CHROとは【役職や導入企業についてご紹介します】

記事更新日:2023年06月19日 初回公開日:2023年06月19日

用語集 グローバル用語解説 人事・労務お役立ち情報
近年、経営判断のスピード化に伴い、経営戦略に合わせた人事施策や人事戦略の必要性が高まっています。そのため、経営視点と人事視点の両方を兼ね備えた「CHRO(最高人事責任者)」を導入する企業が増えてきています。まだ国内においては導入している企業は少ないものの、今後本格的に導入する企業が増えてくることが予想されます。CHROは人事部長とは異なり、経営陣との連携を通じて人事戦略を策定し、人材の獲得・育成・活用を最適化します。この役職には経営視点と人事の専門知識、リーダーシップ、戦略的な思考などが求められます。本記事では人事担当向けにCHROについて解説します。

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CHROとは

最高人事責任者のこと

CHROとは、最高人事責任者(Chief Human Resources Officer)のことを指します。近年、企業の経営環境の変化や人材の重要性の高まりに伴い、CHROの存在が注目されています。CHROは、経営戦略と人事戦略を統合し、人材戦略の策定や人事施策の実行を担当します。彼らは単に人事部門を管理するだけでなく、経営陣と連携し、人材の獲得・育成・活用を通じて企業の成長戦略を支援します。CHROには、戦略的な思考力・リーダーシップ・人事に関する専門知識が求められます。

CHROと人事部長との違い

経営に携わるか否かの違い

CHROと人事部長の違いは、経営に携わるか否かにあります。一般的に、人事部長は人事部門の運営や人事政策の実行を担当する役職です。一方、CHROは経営戦略と人事戦略を統合し、経営陣と連携しながら組織全体の人材戦略を策定・実行する役割を担います。つまり、CHROは単なる人事業務の管理者ではなく、経営陣との議論や意思決定に参加し、人材の視点から経営に寄与する役割を果たします。彼らは経営の視点を持ちながら、人材の獲得・育成・配置などの重要な戦略を立案し、組織の成長と競争力向上に貢献します。

CHROとHRBPとの違い

経営と人事のどちらにも携わるか仲介者となるかの違い

CHROとHRBP(Human Resources Business Partner)との違いは、経営と人事のどちらにも携わるか、あるいは仲介者となるかという点にあります。CHROは、経営陣と連携しながら組織全体の人材戦略を策定・実行する役割を担います。一方、HRBPはビジネス部門と人事部門の架け橋となり、ビジネスのニーズを理解し、それに合わせた人事戦略を提供する役割を担います。彼らはビジネス部門と連携し、人事の専門知識を活用して人材の採用や開発、評価制度の策定などを支援します。

日本企業におけるCHRO導入の現状

一割程度に留まっている

日本企業におけるCHRO導入の現状は、一割程度に留まっています。経営と人事の戦略的な統合や人材戦略の重要性が認識されている一方で、まだ取り組んでいない企業が多いという状況です。ただし、近年では日本企業でもCHROの導入を検討する動きが増えてきています。グローバル企業を中心に、経営と人事の統合を図るためにCHROのポジションを設けるケースが増えており、これによって人事領域の重要性が高まっています。将来的には、経営と人事の連携強化や人材戦略の戦略的な展開を目指す企業でCHROの導入が進むことが期待されています。

CHROの役職とは

人事側から経営に携わる

CHROの役職は、人事部門のトップでありながら、単に人事業務にとどまらず、経営戦略や組織の戦略的な展開にも積極的に関与する役割を果たします。従来の人事部長や人事部の責任範囲を超えて、経営陣の一員として戦略的な意思決定に関与することが求められます。CHROは、経営視点と人事視点の両方を兼ね備えている必要があります。人材戦略の立案や実行・組織文化の構築・リーダーシップ開発など、人材に関わるさまざまな領域において経営陣と連携しながら戦略的な取り組みを行います。

経営側から人事戦略に携わる

経営側から人事戦略に深く関与する役割もCHROは担います。従来の人事部門の枠を超えて、戦略的な人材管理と組織開発に重点を置いている役職です。CHROは、経営陣と連携しながら、人事の視点を経営戦略に統合し、人材の最適活用や組織の成果を最大化するための施策を立案・実行します。具体的には、組織の人材需要と供給のバランス・人材開発・継承計画・報酬戦略・ダイバーシティ&インクルージョンの推進・リーダーシップの育成など、経営戦略に沿った人事施策を策定し、実行します。

社員育成方法を確立する

CHROは、社員育成方法を確立することも重要な役割の一つです。経営戦略と人事戦略を統合し、組織の人材開発においてリーダーシップを発揮します。また、組織の成長や競争力を高めるために、適切な人材育成方法を策定し実行することが重要です。これには、トレーニングプログラムの設計や専門的なスキルの習得、キャリアパスの構築、パフォーマンス評価とフィードバックの仕組みの確立などが含まれます。さらに、組織内での知識共有や経験の活用を促進し、社員の成長と組織のパフォーマンス向上に寄与するでしょう。

人事評価制度を構築する

他にも、人事評価制度を構築することも重要な役割の一つです。人事評価制度は、組織内の社員の成果やパフォーマンスを評価し、報酬や昇進などの人事決定に反映させるための枠組みです。CHROは、経営戦略と人事戦略を統合し、適切な人事評価制度を策定します。これには、評価基準や評価方法の設計、評価プロセスの整備、フィードバックの仕組みの確立などが含まれます。また、公平性や透明性の確保、個々の社員の成果や成長に応じた報酬やキャリアパスの提供なども重要な要素です。

