MECE(ミーシー)の意味とは【具体例や役立つフレームワークについてわかりやすく解説します】

記事更新日:2024年02月09日 初回公開日:2024年02月09日

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物事を考えるときに、基盤となる考え方を持つことは重要です。あれこれと考えを巡らしたあげくに結論が出ないこともあるでしょう。しかし考える基盤や考える基準を理解していれば、難しい問題にぶつかったとしても、より前向きで適切な判断ができます。ロジカルシンキングの原点とも言われる「MECE」は、企業で難しい判断を迫られたときにも躊躇なく正しい答えを導き出せる有効な概念と言えます。ここでは、MECE(ミーシー)の意味やMECEが生まれた背景から、MECEのアプローチ法や基本的手法までを詳しく解説いたします。悩みを抱える経営者の方々の一助となれば幸いです。

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MECEとは

漏れなくダブりなくという意味

MECEは、Mutually・Exclusive・Collectively・Exhaustiveの4単語からなるアクロニムで、漏れなくダブりなくという意味です。MECE(ミーシー)は、コンサルティング会社のトップを行く、マッキンゼー・アンド・カンパニー社に在籍していたバーバラ・ミントが考案しました。マッキンゼー社で女性初のコンサルティングとなったバーバラ・ミントは、ロジカルシンキングの原点ともいえる「MECE」を提唱し、世界に大きな影響を与えたのです。

MECEが必要な背景

複雑なビジネスの問題を解決するため

論理的思考(ロジカルシンキング)の基本とも言われるMECEが注目された背景には、複雑化が進むビジネスの世界で、問題を解決するために必要だと認められたからです。複雑な問題を考えるには、各要素を論理的な思考からシンプルな要素に分割することで真なる問題を発見し、様々な問題解決法が考えられるようになります。また、漏れ自体が問題になっていることや、ダブりが生産性や効率化に悪影響を与えることもあり、MECEの考え方を踏襲する企業が後を絶たないのです。

MECEを理解するための具体例

自動販売機設置の例

漏れがありダブりがないケース

MECEを理解するために、自動販売機を設置するときの、商品パッケージによって売り上げアップを図る具体例で考えてみましょう。自動販売機の売り上げは、「購入する顧客数」×「顧客1人当たりの購入単価」と考えることができます。計算式は成り立っているように見えますが、この計算式では集計する期間中に顧客が1回しか購入しないことになり、顧客の購入頻度という要素が漏れていることが分かるでしょう。これは、漏れがありダブりがないケースです。

漏れがなくダブりがあるケース

漏れがなくダブりがあるケースとして、自動販売機にラインナップする商品を、提供するターゲットを要素として考えてみましょう。「大人向け」「子ども向け」「男性向け」「女性向け」「若者向け」「中年向け」「老人向け」とターゲットを細分化しました。世界中の人をターゲットに考えたとして、誰もがどこかのカテゴリー対象になるため漏れはないと考えられます。しかし、このグループ分けでは、年齢と性別の2要素が判別基準となっているため、両グループに属する購買層が存在しダブりが多く発生しているのです。

漏れがありダブりもあるケース

自動販売機の商品購入層を学生に限定し「小学生」「中学生」「高校生」「予備校生」「受験生」にグルーピングした場合はいかがでしょうか。この場合は、漏れがありダブりもあるケースです。予備校生には、高校生や受験生も含まれることから、2つのグループに存在するダブりが発生しています。そして、大学生が抜けていることから、漏れがあるグルーピングにもなっています。MECEを理解してグルーピングするには、全ての対象を網羅しているか、重複する対象者がいないかを確認することが重要です。

MECEのアプローチ

トップダウンアプローチ

MECEには大きく分けて2つのアプローチ方法があり、その1つがトップダウンアプローチです。トップダウンアプローチは、全体像が明らかであり、その後に行う分類が想定しやすいときに使われます。全体像を1つの大きなグループと捉え、いくつもの細分化したグループに落とし込んでいく分解戦術です。ロジックツリーなどが良い例であり、ピラミッド型の深掘りを考えていくことで、難しい問題も解決に導ける有効なアプローチになります。

ボトムアップアプローチ

もう1つのボトムアップアプローチは、全体像が不明瞭なときに有効な手法です。全体像がハッキリしないまま細分化していくと、間違った方向に進んでしまう可能性があります。そのため、要素をたくさん洗い出してグループ化していくことで、全体像を見出していくボトムアップアプローチが有効です。ブレインストーミングのように多くの意見から全体像を見出すようにボトムアップアプローチは、未知な領域でも効果が発揮できると期待されています。

MECEに分解する際の基本的な手法

要素分解

MECEに分解する際の代表的手法が、要素分解であり最も基本的な手法です。要素分解では、全体像をしっかりと捉えてから、全体像を構成する要素をピックアップしていきます。そしてピックアップされた要素を、さらに細分化した要素に落とし込んでいくことで、問題解決を図る手法です。だんだんと裾野が広がっていくことから、足し算型や積み上げ型と言われるピラミッド型の切り分け手法です。どのような要素で分解していくかが早期問題解決への大きなカギになります。

時系列・ステップ分け

時系列・ステップ分けでは、時系列で変化のあった「準備・実行・評価・改善」や「仕入れ・加工・製品化・出荷」など、段階別で分解する手法です。各段階に応じたマーケティング戦略が可能になることから、職種によってはステップ分解を推奨することも多くあります。商品の付加価値がどこで生まれたかが良く分かる「バリューチェーン」もこの一つで、素材購入から製品化されて消費者の手に渡るまでの流れが良く理解できる分解方法です。

