新入社員が退職する理由とは【防止法を交えてお伝えします】

記事更新日:2022年11月01日 初回公開日:2022年10月28日

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新卒が入社してから3年以内に退職することを、「早期離職」と言います。厚生労働省の調べによると、ここ数年の早期離職者は約3割となっており3人に1人が入社して3年以内に退職しています。売り手市場である採用市場で、企業にとって早期離職者が出てしまうことは大きな痛手です。早期離職の対策を行う必要がありますが、具体的にどのような対策を講じればいいのか悩んでいる方は多いのではないでしょうか。今回は新入社員が退職する理由や、退職の兆候について解説していきますので、人事部の方や新人教育担当の方は参考にしてみてください。

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新入社員が退職する理由の例

業務内容に関するギャップがある

新入社員が退職しようと考えるのは、業務内容に関してギャップを感じた時です。説明会などで、事前に学生が得られる情報には限りがあります。入社前に聞いていた・思っていた内容と、配属された先の業務内容が異なった場合「思っていた仕事と違う」「このように聞いていない」というギャップが生じます。実際の業務に携わってからの差に自信を無くし、離職を考える新入社員も少なくありません。企業側としては、事前に説明会や研修等で説明しているつもりでも新入社員としてはイメージとのギャップを感じているのです。

待遇に関するギャップがある

新入社員は、待遇に関してギャップを感じたときに退職を考える傾向にあります。待遇は応募する際の求人票や、入社する前の雇用契約などで明記されていますが、働いたことのない新入社員にとってしっかりと理解することは困難です。「希望する通りの休みが取れない」「残業時間が思っていたよりも多かった」等、長時間労働やプライベートの時間が取れないことから不満が溜まってしまいます。業務内容の割に給与が低い場合にも、他の同世代の人達と比較してモチベーションが低下し転職を考えることに繋がります。

人間関係での悩みがある

人間関係で悩んでいる場合にも、新入社員が退職を考える理由となります。年齢に関係なく、職場での人間関係で悩み離職する人は少なくありません。新入社員は初めて企業で働き、日々慣れない業務にストレスを感じやすくなっています。そんな中、上司や先輩社員に質問をしたくても忙しそうにしていると質問や相談がし辛く、不満は溜まる一方です。いじめやハラスメントがある場合は勿論ですが、そういった明確な問題が発生していなくても孤立して居場所が無いと感じてしまうと帰属意識が薄れ離職に繋がります。

将来性が感じられない

新入社員が退職する理由は、将来性が感じられないことも原因となりえます。終身雇用制度は薄れ、働き方が多様化している中で同じ企業で一生働くということは簡単ではありません。若年層には特にこういった意識が根付いていますが、将来が不安だからこそ将来性のある企業に勤め安定した生活を送りたいと考えている人も少なくありません。厚生労働省の調査によると、入社3年以内に離職した人の約12.4%が会社の将来性に不安を感じて離職をしています。それだけでなく、少し上の先輩が自分の将来のイメージとなり任されている仕事や言動などを見て退職を考える場合もあります。

新入社員の退職による損失

採用活動に悪影響が生じる

新入社員の退職による損失は、採用活動に悪影響を及ぼします。ハローワークや大学への求人掲載・求人サイトに掲載する際に、企業側は3年間の離職率・定着率を開示を行っています。定着のしやすさや働きやすさをアピールする為の数値ですが、この割合が高まると人材が定着しづらい会社だと認識されます。しかし離職率や定着率を開示していない場合、企業にとってネガティブな情報だから開示してないと認識されかねません。応募の際に口コミサイト等をチェックすることも当たり前になってきている為、早期退職者が多いと優秀な人材を遠ざけてしまうことに繋がります。

既存社員のモチベーション低下につながる

既存社員のモチベーション低下も、新入社員の退職による損失と言えます。採用担当やOJT指導担当者が、「せっかく採用したのに時間の無駄だった」「OJTに時間をかけたのに勿体ない」と思うのは心情として自然です。それだけではなく、入ったばかりの新入社員が辞めてしまうと「何か問題があるのでは」等と言った不安や懸念を周りの従業員に与えてしまいます。既存社員の不安が蓄積していくと、企業内の心理的安全性が低下していき会社としての離職率が高まり企業としての生産性の低下などにも繋がります。

新入社員が退職する兆候

発言の回数が減る

新入社員が退職を考えている時には、発言の回数が減る傾向にあります。業務への意欲が低下してしまうと、就業中積極的に発言をしなくなります。特にMTG中は、上司や先輩社員と意見を出し合い今後の方針などを確認する場です。それと同時に自分の意見をアピールできる絶好の機会です。以前はMTGの場で積極的に発言をしていた社員が、意見を求められても最低限の発言のみになっている等の変化が見られる場合には退職を考えている可能性があります。上司や先輩社員だけでなく、同僚ともコミュニケーションを取らなくなっている場合にも注意が必要です。

身だしなみに変化が生じる

新入社員の身だしなみに変化が起こっている場合には、退職を考えているかもしれません。新入社員の身だしなみが、今まで以上に整っている場合には転職活動を行っている可能性があります。また入社時はきちんと身だしなみが整っていたのに、次期が経つにつれて身だしなみが乱れている社員にも注意が必要です。入社したばかりの時には周囲からどう見られているか気になる為、身だしなみに気を使います。しかし周囲からの目が気にならなくなり服装が乱れている社員は、仕事への意欲を失っている場合がある為注意しなければなりません。

