スカウトサービスを有効に活用しよう【おすすめの方法や秘訣】

記事更新日:2020年02月05日 初回公開日:2019年11月15日

採用・求人のトレンド
採用活動では、通常求職サイトに広告を掲載し、応募者からの連絡を待つ形が主流です。しかし、近年は他社でマネジメント経験を積んだ人や、大手企業勤務経験者など、より優秀な人材を求めてさまざまな採用サービスを利用する企業が増えてきました。また、少子高齢化によって働き盛りの労働力人口の減少が予想される中、早めにさまざまな採用サービスを導入しておくことで競合他社に差を付けることも可能でしょう。採用サービスの中で、企業側から応募者へ積極的にアプローチできるサービスとして「スカウトサービス」が挙げられます。ここでは、スカウトサービスのメリットやデメリットに加えて、成功させるためのポイントも見ていきましょう。

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スカウトサービスとは

求職者へ企業側から直接アプローチできる

スカウトサービスとは、サイト上に登録された応募者の情報を閲覧し、自社の業務にマッチできそうな人材へ直接メールを送信することができるサービス。正社員希望やアルバイト希望を問わず、さまざまな求職者が情報を公開しています。求職者は匿名でエントリーすることができるので敷居も低く、「飲食店.COM」では2019年10月現在で6万人が情報を公開しています。敷居を低くしていることで多くの求職者を呼び込み、人材の確保にかかる時間を短縮できるでしょう。

成功率の高い採用手法

スカウトサービスは、採用担当者が興味を抱いた人材に絞って採用活動を行えるため、一名を採用するのにかかる無駄な時間を大幅に減らす効果が期待できます。自社が求めるスキルを持っているかをデータベース上で瞬時に検索できるため、効率化を目標に掲げている組織にとってはプラスになるでしょう。ただし、どの採用方法にも言えることですが、採用担当者間で求める人材像を正確に共有しておくことが、成功率アップへの最大のカギです。

スカウトサービスが注目される理由

採用活動を「待ち」から「攻め」へ

スカウトサービスは、企業が求職者に対して直接アプローチを行う「ダイレクトリクルーティング」に分類されます。従来から行われてきた求人媒体に募集をかけて求職者からの応募を待つという方法では、優秀な人材を確保することが困難になってきているのが現状です。働き盛りの労働力人口が減少していく中で厳しい人材獲得競争を勝ち抜くには、従来の方法だけでは困難となるでしょう。企業の採用活動も「待ち」のスタイルから「攻め」へと転じることが重視されつつあるのです。

ITツールの発達

従来は、企業と個人のコミュニケーションというと、面接や固定電話でのやり取りなど非常に限られていました。社内のネットワークのみでコミュニケーションが成立していたため、外部から迅速に優秀な人材を連れてくることは非常に困難だったと言えるでしょう。二十一世紀に入るとスマートフォンをはじめ、twitter、LinkedIn、Facebookなどのサービスが普及し、個人の情報発信の障壁が大幅に低くなりました。こうしたITツール拡大の流れに乗って、企業も人材獲得の成功を狙ってスカウトサービスなどのダイレクトリクルーティングに積極的になっているのです。

スカウトサービスのメリットとデメリット

入社後のミスマッチが起こりにくい

スカウトサービスでは、データベースの中から採用候補者を選別し、本人へ直接スカウトメールを送る流れになります。採用担当者は、候補者の持つスキルや経歴を把握し、自社の業務に適正があると考えられる人材に絞り込んでからアプローチします。また、候補者も企業から直接メールを受け取るため、自分のどんな経験を魅力に感じているのか、どの部分が会社とマッチすると判断されたのかを確認することもできるでしょう。企業側から直接説明を受けることで候補者の入社意欲が高まり、採用後のミスマッチが起こる可能性を下げることに繋がります。

自社の採用活動力が向上する

スカウトサービスでは、募集をかけて応募を待つ方法とは異なり、企業自ら採用活動を行うため活動内容の分析ができるようになります。自社に不足しているリソースであったり、どのタイミングでスカウトメールを送信すれば良いのかだったりと、今後の課題を社内で共有できるようになるのが強みでしょう。トライアンドエラーの積み重ねでPDCAサイクルを回し、自社ならではの採用力を磨き上げることができます。採用力が向上すれば、より少ない時間や人的コストで、優秀な人材を獲得できるようになるでしょう。

すぐには結果が出ない場合も

スカウトサービスは、自社の採用力によって成功確率が大きく変わってくるため、すぐには成果が出ない場合もあります。失敗と成功を重ねて自社の採用力を磨き上げるには、ある程度の時間が必要になるのは仕方がないと言えるでしょう。採用候補者をリストアップしたり、第一候補者の入社意欲を高める努力だったりと、スカウトサービスに求められるスキルの向上は欠かせません。既存の採用方法と並行しながら、スカウトサービスも取り入れていくスタイルが無難だと言えるでしょう。

主なスカウトサービス会社の比較

豊富な人材を登録するDODA(デューダ)

デューダの特徴は、スカウト可能な登録者数が日本最大級であるということでしょう。2019年9月時点で約170万人が登録しており、企業から直接スカウトメールを送信することが可能になっています。初めて利用する場合でも、求人票作成の手引きが用意されており、スムーズに採用活動をスタートさせることができます。候補者を選別したのち、最短2日で初回の面接設定が可能であるというスピーディーさも、デューダの魅力だと言えるでしょう。

