キャリアアンカーの活かし方は?【適職・自己分析方法・留意点を解説します】

記事更新日:2020年10月20日 初回公開日:2020年07月09日

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キャリアアンカーという言葉を耳にしたことはあるでしょうか。本記事では、キャリア形成の概念の一つであるキャリアアンカーについて、その考え方と効果、活用法を検討していきます。キャリア形成は企業と個人と双方によって成り立つものですが、この概念をうまく活用することで雇用主と個人の双方にメリットをもたらすことができるでしょう。キャリアアンカーは人事担当者、マネジメント担当のみならず、ビジネスパーソンとして知っておくべきキーワードです。働き方改革が叫ばれる昨今「どのように働くか?」という軸が大切です。

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キャリアアンカーとは

エドガー・シャインが提唱した考え方

キャリアアンカーとは、米マサチューセッツ工科大学の組織心理学者であるエドガー・シャイン博士が提唱したキャリア形成の概念です。「キャリア」とは仕事の経験、「アンカー」とはと船の錨。個人が自らのキャリアを形成する際、これだけは譲れない、根幹となる価値観(錨)があるという考え方で、より良いキャリア形成に向けた方法論として高く評価・支持されています。

キャリアを選択する際の価値観

就職、転職、自身のキャリアを選択するとき大切にする観点は何でしょうか。一般に人が自身のキャリアを考えるとき、「何(What)」を問う方法と「どのような(How)」を問う方法がありますが、キャリアアンカーは、後者に重きを置きます。一般的な「何が好き」「何がしたい」というような表面的な自己分析法とは対照的に、生涯に渡るキャリアの核となる「どのように働きたいか」を分析する手法がキャリアアンカーです。

個人の中長期的なキャリアプラン

繰り返しますが、キャリアアンカーは中長期的、多くは生涯にわたりその人のキャリアを決定づける根幹だとされています。キャリアアンカーはある程度キャリア形成がされてきた30歳頃から確立され、一度形成されるとその後環境の変化などがあっても大きく揺らぐことはないとのこと。だからこそ、自身のキャリアアンカーをきちんと理解し、それに合ったキャリア形成の大切さが求められているのです。

キャリアアンカーが注目される理由

市場のグローバル化による求められる人材が変化したため

この概念が注目されている理由の一つに、市場のグローバル化が進み、人材の流動性が高まったことで、人材の能力や個性の重要性が見直されたことが挙げられます。従来は、「企業の求める人物像に、人材が合わせる」という図式が一般的でしたが、より人材と企業のマッチングが求められるようになったのです。企業に言われるままに働くのではなく、適材適所での能力を生かすという考え方が段々と浸透してきたといえるでしょう。

人工知能の発展によって業務内容が大きな変化を求めるようになったため

また、ITや人工知能の発展は私たち人間の業務内容にも大きな変化をもたらしました。変化の目覚ましい中で次々と新しいビジネスが生まれていく一方で、人間がすべき業務は淘汰されていきます。私たち人間が日々そのような変化に対応していく中で、仕事・業務への向き合い方が変わっていくのは当然といえるでしょう。私たちの業務が多様化していけばいくほど、個人の特性と業務とのマッチングは重要になるのです。

キャリアアンカーの8分類

管理職タイプの特徴と適職

シャイン氏は個人のキャリアを8パターンに分類しました。管理職タイプとは、一般に「出世思考」が強く、規模の大きな仕事、組織を動かすマネジメント業務を好みます。承認欲求や負けず嫌いの傾向が高く、自己啓発なども熱心に取り組むのが特徴。若いうちは多くの職種を経験し成長したいと、異動も積極的に受け入れます。このタイプは責任を負うことで成長していくタイプで、文字通り管理職や経営者など、組織全体を動かす仕事が向いています。

