ガバナンスとは?【意味やコンプライアンスとの違いを解説】

記事更新日:2020年12月28日 初回公開日:2020年12月28日

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ガバナンス(あるいはコーポレートガバナンス)という用語を、企業の不祥事防止や透明性確保に関連して耳にすることが、よくあると思います。しかし、ガバナンスの意義は、そうしたことにとどまるものではありません。財務体質を強化し、企業価値を向上させていくためにも重要です。この記事では、まず、ガバナンスの意味や、類似用語であるコンプライアンスやガバメントとの違いを説明しましょう。そのうえで、ガバナンスのメリットや強化する方法について解説し、具体例を紹介していきます。

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ガバナンスとは

企業の内部を統制する体制

ガバナンスがビジネス用語として使われる場合は、一般的には「コーポレートガバナンス」(英語でcorporate governance)の略語として使われます。ガバナンスとは、経営者が透明で公正な企業活動を行うように企業の内部を統制する体制です。この体制により、経営者の不正も防げますね。具体的な仕組みとしては、社外取締役や社外監査役の導入や、背任を防ぐための規定の作成などがあげられるでしょう。また、経営に関する情報を可視化して公開する仕組みや、従業員のガバナンスに関する意識を高める仕組みも重要です。

ガバナンスの目的

経営の監視と業績の向上

ガバナンスのもともとの目的は、経営を監視して不祥事を防ぐことです。また、最近では、透明性の高い健全な経営をおこなうことで、株主や顧客の信頼を得て、企業の価値や業績を向上させるという目的も加わってきています。こうした目的を果たせれば、株主や顧客などのステークホルダーにとってもよい結果をもたらし、企業とステークホルダーがともに利益を受けられるようになるのです。その結果、ステークホルダーからの信頼が増し、企業の価値はより高いものになっていくでしょう。

ガバナンスが注目された理由

不祥事の増加

ガバナンスが注目されるようになったのは、いわゆるバブル崩壊が起こった1990年代のことです。バブル崩壊後、粉飾決算や、違法な雇用形態などの企業不祥事の発覚が続きました。そして、不祥事を起こした企業に投資していた株主は大きな損失を被ったわけですね。また、バブル崩壊後、企業の株主構成において、機関投資家の割合が増えていきました。こうしたことから、不祥事を防ぎ、株主にも配慮した経営をおこなう必要性が高くなっていったのです。そして、企業の透明性や公正性に対する関心が高まり、ガバナンスが強く注目されるようになっていきました。

ガバナンスとコンプライアンスの違い

コンプライアンスとは法令の遵守

ガバナンスとコンプライアンスは、意味を混同しやすい言葉ですね。コンプライアンスがビジネス用語として使われる場合は、企業が法律や規則を厳守することを指します。ガバナンスは、コンプライアンスをおこない、透明性の高い公正な経営を実行する体制をつくることです。適正なガバナンスをおこなうには、コンプライアンスが欠かせません。さきほど、ガバナンスが注目された契機として取り上げた粉飾決算や違法な雇用形態は、コンプライアンスがなされていなかった例ともなります。

ガバナンスとガバメントの違い

ガバメントは国による統治

ガバメントという語も、ガバナンスと混同しがちですね。ガバメントが意味するのは、国や自治体による住民の統治です。どちらも英語で、もともとは同じ意味合いで使用されていたといわれています。しかし、しだいに、ガバメントが国や自治体による統治を指し、ガバナンスは国や自治体以外による統治を指すようになっていきました。また、ガバメントは上からの統治という意味合いを持ちますが、ガバナンスは関係者が主体的に関与して合意のうえで統治していくという意味合いになりますね。

ガバナンスコードとは

ガバナンス実現のための原則と指針

一般的にガバナンスコードと言われるのは、東京証券取引所が公表しているコーポレートガバナンス・コードのことです。このコードは、ガバナンスの実現に資する主要な原則と指針で、2015年に策定され、2018年に改訂されています。上場企業はガバナンスコードに関する報告が義務付けられていますね。ここで基本原則としてまず取り上げているのが、株主の権利と平等性を確保することと、株主以外のステークホルダーとの協働です。そして、取締役会が中長期的な企業価値の向上を図ることや、経営陣への実効性の高い監督をおこなうことなども基本原則とされています。

ガバナンスのメリット

不正の防止

適切なガバナンスがなされれば、監査体制が強化されるとともに、社員の法令順守意識も高まりますから、不正を防止できる可能性が高まります。不正が防止できれば、不祥事によって企業活動が阻害されることや、信用を無くすことは避けられ、円滑に営業していけるでしょう。更には、不祥事による株価急落で、株主をはじめとするステークホルダーに不利益を与えることもなくなっていくのです。また、万一不正があった場合でも、早期に公表することで、企業の損失を最小限とすることができるでしょう。

財務の強化

適切なガバナンスによって、金融機関の融資を受けやすくなり、財務体質が強化されることが期待できます。したがって、企業の成長の可能性も高まるでしょう。ガバナンスの強化により、不祥事とは無縁で経営計画もしっかりしている信頼できる企業だと社会的に認知され、金融機関の与信枠が大きくなる可能性があるのです。また、ガバナンスの強化により、株主が安心して投資できるようになって株価が上昇すれば、金融機関が優良企業として認知し、融資を受けやすくなる可能性もあるでしょう。

