グローバル戦略を成功させるためには【4つの種類と具体的な事例を紹介します】

記事更新日:2021年06月29日 初回公開日:2021年06月29日

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現在多くの企業が世界に進出して大規模なビジネスを展開しており、普段からよく耳にするような企業も海外の企業であることが多いです。グローバル化が進むなかで、日本の企業もこれからさらに海外に市場を広げていくことになるでしょう。新たに海外進出を視野に入れている企業の方もいるのではないでしょうか。グローバル戦略とは海外にビジネスを展開していくために、国内だけでなく世界中を一つの市場として捉える戦略のことです。グローバル戦略の特徴や、実際にグローバル戦略をとっている企業についても紹介していきますので、海外進出を考えている企業のご担当者の方はぜひご一読ください。

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グローバル戦略とは

全世界を一つの市場と捉える戦略

グローバル戦略とは、全世界を一つの大きな市場と捉える戦略です。したがって、国内だけではなく海外にも目を向けてマーケティングを行うことになります。自社の製品やサービスの性質によって、海外進出することで大きく売り上げの向上が見込める場合は積極的にグローバル戦略を行うべきでしょう。そうでなくとも少子高齢化や人口減少の影響もあり、国内の市場のみではなく海外に向けても市場を展開していく必要が出てくると考えられます。したがって、現状では海外への進出が難しい場合には、進出先の顧客の性質や環境について研究する必要があります。

グローバル戦略とマルチドメスティック戦略の違い

マルチドメスティック戦略はそれぞれの国を個別の市場と捉える

グローバル戦略に対して、マルチドメスティック戦略というものがあります。グローバル戦略は全世界をひとつの市場と捉えるのに対し、マルチドメスティック戦略はそれぞれの国を個別の市場と捉えてマーケティングを行います。したがってマルチドメスティック戦略の場合は国ごとの好みや環境などについて細かく調査し、それぞれに最適な形でビジネスを行わなければなりません。海外進出する場合は、企業の提供している商品やサービスによってこれらの戦略を使い分けるようにしましょう。

グローバル戦略のメリット

大きな市場でビジネスを行える

グローバル戦略を行うことによる一番大きなメリットは、市場の規模を拡大できるということです。これまで国内のみを対象にして行っていたビジネスを海外にも広げるため、必然的に顧客が増えるでしょう。日本を例にとると国内の人口は年々減少の傾向がありますが、世界全体で見れば人口の増加が続いています。このことからも、国内のみにとどまっているよりも海外の市場に目を向けて進出していくことも日本企業にとって重要だといえます。

人件費を削減できる

グローバル戦略を行うことによって人件費を削減できます。その理由は、海外に生産の拠点を移せば現地の従業員を国内よりも安価で雇うことができるからです。少子高齢化の影響もあり日本国内では労働力の確保が困難になり人件費が高くなることが懸念されます。それに対して労働人口の多い発展途上国では比較的低賃金で従業員を雇用することができるため、人件費を抑えられます。現地の従業員とコミュニケーションを取るのが難しいといった課題もありますが、雇用にかかるコストを減らせるのは企業にとってかなり大きなメリットといえるでしょう。

原材料費を削減できる

海外に拠点を移すことによって、人件費だけでなく生産にかかる原材料のコストも削減できます。日本よりも物価の安い国に生産の拠点を置くことによって原材料費を抑えることができ、製造にかかるコストを抑えられるため商品の価格も下げることができます。製造業においては人件費よりも原材料費の占める割合の方が大きいため、商品価格を下げるためには原材料費を抑えるのが特に効果的といえるでしょう。また、現地で商品の販売も行う場合には顧客の要望などもすぐに取り入れることができるため、生産の拠点と市場は近い方が有利です。

技術力が向上する

グローバル戦略を行うことによって、海外の技術を国内に取り入れることもできます。日本は世界的にみても技術が発展しているイメージが強いですが、分野によってはまだ最先端とはいえません。例えばAIなどの分野においては海外の大企業に比べて遅れをとっています。これはほんの一例ですが製品開発に限らず、マーケティングにおけるノウハウなどさまざまな技術を海外から取り入れられるのもグローバル戦略を行うメリットだといえます。

グローバル戦略のデメリット

人材の確保が困難である

グローバル戦略を行うにあたって人材の確保はとても重要ですが、困難です。日本に比べて海外の企業では、終身雇用という考え方はあまり浸透していません。したがって、雇用した人材がずっとその企業で働き続けることはほとんどなく、定着率は低いです。さらに、言語や文化の違う従業員を採用してマネジメントを行うのはやはり困難です。雇用した人材にできるだけ長く、快適に働いてもらうために工夫して配慮するようにしましょう。

文化の違いに柔軟な対応が必要である

グローバル戦略は世界中のあらゆる国でマーケティングを行うことになるため、それぞれの国ごとの文化の違いについて理解し、対応する必要があります。企業内を例にとると、働き方や仕事に対する姿勢は国によって異なることがあります。従業員ができるだけ同じ意識で仕事に取り組めるように考え方を共有するようにしましょう。また、市場においても顧客の性質は国によって異なりますので、日本でのやり方を無理に貫き通すのではなく、分析して対応する必要があります。

