キャリアプラトーとは【キャリアプラトーにおける昇進の実態や陥る例などを解説します】

記事更新日:2023年11月10日 初回公開日:2023年11月10日

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働き方改革や働く人の平等が叫ばれる中で、「キャリアプラトー」と呼ばれる状況に追い込まれて悩む人が増えています。キャリアプラトーとは停滞した状況を言い、ある程度の仕事は覚えたものの目標や仕事のやりがいを失って立ち止まってしまう状態です。30代後半から40代の社員に多く見られ、キャリアプラトーの状態が続けば該当社員だけでなく会社全体の士気にも影響します。ここでは、キャリアプラトーの意味や企業のキャリアプラトー対策まで詳しく解説いたします。社員の方々のモチベーションアップに繋がれば幸いです。

キャリアプラトーとは

昇格が見込めず停滞状態にあること

キャリアプラトーとは、昇格が見込めず停滞状態にあることを言います。正確に言えばキャリアプラトーには2種類あり、昇格停滞による「階級プラトー」と、仕事内容などで停滞する「仕事プラトー」または「内容プラトー」と呼ばれるものです。この2つを併せ持つ状態を「ダブルプラトー」と呼び、より深刻で行き詰まった状態を意味します。2つのプラトーは全く関連のないものではなく、昇進が見込めず頭打ちになり、仕事内容も同じことの繰り返しとなり停滞状態に陥るのがキャリアプラトーの代表例です。

30代中盤から悩み始める現象を指す

キャリアプラトーは、ある程度のキャリアを積んだ人が対象であり、早い人では30代中盤から40代を中心に陥る現象です。プラトーとは高原や大地と直訳されるように、ある程度の高い位置まで登ったところに平坦な土地が広がっています。そのようにキャリアを積み重ねて上り詰めたあとに、もっと高い位置を目指す意欲を失うなどして、停滞した状況が続くことや停滞後に下降する状況に陥ることを指します。早く駆け上がったとしても達成感によって目標を失うことも多く、現役バリバリの30代であっても、キャリアプラトーに悩まされる人が多くなっています。

中堅看護師で悩む人が多い

中堅看護師で悩む人が多いキャリアプラトーは、前述の「仕事プラトー」または「内容プラトー」と呼ばれるものが多く見られます。看護師に先輩や後輩の序列はあるものの、とくに階級によるプラトーはないと言って良いでしょう。中堅看護師がキャリアプラトーに陥るのは、次の一手が打てない状況に行き詰まりを感じ、自分が無力であると考えてしまうときです。VUCAと言われる時代において医療は進んでいるものの、今までには無かった病気の蔓延や人手不足により、目標を見失う人も多くなっています。

キャリアプラトーと関連する用語

シャインが提唱したキャリアアンカー

キャリアプラトーに関連した言葉に、心理学者であり大学教授でもあったエドガー・H・シャインが提唱した「キャリアアンカー」があります。キャリアアンカーとは、仕事選びなどでどうしても譲れない個人的な価値観を指す言葉です。個々に異なる価値観ですので、人の数だけキャリアアンカーが存在するのは当然のことになります。そしてキャリアプラトーに陥ったときに、状況を打開するのに役立つのがキャリアアンカーです。自分だけが目指すキャリアを再確認することで、これからやらなければいけないことや、目標が見えてくるはずです。

プロティアンキャリア

プロティアンキャリアとは、常に変化し続ける時代に対応したキャリアを築いていくことを言います。プロティアンキャリアの語源となっている「プロテウス」は、ギリシャ神話の海神とされるポセイドンの従者として有名です。プロテウスは状況によって変幻自在に自分の姿を変えて戦い、主を守りました。また、未来を予言する力も備えていたとも言います。未来を予想して変化する時代に呼応してキャリアを積み重ねることは、キャリアプラトーから脱却、もしくは陥らないための最善の予防策です。

バウンダリレスキャリア

バウンダリーレスキャリアとは、人間関係などの境界を超越したキャリアを意味する言葉です。つまり、昔ながらのキャリアという考え方から逸脱し、組織や周囲の考え方などにもとらわれずに習得するキャリアになります。一般的なキャリアという概念から外れるため、パラレルキャリアとも呼ばれるものです。常に変化することからプロティアンキャリアと比較されることも多くあります。プロティアンキャリアは周囲の状況に合わせて変化するのに対し、バウンダリーレスキャリアは自らの意志や好奇心によって変化することが大きな違いです。

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ミドルシニア世代における昇進の実態

非役職者が増加している

ミドルシニア世代における昇進の実態を見ると、年功序列制度の崩壊、マイノリティや女性の管理職増加などにより、非役職者が増加しているのが現状です。階級プラトーに陥ることは、同じ仕事を何年も続けることになるため、仕事プラトーにも陥ってダブルプラトーになる事例が多くあります。企業側でも分かってはいるものの、役職数を簡単に増やすことはできないため状況は悪化する一方です。拍車をかけるようにダイバーシティという考え方も大きく広がり、ミドルシニア世代が役職者になる機会はどんどん減っています。

キャリアプラトーに陥る例

昇進に値する業績が出せない

キャリアプラトーに陥る最も多い例は、昇進に値する業績が出せないことです。相応の業績が出せず昇進できなければ、階級プラトーに陥るでしょう。焦りも通りこせば諦めになってしまいます。そうなれば、いままで保たれていたモチベーションは大きく下がり、仕事におけるプラトーも抱えることは間違いありません。このような連鎖が続くことで、状況はどんどん悪化していきます。周囲が実績を上げたならば受けるショックは大きく、立ち直るきっかけさえ全く見つけられなくなってしまいます。

