記事更新日:2023年07月06日 | 初回公開日:2023年07月04日
用語集 外国人採用・雇用 グローバル用語解説 採用・求人のトレンド人柄重視の採用面接では、候補者のスキルや経験よりも性格や個性を重点的に見て合否を決めます。企業文化や価値観に合い、雰囲気になじめるかどうかを見極めるためです。職種によっては、性格の向き・不向きが大きく影響する場合もあるでしょう。仕事をこなせても性格的に合わないと、居心地の悪さを感じて早期の離職にもつながります。面接で人柄を判断した上で採用することで、入社後のミスマッチを防ぎ、従業員の会社への定着化が期待されます。
人柄重視の面接で必要とされるのは、即戦力ではなく「ポテンシャル」です。長い目で見たときの成長の伸びしろや会社への貢献を期待するため、新卒や第二新卒などの若手や未経験者を採用する際に人柄重視で面接が行われることが多いです。ただ、「ポテンシャル採用」は若手を中心に潜在能力を評価される採用方法のため、人柄重視とは少し異なります。スキルや経験に重きを置かない点は共通していますが、人柄重視はポテンシャル採用に比べ、ターゲットが広くなります。
人柄重視の場合は候補者のターゲットが広くなるため、応募人数を集めやすくなるメリットがあります。学歴や経歴、資格や能力によって条件が絞られないため、必然的に応募者が増えるためです。応募者にとっても、人柄重視であれば未経験でも挑戦しやすいと感じるため、応募しやすくなるでしょう。多くの企業が人手不足に頭を抱える中、即戦力のある人材だけでなく自社で成長しながら定着する従業員も求められるため、人柄も重要なポイントとされます。
人柄重視の面接は、将来的に会社で活躍する人材の獲得につながります。面接時に個性や価値観を重視することが、結果的に学歴やスキルを重視する場合に比べて活躍する人材が多い傾向にあるためです。企業を取り巻く環境の変化が激しい中、スキルや経験があるからといって変化に対応できるとは限りません。そうなると、主体性や柔軟性など人柄が重要になります。活躍できる人材かどうかを見極めるためには、面接中に人となりを知る時間を多く設けることが大切です。
人柄重視の採用は、職場になじみやすいためミスマッチを防ぎ、定着率を上げることにつながります。企業文化や価値観に共感して働ける環境は、従業員にとっても居心地よく働くことができるでしょう。性格が企業文化や他の従業員と合わないと感じると、早期離職の原因になります。人手不足の環境にとって従業員の離職は痛手になります。選考の段階で見極めておくことで、離職による人手不足や新たな採用活動の負担を軽減できるでしょう。
企業に合った人材を採用することで、組織力やエンゲージメントの向上が可能になります。成長意欲の高い人材は経験や知識が不足していたとしても、業務を通して主体的に吸収し、早い段階でスキルを身につけることができます。そんな姿が他の従業員の刺激にもなり、組織力の向上につながるでしょう。また、企業文化や価値観に共感して入社した場合、エンゲージメントが高まりパフォーマンスも発揮しやすくなるため、組織の生産性の向上も期待できます。
人柄にはわかりやすい基準がなく、見極めが難しいデメリットがあります。特に面接の時間は限られているため、人となりを深く知るには不十分と言えるでしょう。候補者が緊張している場合はうまく話ができない可能性がありますし、話を繕っていて気が付けないことも十分に考えられます。そうなると、本当の魅力に気づけないことや入社後のギャップにもつながるでしょう。候補者の人柄を十分に引き出すための質問や話の流れを作るなど、採用担当側の技量が問われます。
人柄重視の面接は、認知バイアスが影響することが懸念されます。認知バイアスとは、物事の判断に固定観念や先入観が影響し、非合理的になる心理現象です。例えば、候補者を外見だけで性格を判断することや、自分と共通点があることで優遇したくなるなどが該当します。採用面接は自社の成長に関わる人材の選考なので、慎重な判断が必要です。心理現象なので誰にでも起こりうることなので、採用担当者は認知バイアスが生じることに留意しておかなければいけません。
知識や経験は重視されない前提で採用されるため、人柄重視で採用した従業員には教育や育成コストがかかります。そのため、やみくもに採用すると予想外のコストが発生することになるでしょう。いざ人柄で採用しても、入社後の教育体制が整っていなければ従業員の育成が遅れ、生産性の低下も考えられます。人柄重視で採用する際は、十分に活躍するまでどの程度の費用がかかるか目安をはっきりさせた上で採用人数を決めることも大切です。