企業価値の向上

ガバナンスを強化すれば、企業の信用度があがり、消費者からの信頼も増すでしょう。すると、営業利益が向上し、グローバルな成長が続く可能性も高くなります。財務体質も強化され、企業価値が向上していくことになるでしょう。企業価値が向上すれば、質の高い従業員を採用することも可能となり、更に企業価値が高まるという好循環も期待できるのです。また、不祥事がおこれば、築き上げてきた信頼はすぐになくなり、企業の価値も大きく低下しますが、ガバナンスが効いていれば、不祥事の心配も少なくなります。

ガバナンスのデメリット

スピード感の低下

ガバナンスが効きすぎると、監査側の判断によっては、仕事の一部を停止せざるをえなくなることや、新たな事業をおこなえなくなる場合もあり得ます。また、おこなえるにしても、監査側の判断を求めるために時間を要し、ビジネスチャンスを逃すことがあるかもしれません。このように、企業活動のスピード感が低下し、利益を得る機会を失う可能性も否定できないのです。また、ガバナンスのための社内規則を意識しすぎるあまり、委縮してしまって、自由な発想に基づく事業展開をおこないにくくなる危険性もあるでしょう。

ガバナンスが効かないとどうなるか

社会的信用を失う

ガバナンスが効かない状態、すなわち、企業の内部統制がとれていない状態になってしまうと、不祥事が起こる危険性が高くなります。ひとたび不祥事が発生すれば、企業は一気に社会的信用を失うでしょう。信用を失えば、消費者や株主は離れ、融資を受けることも困難になる可能性が大きくなります。失った信用を回復するのは容易ではなく、倒産する危険性も生じるのです。また、不祥事が起こらないまでも、ガバナンスが効いていない企業であると認識されてしまうと、社会的な信頼を得ることができなくなり、企業の価値は低下するでしょう。

ガバナンスの強化法

内部統制の強化

ガバナンスを強化するためには、まずは、企業の内部統制を整えることが重要ですね。内部統制というのは、企業活動を適切にするために企業内でおこなう規制です。具体的には、例えば、財務報告の信頼性を確保するための規制や適切な情報開示をおこなうための仕組みなどをあげることができます。また、社員が法令を厳守する体制作りも大切でしょう。そして、このような仕組みや体制にしたがって業務をおこなっているかどうかをきちんと把握して、問題がある場合は指導する枠組みを構築することが大切です。

コンプライアンスを浸透させる

社員にコンプライアンスを浸透させ、法律や社内の規則を守る意識を高めていくことも、不正をおこなう社員をなくし、ガバナンスを強化するためには大切です。コンプライアンスを浸透させるためには、起こりうるコンプライアンス違反を具体的に検討したうえで、社内で共有することが大切でしょう。また、継続的な社内教育をおこなうことや、幹部が率先してコンプライアンスを重視する雰囲気を作っていくことも必要です。ばれなければかまわないといった体質は払しょくせねばなりません。

外部の視点からの監査

ガバナンスを強化し、不正を防ぐには、外部からの視点による監査体制を設けることが効果的です。会社から独立した社外取締役や社外監査役を置くことで、内部でのなれ合いを防ぎ、透明性や公正性を高めることができるでしょう。社内では常識だった仕事のプロセスに、実は問題があることを発見する可能性もあります。役員報酬を決定するにあたって、透明性や客観性を持たせるために、社外取締役を含む報酬委員会を設置することもガバナンスの強化につながるでしょう。また、社外取締役や社外監査役を設置すれば、ガバナンス強化に取り組んでいるという良い印象をステークホルダーなどに与えることもできます。

ガバナンスの具体例

花王

花王は、ガバナンスを、コストではなく成長への投資と考えて、さまざまなことに取り組んでいます。例えば、取締役会での議決に縛られない客観的な監査を行うために設置しているのが、取締役会での議決権を持たない監査役から成る監査役会です。また、社外役員のみを委員とする取締役選任審査委員会を設置し、取締役の選任や報酬決定手続きの透明性と妥当性を補完していますね。更には、取締役の半数を社外取締役とし、経営の客観性を担保しているのです。そして、ステークホルダーの声を積極的に聞くなどし、ガバナンスの状況を随時検証し、必要な改善をおこなっています。

パナソニック

パナソニックは、ガバナンスを企業価値向上のために重要なものと位置づけています。34の事業部が自主責任経営をおこなっているパナソニックで、グループ全体にかかわる決定などをおこなっているのが取締役会です。そして、この取締役会と、取締役会から独立した監査役制度を基礎として、ガバナンスの強化に努めているのです。また、透明性を高くし、株主や顧客などのステークホルダーへの説明責任を果たし、公正で迅速な企業活動を行うことで、企業価値を高めていこうと考えています。

まとめ

適切なガバナンスで企業価値を高めよう

適切にガバナンスをおこない、ガバナンスが効いた状態を保てば、不祥事が防止され、財務体質も強化されます。そして、企業価値が高まっていくことも期待できるでしょう。そのためには、内部統制やコンプライアンスを強化するとともに、外部の視点からの監査をおこなっていくことが大切です。ガバナンスを効かせることができなくなって、社会的信用を失うことのないように、ガバナンスの状況を随時把握し、必要に応じた見直しをおこなっていくことも重要でしょう。

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