グローバル戦略を成功させるポイント

期間と予算を計画する

グローバル戦略を行うには、初めに具体的な期間と予算を計画する必要があります。海外進出を検討してから、まず海外担当者の配置や現地の市場調査などを行うことになります。これらの準備期間は企業の規模や業種によりますが、数年かかることが一般的です。進出後も、すぐにその成果があらわれるとは限りません。黒字化するまでに現地で何らかのトラブルが起き、修正が必要になることもありますので予算は余裕を持って見積もっておくべきでしょう。

自社について分析する

グローバル戦略を取り入れる前に、自社についての分析もしっかりと行っておきましょう。自社の強みはなんなのか、海外に進出するにあたってどのような対策が必要になるかということです。特に海外で事業を行うための人材の確保や、人材の育成が一番大きな課題となることが多いです。社内に海外での業務を円滑にこなせる従業員はどれだけいるのか、またそのような人材をどうやって育成していくのかということも考えておきましょう。

現地調査を入念に行う

グローバル戦略を展開する現地の調査も入念に行う必要があります。グローバル戦略をとって海外に進出する場合には、多くの予算が必要になります。しっかりと現地調査を行わずに進出した場合、その予算が無駄になってしまいますのでそれだけは絶対に避けましょう。具体的には現地に競合となる製品があるかどうか、顧客のニーズは自社の製品とマッチしているかなどが重要なポイントになります。そのほかにもさまざまな観点から分析する必要があるため、現地でのパートナーを獲得するのが最適でしょう。

グローバル戦略の種類

グローバルスタンダード戦略

グローバルスタンダード戦略は、全ての国において製品やサービスを標準化する戦略となります。したがって、国によってその製品についての好みが大きく変わらない場合はグローバルスタンダード戦略が用いられる場合がほとんどです。例えばApple社のiPhoneはその代表例のひとつとして挙げられるでしょう。その他にもGoogleやAmazonといったサービスもグローバル戦略をとっている例として考えられます。また各国での経営に関する決定権も、基本的には本社にある場合が多いのもグローバルスタンダードの特徴です。

ローカライゼーション戦略

ローカライゼーション戦略は、進出先の国ごとに対応するようなサービスや製品を提供していく戦略です。日本国内で人気があるからといって、それをそのまま海外で展開しようとしてもうまくいかない場合が多いのは、それは国ごとに嗜好や文化の違いがあるためです。したがって、進出先でのターゲット層のニーズに柔軟に対応しなければなりません。特に、食に関しては国による嗜好の違いが大きいため食品系の企業はこの戦略を行うことがあります。

インターナショナル戦略

インターナショナル戦略は、商品開発やマーケティングを全て本社が行う戦略です。進出先にすでにある商品と、本社の製品が似ている場合に用いられることが多いです。さらに、進出先の国に目立った競合商品がないというのもインターナショナル戦略を展開するのに重要なポイントです。グローバルスタンダード戦略と似ていますが、グローバル戦略ほど本社の方針を各国で標準化することはありません。したがって、海外資源などについての意思決定権は海外子会社に委任することが多いです。それに対し、経営に関する重要な決定権は本社にあります。

トランスナショナル戦略

トランスナショナル戦略とは、市場の規模をグローバル化させると同時にローカライゼーション戦略の要素も含んでいるような戦略だと捉えるのが正しいでしょう。ローカライゼーション戦略と同様に、基本的には進出先の国によるニーズの違いにそれぞれ対応します。しかしローカライゼーション戦略に比べると本社が経営のコントロールをする割合が多くなるため、進出先の国と本社の間での連携が非常に重要であると考えられます。自動車業界などはほとんどが共通の部品でありながらそれぞれの国の規格に合わせた自動車を製造する必要があるため、トランスナショナル戦略がとられることが多いです。

グローバル戦略の事例

ユニクロ

グローバル戦略を取り入れている企業としてユニクロはその代表例として挙げられます。日本では知らない人がいないくらい有名ですが、もちろん海外でも大変人気のあるファッションブランドです。ユニクロは海外進出にあたって各国の気候や文化に応じた商品を提供しているため、日本で販売している商品を全ての国で同じように販売するということはありません。例えば冬でも気温が高い地域では、ショートパンツを販売するなどといった工夫もみられます。したがって、グローバル戦略の種類としてはローカライゼーション戦略に近いといえるでしょう。

ダイキン工業

ダイキン工業もグローバル戦略を取り入れている企業の一つです。ダイキン工業は世界トップの売り上げをもつ空調メーカーで、業務用空調において世界シェアの約50%を占めています。ダイキン工業も、各国の気候や家の形などに対応できる製品を提供することで、海外での事業を拡大させてきました。例えば電力の供給量の少ない国では、少ない消費電力で稼働するエアコンを製造する必要があります。エアコンは新規の参入が難しい業界ですが、国ごとのニーズにマッチした製品を提供し続けているということが、ダイキン工業の海外進出成功の理由といえるでしょう。

まとめ

グローバル戦略で市場を広げましょう

グローバル戦略について、その種類や具体的な事例についてご紹介しました。グローバル戦略をとってビジネスを展開することによって得られるメリットは大きく、今後も海外進出する日本の企業は増えていくと考えられます。しかし海外進出をするにはグローバル戦略についてよく理解しておく必要があります。自社で取り扱っている製品やサービスと相性の良いグローバル戦略を行うことによって、今よりもさらに大きな市場でビジネスを展開していきましょう。

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