リファラル採用とは、在籍している従業員の紹介で従業員を採用する方法です。従業員が企業の価値観を理解して相性を考えた上の紹介であるため、ミスマッチが起こりにくい特徴があります。ただ、不採用となった場合や入社後にうまく職場になじめなかった場合、紹介した従業員と候補者の関係性に悪影響が出ることも懸念されます。紹介する従業員の負担になることを理解した上で、不満につながらないように運用することが求められます。
アルムナイ採用は、一度退職した社員を再雇用する採用方法です。過去に在籍していたことで人柄が分かりますし、候補者側も企業の雰囲気が分かっているため、スムーズに職場に溶け込むことができるでしょう。また、過去にその企業で積んだ経験もあるため、きめ細やかな教育は不要で、コストがかからないメリットがあります。ただ、円満退職且つ候補者側が企業に対して「戻りたい」と思っていることが前提となります。優秀な人材が戻ってきたいと思えるよう、企業の継続的な成長が求められます。
ソーシャルリクルーティングはTwitterやFacebookなどのSNSを通して採用する方法です。採用したいと思う人物にDMを送り、採用につなげます。プライベートに関わる投稿も見れるため、表面上ではわからない人となりが把握しやすいです。投稿内容により人柄を見極められることから、自社が求める人材であるかどうか判断しやすくなるでしょう。SNSでは不適切な発言を繰り返す人物もいるため、そのような人材の採用を避けるためにも、ソーシャルリクルーティングは役に立ちます。
インターンシップは採用前の就業体験を通して人柄を把握できる方法です。主に学生が就職活動の一環で参加するイメージですが、社会人用のインターンシップが開催されることもあります。実際の現場で働くことで、仕事に取り組む姿勢や従業員との関わり方から人柄を見極めることができます。表面上では見えない魅力に気が付くこともあるでしょう。インターンシップは受け入れる体制や開催に関わる調整が必要なため、計画的に行うことが必要です。そのため、採用を急ぐ場合には向かない可能性もあります。
人柄重視で面接を行う場合、採用の基準となる「求める人材像」を定めることが最も重要です。求める人材像をはっきりさせることで、採用すべき人材か迷いが生じた際に照らし合わせて判断できます。もし採用する基準がブレてしまった場合、本来必要としていた人材を採用できず、採用活動が失敗jに終わる可能性もあるでしょう。企業理念や価値観、採用の目的などを見直し、スムーズになじめる人や相乗効果を生み出せるような人を想像を洗い出し、具体的に決めることが大切です。
構造化面接はあらかじめ決めた質問や評価内容をもとに面接を行うため、人柄重視の面接に有効です。限られた時間の中で人柄を把握しきるのは難しいでしょう。構造化面接では、候補者全員に統一した質問を投げかけることで質問内容のばらつきや判断基準が曖昧になることを防止できます。面接官にとっても候補者の比較が容易になり、自社の求める人材像にマッチした候補者を採用しやすい面接方法です。質問や評価方法の設計には時間を要するため、採用計画の早い段階で検討を始める必要があるでしょう。
人柄を見極めるためには傾聴の姿勢で面接に臨み、候補者の魅力を十分に引き出すことが大切です。候補者の会話内容は、採用可否の判断に直結するため、十分に情報を得られないことは避けたいです。候補者に対しては「はい」か「いいえ」の答えにならないオープンドクエスチョンで質問し、どんな考えをもっているか深く知る必要があります。話している内容のみに注目するのではなく、言葉遣いや態度など多角的に見極めることも求められます。時間が許す限り候補者の情報を引き出し、自社で活躍できる人材になるかどうか判断しましょう。
候補者がどんな価値観を持っているかは、人柄を把握する際の重要な着目点です。企業や所属する従業員との価値観に違いがあると、入社後のミスマッチや業務が滞ることにつながります。もし会社に対する不満をこぼすようになれば、周りの士気を下げて生産性の低下につながるでしょう。職場の雰囲気になじんで活躍するためには、価値観の一致が大切です。候補者の価値観を正しく見極めるためには、「やりがいを感じる瞬間」や「仕事で大切にしていること」など価値観が浮き彫りになる質問を投げかけることが効果的です。
人柄重視の面接のメリットやデメリット、人柄を見極める方法などを解説しました。たとえ知識や経験が不足していたとしても、意欲次第で将来的に活躍する可能性は十分にあります。ただ、活躍する人材になることは限られた面接の時間で見極めが必要なため、全てを把握できず難しい点も多いです。人柄を正しく見極めるには、自社が理想とする人材像を明確化し、情報を引き出しやすい質問を候補者に投げかけることが大切です。人柄重視の面接で採用を成功させ、組織力の向上に繋げましょう。
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