事業目標を達成できなかった原因を調査する

企業が事業目標を達成できなかった場合に、その原因を調査することも重要な役割の一つです。組織が目標に向かって進む中で、人事の観点から事業の成果やパフォーマンスに影響を与える要素を把握し、改善策を提案します。CHROは、事業目標を達成できなかった原因を明確にするために、データ分析や組織内の調査を行います。人材の配置・スキルセット・組織文化・コミュニケーションの問題など、様々な要素が含まれます。さらに、社員の意見やフィードバックを収集し、組織内の課題や改善すべき点を把握します。

企業理念を社内に浸透させる

企業の理念やビジョンを社内に浸透させることも重要な役割です。企業の理念は、組織の方向性や価値観を表し、社員の行動指針となるものです。CHROは、組織のメンバーが理念に共感し、それを日々の業務に反映させるために様々な取り組みを行います。さらに、CHROは組織のメンバーが理念に基づいた行動を取るためのサポートが必要です。具体的には、社内研修や教育プログラムの企画・実施、理念に関連したパフォーマンス評価の設計、リーダーシップの育成などが含まれます。

CHROになるには

経営の視点と知識を身に付ける

CHROになるためには、経営の視点と知識を身に付けることが重要です。人事のみならず経営の側面から組織を見つめ、人事戦略を策定する役割を担います。経営の視点を養うために、経営に関する知識やスキルを学ぶことが必要です。経営学の基礎知識やビジネス戦略、組織の運営などについて学習し、経営者の視点で組織を見る力を身に付けることが重要です。また、実務経験を通じて経営の理解を深めることも重要です。経営陣や経営者とのコミュニケーションを積極的に図りましょう。

人事に関わる経験やスキルを身に付ける

人事に関わる経験やスキルを身に付けることもCHROになるためには重要です。人事戦略の策定や組織開発、労務管理など、幅広い人事領域に精通している必要があります。まず、人事に関わる経験を積むことが重要です。人事部門での実務経験を通じて、人事業務の基礎知識やスキルを身に付けましょう。さらに、人事に関連する資格や学習機会を活用することが大切です。人事管理や労務管理に関する資格取得や、人事研修プログラムの受講など、専門的な知識やスキルを身に付けることができます。

戦略を立案する力を身に付ける

戦略を立案する力を身に付けることはCHROには重要な要素です。CHROは経営の視点を持ちながら、人事戦略を策定し、企業の成長に貢献する役割を担っています。まず、経営の理解を深めることが重要です。経営戦略やビジネスモデル、市場動向など、経営に関する知識を積極的に学びましょう。次に、人事戦略の策定に関わる経験を積むことが重要です。組織の課題や目標に基づいて人事戦略を立案し、実行する経験を積みましょう。人事部門でのプロジェクトや課題に参加し、人事戦略の策定や人材マネジメントに携わる経験を積むことができます。

コミュニケーションスキルを身に付ける

他にも、CHROになるためには、コミュニケーションスキルを身に付けることが重要です。CHROは経営陣や従業員との円滑なコミュニケーションを通じて、人事戦略の推進や組織文化の形成に関わる役割を担っています。まず、傾聴スキルを磨くことが重要です。相手の話に対して適切な反応やフィードバックを返すことで、信頼関係を築くことができます。次に、明確かつ適切なコミュニケーションを行う能力を身に付けましょう。情報を的確に伝えるためには、自身の意見や要望を明確に整理し、相手に伝わりやすい形で伝える必要があります。

CHROの導入企業

サイバーエージェント

サイバーエージェントはCHROの導入において、積極的な取り組みを行っています。彼らは企業文化の浸透を目指し、CHROを早期に導入しました。その結果、さまざまな施策が展開されました。例えば、「ミスマッチ制度」という下位5%の人材に対するマイナス査定や、「GEPPO」という月次ベースのアンケート回答による自己評価などが挙げられます。これらの施策の導入により、サイバーエージェントは企業理念の浸透状況を把握し、浸透していない社員を早期に発見することができるようになりました。

ユニリーバ

ユニリーバは従業員のエンゲージメント向上に注力しており、そのためにCHROの導入を実施しました。従業員エンゲージメントを向上させるためには特効薬は存在しないとの考えから、ユニリーバではさまざまな取り組みを行っています。例えば、上司への教育プログラムの提供や、社員のニーズを把握する活動などがCHROの指導のもとで進められています。また、ユニリーバでは働く場所と時間を自由に選べる「WAA」や、副業を選ぶ人材を募集する「WAAP」といった先進的な取り組みもCHROが主導して実施されています。

東京海上日動

東京海上日動は、他社に先駆けてCHROを導入した企業の一つです。同社は従業員エンゲージメントの向上と業績向上の関連性を重視しています。CHROの導入により、人材マネジメントに関するさまざまな取り組みが推進されてきました。同社の注力ポイントは、人的資本経営です。東京海上日動はそれを会社の将来への投資と位置づけ、社員の働きがいやモチベーション向上のための具体的な施策を展開しています。例えば、上司への教育プログラムの提供や社員のニーズの把握など、CHRO主導のもとで現場社員のエンゲージメント向上を図る取り組みが行われています。

まとめ

CHROの導入で企業発展に繋げよう

CHROの導入は、企業の発展において重要な役割を果たします。経営視点と人事の専門知識を兼ね備えた役職であり、経営戦略に合わせた人事施策や人材戦略の策定に携わります。その役割は多岐にわたり、経営における戦略的な意思決定や組織文化の構築、従業員エンゲージメントの向上などに関与します。CHROにより、企業は経営と人事の連携を強化し、組織全体のパフォーマンスや成果を向上させることができるでしょう。経営戦略と人事戦略の統合により、企業の発展を支えるCHROの導入を進め、組織を次なる成長に繋げることが出来ます。CHROの導入で企業発展に繋げよう。

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