バーナム効果とは【関連のある確証バイアスやプラシーボ効果と共に解説します】

記事更新日：2023年11月20日｜初回公開日：2023年11月20日

日常生活やビジネスにおいて、様々な行動心理学が生かされている場面が多々あります。中でもハロー効果やミラーリング効果などを活用して、効果的に営業を行っている人もいるのではないでしょうか。行動心理学や心理効果を理解することで、相手に好意的に感じてもらう事も可能です。沢山ある心理効果の中でも、今回はバーナム効果について解説していきます。バーナム効果は日常生活においても活用されている事が多くある効果です。バーナム効果を活用して、効果的にマーケティングを行いたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

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バーナム効果とは

多くの人に当てはまる事柄を言われて自分のことだと感じる現象

バーナム効果とは、多くの人に当てはまる事柄を言われて自分のことだと感じる現象のことです。曖昧な記述や発言が誰でも当てはまるものであるにも関わらず、「自分のことを言われているんだ」と感じてしまう心理状況です。例を上げると、あなたは悩みを抱えてますねと言われた時、悩みを抱えていない人の方が少ないため共感してもらえたと感じる現象です。アメリカの心理学者によって名付けられ、フォアラーという心理学者の名前を取り「フォアラー効果」と呼ばれることもあります。

バーナム効果のメカニズム

確証バイアス

バーナム効果のメカニズムは確証バイアスに影響されます。バーナム効果を体感すると、相手に好感や好意を抱く場合があります。初対面の相手でもバーナム効果により距離が縮まったと感じる場合がありますが、これは確証バイアスが影響しています。確証バイアスとは、自分にとってマイナスになる情報は頭に入れず都合の良い情報だけを取得しようとする働きです。そのため、初対面の相手に対しても自分の特徴や悩みを分かってくれていると感じた際には、相手に好意を抱きやすくなります。

プラシーボ効果

プラシーボ効果もバーナム効果に関係があるとされています。プラシーボ効果とは、医療の分野において思い込み効果のことです。プラセボ効果とも呼ばれ、効果を発揮しない薬を患者に与えて効果を出す治療方法です。薬として成分が含まれていない物を、医師が特効薬ですと患者に伝え服用させることで、稀に症状が改善することがあります。このプラシーボ効果がバーナム効果に影響し、自分のことを分かってくれているという思い込みから相手に好意を抱いてしまいます。

バーナム効果の具体例

占い

バーナム効果の具体例として、占いが挙げられます。例えば占いをしに行った際に、占い師から「仕事のことで悩んでいませんか」と言われた場合、自分から仕事の悩みについて話してしまう人も多いのではないでしょうか。仕事やプライベートにおいて全く悩みを抱えていない人はいません。皆何かしらの悩みを抱えていますが、占い師から告げられた時に自分の悩みを当てられたという気持ちになりやすい傾向になります。これは占い師だけでなく、雑誌などの占いでも同じことが起こります。

血液型テスト

バーナム効果を感じやすいのは、血液型テストです。血液型に分けて性格や特徴などを診断する血液型テストでも、バーナム効果の影響が起こりやすくなります。例えば「A型はまじめで几帳面なところが長所で、八方美人なところがあるのが短所」と言われたときに、自分の性格と比べたときに当てはまっている気がすると感じたことがあるのではないでしょうか。実際は多くの人が当てはまるような内容だとしても、バーナム効果で自分の特徴を伝えられている気持ちになります。

マーケティング

バーナム効果はマーケティングにも活用されています。広告やCMなどのマーケティング活動にもバーナム効果が用いられています。年齢的に体の不調を感じている時に体の衰えについての広告を見る・転職活動を考えている時に転職を後押しする広告を見た時に自分に当てはまると感じたことはありませんか。商品やサービスのターゲットになる人たちに合わせたキャッチコピーを活用することによって、消費者の購買意欲を促すことが可能です。

営業

営業もバーナム効果を感じる具体例の一つです。営業でのバーナム効果は、取引先や顧客に対して相手の悩みを解消できるトークを行う事で発揮します。取引先相手に、「書類作業に追われて、業務が追いつかないことはありませんか」というセールストークを行ったとします。実際にシステムの移行などを考えている企業にとっては、ぴったりと当てはまります。バーナム効果を活用して営業を行うことが出来れば、取引先や顧客から親身になってもらえるという印象を持ってもらう事が出来ます。

