マイクロマネージメントとは【ハラスメントとなり得る理由や影響について解説します】

記事更新日:2023年08月22日 初回公開日:2023年08月22日

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部下のマネジメントは、業務の達成に限らず今後の成長を促す機会にもなる大切な業務です。マイクロマネージメントは、部下に対して必要以上に細かい指示を出す、連絡の即返信を求めるなど過剰にマネジメントを行う方法です。過干渉になりがちなマイクロマネージメントは、部下や組織に悪影響を及ぼすこともあります。本記事では、マイクロマネージメントの詳しい概要や組織に与える影響、防止方法などを解説します。部下のマネジメント方法の参考にしてみて下さい。

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マイクロマネージメントとは

上司が部下の行動を逐一確認して細かく指示を出すマネジメント手法

マイクロマネージメントとは、上司が部下を過度に管理するマネジメントの手法です。部下の行動を逐一確認し、細かく指示を出すという特徴があります。例えば、チャットの返信を15分以内に強制する、1時間に1回など過度な頻度での状況報告を求めるなどの行動が当てはまります。マネジメントする上で部下への指示や状況報告は必要不可欠ですが、必要以上の管理は部下が負担に感じる状況に追い込むことに繋がるでしょう。

マイクロマネージメントとマクロマネージメントとの違い

マクロマネージメントは部下の主体性を重視する

マクロマネージメントは部下の主体性を重視し、裁量を与えるマネジメント方法です。到達目標や方向性を示した上で、やり方は部下に任せます。上司と部下の間で必要以上のコミュニケーションが発生せず、時間の有効活用や部下の自律性の醸成に効果的です。ただ、放置しすぎると部下が業務の進め方に困る場面も出てくるため、注意が必要なこともあります。放任はせず、定期的な進捗状況の把握や質問の場を設けることが大切です。

マイクロマネージメント注目の背景

テレワークやリモートワークが普及してきた

マイクロマネージメントが注目される背景には、テレワークやリモートワークが普及してきたことが関係しています。現場で働いているときとは違い、リモートワークでは仕事の状況が確認できないためです。進捗度への心配などから部下の状況を把握するため、逐一報告を求めることに繋がります。また、本来部下の裁量に任せられるはずの業務を、上司がプロセスまで細かく指定するなど過度に干渉する状況が発生するでしょう。

人材が多様化している

人材の多様化も、マイクロマネージメントに繋がる背景の一つです。外国人の従業員や時短勤務の社員、派遣社員など、様々なバックグラウンドを持つ社員とのコミュニケーションが発生するためです。細やかな状況把握を行わないと、伝達ミスなどのすれ違いが発生することもあります。そのような状況を避けるため、マイクロマネジメントによって社員の状況を逐一把握しようとする管理方法に発展しやすくなるでしょう。

マイクロマネージメントをしてしまう理由

不安から干渉してしまう

マイクロマネージメントは、上司が不安を抱えることから発生することが多いです。部下の評価が自身の評価に関わることや、部下のミスにより自分が責任を問われることになるためです。そのような事象を未然に防ぐために、部下に逐一報告を求めることや、過干渉気味になるという行動に移ります。また。上司の過去の失敗が原因で、部下に同じ失敗を繰り返させないためにマイクロマネジメントの手法をとることもあります。

自己顕示欲が強く表に出ている

自己顕示欲が強いことで、マイクロマネージメントに繋がることもあります。自分が部下に尊敬や信頼されたいという思いが強く表れた結果のパターンです。過去の成功体験をもとに部下に自分のやり方を強制し、成功することで評価されたいという考えからマイクロマネジメントに繋がります。この場合、様々な場面で部下に細かく口出しして間接的に否定するため、信頼の失墜やモチベーションを低くする可能性が高くなります。

管理が上手くいっていると錯覚している

部下をコントロールしていることで、管理が上手くいっていると錯覚しているパターンもあります。マイクロマネージメントは部下に対して行き過ぎた管理を行い、思い通りに動かしやすいです。そのため、管理ができているように感じますが、実際は部下に大きな負担がかかっていることもあります。部下が追い詰められることにもなるため、適切なマネジメント方法とは言えません。マネジメントのあり方を一度見直すことが求められます。

マイクロマネージメントをする人の特徴

部下の能力を見極められていない

マイクロマネージメントをする人は、部下の能力を見極められていない人が多いです。能力に不適切な業務を割り振るがために、部下が思うように成果を発揮できないことで不安を感じて過剰な管理を行います。例えば、部下に未経験の業務を割り当てるにしても、できそうなことと全くできないこととがあるでしょう。そこの見極めができず適切なフォローがないままだと、ミスが発生することは目に見えています。それが分からず部下の能力が低いと判断し、マイクロマネジメントに繋がります。

細部までルールを作ってしまう

マイクロマネージメントをする人は、細かいルールを設定する傾向にあります。ルールがあることで、効率よく管理ができると感じているためです。ある程度のルールがあったほうが上司も部下も業務に取り組みやすいです。しかし、必要以上の縛りは部下の行動を制限するため、モチベーションが低下することもあります。業務をスムーズに遂行するため必要なルールを見極め、部下が主体性を発揮できるよう配慮することが大切です。

