フリンジベネフィットとは【企業導入事例や具体例を詳しく解説します】

記事更新日:2022年09月08日 初回公開日:2022年09月06日

フリンジベネフィットを導入している企業が増えています。フリンジベネフィットは企業側にとっては節税になる、従業員には所得税がかかりないなど、双方にとっていろいろなメリットがあります。一方フリンジベネフィットにはデメリットもあるため注意が必要です。フリンジベネフィットを上手に取り入れれば、企業の魅力を高めることができ、従業員のモチベーションアップや採用時の強みにつなげることが可能です。この記事ではフリンジベネフィットの導入を検討する際に考えたいメリット、デメリットやサービス例を解説します。

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フリンジベネフィットとは

企業が役員や従業員に対して給与以外に提供する経済的利益のこと

フリンジベネフィットとは、企業が役員や従業員に対して給与以外に提供する経済的利益のことです。「フリンジ(fringe)」は「房飾り」のことで、「付加的給付」「付加給付」などと翻訳されます。経営者が経費を負担する福利厚生や現物給与などをフリンジベネフィットとするのが一般的ですが、明確な定義はありません。通勤手当や出張手当など、さまざまなものが該当します。節税になると同時に従業員の実質的な所得を上げられることから、フリンジベネフィット導入を検討する企業が多いようです。

フリンジベネフィットは非課税所得となる

支給したフリンジ・ベネフィットは給料とは別になり、福利厚生費として経費に計上されて非課税所得となります。従業員側にとっても福利厚生は非課税です。家賃補助など直接的な金銭が支給される手当は課税対象ですが、寮や社宅の家賃を負担してもらう場合には非課税です。企業の魅力をアップして良い人材を集めたい場合や、従業員のモチベーションを上げたい場合に、給与を増やすこと以外の選択肢となります。税法においては、会社から支給される給与や賞与を含む有形無形の利益は原則的に課税なのですが、実際はさまざまな法令・通達により社会通念上認められるものとして非課税と扱われているのです。

フリンジベネフィットの具体例

通勤手当

フリンジベネフィットのひとつである通勤手当は、非課税で支給することができます。会社への通勤で電車やバスを使った場合は月額15万円まで非課税です。公共交通機関に限らず、マイカーや自転車などで通勤する場合でも、決められた限度内であれば距離に応じて非課税となります。ただし2km以内の自動車通勤の場合や、2km以上であっても徒歩通勤の場合は給与として源泉所得税も徴収する必要があるので注意が必要です。通勤手当によるトラブルなどを未然に防ぐためにも、これらの内容は就業規定に正しく盛り込みましょう。

出張手当

出張手当もフリンジベネフィットのひとつですが、出張旅費規程で定めている場合には実費精算なしで経費として認めることができます。交通費や宿泊代などの費用は原則的に実費精算すべきですが、これらをその都度計算するのは現実的とは言えません。そのため、出張手当と実際の交通費や昼食代など経費の差額について従業員には課税されません。また、出張手当は従業員だけでなく役員にも適用することができます。ただし会社に出張旅費規程が無い場合は、従業員の給与と認定されてしまいます。

残業手当

残業代もフリンジベネフィットです。夜遅くまで働く社員に食事代を支給すれば、残業食事代として損金に計上することができます。22〜5時までの深夜勤務者には、300円までの現金支給が非課税で認められています。ただし、経費として計上するためには下記4つの条件が必要となります。特定の従業員だけでなく全社員が対象であること食事代の実費を会社が全額負担すること食事代の実費を会社が全額負担すること常識的な金額の範囲内であること現金支給の場合は1回あたり300円以下であること勤務時間内の食事代は残業と見なされなかったり、高級レストランや居酒屋での飲食は交際費扱いとなったりする可能性があります。あくまで残業という、業務上やむを得ない事情に対する手当であることを留意しておきましょう。

