インバウンド対策。企業がするべきことは?【キャッシュレス・英語対応など具体例を紹介】

記事更新日:2020年05月25日 初回公開日:2020年02月14日

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最近ニュースなどでもよく聞かれる「インバウンド」。一度は耳にしたことがある、という方も多いのではないでしょうか。今やビジネスを語るうえでも、必ず押さえておきたいキーワードになりました。というのも、近年日本が、現在の世界の観光市場において少しずつ重要な地位を占めるようになってきたためです。こうした動向は、少なからず私たちのライフスタイルにも影響を及ぼしつつあると言えるでしょう。今回の記事では、インバウンド全般について、注目されるようになった背景や対策例を挙げながら、多角的にお伝えします。

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インバウンド対策とは

インバウンドとは訪日観光客の事

「インバウンド」とは、もともとは英語で"Inbound"。「内側に入ってくる」という意味です。旅行や観光の分野では、「外国人が日本を訪れること」、すなわち「訪日観光客」を指します。インバウンドの対義語としては、自分の国から海外へ旅行する「アウトバウンド」という言葉も使われていますね。訪日観光客の増加による日本経済への影響は大きく、都心部や地方の観光地では、今後もホテルや旅館の建設ラッシュが続くでしょう。旅行業界のみならず飲食業界、小売業界をはじめとした多く業界がインバウンドに期待を寄せています。

インバウンド対策とは訪日観光客に向けたサービスや準備の事

訪日観光客向けのサービスの一例を見ていきましょう。飲食店の場合、メニューに写真を載せる、店頭にディスプレイを置いてメニューをビジュアル化し、来店してもらいやすくするなどです。こうした工夫をすることで、訪日観光客が利用しやすい店舗づくりが可能になると言えます。日本は美食の国として知られており、食事を楽しみに来日する観光客も多いはず。こうした観光客に向けて、「体験のプレゼント」を意識したインバウンド対策をする飲食店も多く存在します。某お好み焼き店による、動画を見せながら自分でお好み焼きを焼いてもらう取り組みなどがその一例です。

インバウンドのメリット

インバウンドの消費により日本の経済成長のに繋がる

日本の経済成長にダイレクトに繋がるという点こそ、インバウンドのメリットではないでしょうか。ここ数年で記憶に新しいのが、2015年頃の「爆買い」ブーム。家電量販店などで電化製品を「買いまくる」中国人観光客の姿が、テレビでも大きく報道されました。それだけ日本の製品のクオリティーが高く評価されていたのでしょう。また、近年注目されているのが、ムスリム観光客向けのサービス。(ムスリム:世界で3億人を越えるとされているイスラム教の信者)ムスリム誘致の成功こそが、次なるインバウンド対策の鍵を握ると言われています。

インバウンドを呼び込むために地域が活性化される

インバウンドの大きなポテンシャルを持つのが、地方です。2019年データによると、中国地方5県の外国人延宿泊者数は前年比2.8%増の約216万人。観光客へのインタビューでも、特に広島については、「日本に来たからには広島に行かないと」という想いが多く聞かれるそうです。インバウンドのニーズの答えるために、文化遺産や自然遺産など地域の持つ特性がブラッシュアップされ、それを目的に訪れる訪日観光客が増加します。特に過疎化している地域にとって、インバウンドは町の活性化の大きな契機となるでしょう。

インバウンド対策が注目される背景

日本文化の関心の高まりによってインバウンドが増加

ありがたいことに、日本文化への関心が興じて日本を訪れる訪日観光客が数多くいます。着付けや茶道の体験などは相変わらず人気があり、最近では、民泊サービスを提供するAirbnbと提携して、文化体験を楽しんでもらうようなプログラムも組まれています。また、日本は災害大国としても非常に有名ですね。地震や台風などで被災した地域を対象に、観光事業の再興を趣旨とした補助金制度が創設されました。そうした地域でのボランティアを目的として、日本を訪れる訪日観光客も増加しています。

中国のビザの緩和による中国人の増加

インバウンドのメインターゲットは、やはり中国人。2019年夏より、外務省は観光を目的に訪日する中国人に発給するビザの一部に、オンライン申請を導入し始めました。中国人観光客の増加を受け、ビザ発給効率化を目的とした日本初の試みです。事実として、中国人へのビザ発給件数は、2013年の約97万件から18年の約540万件まで増加。外国人全体の発給件数のうち、約8割を占めると言われています。ビザのオンライン申請が進むことで、日本における中国人観光客は今後ますます増加していくでしょう。

東京五輪開催によるインバウンドの増加

東京五輪における経済効果は、およそ30兆円にも及ぶとされています。大会運営にかかるのは約2兆円程度。これに対し、インバウンドでの観光消費、投資拡大などの間接的な効果は28兆円です。インバウンドを中心とした経済効果の大きさを実感できますね。また、訪日観光客の増加により、特に都心部の宿泊施設が不足することが見込まれています。これにより、東京以外の地域での宿泊ニーズが増加するでしょう。定番の観光スポットよりも、地方のニッチなエリアでの体験を求める観光客が今後ますます増えることが予想されます。