即戦力に特化したビズリーチ

ビズリーチは、企業の中核を担う即戦力人材に特化したスカウトサービスを展開します。2019年9月時点で、登録者数は約91万人にも上ります。そのうち26%がマネジメント経験者であったり、38%が日常会話レベル以上の英会話が可能だったりと、ハイクラスの人材が多数登録していることが強みだと言えるでしょう。事業拡大を目指す中小企業だったり、即戦力のゼネラリストを求めているベンチャー企業だったりと、経営幹部のスカウトを検討している企業におすすめです。

効率的で扱いやすいリクナビNEXT

リクナビNEXTでは、求職者の経歴が企業の求めるスキルや経験に合致したときに、個別面接の案内を送信できるプライベートオファーが利用できます。また、求職者の職種や勤務地が合致したときに「弊社ではこのような求人を募集していますが、いかがですか」というメールを送信する興味通知オファーも用意されています。このように、採用工程を短縮できて効率的なスカウト活動を進められるのが、リクナビNEXTの特徴だと言えるでしょう。また、選択した職種や勤務地で何名の人材にスカウトを送信できるのか、一人単位まで詳細に知ることができるのもリクナビNEXTのメリットだと言えます。

スカウトサービスを成功させる秘訣

求める人材像を明確にする

スカウトサービスの最大の特徴は、自社の第一候補の人材にこちらから直接アプローチをかけられるということです。ただし、一人に絞るとなると複数人の面接を行う場合に比べて、一人当たりにかける時間とコストも大きくなります。そのため、迅速な採用を急ぐあまり求める人材像が曖昧なままスカウトメールを送信すると、入社後のミスマッチに繋がる可能性も否定できません。求める人材像を採用担当者間で確実に共有するようにしましょう。面接を設定した場合は、自社の社風や理念を惜しみなく伝え、候補者の入社意欲を高めることがスカウト成功の上で大切なことです。

社内全体の理解と協力を得る

スカウトサービスを成功させるには、自社の理念や社風の良さについて熱意をもって伝えることです。そのため、人事や採用担当者の対応だけでスカウトサービスを成功させるのは困難だと言えるでしょう。スカウトメールの文面であったり、面接の際に現場の最前線で働く責任者が同席したりと、候補者をもてなすスタンスで臨むことが重要です。採用担当者の部門だけでなく、全社的な理解と協力があってこそ、スカウトサービスの成功確率が高まると言えるでしょう。

スカウト候補者の母集団を形成する

人材データベースの中から候補者を絞り込んだとしても、第一希望の候補者一人にだけスカウトメールを送信するのは、あまり効率的とは言えません。自社の魅力や熱意を訴えたとしても、候補者が興味を示さない限りは成功に繋がらないためです。そのため、採用したいと思える人材の母集団を形成し、複数人にスカウトメールを送信した方が効果的です。スカウトメールを送信した候補者の情報を管理し、適切なタイミングでアプローチをかけられる体制を整えておくことが重要になるでしょう。

特別感を抱く文面を心がける

スカウトメールの文面で重要なことは、候補者の自社への興味を深めることです。スキルや経歴と言った分かりやすい物だけでなく、マインドやキャリアプランを含めて候補者個人に興味を持っていることを示す文面を心掛けましょう。まずは、候補者個人に送られたことを印象付ける「限定募集」であったり、「月収の具体的な金額」だったりと、候補者の目を引くような書き出しにすることも効果的です。本文では自社の魅力や将来像を分かりやすく説明し、候補者一人ひとりに特別感を感じてもらえる内容であることが重要でしょう。

スカウトサービスの時間と人員を確保する

スカウトサービスは、基本的に求人広告を載せない分だけ金銭コストが抑えられる場合が多いです。しかし、何人も続けて失敗したり、個別対応が増加したりすると、時間的・人的コストが増える場合もあります。従来の手法を行っている上でそのままスカウトサービスを導入すると、採用現場が回らなくなる可能性もあるでしょう。スカウトサービス専任の担当者を配置したり、採用活動の一部をアウトソーシングしたりと、人員と時間をしっかり確保できるような体制を整えることが重要になります。

初めのうちはアウトソーシングを活用する

候補者を絞り込んでも、どのタイミングで面接を設定するかだったり、積極的に口説き落としても良いのかだったりと、解決すべき課題が次々と出てくることでしょう。スカウトサービスを成功させるには、自社の採用担当部門にある程度のノウハウが蓄積されていることが必要条件となります。特に、これからスカウトサービスを初めて今すぐに人材を獲得したいと考えている中小企業にとっては,少し困難な採用手法となるかもしれません。初めのうちは、スカウト活動をアウトソーシングし、少しずつノウハウを蓄積していく方法が無難だと言えます。

上から目線の面接にならないよう注意

スカウトサービスは従来の求人広告と異なり、「待ち」ではなく「攻め」の採用手法です。データベースの中から自社にマッチすると考えられる優秀な人材に入社してもらうため、面接ではおもてなしの心が成否を決定付けます。一方で従来の習慣のままの企業も多く、「熱意が感じられない」「志望動機が弱い」といった面接官の上から目線の考えで評価されているケースも少なくありません。自社に来ていただくというおもてなしの心だったり、公平な目線で判断したりと、面接官のスキル向上もスカウトサービスの成功には欠かせません。

アグレッシブな採用活動が成功へのカギ

働き盛りの労働力人口が今後ますます減少していく中、企業間の採用活動もこれまで以上に厳しいものとなりつつあります。従来の求人広告に加え、スカウトサービスを含めたダイレクトリクルーティングを積極的に導入していくことが、採用市場での勝利に欠かせません。候補者が魅力を感じるメールのライティング能力の向上であったり、自社の今後の見通しや理念だったりと、全社的なブラッシュアップも必要になってくるでしょう。ここでやっていけるのかという上から目線の視点を改め、共にやっていこうという全社的な発想の転換が、今後の採用市場での勝利に必要だと考えられているのです。

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