企業型確定拠出年金

企業型確定拠出年金もフリンジベネフィットのひとつと言えます。企業型確定拠出年金とは、確定拠出年金法を根拠とする私的年金のことです。毎月定額を掛金として、従業員が選択する運用資産への積み立てが行われます。この積み立て費用を損金として計上することができるため、企業にとっては節税対策になるという面があります。また節税対策だけではなく企業年金の運用リスクを回避できるため、近年では導入している企業が増加しています。

慶弔金

冠婚葬祭に対して支給する慶弔金も、フリンジベネフィットのひとつです。結婚祝い金や出産祝い金、傷病見舞金や弔慰金など冠婚葬祭に際し、会社から従業員に対して支払われる経費です。手当の金額が社会通念上相当と認められる場合には非課税になります。ただし、金銭の代わりに贈答品や花輪などの物品を購入して支給した場合は消費税が発生してしまうので注意が必要です。慶弔金が経費として認められるためには、社内規程として慶弔見舞金規程をあらかじめ作成しておく必要があります。また、あまりに高額の場合は課税対象となります。

社宅

社宅の運営費用は福利厚生費として計上できます。企業が賃貸住居を借りて社員に貸し出す借り上げ社宅、会社が土地・建物を保有する社有社宅のどちらでも該当します。一般の賃貸住宅より安い賃貸料で住居を確保でき、人事異動で転勤となった従業員の負担を軽減できるなど、従業員にも大きなメリットがあります。住宅手当の場合は給与の一部と見なされて所得税がかかりますが、社宅の費用は給与から引かれる形になるので、課税の対象になりません。ただし、非課税にするには家賃を通常の賃貸料の半額以上に設定しなければなりません。

フリンジベネフィットのメリット

節税につながる

フリンジベネフィットを導入することは、企業にとって節税につながります。給与以外の支払いが増えた場合、会社は福利厚生費とすることが可能です。福利厚生費とした場合は、計上金額を損金として換算ができるため節税効果が期待できます。社会通念上妥当と認められたフリンジベネフィットは損金として扱うことができます。そのため企業にとっては税金対策となり、従業員には所得税がかからないということがメリットとなっています。

社員のモチベーション向上

フリンジベネフィットには所得税がかからないため、給与とは異なり社員の手元により多くの現金が残ります。通勤手当や社宅などがあれば、実質的には給与額以上の生活を送ることが可能となります。手厚い福利厚生によって社員の会社への満足度、帰属意識も高めることができるでしょう。フリンジベネフィットが充実しているということは、従業員への給与以外の給付やサービスが多いということであり、企業の魅力アップにつながります。

採用時の特色につながる

フリンジベネフィットが充実している場合や、ユニークなフリンジ・ベネフィットがある場合は企業の魅力的な特徴となります。メディアに取り上げられ、話題になることもあるでしょう。最近の求職者は給与だけでなく働きやすさ、職場環境の良さなどを求める傾向がありますので、採用活動における強みになるのです。また、経営に余裕が無ければフリンジベネフィットを充実させることができません。フリンジベネフィットを充実させることは企業評価の向上も期待でき、採用を有利にすることができます。

社会的信頼性の向上

フリンジベネフィットの充実は、社会的信頼性の向上にもつながるのです。社宅や通勤手当などフリンジベネフィットのレベルが高いのは、それだけ余裕のある企業だと社会的に認識されるでしょう。また健康診断などの従業員の健康管理に気を遣うフリンジベネフィットが整っている場合には、社員を大切にする企業だと判断されます。手厚いフリンジベネフィットによって従業員の満足度、会社への帰属意識を高め離職者を減らすことになり、企業イメージのアップになるでしょう。

フリンジベネフィットのデメリット

税源を疑われる可能性がある

フリンジベネフィットは、税源を疑われる可能性があるというデメリットがあります。フリンジベネフィットは経済的利益に当たるため、本来なら所得として課税されるべきです。しかし、実際はその内容や範囲が国税庁長官により発せられる所得税基本通達等で定められ、課税の適否が判断されているので問題とされています。本来は課税されるべき税源であるのに課税されていないことになり、国としては本来収められるべき税が不足してしまいかねません。結局は増税で賄うことになりかねないと危惧されています。

