自己顕示欲とは【強い人の特徴や向き合い方などを解説します】

記事更新日:2023年08月07日

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自己顕示欲は「身勝手」や「わがまま」などの印象を持たれやすい特性で、この特徴を持った人は他人から敬遠されがちです。自己顕示欲は悪い印象を持たれやすい言葉ではありますが、裏を返せば他人から認められるためなら努力を惜しまないという風に肯定的に捉えることもできます。そんな自己顕示欲ですが、中には自己顕示欲の強い知り合いへの対応や自分の中の自己顕示欲に頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。今回は自己顕示欲が表出される原因や自己顕示欲の強い人への対応の仕方だけでなく、自分自身の自己顕示欲のコントロール方法についてご紹介していきます。

自己顕示欲とは

自分のことを認めてもらいたいという欲求

自己顕示欲の自己顕示とは自分を強く示すことを指す言葉です。これに「欲」が付くことで自分を強く示す欲求ということになるので、自己顕示欲とは「自分の存在を周囲に強くアピールしたい」という欲望を示す言葉になります。そのため、この特徴を持っている人を簡単な言葉で表すと「目立ちたがり屋」や「出しゃばり」などの言葉に言い換えることも可能です。しかし、自分の存在をアピールしたいという欲求は少なからず誰にでもあるものなので、自己顕示欲があるからと言って必要以上に思い悩む必要はありません。

承認欲求との違い

自己顕示欲と承認欲求は意味が混同されがちですが、厳密には目的が異なっています。自己顕示欲とは自分の存在を強く周りに示したいという目的のある欲求です。これに対して承認欲求とは他人から認められたい、自分が価値のある存在だと思われたいという目的を持った欲求です。そのため、自己顕示欲が起因の行動は他人にどう見られるかは考えの範疇に入っていません。他人から認められたいという気持ちの根幹は同じですが、承認欲求が主体の行動は他人にどう見られるかを考えた上でのものと区別できます。

自意識過剰との違い

自意識過剰とは、自分が他人にどのように見られているか、どう思われているかを気にし過ぎている状態を指す言葉です。また、自意識過剰は「自分が無意識のうちに悪いことをしているのではないか」という不安など、自分に対して否定的な感情を抱いている状態のことを指します。対して自己顕示欲はあくまで自分の存在を周囲に示したい欲求なので根本の意味が異なります。ただし、自分を強く意識し過ぎているという点では自意識過剰な人と自己顕示欲の強い人は似ていると考えることもできます。

自己顕示欲がでる理由

周囲からの愛情を注がれずに育ったため

自己顕示欲が強く表に出てしまう理由には、その人自身が周囲から愛情や関心を注がれなかった背景が関係していると言われています。人は誰もが他人から褒められたい、認められたいという感情を持っている生き物です。そのため、他人から関心を持たれずに育つと、愛情の欠乏から「誰かに自分を見てもらいたい」という気持ちを強く持つようになります。それが結果的には自己顕示欲が強くなるきっかけになってしまうケースが多く見られます。これには幼少期の家庭環境も大きく影響しているため、根深い問題と言えます。

現実と理想が乖離しているため

自己顕示欲は現在の自分と理想の自分が乖離している場合にも強くなってしまうことがあります。人は誰もが自分の理想とする姿を持っていて、理想に近づくために仕事やプライベートで努力を重ねます。しかし、努力が実らない状態のまま理想が高くなっていくと、その分自意識とプライドだけが高くなり態度にも変化が出ます。そして、自分が偉くなったつもりになってしまう人も少なくはありません。結果的に実力は伴わないのに言葉や態度だけは大きくなり、他人から見ると自己顕示欲の強い人と判断されてしまいます。

自分に自信がもてないため

自己顕示欲が強く現れる理由にはその人自身が自分にコンプレックスを抱いていて、自信を持てていないという事情も少なからずあります。自分に自信を持てない人は、自分が傷つくことを非常に怖がり自己愛が強くなってしまう傾向にあります。そして、他者に攻撃されることを恐れると人は自分を強く大きく見せようと虚勢を張るため、自分が目立つようにアピールし始めます。この一連の流れから考えると、自己顕示欲の表出は「傷つきたくない」という自己防衛の裏返しと解釈することも可能です。

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自己顕示欲が強い人の特徴

相手の否定から入る

自己顕示欲が強い人の心理は常に、自分が相手よりも優れていることをアピールしたいという思考が無意識的に働いています。そのため、他者と対話する際には概ね発言の最初に「いや」「でも」など、否定の言葉が入るという特徴があります。また、他者からの指摘に対しても自分の非を認めることをせず、自分が正しいという趣旨の発言を繰り返す傾向もあります。このような特徴から他人からは言い訳がましいと思われてしまい、孤立の原因となることも少なくありません。

協調性がない

自己顕示欲が強い人は多くの場合、どのような行動においても自分が目立つ目的が先んじてしまうため、協調性が無く集団行動の際も周りに合わられないという特徴があります。さらに、自己顕示欲が強い人は常に自分の意見を優先したがり、他人の話を聞くことはあまりしません。そのため、勝手な行動で周囲の和を乱し、集団の不和を招いてしまうことも少なくありません。この協調性の無さも周囲から反感を買う理由の1つと言えるでしょう。

マウントをとる

自己顕示欲が強い人は他者に対して常に自分の優位性を示したがる傾向があるのも特徴の1つです。マウントとは、本人が自分の中で独自のヒエラルキーを作り、他者や自分をランク付けする行為のことです。自己顕示欲が強い人は自分の方が偉いとアピールしたいため言動にも上記のマウント行為が現れがちです。また、マウント行為では学歴や資格など、自分のアピールだけではなく、時には自分の優位性を示すために他者を貶すような発言をすることも少なくありません。