ワークライフバランスが崩れている

キャリアプラトーに陥る例の一つが、ワークライフバランスが崩れていることです。人が充実していると感じているときは、生活と仕事のバランスが上手くとれている場合が多くなります。仕事が上手くいかなかったり、私生活で問題がおきたりしたときは、もう一方にも大きな影響を及ぼすものです。逆に、仕事で上手くいかなかったとしても、充実した生活を満喫していれば、仕事での立ち直りも早くいくことが多くあります。双方のバランスを上手くとることで、キャリアプラトーを上手く回避できるでしょう。

同じ部署で働き続け新しい仕事に挑戦しない

同じ部署で働き続けることは仕事のマンネリ化に繋がり、モチベーションの低下を招きます。また新しい仕事に挑戦しないことも、仕事への熱意とやりがいを低下させることになるでしょう。同じ部署でプロフェッショナルを育成することも重要と言えます。しかし仕事を熟知し十分に作業をこなせるようになった中堅社員には、別の部署で働く機会を与えることで良い転換期になることも事実です。個人の力量や将来の目標などを聞き取り、適切な配置転換なども工夫して行いましょう。

キャリアプラトーに陥る原因

新入社員の頃のようなワクワク感が薄れる

仕事におけるキャリアプラトーに陥る大きな原因に、新入社員の頃のようなワクワク感が薄れることがあります。新しいことに向かう新鮮な心持ちは、モチベーションを大きく高めるものです。失敗を恐れずに挑戦する気持ちと、失敗しても何度もチャレンジしようという気持ちは大きな力になります。この若手社員の気持ちに刺激される中堅社員やベテランも多いものです。毎日が同じ事の繰り返しで大きな変化が無く業績も上がらなければ、ワクワク感が薄れるばかりか不安が募り、病的なキャリアプラトーに陥ることにもなり兼ねません。

仕事量や質が社員の持つ能力を上回っている

キャリアプラトーに陥る原因として、仕事量や質が社員の持つ能力を上回っていることが挙げられます。個々によって仕事をこなせる量に差があるのは普通のことです。他の人が普通にできる仕事量であっても、厳しいと思う人も多くいます。こなせない仕事をしようとすることは大きなストレスに繋がるとともに、こなせなかった時にはキャリアプラトーに陥ることにもなり兼ねません。社員が持つ能力を見極めて、適切な仕事量を与えるとともに社員に見合った質を求めることが大事です。

キャリアプラトーへの対策方法

上司やベテラン社員と話す機会を設ける

キャリアプラトーへの対策方法として最もおすすめなのが、上司やベテラン社員と話す機会を設けることです。同じ悩みを抱えてきた上司や先輩社員が適切なアドバイスをしてくれるでしょう。アドバイスを受ける社員も、身近にいる先輩や上司の意見であれば素直に聞き入れることができます。お互いに話す機会を持つことは、社員同士や部下と上司の関係も良好になる相乗効果も期待できる対策方法であり、同僚や上司は強い見方です。定期的な会話の場所を用意してあげると良いでしょう。

社外の人と交流する

社員同士で話し合うことも効果的ですが、逆に社員には言えないことや言いづらいこともあるものです。そうした時には、社外の人と交流することでキャリアプラトーの対策となることもあります。全く違う分野で働く人の価値観や考え方に触れることで、いままで自分が悩んでいたことが一気に解消できるかもしれません。閉鎖的な空間で仕事をしていると、考え方や価値観も小さくまとまってしまいがちです。そうした状況を打破するために、社外の人と交流することは良い大きな刺激になるでしょう。

社内転職制度を確立する

会社全体でキャリアプラトーへの対策方法を考えるならば、社内転職制度を確立することも一つの解決策です。働く環境や仕事内容を変えることで、モチベーションアップが期待できます。企業にとっても仕事を覚えた中堅社員に辞められることは大きな損失です。悩んでいる中堅社員が気持ちよく働ける場所を提供することで、お互いに利益が生まれます。定期的に社員から希望を聞き取って、希望に合った社内転職をさせることができれば、会社全体のモチベーションアップにも繋がるはずです。

配置転換の機会を増やす

社内転職と同様に、配置転換の機会を増やすこともキャリアプラトーへの対策方法として有効です。同じ部署で同じ地位でいることは階級プラトーに繋がることから、配置転換は階級プラトー回避に有効と言えるでしょう。また配置が換われば仕事内容も変わるため、仕事プラトーも回避できます。他にも配置転換を増やすことで部署同士の連携も良好になり、風通しの良い社風作りにも繋がります。配置転換と聞くとマイナスのイメージを感じるかもれませんが、自分が現在の職場に合わないと感じている人も少なからず存在します。

まとめ

キャリアプラトーへの対策で社員の成長を促そう

キャリアプラトーは、誰もが陥る可能性のある職業スランプです。職業病の一つと言ってもいいようで、陥ってしまうと抜け出すことは容易ではありません。ですから、キャリアプラトーは未然に防ぐことが最善の対策と言えるでしょう。定期的に社員から意見を聞き取りを行うことや、会社ができる制度作りなどは積極的に行うべきです。キャリアプラトー対策は、会社全体の士気を高めることに繋がる重要なものになります。適切な対策を早期に行い、社員が伸び伸びと成長できる環境を整えてあげましょう。

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