基本的に部下の意見を聞き入れない

マイクロマネージメントを行う人は、部下の意見を聞かないという特徴があります。自分の考えや従来のやり方が正しいと認識しているためです。自分の価値観にとらわれた判断をしがちなため、部下が画期的なアイデアを提案しても切り捨ててしまうこともあります。部下や組織の成長機会を奪い、業務が改善されることはないでしょう。そこで業務が滞る原因が自分ではなく部下にあると思い込み、マイクロマネジメントに繋がります。

マイクロマネージメントが部下に及ぼす影響

仕事のモチベーションが下がる

マイクロマネージメントは、部下の仕事に対するモチベーションを下げてしまう原因になります。業務を自分の裁量で進められない不満や、上司に認められていないという不安を感じやすいためです。過干渉や必要以上の細かい指示も、監視されているように感じてストレスに感じるでしょう。モチベーションが下がることで業務にも支障が出ると、生産性の低下を招きます。また部下の主体性も醸成できないため、成長できない環境になる可能性もあります。

メンタル面の不調を引き起こす可能性がある

マイクロマネージメントが行われた結果、部下がメンタル面の不調を引き起こすこともあります。過干渉や常に状況を報告しなければいけない環境で、不安やプレッシャー、ストレスを感じやすいためです。業務を遂行する上で精神的な負担が大きいと、離職や休職に繋がるようなメンタルの状態になる可能性もあります。その結果、生産性の低下や人手不足など、組織にとって望ましくない状況に陥ることに繋がるでしょう。

指示を待つだけの人材になる

マイクロマネージメントの中で成長した部下は、指示を待つだけの人材になる可能性が高いです。過干渉されてきた結果、自身で考える機会に恵まれず、主体性が育たないためです。そのため、業務経験を重ねても指示されないと動けない人材になってしまいます。マイクロマネジメントが繰り返されていれば、主体的に動ける人材が育たず生産性は著しく低下するでしょう。その場合、組織体制が崩れることも懸念されます。

マイクロマネージメントが組織に及ぼす影響

上司や管理職の役割が機能しなくなる

マイクロマネージメントは、上司や管理職の本来の役割が機能しなくなる可能性があります。組織目標の達成に向けた管理や部下の牽引が求められるものの、部下の干渉に時間を割きすぎてしまうためです。本来やるべき業務がおろそかになるでしょう。また、マイクロマネジメントの中で育ってきた部下はマネジメントに必要な能力が醸成されにくいため、自身が上司になったときに適切な管理ができない可能性も高いです。

離職率の増加に繋がる可能性がある

マイクロマネージメントは離職率の増加に繋がる可能性もあります。過干渉により、部下のモチベーションが下がるためです。また、将来のキャリアを不安に感じる部下や思うように成長できないと感じる部下は、早々に見切りをつけて退職を選ぶことになるでしょう。離職率が増えると、企業の慢性的な人材不足に陥ることになります。それにより、余計に職場環境が悪化してマイクロマネジメントが発生する悪循環にも繋がります。

採用コストや育成コストがかさむ恐れがある

マイクロマネージメントにより離職者が増えることで、採用コストや育成コストやかさむ可能性があります。企業は離職者が出るたびに、人材を採用し、育成しなければいけないためです。しかし、マイクロマネジメントが繰り返されると再び同じような状況が発生し、コストがかかってしまうだけの状態が発生するでしょう。マネジメント方法を根本的に見直さなければ、必要以上のコストがかかるループから抜け出すことはできません。

マイクロマネージメントを防ぐ方法

部下の意見を傾聴して取り入れる

マイクロマネージメントを防ぐためには、部下に対し傾聴する姿勢を持つ必要があります。部下の意見を取り入れることで、モチベーション向上に繋がり、自分自身も新しい発見ができるためです。ビジネスを取り巻く環境は変化が激しいため、従来のやり方にとらわれていると、組織自体の生産性が低下することもあります。部下の意見を取り入れることでそれまでなかった価値観に触れ、業務改善に役立てることができます。

報連相のタイミングを決める

報連相のタイミングを決めておくことで、マイクロマネージメントの防止に繋がります。あらかじめタイミングを決めておくことで、部下から状況報告がなくても冷静に業務を進められるためです。いつ連絡がもらえるか不安になることが、過干渉に繋がることもあります。例えば週一回のタイミングで報連相すると決めた際は、報告する内容やタイミングを問わずすぐに連絡が欲しい内容など、事前に打ち合わせをしておくことが効果的です。

部下に応じて適切な仕事の範囲を定める

部下の能力に応じて適切な業務範囲をアサインすることで、マイクロマネージメントを防ぐことができます。能力に見合わない仕事を任せられることで発生する過干渉が、必要なくなるためです。部下にとっても、自分の手に余るような業務内容では心身ともに負担が大きくなります。できる業務から成功体験を積み重ねていくことで、部下に成長機会を与えることにも繋がります。部下が能力を十分に発揮できるよう、割り振るべき仕事を見極めることが大切です。

まとめ

マイクロマネージメントについて理解して改善に努めよう

マイクロマネージメントをしやすい人の特徴や、組織や部下に与える影響を解説しました。マイクロマネージメントは部下を過度に管理することで、自発的な成長の妨げや離職率の増加に繋がります。ただ、必ずしも悪く働くわけではなく、マイクロマネージメントが必要な状況も時にはあります。部下の成長を促せるよう、状況を冷静に判断して適切なマネジメントを行うことが大切です。本記事を参考にマイクロマネージメントを理解し、改善に努めましょう。

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