有給休暇の買取は違法か?買取可能な3つの事例【有効期限切れ・退職時】

記事更新日:2020年08月17日 初回公開日:2020年08月13日

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各企業の有給休暇の取得率も注目されるようになりました。できるだけ消化してほしい有給休暇。今回は溜まった有給休暇の買取にスポットをあてます。原則禁止となっている有給休暇の買取の例外となるケースをお伝えします。

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有給休暇とは

有給休暇とは、雇用主から賃金が支払われる労働者の休暇日のことです。一般的には有給と略して呼ばれることが多いと思います。全労働日数の8割以上出勤した労働者に対して、労働年数や労働時間に基づき、1年に最低10日間与えられる仕組みになっています。雇用形態は定められておらず、正社員だけでなく契約社員やパート、アルバイトも条件を満たすことで有給休暇の権利が与えられます。日本の有給休暇取得率は低く問題視されていて2019年度より、1年に最低5日の有給休暇を労働者に与えないと企業が罰せられるようになりました。

有給買取は原則禁止

有給休暇が溜まっていると、社員から買取要求があるかもしれません。
しかし、法律では、原則的には有給休暇の買収は禁止されています。つまり、社員から、買取の要求があっても応じられないということです。買収に応じてしまうことは違法になりますので注意しましょう。買収を許容してしまうと、本来の有給休暇の意義が果たされなくなります。有給休暇は、休養のために働かない日を設けることが目的です。有給取得のその目的を維持するために、この法律が制定されているのです。

ただ、例外的に有給休暇の買収が有効になることもあります。
以下に3つの例外となるケースについてご説明していきます。

例外として有給買取が認められる3つのケース

1:法定以上の有給を付与した場合

社員に、法定以上の有給休暇を付与している企業の場合は、その超過日数分の有給休暇を買い取ることは可能です。労働基準法39条には、2つの要件を満たせば、労働者には必然的に有給休暇を取得する権利が与えられると定められています。これは、企業に有給休暇を与える義務があるという以前の前提となります。要件を満たせば労働者に有給取得の権利が自然発生するのです。また、正社員だけでなく、パートやアルバイトにも発生する権利です。労働者に有給休暇を取得する権利が発生する2つの要件は以下の通りです。

①6か月以上、継続的に勤務している

②全労働時間の8割以上出勤している

たとえば、週30時間以上の労働者が上記の要件を満たせば、6か月経過した日から1年ごとに10日以上の有給休暇が付与されます。週30時間以下のパートなどの場合、たとえ週1日の勤務であっても、6か月経過すれば1日、1年半後には2日の有給休暇が与えられます。労働日数や時間に合わせて最低日数が定められています。これが法律に定められている有給休暇の最低基準です。この基準以上の有給休暇を付与している企業の場合、法律に定められた日数を超える分については、買収をしても違法とはなりません。

2:2年間の有効期限が切れた場合

2年間の有効期限が切れた有給休暇についても買取は可能です。有給休暇は、その一年に付与された日数は、翌一年まで繰り越されます。最大で40日の繰り越しが認められます。これは、企業の就業規則というより、法律で定められている内容です。つまり、有給休暇は発生してから2年間の有効期限があることになります。この期間が過ぎ、時効となった分の有給休暇については、買取は可能となっています。これは、有給取得の機会がなくなっているものだからです。ただ、企業側に買取しなければならないという法律上の義務はなく、あくまで企業の意向での対処となります。

3:退職時に有給が残っている場合

従業員が退職する際に残っている有給休暇についても、買収が可能です。こちらのケースも、退職することにより、その有給を取得する機会がなくなるために認められるものです。退職時に消化されていない有給は、残っている有給休暇の日数分、退職日を延ばすという処理も見受けられます。しかし、退職日を延ばすことで業務上に支障がでたり、退職する社員が希望したりする場合には、買収も可能です。このとき、買収しなかったとしても、法律違反となるわけではありません。退職時の有給処理についても、企業の意向次第となります。事前にはっきりと決めておき、就業規則などに提示されることをおすすめします。

有給買取した場合の税務処理は退職所得

法律では、原則的には有給休暇の買収は禁止されていますが上記の3つの場合のように例外もあります。例外として買取が認められた場合は、税務上の扱いとしては退職所得として処理します。理由としては所得税法第30条では「退職所得とは、退職手当、一時恩給その他の退職により一時に受ける給与及びこれらの性質を有する給与に係る所得という」と定められています。また、所得税法基本通達30-1でも、「退職所得等は、本来退職しなかったとしたならば支払われなかったもので、退職したことに起因して一時に支払われる給与をいう」と定められているからです。これらを踏まえると、退職によって支払いが発生するものであることから退職所得となるだろうとしています。しかし、退職せずに上記の取得可能な場合①②の買取を行うと給与所得として扱いますので気を付けて下さい。

有給の買取価格の計算方法

結論から話すと有給の買取価格は企業によって異なります。今回この記事では最も有名な有給休暇の買取金額の計算方法を3つ紹介します。

①通常の勤務と同等の賃金1ヶ月間の賃金を勤務日数で割った方法です。

40万円÷20日(月の勤務日数)=2万円

②平均賃金過去3ヶ月間で支払った賃金の合計をその期間の勤務日数で割った方法です。

90万円(3ヶ月間で支払った賃金の合計)÷60日(月の勤務日数)=1.5万円

③標準報酬月額報酬月額とは、企業が社員に支払う1カ月の給与額のことです。

報酬月額には、基本給の他に役付手当、通勤手当などといった手当も含まれています。基本給だけではなく、各種手当も含めるように注意して下さい。健康保険制度の標準報酬月額は、健康保険は第1級の5万8千円から第50級の139万円までの全50等級に区分されています。東京都の令和2年度の標準報酬額は35等級で65万円です。


どの方法で計算しているかは、企業によってあらかじめ決められいるため、自社がどれを採用しているか就業規則などを確認してみるといいでしょう。

有給休暇を買い取るかどうかは、企業によって異なる

本記事では、原則的には有給休暇の買収は禁止されていますが例外として認められる場合があると紹介しました。しかし、そもそも買い取りが行なわれるかどうかは、企業によって異なるということを認識しておきましょう。また、有給休暇の買取金額の計算方法も企業によって異なるので、事前に会社の就業規則を確認することをオススメします。最後になりますが有給休暇とは、心身の疲労を回復するときなどに従業員が給料のことを心配せずに安心して休める制度です。しっかりと従業員が有給を取れるような環境作りを日頃から目指しましょう。

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