組織の崩壊する原因とは？【そのような組織の前兆や与える影響についても解説します】

記事更新日：2024年01月17日｜初回公開日：2024年01月16日

組織運営では多くの従業員のマネジメントが求められるため、難しいポイントの一つです。しかし、小さな問題だとしても放置すると大きなトラブルの発生や、組織崩壊という結果を招くこともあります。組織崩壊は、企業の業績悪化や信頼関係の失墜につながる深刻な事態です。本記事では、組織崩壊が起こりやすい企業の特徴や組織崩壊を防ぐための対策などを紹介します。組織運営に問題を抱えている方は、是非参考にしてみてください。

組織崩壊とは

組織が上手く機能せずに効果的な運営が困難な状態

組織崩壊とは、組織が上手く機能せず効果的な運営が困難になった状態のことを指します。組織が正しく機能しなくなることで、業績や生産の低下や職場の雰囲気の悪化など、様々な弊害を招きます。職場崩壊は突然起こるものではなく、複数の要因が時間をかけて積み重なり、崩壊するに至ることがほとんどです。組織崩壊を防止し会社を守るためには、組織が小さな問題を軽視せず、対策を立てて改善の努力を継続することが必要不可欠です。

組織崩壊の原因

従業員が責任感や目的意識を見失っている

組織崩壊の一つの原因として挙げられるのは、従業員が責任感や目的意識を見失っていることです。経営層やマネジメント層、若手社員など、パフォーマンスを発揮するはずの人材が機能しなくなると、組織力が低下します。例えば、指揮系統の乱れや現場の生産性の低下を招くことが挙げられるでしょう。組織力の低下によりトラブルが発生し、さらに組織の雰囲気が悪化するという悪循環に陥ることも考えられます。やがては、組織崩壊を引き起こす要因となるでしょう。

組織崩壊が起こりやすい組織の特徴

責任感に欠けた従業員がいる

組織崩壊が起こりやすい組織の特徴の一つとして、責任感に欠ける従業員がいることが挙げられます。従業員が責任感に欠けていると、業務におけるトラブルが発生しても自分以外に責任を押し付けるでしょう。職場の人間関係の悪化を招く上、業務の質も低下します。また、責任逃れのために小さな問題を放置して大きなトラブルに発展することもあります。従業員の責任の範囲が曖昧とされる組織では責任の所在がわからなくなるため、起こりやすい事例です。

過度にマニュアルに依存している

従業員や組織文化として過度にマニュアルに依存していても、組織崩壊を引き起こす一因になります。柔軟な思考力が失われ、臨機応変に対応する能力が低下するためです。既存のマニュアルのみにとらわれた体制では、新しい価値観や改善提案の視点を持った業務への取り組みが難しくなります。従業員の主体的な行動を阻害し、モチベーションを下げることになるかもしれません。また、マニュアルによる制限が多いと、結果的に従業員が責任感を持たなくなるでしょう。

職場の雰囲気が悪い

職場の雰囲気が悪いことも、組織崩壊を招く原因の一つです。職場の雰囲気が悪いことで従業員のストレスとなり、パフォーマンスが低下するためです。労働環境や人間関係など、職場の雰囲気を悪化させる要因は様々ですが、コミュニケーションの減少によるトラブルの発生やストレスによる健康状態の悪化を招くこともあります。職場の雰囲気の悪化が従業員の離職につながり、一人当たりの業務の負担が増えることも考えられるでしょう。結果、さらに雰囲気が悪化し組織崩壊を引き起こすことがあります。

職場崩壊が起こる組織の前兆

メンタルの不調を訴える人が多い

職場崩壊が起こる前兆として、メンタル面での不調を訴える人が多いことが挙げられます。メンタルの不調は、上司など職場の人間関係が起因していることが半数以上であると言われています。職場でメンタルの不調を訴える人が多いほど、人間関係や上司に問題があることを疑うべきでしょう。やがては離職する従業員の増加や、定着率の低下につながり、深刻な人材不足に陥ることも考えられます。結果的に業務負担の増加でさらにメンタルの状態が悪化する従業員が増え、組織崩壊になるでしょう。

コミュニケーションが少ない

コミュニケーションが少ない職場は、組織崩壊につながりやすいと言えます。従業員の組織に対するエンゲージメントが低下し、貢献する気持ちが薄くなるためです。従業員のエンゲージメントが低いと組織への関心が薄くなるため、業務の質の低下や早期離職を招きます。特にテレワークが普及した近年は、以前より顔を合わせる機会が少ないため、職場内のコミュニケーションが過疎化しがちです。コミュニケーションが少ないと従業員の不満にも気がつきにくく、組織崩壊の要因を把握することも難しくなるでしょう。

組織崩壊が引き起こす影響

従業員への負担が増える

組織崩壊が起こると、従業員一人当たりの負担が増えます。組織崩壊により退職者が増えると、残った従業員が業務を引き継ぐことになるためです。もともと抱えていた業務量に加えてさらなる業務をこなすため、必然的に勤務時間は伸びるでしょう。時間外労働や休日出勤が増えることも予想されます。従業員の体力的にも精神的にも負担が大きくなるため、さらなる離職や休職につながることもあります。離職者が増え続ける悪循環ができてしまい、経営も立ち行かなくなるでしょう。

