはミドル世代やシニア世代に限定したものではありません。今後のライフプランや自分のキャリアについて意識する機会が増える30代からのセカンドキャリアもあります。30代では中途採用の募集も多くあり、新しいことに挑戦しやすい年齢です。30代のセカンドキャリアを考えるには、まず自分のキャリアの棚卸しから始まります。今までの経験やキャリアの棚卸しを行い、この先どういったキャリアを積んでいきたいのかを考えることが大切です。
40代になると、多くの人が企業内で中堅層に当たります。仕事の経験が豊富な人が増え、ファーストキャリアで目標達成出来ている人も増えていきます。子育てや介護などによる家庭環境の変化や、早期退職の対象となったりすることによって長期的なキャリア形成を意識する機会が増えます。しかし30代に比べて転職が難しくなっていく年代のため、自分のスキルや経験を客観的に把握することが大切です。経験を踏まえた上で、どのようなキャリアを築くのか考えるためのサポートが必要です。
人生100年時代と言われている中で、50代はちょうど折り返し地点です。子育てが一段落した人や定年退職が近づいてくることによって、セカンドキャリアを意識する人が増えます。50代は30代などと比べ、仕事に対しての知識や経験が豊富ですが新しいことに挑戦するということに尻込みしてしまう場合もあります。また50代では求人の募集もないため、セカンドキャリアは独立を考える事も多い年代です。独立を行うのに必要な手続きのサポートなどが必要です。
女性は出産や産休明け・子育て中や子育て後などなど様々なライフステージを経てセカンドキャリアを迎えます。セカンドキャリアの選択肢としては、独立して起業したりフリーランスになったりとと様々な選択肢があります。しかし産休明けの復帰の選択肢として最も多いのは、産休前の職場で働く女性です。女性がライフステージに合わせて働きやすい環境を提供することが、産休明けの復帰を支援することになります。女性が出産や育児で離職しない職場は、誰にとっても働きやすい職場といえます。
従来まで定年後のライフプランは、自分のやりたいことをやりながらのんびり過ごす・趣味に没頭するといった選択肢を取る人が多くいました。しかし今では健康寿命が伸びていることもあり、60歳以降も働き続けたいと考える人が増えています。また今までは家族のために働いていたと感じている人は、自分のために起業したいと考える人もいます。少子高齢化や労働人口減少が慢性的な問題となっている日本では、シニア層の労働力も貴重だと考えシニア層が働きやすい環境を整備している企業が増えています。
スポーツ選手の引退後は、監督や指導者として同じ競技に関わるという道もあります。しかし、全てのスポーツ選手がその選択肢を取れる訳ではありません。引退後に指導者などの道に行くには、現役時代のキャリア形成も大切です。現役時代と引退後のセカンドキャリアの双方を合わせてスポーツキャリアと考える視点を、企業側と本人が共有することが必要です。しかし実際にはスポーツ選手の一部しか実現することが出来ず、実現できたとしても十分な収入を得られない可能性もあります。
セカンドキャリア支援制度を導入しているのは、NECです。NECでは、2005年に施工された高齢者等の雇用安定に関する法律に対応するために、雇用延長制度の拡充を行いました。キャリア形成施策の一つとして実施しているのが、ライフデザインセミナーです。ライフデザインセミナーとは、マネープランを通して今後の人生設計を考える研修です。このライフデザインセミナーは、55歳以上の従業員が対象となっています。他にも再就職支援サービスを実施しており、グループ会社に再就職支援を行っています。
シャルレでもセカンドキャリア支援制度を導入しています。シャルレは、化粧品や下着を訪問販売で行っている企業です。シャルレでは、所定の退職金にプラスしてセカンドキャリア選択支援金を上乗せし、再就職支援サービスを提供するセカンドキャリア選択支援制度を導入しました。このセカンドキャリア支援制度の対象は50歳以上の正社員・嘱託社員です。人数の定めはなく、希望すれば対象者は支援を受けることが出来ます。この制度は、中長期的に人員構成を適正化するために導入されています。
企業のセカンドキャリア支援をサポートする制度は、キャリア形成サポートセンターです。キャリア形成サポートセンターは、厚生労働省が委託を行い、個人や企業の人を対象にしてジョブ・カードを用いて様々なキャリア形成や職業能力開発を支援しています。ジョブカードとは、今までの経験やキャリアを振り返り、活かせる強みなどを整理して今後どういったキャリアを歩みたいかを考えるツールです。キャリア形成サポートセンターは、全国で42箇所設置されており誰でも無料でキャリア形成の相談を行うことが可能です。
企業のセカンドキャリア支援を行うための支援策として、国によって定められた助成金制度があります。シニア層の労働力を活用するために、政府は中高年の雇用対策を実施するために助成金制度を設けています。高年齢者の労働移動支援コースやキャリア形成促進助成金などがあります。高年齢者の労働移動支援コースでは、離職者の円滑な労働移送を行っている企業が対象となります。企業がセカンドキャリアを支援するためには、費用が掛かりますが助成金を活用することでコストを抑えることが出来ます。
セカンドキャリア支援制度の例などについて解説しました。人生100年時代と言われている現代において、セカンドキャリアは人生を豊かにするために重要なテーマとなっています。セカンドキャリアと聞くと、定年後の人生を想像する人も多いかもしれません。しかしセカンドキャリアは30代や40代の人も該当します。従業員一人ひとりが思い描くセカンドキャリアを実行するためには、自分にあったサービスを受けることが大切です。セカンドキャリア支援制度を活用し、従業員のキャリア生成を行っていきましょう。
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