デジタル人材とは【求められるスキルや持っておくべき資格などを紹介します】

記事更新日：2023年01月25日｜初回公開日：2023年01月25日

インターネットが普及したことにより、様々な事がデジタル化しています。近年ではインボイス制度やペーパーレス化等企業内で対応しなければならない制度改正が増えています。しっかりと社会の変化に対応出来る企業は問題ありません。しかし全ての企業がITに特化した人材を確保出来ているわけではなく、今から人材の確保・育成を考えている企業もあるのではないでしょうか。今回はDX推進等に欠かせないデジタル人材の必要性や求められるスキルについて解説していきます。企業の人事担当者の方は参考にしてみてください。

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デジタル人材とは

デジタル技術で企業に価値提供できる人材

デジタル人材とは、デジタル技術で企業に価値を提供できる人材のことを指します。最先端テクノロジーでもある、AI・IoT・RPA等のデジタル技術を上手く活用し企業を成長に導ける能力を持っています。デジタル人材と呼ばれる人は、従来のサービスや仕組等と組み合わせて新しい価値を見出すことが必要です。最新の技術は時代によって変化していきますが、その変化に合わせた柔軟な対応が求められています。業務を効率化していくためには、デジタル技術の活用が欠かせません。

日本におけるデジタル人材の現状

デジタル技術で企業に価値提供できる人材

デジタル人材が不足する背景

十分な教育体制が整っていない

デジタル人材が不足する背景には、十分な教育体制が整っていない事が原因とされています。日本では、他の先進国に比べてIT教育の制度が整備されていません。その為他の先進国と比べて遅れを取っているのが現状です。そう言ったデジタル人材やIT人材が不足している背景を元に、2021年にはデジタル庁が発足されました。「社会のそれぞれの立場で求められる人材の確保・育成を図る。目指すべきデジタル社会の着実な実現を図る。」と、国として人材育成の方針を掲げ力を入れるようになりました。

デジタル人材がなぜ必要なのか

DXが促進されている

デジタル人材は、DXが促進されているため必要となってきています。ビジネスを改革するためには、DX(デジタルトランスフォーメーション)が必要だと考えられており、その為にDXを推進できる人材が求められています。デジタル人材には、最新の技術を活用した業務の効率化やイノベーションを作り出すことを期待されており、DX推進には欠かせない存在です。IT先進国とされているアメリカと比べても、日本はIT投資にあまり積極的ではありません。IT分野で遅れを取り戻すためにも、デジタル人材は必要不可欠です。

デジタル人材とDX人材の違い

包括する職種の多さが異なる

デジタル人材とDX人材の違いは、包括する職種の多さです。デジタル人材は、先端技術、サービス・プロダクト、手法・方法論のどれか1つでも社内外どちらかで認められている人のことを指しています。一方でDX人材は、デジタル人材よりも定義の幅が広く既に浸透している考えや手法などを根底から覆すような改革を起こす人材のことを言います。その為DX人材は、業務を遂行するためにITの知識やデジタルスキルが必要です。DX人材には、コミュニケーションスキルや企画力等ビジネスに関するスキルも持ち合わせている必要があります。

デジタル人材に求められるスキル

プロジェクトマネジメントスキル

デジタル人材に求められるのは、プロジェクトマネジメントスキルです。IT人材とは異なり、デジタル人材は企業に価値提供を行わなければなりません。その為現場の従業員だけでなく、経営陣からの協力も必要です。携わるプロジェクトによっては、予算管理だけでなく競合他社の調査や社外の人との調整が必要となってきます。部下をまとめるマネジメントスキルも重要ですが、プロジェクトの情報や予算などをしっかりと管理して進行させるスキルが必要です。

ソフトスキル

デジタル人材には、ソフトスキルも欠かせません。ソフトスキルは、コミュニケーション能力等の「対人関係で必要なスキル」のことを指します。対人関係だけでなく、問題解決能力や様々な物事を上手く調整していく能力も必要です。企業に価値を提供するためには、各セクションや部署などとの調整が必要不可欠です。様々な人と関わらなければならず、スムーズにコミュニケーションを取れる人物がデジタル人材に向いています。技術面は経験を積むことにより身に付けることは可能ですが、ソフトスキルは簡単に身につくものではない為両方兼ね備えている必要があります。

デジタル技術を使いこなすスキル

デジタル技術を使いこなしてこそ、デジタル人材と言えます。デジタル人材と言われているので、デジタル技術を使いこなせることが大前提です。ソフトウェアやハードウェアだけでなく、様々なデジタル領域の知見や経験を必要とされます。また、日々更新される情報にもしっかりとアンテナを張っておき情報収集を行っておくことが大切です。最新の技術も使いこなす人という認識をされており、基礎知識は必ず必要です。「デジタルに関してのことはこの人に聞いたら良い」と思われるように、しっかりと技術や知識を身に付けておきましょう。

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デジタル人材になるには

デジタル人材育成支援事業の講習に参加する

デジタル人材になるには、デジタル人材育成支援事業の講習に参加しましょう。デジタル人材育成支援事業とは、原則35歳以下の休職中の人に対しIT分野に就職を行えるようデジタル関連のスキルを習得できる職業訓練やキャリアカウンセリング等再就職支援を行っています。プログラミング等のITスキルだけではなく、社会人としての基礎知識も学ぶことが可能です。職業訓練では、ITの基礎であるインフラコースから実践的な知識が学べるアプリ開発コースまで、目的に合わせた講習が実施されています。