専門、職能別タイプの特徴と適職

専門、職能別タイプは、特定の分野で経験を重ね、自身のスキルが向上していくことに満足感を得ます。何かの分野で秀で、その分野での課題に挑戦し続けることこそが正確で生産性の高い仕事につながります。逆に、他の部署・業務に異動してしまうとやりがいを失ってしまうことも多いでしょう。昇進して管理職になるのではなく、技術職・研究職など、コツコツと自分のスキルを積み重ねられる職種が向いているといえます。

安全、安定タイプの特徴と適職

何よりも社会的・経済的な継続・安定を重視するのが安全・安定タイプです。このタイプの人材はいわゆる公務員や終身雇用が期待できる大企業で働きたいという志向を持ちます。ローリスクローリターンを好み、変化を嫌う堅実なタイプなので、よっぽどの保証がなければ転職を考えることはないでしょう。公務員職・業務面でも危機管理やリスクマネジメント業務に向いている人が多いといえます。

起業家的創造性タイプの特徴と適職

クリエイティブで新しいものを創り出すことが大好きなのがこのタイプ。発明家や芸術家、起業家にはこのような人材が多く、現在は企業に属していても最終的には独立・起業の道を選ぶ人が多いでしょう。社内ベンチャーなど新規プロジェクトを任せるとその能力を発揮しやすいですが、我城を築くことにはあまり興味がありません。一度組織が完成すれば管理や運営は他の人に任せる傾向にあるといえます。

自立と独立タイプの特徴と適職

このタイプは自分のペース・スタイルで仕事を進めていくことを好み、組織の規律やルールに縛られるのを苦手とします。より行動の自由度が高く、裁量権のある業務を好みます。このタイプの人材は、研究職・技術職など自身の腕で勝負ができる職種や、フレックス勤務が認められるような職種で最大の能力を発揮します。社長や上司など距離が近く、すぐに提案ができるような環境も望ましいでしょう。

奉仕、社会貢献タイプの特徴と適職

奉仕・社会貢献タイプとは、自分の仕事を通して社会を良くしたいという意識を強く持っている人材のことを指します。自分の能力を発揮することや出世・昇給よりも、いかに社会的意義の大きい仕事をできるかを重視するのも特徴。医療・看護・社会福祉・教育などの分野を目指すことが多いです。正義感が強いため、より高みを追求する商品・サービス開発やずさんな体制を私的する監査・福利厚生部門にも向いているでしょう。

純粋なチャレンジタイプの特徴と適職

誰もが無理だと言うような厳しい状況下で問題を解決していくことに喜びを感じるタイプです。ハードルが高ければ高いほど燃えるのでハードワークにも勤しむ一方、淡々とこなすルーティンワークは向いていません。新規事業の立ち上げや、組織に新しい風を入れる際にも効果的な人材といえるでしょう。自身の昇進やスキルアップよりも「困難な状況への挑戦」を重視するため、次々と新しい職種に挑戦し多様なキャリアを積む可能性もあります。

ワークライフバランスタイプの特徴と適職

このタイプの特徴は仕事とプライベートの時間のバランス、調整に力を入れることです。熱心に仕事に打ち込む一方で、子育てや介護などの家庭生活も同様に大切にしたいという意識が強くあります。決して楽をしたい訳ではないので、在宅勤務や育休制度などの制度が整い、ダイバーシティに理解のある環境であれば高い生産性を発揮するでしょう。プライベートの充実が仕事へのモチベーションに繋がるタイプといえます。

キャリアアンカーを形成するメリット

社員のモチベーション向上による生産性の向上

キャリアアンカーを形成するメリットの一つは、それぞれの人材に適したミッションを与えることで、個人が仕事へのモチベーションを保ちやすいこと。そしてその結果、個人の業務パフォーマンスが向上することだといえます。これは人材を雇用する会社側にとって大きなメリットとなるでしょう。最適な人材配置により一人一人が高い生産性を発揮できれば、会社はより少ない人員で最大の業績を上げられるからです。