業績悪化に繋がる

組織崩壊が起こると、業績の悪化にもつながります。組織崩壊で離職者が増えることで人材不足が低下し、商品やサービスの質が低下するためです。以前と同じような要領で仕事を回すことが難しくなります。これまで自社商品やサービスに満足して利用していた顧客も、質の低下を感じて離れてしまうでしょう。また、対応ミスなどで取引先とのトラブルが発生するかもしれません。企業の信頼を失い、必然的に業績の低下へとつながるでしょう。

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組織崩壊を防ぐ対策

業務の見直しを行う

組織崩壊を防ぐための対策として、業務の見直しを行うことが挙げられます。業務の無駄を省き、効率化することでタスクの量を減らして従業員のストレスを軽減できるためです。1つの業務において煩雑なプロセスが多いと、モチベーションを維持することが難しくなるでしょう。簡略化できるプロセスはないかという視点や、現場が抱える問題をどのように解消するか考えることが大切です。状況に応じて業務を見直し、改善を続けることで組織の持続的な成長につながります。

チーム人数を最適化する

組織崩壊を防ぐためには、チーム人数を最適化することも必要です。一人当たりの業務負担が増えないよう調整することはもちろん、1つの業務やプロジェクトに対して多すぎる人数をアサインすることも避けましょう。人数が多いと、意見や情報が錯綜して結論が出づらいほか、発言機会を失う従業員が出てくることもあります。それぞれの従業員の意見が通りやすく、意思決定をしやすい人数に最適化することで、コミュニケーションが活性化し組織崩壊を防ぎやすくなります。

会議やミーティングを効率よく行う

会議やミーティングを効率よく行うことも、組織崩壊を防ぐために効果的です。長く続く会議で生産性がないと感じると、従業員のモチベーションが下がり、不満につながります。会議の目的は明確にし、目的の到達に向けた議論を行うことが必要です。パートごとに時間を意識しながらの進行や、リーダー以外の参加者に司会進行を務めてもらうなど、効率的且つ活発な会議ができるような工夫を取り入れましょう。会議がテンポよく進めば迅速な意思決定も期待できます。

指示が出しやすくなるような工夫をする

組織崩壊を防ぐための対策の一つに、指示を出しやすくなるよう工夫することも挙げられます。指揮系統がはっきりしていることで、責任の所在や各自の業務範囲が明らかになり、組織が正しく機能するためです。指揮系統や業務範囲を従業員に浸透させるためには、組織図の作成や担当業務の明確化が効果的です。また、指示の出し方についても人によって大きな差が生まれないよう、マニュアルの作成で明確にしておくとスムーズに業務が進むでしょう。

人事評価を納得のいくものにする

組織崩壊を防ぐためには、従業員が納得いくような人事評価を行いましょう。人事評価は従業員のモチベーションに大きく影響します。公平で正当な評価はもちろん、評価項目や評価基準は明確にし、従業員に公表することが必要です。また、公平な評価を行うためには、従業員を正しく評価できる人材を評価者として割り当てることが求められます。評価時は従業員にフィードバックを実施することで、今後のモチベーションにつながるでしょう。

心理的安全性を向上させる

従業員の心理的安全性の向上は、組織崩壊の防止に効果的です。従業員が上下関係なくコミュニケーションが取りやすく、能力を存分に発揮できる環境は従業員の満足度も高いためです。チームを牽引するリーダーの教育や、従業員同士が感謝を伝え合える環境づくりなどによる働きやすさが、心理的安全性に大きく影響します。心理的安全性の高い組織は組織改善が行いやすくエンゲージメントの向上にもつながるため、組織崩壊が起こりにくくなるでしょう。

組織崩壊を立て直す方法

指揮系統の乱れを直す

組織崩壊を立て直すためには、組織系統の乱れを直すことが必要です。従業員がそれぞれの役割をはっきりと認識することで、責任感が芽生えてモチベーションの向上につながります。組織を立て直す際に再度組織図などを作成し、従業員に公表する必要があるでしょう。指揮系統が曖昧だと、混乱が生じやすく責任の所在も曖昧になりがちです。組織が正しく機能し、臨機応変に対応するため、基盤となる指揮系統や責任者を定めておきましょう。

従業員の働きやすい環境を整える

組織崩壊から立て直すためには、従業員の働きやすい環境を整えましょう。労働時間や勤務条件、職場の人間関係などの労働環境は、従業員のモチベーションや生産性の向上に直結するためです。働きやすい環境には従業員が定着しやすく、離職による人手不足を防げるでしょう。従業員の満足度調査や面談時に職場環境への満足度を確認し、必要に応じて改善することも求められます。従業員が定着すれば組織が安定し、組織崩壊を立て直すことが期待できます。

まとめ

対策をしっかりとして組織崩壊を防ごう

組織崩壊の原因や前兆、対策などを解説しました。組織崩壊は長い時間がかかった上で発生するため、立て直すのも時間と労力を要します。組織崩壊を事前に防ぐためには、業務の見直しや職場環境の改善など、様々な対策を試み、改善を続けることが大切です。現在は問題がなくても、社会の変化と共に変化が求められることもあるため、組織の現状や改善点は常に把握しておくことが大切です。組織崩壊を防ぎ、健全な企業の経営を実現しましょう。