インバウンド対策の具体例

サービスを多言語化する

インバウンド対策の具体例の一つとして、サービスの多言語化が挙げられます。私たちが海外に行く時と同じく、日本を訪れる観光客の不安のひとつが「言葉の壁」です。特にアジア圏からの観光客の増加を受けて、英語以外の言語への対応ニーズも高まっています。飲食店であれば、レストランのメニューを多言語化する、百貨店などでは、日本語以外の言葉で対応ができるコンシェルジュを雇用するなどの工夫が期待されるでしょう。訪日観光客が日本で使える翻訳アプリに関しては、さらに使いやすいものがリリースされてきています。

外国人が使えるWi-Fiの準備をする

日本は、諸外国と比べてWi-Fi環境の整備が遅れているのが現状です。ポケットWi-Fiや、日本の回線で利用できるSIMカードを購入するという手もありますが、何かとお金のかかる海外旅行では、出費を抑えたいというのが観光客の本音。訪日観光客の満足度を上げるには、Wi-Fi環境を整えることが急務です。特に飲食店などでは、Wi-Fiを導入することで店側へのメリットも生まれます。お店の情報をSNSなどでシェアしてもらえるほか、「インターネットが使える店」と認識されることで、リピーター獲得にも繋がることでしょう。

キャッシュレス化

訪日観光客の母国の多くでは、キャッシュレス決済が主流となっており、インバウンド対応にも必要不可欠です。それぞれの国のターゲットに合わせた決済方法を選び、導入していきましょう。例えば、中国人観光客に対しては即時決済のデビットカード、東アジアの観光客にはQRコードを利用したコード決済などです。2019年の消費税増税に伴い、「キャッシュレス・消費者還元事業」が導入されましたね。2020年6月30日まで、国からの補助金でキャッシュレス機器の導入費用が実質0円になっています。ぜひ利用したいところですね。

インバウンド対策をしている企業

【カフェ】アキバフクロウ

アキバフクロウとは、秋葉原にあるフクロウとの触れ合いを目的としたカフェ。こちらのカフェは、コンセプトと情報発信の二点を柱として訪日観光客の人気を集めています。都心にいながら動物と触れ合えるという貴重な体験、またフクロウを最優先に考えるオーナーの姿勢などが高評価を呼んでいるのでしょう。ウェブサイトには、4つの言語でページが用意されており、母語で予約を取るのが簡単です。また、InstagramなどのSNSを活用し、観光客が思わず行きたくなってしまう魅力のある内容を発信しています。

【飲食店】ロボットレストラン

ロボットレストランは新宿の歌舞伎町にあるショーレストランです。レストランなのに、メインは派手なショーというユニークさで話題を呼び、連日海外からの観光客でにぎわいを見せているんだとか。お客さんは欧州豪がほとんどで、近年ではアジア圏からの訪日観光客からも注目を集めています。日本では夜遊べる場所が少ない、という不満を解消し、日本に対するナイトライフ需要に見事にこたえたのがこのロボットレストラン。テクノロジー大国という日本ならではのイメージがヒットし、年間20万人もの訪日観光客を集めています。

【コンビニエンスストア】セブンイレブン

いち早くインバウンド対応を始めた、コンビニ大手のセブンイレブン。日本人よりもお金を持ち歩く習慣がないと言われている訪日観光客向けに、WechatPayment(WeChat:中国人向けのモバイルアプリ)の導入を進めています。現在ほとんどの店舗でフリーWi-Fiが利用できるほか、TaxFreeの店舗の増強にも取り組んでいます。消耗品を購入する際、5001円以上であれば免税に。レジでの精算時に、パスポートを提示すると免税書類が発行され、出国の際、その書類を税関に提出するだけで免税手続きが完了します。

【化粧品】メイベリンニューヨーク

化粧品のメイベリンニューヨークは、訪日中のショッピングはもちろん、中国国内での販売網にも注目。現在中国市場では、InstagramなどのSNSと動画プラットフォームが合体したような「ライブ動画」が空前のブームです。そこに目をつけたメイベリンは、インフルエンサーとして中国の人気女性芸能人を起用します。ライブ配信での販売日に、彼女にプロモーションを行ってもらい、2時間で1万本もの口紅を売り上げるという爆発的なセールスを記録。このようなSNSを活用したマーケティングは、口コミの影響力が強い中国市場において有効な戦略と言えますね。

【旅館】澤の屋旅館

澤の屋旅館は、東京都台東区の谷中にある家族経営の宿。客室稼働率は常時90%前後をマークし、インバウンドの「お手本」として知られていますね。この宿が大切にするのは、「ありのままを日本の姿を楽しんでもらう」こと。ある時、澤の屋旅館は夕食の提供をストップしました。夕食を宿で取らない外国人が多かったため、代わりにエリアマップを作って、宿で出来ないことを地域で楽しんでもらうように仕掛けました。そうすることで、地域と観光客との間に繋がりができ、ゲストの満足度が上昇。地域の強みを知っているからこそのホスピタリティーではないでしょうか。

インバウンド対策をして訪日観光客をおもてなししましょう

東京五輪開催を契機に、観光国としての日本への注目がますます高まりつつあります。しかしながら、言葉の意思疎通やインターネット環境など、訪日観光客の受け入れ態勢にはまだまだ課題があると言えるでしょう。実際にそうした課題は、外国人訪日客を困惑させる要因にも繋がっています。企業では、外国人との接し方や業種ごとの注意点などをテーマに、インバウンド研修などが行われています。そうした機会を活用しながら、訪日観光客に日本の魅力を存分に知ってもらえるようなインバウンド対策を行っていきましょう。

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