自分自身の適職を見つけることができる

もちろん、会社だけでなく個人にとってもメリットは大きいでしょう。キャリアアンカーを形成することは自分自身の適職の発見に繋がります。仕事は一生の大半の時間を費やすものだからこそ、自身に適した仕事を追求したいもの。単にその仕事が好きかではなく、その仕事が自身の価値観に適しているか、という観点での思考はきっと、私たちの今後のキャリアを良いものにしてくれるでしょう。

キャリアアンカーの効果

採用のミスマッチを防止することができる

キャリアアンカーの明確化によってももたらされる効果についても考えていきましょう。キャリアアンカーを基にした人材配置を行うことで、採用のミスマッチが防止できるのはもうお判りでしょう。キャリアアンカーと実際の働き方がマッチしないと、会社・人材双方にとって好ましくない結果になってしまいます。個人としてもキャリアアンカーをもとに、募集されている企業・職種といかに相性が良いかをアピールしていくのが良いですね。

個人と組織のニーズが合致することによりに一体感を生む

キャリアアンカーの考え方を活用し、よりマッチ度の高い人材配置ができれば、組織内に大きな一体感を生むこともできます。個人が求めていることと会社が求めていることが適合すれば、個人がその会社組織へより貢献したいと考えるようになるのは当然ですよね。一人一人の人材と組織の目指す方向が統一されるので、組織の雰囲気・チームワークの向上も期待できるのです。

キャリアアンカーの活用法

異動や配属の際に検討することができる要素(社員の離散防止)

では実際に、会社運営におけるキャリアアンカーの活用方法を考えてみましょう。一つには、人事異動・配属の際の検討要素に加えるという方法があります。個人のキャリアアンカーにマッチしない業種に配置してしまった場合、人材はその業務へのモチベーションを保ちきれず、転職してしまう可能性が高いでしょう。このことを考えると、キャリアアンカーの活用は離職率低下の防止に効果があるはずです。

社員教育で円滑なチーム作りに役立つ要素

この考え方は人事担当が活用するだけでなく、中堅以上の社員の育成研修として活用することも有用でしょう。組織で部下を管理・育成していく社員がキャリアアンカーの重要性を理解すれば、それぞれの価値観の違いから起こるトラブルを回避することもできます。チームメンバーの同士がお互いのキャリアアンカーを理解しあう事で、より良い役割分担・組織運営ができるのではないでしょうか。

キャリアアンカーの診断方法

Webサイトで診断する

まずは自分のキャリアアンカーを診断してみたいと思ったあなた、この診断は下記のWebサイトから手軽に受けることができます。もちろん費用はかかりません。全40問の質問に、「全く違う」から「全くそのとおり」まで、6段階で自身の価値観を答えていくだけなので5分程度で診断ができますよ。結果は、自身の価値観を100%とした際に、8種類のキャリアアンカーが何%ずつで構成されているかが表示されます。https://chikaku-navi.com/carrier/

チェックシートで自己分析する

また、シャイン氏の著書「キャリア・アンカー 自分の本当の価値を発見しよう」(白桃書房、2003年)に掲載されている質問票を使い自己分析することもできます。簡単なアンケート形式になっているので友人などに頼みこの質問項目を投げかけてもらうのも良いでしょう。この本はキャリア・カウンセラー必修の理論とそれに基づく診断がまとまった本なので、より深く勉強されたい方にもおすすめです。

キャリアアンカーを活用し組織が活性化できる

人材の流動性が高まり続けている現在、キャリアアンカーの考え方は企業・個人双方にとって重要性を極めています。もちろん、「このタイプの人は絶対にこうだ」と決めつける判断は得策ではありません。しかし、この8タイプの考え方が浸透すれば、より良い人材配置および組織の活性化に繋がりやすくなるでしょう。より良いキャリア形成・人材活用の手段として検討してみてはいかがでしょうか。


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