対照概念

対照概念とは、対象概念を挙げることにより分類する方法です。「質・量」「主観・客観」「固定・変動」「個人・法人」「悲観・楽観」などと多くの人に伝わりやすいことから、自分だけでなく人に伝えるために役立つ手法と言えます。選択肢が相対する2つしかないため、理解しやすく判断もしやすいというメリットがありますが、中間要素がないため柔軟な発想には不向きだと言えるでしょう。自分が理解するときには別の手法を使い、人に説明する際に対照概念を使用するなど、使い分けることもおすすめです。

因数分解

因数分解とはその名の通り、分解したい対象である要素を、起因する計算式で分解して表現する方法です。売り上げは「顧客数×客単価」で表すことができるのはご存じの通りですが、同様に要素に数式をあてはめていくことで、数式要素を細分化します。例えば前述の客単価は「売上÷客数」であることから深掘りすることができるでしょう。掛け算や割り算だけでなく、四則演算を駆使してMECEのフレームワークを作ることができます。計算式は結果および分解の根拠になるとともに、目指す目的を明瞭に表すものとなるでしょう。

MECEを活用する際に役立つフレームワーク

3C分析

MECEを活用する際に役立つフレームワークの代表に、3C分析があります。3Cとは「Customer・市場」「Competitor・競合」「Company・自社」を表します。そして、市場や顧客ニーズと競合他社と自社の乖離などを分析することで自社の成功を模索するフレームワークです。市場や顧客ニーズは時間を待たずして変化しているため注意しなければいけません。また競合他社との比較では、自社を客観的に見られるかが重要であり、それを踏まえて自社の強味と弱みを冷静に判断する必要があります。

SWOT分析

SWOT分析とは「Strengths・強味」「Weaknesses・弱み」「Opportunities・機会」「Threats・脅威」から見る分析です。自社の持つ強味と弱み、および自社を取り巻く複雑な環境と言える機会と脅威という視点から企業の成功を導き出すフレームワークになります。企業戦略の策定から重要事項の意思決定などにも使われる手法です。まずは自社のことを良く知りつくしたうえで、取り巻く環境を捉えていきましょう。内部環境と外部環境を良く見極めて、自社の伸びしろがどこにあるのかを考えていきます。

4P分析

4P分析とは、「Place・流通」「Price・価格」「Product・製品」「Promotion・販売促進」の4つの要素で戦略を考える手法です。何をどのようにして売っていくかを考えるフレームワークであり、マーケティングミックスとも呼ばれています。商品の性能と価格設定から、販売経路や販売のためのプロモーションなども含めて、細かい販売戦略などを考えるものです。漠然と良いものを多く売ろうと考えたとしても顧客のニーズにそぐわなければ売れませんし、販売網ができていなければ売れるものも売れなくなってしまうでしょう。

5フォース分析

5F分析とは、「業界内の競合」「代替品の脅威」「新規参入者の脅威」「買い手の交渉力」「売り手の交渉力」の5つの力で分析する手法です。国際競争に生き残るために考え出された競争戦略のための分析方法で、5つの力と業界を取り巻く環境を冷静に把握して戦略を立てることが重要になります。自社がさらされている脅威を十分に知ることで、自社が何をすべきかを導いてくれる手法です。ただし、自社を過度に評価することや、他社や取り巻く環境を軽んじてはいけません。客観的な視点から冷静に現実を受け止めましょう。

PEST分析

PEST分析では「Politics・政治」「Economy・経済」「Society・社会」「Technology・技術」などを把握して分析します。市場や顧客ニーズが変化する中で、マクロ環境は変化し続けています。それに対応した最先端の商品を開発するのが売れる商品の開発であり、良い商品だから売れるという時代ではないのです。PEST分析は流行やトレンドなどを捉えることに有効であり、マクロ環境の変化と流れの方向を読み取ることで、顧客のニーズを先取りした商品開発が可能になります。

PDCA

PDCAは、継続的な製品管理に有効な手段として有名な手法です。「Plan・計画」「Do・実行」「Check・評価」「Act・改善」の4つのプロセスを繰り返すことを意味し、PDCAは4つの頭文字をとったものです。この4つのサイクルを繰り返すことにより、業務の改善が継続的に行われマンネリ化を防ぎます。継続的な改善は品質維持および品質向上に貢献するものであり、ものづくりなどでは欠かせない概念です。このようにPDCAは1サイクルで終わるものではなく、継続することで効果が期待できる手法になります。

まとめ

MECEを活用してビジネスの複雑課題に対応しよう

MECEを理解するには図に書いてみるのが分かりやすいでしょう。「漏れなく」とは、白紙に色を塗ったときに色が塗られていない部分を無くすことです。漏れは、販路の拡大の余地があることを意味します。「ダブり」は対象者の集合体を丸く囲んだ時に丸と丸が重なる部分です。販売などでは重複するため二度手間となり、ダブりが多いほど仕事の効率は悪くなります。そういった意味からMECEでは漏れなくすることが第一です。そしてビジネスの世界では複雑化が、さらに進んでいます。経営に携わる方々は、ぜひMECEを活用して問題解決を図ってください。

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