デジタル人材育成プラットフォームマナビDXの講習に参加する

デジタル人材育成プラットフォームマナビDXの講習に参加することで、デジタル人材へと近づきます。デジタル人材育成プラットフォームマナビDXは経済産業省が、デジタル人材育成を行うために実践で活用できるコンテンツを紹介しています。掲載されている講座は、入門や実践など4つのジャンルで分けれらており自分のレベルに合った講座を受講することが可能です。また講座はカテゴリー検索も出来、学びたい項目をすぐ検索して受講することが出来るようになっています。

デジタル人材が持っておくべき資格

ITストラテジスト試験

デジタル人材は、ITストラテジスト試験の資格を持っておくといいでしょう。ITに関する資格は様々存在していますが、ITストラテジストは国家資格である情報処理技術者試験の中でもレベル4の最高ランクに分類されるほど難しい試験と言われています。ITストラテジストの資格はそれほど難しい為、資格を持っているだけでITに関して知見が広い事の証明にもなります。この資格を持っていることで、社内外問わずITを活用し経営戦略に対する知識や実務を行う能力が高いことの証明も可能です。

ITコーディネータ試験

ITコーディネータ試験も、デジタル人材が持っておくと良い資格の一つです。ITコーディネータ資格は、経済産業省が設けた資格制度であり「経営に役立つIT利活用」出来る人材の育成を目的にし、経営者へのITコンサルティングを行うための資格です。ITコーディネータは業種を選ぶことなく活躍出来る為、この資格を持っていることで仕事の幅も広げることが出来ます。コンサルティングは資格を持っていなくても行うことが出来ますが、ITコーディネータの資格を持っていると周りからの信頼も増します。

ITパスポート

デジタル人材になる為には、ITパスポートの資格を持っておきましょう。ITに関わる業務を行う人は、ITの基礎知識を持ち合わせていることの証明にもなる国家資格の為、持っておいて損はないでしょう。ITパスポートは、必要な基礎知識を持っていることを国が証明してくれている資格です。またITパスポートはIT分野だけでなく、経営分野における基礎知識も幅広く学ぶことが出来ます。エンジニアとして働こうと考えている人や、ITに関する幅広い知識を勉強したいと考えている人に最適な試験です。

プロジェクトマネージャー試験

IT人材より上を目指すために、プロジェクトマネージャー試験を受けておきましょう。プロジェクトマネージャー資格とは、独立行政法人情報処理推進機構（IPA）が実施している国家資格です。システム開発などを行う組織の責任者としてのマネジメントスキルや知識を証明するための資格です。IT分野において、システム開発を行う組織を管理するマネジメント層が対象です。プロジェクトマネージャー試験は、情報処理技術者試験のレベル4とされており、最高難易度を指しています。ITの知識だけでなく、経営や法律など様々な知識が求められます。

デジタル人材を育成したい企業におすすめの書籍

デジタル人材がいない中小企業のためのdx入門

デジタル人材を育成したい企業にお勧めの本が、「デジタル人材がいない中小企業のためのdx入門」です。デジタル技術が進み、インボイス制度等様々な変革が起きている中で資金や人材に余裕がない中小企業も多いのではないでしょうか。そういったデジタル人材が居ない中小企業向けに、専門の知識を持った人材が居なくても実行することが出来るDX戦略について分かりやすくまとめられています。AI導入方法や顧客管理システム、業務プロセスの効率化や外部人材を活用した組織運営など様々です。詳しく記載されているので、一からデジタル人材を育成しようと考えている企業に最適な一冊です。

デジタル人材を採用する方法

デジタル人材育成支援expoに参加する

デジタル人材を採用したいと考えている企業の方は、デジタル人材育成支援expoに参加しましょう。デジタル人材育成支援expoとは、デジタル人材を育成するための支援を行っている企業が出店している展示会です。DX推進の為にデジタル人材を育成したいと考えている経営層の人達を中心に、様々な業界の人達が参加しており直接商談なども行うことが出来ます。デジタル人材を支援するための商品やサービスも最新のものが展示されているため、expoに参加することで新しい情報を得ることも可能です。

デジタル人材を採用できるサイト

デジタル人材育成支援事業

デジタル人材を採用できるサイトとして、「デジタル人材育成支援事業」があります。デジタル人材育成支援事業では、デジタル人材になる為の講習などを中心に行っていますが、就職支援も行っています。その為、デジタル人材育成支援事業に申込みをして求人の条件などを伝えることで、求職者とのマッチングをしてもらうことが可能です。正社員雇用を前提とし、都内に事業所を持っている企業であれば人材を紹介して貰うことが出来ます。しっかりとした講習を受けている人材を紹介して貰えるので、デジタル人材を即戦力として採用したい場合にお勧めです。

まとめ

デジタル人材を採用して組織成長に繋げよう

デジタル人材が持っておくべき資格や、デジタル人材を採用する手法などについて解説しました。デジタル人材は企業にとってDX推進等に必要不可欠ですが、通常採用等で採用することは簡単ではありません。その為自社内で働いているエンジニアの中にデジタル人材になり得る対象を見つけ、育成するという方法もあります。デジタル化は業務を自動化することによって、業務効率の改善や生産性の向上等を目的としています。自社に合った方法で、デジタル人材の採用・育成を行い組織成長に繋げていきましょう。