単独での行動が増える

新入社員が退職しようと考えている時は、単独行動が増えていきます。職場での人間関係は、長く働こうと思えば思うほどしっかりとした関係性を築けるように努力します。退職を考えている人にとっては、我慢してまで職場の人間関係を築く必要が無くなり一人での行動が目立つようになります。同僚とお昼に出かけていた社員が、急に一人でお昼に行くようになる等の変化が起きている場合は退職の兆候です。お昼だけではなく、雑談にも参加せずに印象が暗くなって行きます。コミュニケーションを取っていない場合、個人的な悩みを抱えてることもある為話を聞くなど行動を起こしましょう。

遅刻や早退が増える

遅刻や早退が増えている際にも、新入社員は退職を考えている兆候と言えます。本格的に転職活動を行っていくと、最初の段階では現在の職場への遠慮もあり就業時間後等に行う努力をしますが次第に上司からの評価なども気にならなくなります。その為、転職活動の優先度が上がり面接や会社説明会に参加し遅刻や早退が増えて行きます。更に優先して面接等に行きたい為、以前よりも有給休暇の申請頻度が高くなります。目に見えて休暇の申請が増えている場合には、退職への思いが強くなっている可能性がある為注意しなければなりません。

新入社員の退職を防ぐ方法

採用活動において適切な情報開示を行う

新入社員の退職を防ぐには、採用活動において適切に情報開示を行う必要があります。新入社員は入社前と入社後にミスマッチを感じることによって、退職を考えるようになります。ミスマッチを発生させないようにするためには、ギャップが生じてしまいそうな情報は事前にしっかりと開示するようにしましょう。業務内容や待遇についての情報開示は勿論ですが、繁忙期の忙しさや「新人が感じやすい悩み」等ギャップの原因になりそうな情報は入社前に開示し理解してもらいましょう。マイナスな情報ばかりでなく、企業としての魅力もアピールしながら情報開示を行うことが大切です。

インターンシップを実施する

インターンシップを実施するのも、新入社員の退職を防ぐのに有効な手段です。近年のインターンシップの役割は、母集団形成の一つとして活用されています。インターンシップを行うことで、実際の職場環境なども自分の目で見ることが出来るだけでなく、業務を行う自分の姿も想像することが可能です。またインターンシップだけではなく、内定者アルバイトなどを行い業務の一部に携わり、先輩社員とコミュニケーションを事前に取ることで入社してからのギャップを埋めることが出来ます。

同期社員のつながりを深める

新入社員の退職は、同期社員のつながりを深めることで防ぐことが出来ます。新入社員は働くことが初めての為、業務を覚えたり部署のメンバーを覚えたりと新しいことばかりのためストレスが溜まりやすくなっています。慣れない環境の中で、同期入社した社員同士の交流する場を設けることによって、居場所が無いと感じてしまうことは少なくなります。また同期だけではなく、先輩社員も含めランチ会等フランクにやり取りが行える場を設けることで不安を解消することが可能です。

研修制度を充実させる

新入社員の退職を防ぐために、研修制度を充実させましょう。新入社員は、「任された仕事がうまく出来ずに自信を無くした」という場合にも離職を考えることがあります。そう言った事態に陥らないためにも、実務に近い研修を行い毎日新入社員とコミュニケーションを取ることが大切です。新入社員にきちんとした指導が行き届き、業務を正しく教えられる体制も整えることが出来ます。研修制度を充実させることにより、新入社員に実践的なスキルが身につくため自信を失うこともありません。

メンター制度を導入する

メンター制度を導入して、新入社員の退職を防ぎましょう。メンター制度とは、新入社員や若手社員が抱えている悩みを年齢や社歴の近い先輩社員が助言を行う制度です。同じ部署ではなく、別の部署の先輩社員をメンターに置くことによって直属の先輩には話しにくい職場での悩みを相談出来ます。また他部署の先輩と関わることで、将来の業務等の視野が広がるメリットもあります。相談相手が社内にいることにより、孤独感が薄れ安心感が生まれます。ただし干渉しすぎもストレスになる為、程よい距離感が大切です。

新入社員の退職を引き止めるためのポイント

社員に寄り添って解決策を見つける

新入社員の退職を引き留める時のポイントは、社員に寄り添って解決策を見つけることです。引き留める時に大切なことは、退職希望者の意向を受け止めることです。どのような理由で退職を考えたのか等を真摯に受け止めましょう。退職者が伝えてくる退職理由は大半が建前です。希望者の本音が聞き出せるように、しっかりと対話を重ねましょう。退職の話を行う時は、水面下で行うことも重要です。公になってしまうと、退職する日まで肩身の狭い思いをしてしまいます。しっかりと社員に配慮を行いながら、意見を聞き社員に合った解決策を見つけなければなりません。

まとめ

新入社員の退職をなるべく防ぎましょう

新入社員が退職を考える理由や、対策方法について解説しました。新入社員の退職は、採用や教育のコストが無駄になるだけではなく企業としてのイメージや既存の社員にも影響を及ぼします。退職を希望する新入社員に対して、しっかりとしたヒアリングを行い離職の原因となっている問題を把握することが大切です。社内の問題を把握した上で、新入社員への研修制度の整備や職場環境を整え新入社員へのサポート体制を構築しましょう。新入社員への退職をなるべく防ぎ、新入社員の定着率が高い企業を目指していきましょう。

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