フリンジベネフィットの企業導入事例

ビアボーナス

ピアボーナスとは、職場環境の活性化など、それぞれの企業が求めるものに対する社員の貢献を評価するものです。従来の画一的な評価では見落とされがちな社員の活躍に対し評価することができます。多様な働き方が求められ、ICTの進歩によってそれが実現可能になる現在、評価のあり方も新しくすることが求められています。導入している例としては、SNSの投稿に対するリアクションと同様、従業員への評価がタイムラインで共有され他の従業員がそれに対して「拍手」などの評価ができる仕組みなどです。評価が全社に共有されることで、評価された社員のモチベーションアップにつながり、企業の評価指針を明確にすることができます。

クラブ活動

クラブ活動など、仕事以外の活動を積極的に推奨している企業があります。従業員のクラブ活動などの費用を会社が負担したり、休みの日にスポーツクラブや保養所を利用してもらうケースもあるでしょう。社内のコミュニケーション活性化を、フリンジベネフィットのひとつと考えているのです。企業として業務以外でも従業員がつながれる環境構築を支援することで、従業員間のエンゲージメントを高めて職場環境の活性化や会社への帰属意識の向上を目的としています。

バンジージャンプ支援制度

バンジージャンプ支援制度とは、従業員のバンジージャンプ代を会社が負担するという制度です。バンジージャンプのような人生観が変わるほどの体験をすることで、新たな角度から物事を考えたり、今までにない革新的なアイデアが生まれることなどを期待して運用されています。また、ユニークなフリンジベネフィットを打ち出すことによって、社会やメディアの注目を集めることができます。その結果として企業の知名度が上がり、採用ブランディングを高めることにつながるのです。

フリンジベネフィットの代行サービス

ベネフィットステーション

ベネフィット・ステーションは株式会社ベネフィット・ワンが提供するフリンジベネフィット代行サービスです。企業が福利厚生の一部としてベネフィット・ステーションを採用することにより、従業員は自動的に会員権を得て利用することができます。ベネフィット・ステーションは従業員がリーズナブルな料金でさまざまなサービスを利用できるメリットがあります。豊富なサービスの中から希望するサービスを見つけやすいように、利用したいサービスを検索できる機能があります。

ライフサポートクラブ

ライフサポートクラブとは、リソルライフサポート株式会社が手掛けるフリンジベネフィット代行サービスです。補助金が最初から含まれているのではなく清算型となっています。使った分だけ清算され、未利用分は返金となります。ムダのない会費体系で利用に応じて精算できるのが特徴です。またニーズや予算を受けてオリジナル企画を定期的に提案、実施してもらえます。社員旅行の手配や社員研修等のサポートも可能です。行程の調整や各種手配にかけていた労力も減り、研修を運営会社リソルの直営施設で実施することも出来ます。

福利厚生クラブ

福利厚生クラブは、株式会社リロクラブが運営する福利厚生アウトソーシングサービスです。福利厚生クラブは、中小企業でも大手企業並みに福利厚生を受けられるサービスを目指して作られました。導入コストが安く地域間格差がないサービスであり、従業員満足度向上や人材定着に役立つサービスです。福利厚生クラブのカスタマーセンターは英語だけでなくフランス語、スペイン語など7か国語に対応しています。海外展開が著しい企業でも、日本国内に限らず海外拠点の社員にも福利厚生クラブを利用してもらうことができます。

まとめ

フリンジベネフィットを導入して社員のモチベーション向上につなげよう

フリンジベネフィットを上手に活用することで、節税しながら従業員の待遇やモチベーションをアップさせることが可能です。新卒採用においても有効です。最近の学生は就職活動において福利厚生を非常に重視します。福利厚生が充実していれば、学生に入社先として選んでもらえる可能性が高くなります。しかし本来は課税対象とされていますので、やみくもに各種手当を拡充せず、十分な検討が必要となります。フリンジベネフィットを上手に導入して社員のモチベーション向上につなげましょう。

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