自分の話が多い

自己顕示欲が強い人の代表的な特徴の1つが自分の話を他人から求められてもいないのにしたがることです。通常、他者とコミュニケーションを取る時はキャッチボールのように交互に言葉のやりとりを行います。しかし、自己顕示欲が強いと延々と自慢話を繰り広げ、時には他人の話を横から遮って、自分の話したい内容に話題をすり替えてしまうことも少なくありません。この行為には自分を知ってもらいたいという本人の自意識の大きさが顕著に表れています。

嘘を多くつく

自己顕示欲が強い人は、何の得にもならない嘘をつくという特徴もあります。自己顕示欲が強い人が何故すぐにわかるような嘘をついてしまうのかと言うと、自分に自信が無いからです。上記の人々は自分の考えや発言を多くの人に聞いてもらいたいという気持ちがありますが、立派な肩書や経歴が無いと他人に興味を持ってもらえないと考えがちです。そのため、他人の関心を引くために安易に嘘をつく行動に出ます。SNSのアカウントが虚偽の情報を載せる行為なども一部これに当てはまる可能性があります。

他人の評価を気にする

自己顕示欲が強い人は他人の感情には無関心ですが、他人からの評価は気にする側面があります。上記の特徴がある人は肯定的な評価を得ると認められたい欲求を満たせるため、自分が良く見られるよう振舞います。ただし、関心があるのは肯定的な評価のみであり、否定的な評価は受け付けません。だからこそ自分を顧みることができず、悪い部分も改善できません。ただし、人によっては褒められたことをきっかけに、さらに得意分野を伸ばそうと努力するため、言い方を変えると「褒められて伸びるタイプ」とも解釈できます。

負けず嫌いである

自己顕示欲が強い人は自分が他人よりも優位な存在でありたいので、闘争心が強く負けず嫌いという特徴もあります。またプライドも高いので、他人が自分よりも上に居ることが許せないと感じる人も少なくありません。そのため、負けたくないという感情から刺々しい態度をとり、相手を貶めようと画策することもあります。しかし、負けず嫌いな側面だけ見ると、闘争心があることは決して悪いことではありません。良い方向に活かせば本人の能力を底上げすることにも繋がるので、努力の方向性や意識の向け方が大切です。

自己顕示欲の強い人との接し方

聞き役にまわって褒める

自己顕示欲の強い人と上手に付き合うためには、自分が聞き役に徹する必要があります。この特徴を持つ人は褒められたい、話を聞いてもらいたい感情が強いため、聞き役に回り適度に褒めていれば好意的な印象を持ってもらえます。ただし否定的な意見を向けると、攻撃的な態度を取られる可能性も否定できません。そのため、問題を回避しつつ付き合うには、常に相手を肯定し続ける必要があります。また、相手を肯定し続けることで欲求が満たされると不安や自信の無さが解消され、自然と自己顕示欲の強さが落ち着くケースもあります。

一定の距離を保つ

自己顕示欲の強い人と継続的に付き合っていくには非常に強い忍耐が必要なため、嫌だと感じた時は思い切って距離を置くのも手段の1つです。面と向かって否定や非難をすると、相手を逆上させてしまう可能性もあるので、嫌悪感を持ったら静かに離れて距離を保ちましょう。また、会話が避けられない場面に居る時は不必要な雑談はせず、仕事の話題など必要最低限の会話で済ませるとストレスを軽減できます。あまりに相手を理解しようという思いやりが強すぎると精神的なストレスに繋がってしまうため、「自分は自分、他人は他人」と割り切ることも大切です。

自己顕示欲との向き合い方

自己肯定感を高める

自分の自己顕示欲の強さを改善したい場合、まずは自己肯定感を高めることが大切です。自己肯定感とは「自分はこれでいい」と自分でありのままの自分を受け入れ認めることです。自己顕示欲の強さの原因は自信の無さなので、自分自身が他者と比較することなく今の自分を尊重することで、認められたい欲求は次第に薄れていきます。また、ツールやサービスを利用して自己分析を行い、自分自身の強いコンプレックスの原因を探り解消する方法を模索するのも有効な手段の1つです。

他人と比較しすぎない

自己顕示欲と向き合うには、自分と他人を比較し過ぎないことも大切です。人は自分と他人を相対的に見て自身の社会的立ち位置や幸福度を確認しますが、本来他人と自分の人生は比べられるものではなく優劣も存在しません。他人に影響されず自分のペースで自分の人生を歩むことに意識を向けましょう。具体的にはSNSを見る時間を減らすことが有効な手段として考えられます。SNSは様々な人が集まるという特性から、恵まれた人と自分を比較しコンプレックスが刺激されてしまうため、精神衛生上好ましくありません。そのため、SNSとはなるべく距離を置きましょう。

まとめ

自己顕示欲について正しく理解して人間関係に活かそう

自己顕示欲の強さは他人からは敬遠されがちですが、決して悪い部分だけではありません。認められたい欲求が強く負けず嫌いな性格は、裏を返せば上昇志向の表れでもあります。そのため、努力の方向性さえ間違えなければ、理想の実現へ役立てることができます。しかし、自己顕示欲の強さは対人関係に悪影響を及ぼすという点も否定はできません。そのため、自己顕示欲が強いと感じている人は、人間関係を壊してしまう前に自分自身と向き合う機会が必要です。また、周囲に自己顕示欲の強い人が居る場合は無理に対処しようとはせず、適度に話を聞き流すことも大切です。

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