バーナム効果をマーケティングに役立てるには

どの顧客にも当てはまりそうな話から始める

バーナム効果をマーケティングに役立てるには、どの顧客にも当てはまりそうな話から始めましょう。顧客に対していきなり商品やサービスの提供をするのではなく、「給与計算などでお困りの点はありませんか」など当てはまることがありそうな話から始めてみましょう。そうすると、バーナム効果によりこの営業はわが社の悩みを分かってくれると思ってもらえ、信頼を得られる可能性が高まります。マーケティング施策を行う上で、バーナム効果を活用することは重要です。

バーナム効果活用の際のポイント

自分ひとりに向けられていると思わせる

バーナム効果を活用する際は、自分一人に向けられていると思わせましょう。自分だけに言葉が向けられていると感じる事で、よりバーナム効果の効力を高めることが出来ます。誰でも当てはまるような内容を話すときでも、不特定多数の人を指すのではなく「あなたは仕事で悩んでいませんか」と声掛けを行う事が大切です。不特定多数の人を相手にするとバーナム効果は発生しにくくなります。自分だけに向けられたメッセージだと思ってもらう事が重要です。

情報の信頼性を高める

バーナム効果を活用する際のポイントは、情報の信頼性を高める事です。バーナム効果は、会話している相手を信頼しているかどうかで効果が発揮されるかどうかが決まります。営業の場でバーナム効果を活用したいのであれば、一般社員よりも肩書を持っている社員が説明する方が効果が出やすくなります。しかし肩書を持っていなくても、バーナム効果を発揮することは可能です。多くのデータや証拠を活用し信頼性を補填するだけでなく、肩書のある人の権威を借りるなどすれば、信頼性を高め効果を見込めます。

どちらとも取れる表現を心がける

バーナム効果は、どちらともとれる表現を心がける事がポイントです。質問した際に、「はいかいいえ」で答えられる質問をしてしまうと「いいえ」と答えられた場合に会話が終了してしまいます。はいともいいえとも答えられる要素が沢山ある表現を活用することが大切です。相手が置かれている環境や立場に配慮し、当てはまりやすい質問を投げかける事でバーナム効果を高めることが出来ます。相手に寄り添う表現や単語を使いましょう。

内容はポジティブなものにする

内容はポジティブなものにするのも、バーナム効果を活用する際のポイントです。バーナム効果をより高めるためには、ポジティブな内容や表現を使いましょう。ネガティブな表現を使っても、相手の共感を得る事は出来ますが、ネガティブな内容の場合は共感することを拒否する人もいるはずです。ポジティブな内容だと、自分に当てはまってほしいといった心理が働き内容を受け止めてもらいやすくなります。一般的に大半の人が当てはまる内容だとしても、聞いている人はより自分のことだと思うようになるでしょう。

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バーナム効果活用の際の注意点

悪用や使い過ぎに気を付ける

バーナム効果活用の際に注意することは、悪用や使い過ぎです。バーナム効果を活用することで、顧客に対して効果的にマーケティング戦略や営業を行う事が可能です。しかし過度に使ってしまうと、相手が騙されたと感じてしまう事もあるため注意が必要です。適切に活用することで効果を発揮する物であり、悪用する物ではないと認識を持ちましょう。また同じ相手に何度もバーナム効果を使ってしまうと、また同じことを言っていると思われるため使用頻度は最小限に抑えるようにしましょう。

誇大表現や煽り口調にならないようにする

誇大表現やあおり口調にならないように気を付けて、バーナム効果を活用しましょう。広告などで誇大表現をしてしまうと、規制が厳しくなっていることから景品表示法などに触れてしまう可能性もあります。また煽り口調を使ってしまう事で、見ている人を刺激したり不快に感じたりしてしまう事が考えられます。見ている人を相手に上から目線で罵る・高圧的な態度を取るなどしてしまうと、恐怖を覚えてしまいバーナム効果を期待することが出来なくなります。誇大表現や煽り口調はトラブルに発展する可能性もあるため、注意しましょう。

バーナム効果のメリット

売上アップに繋がる

バーナム効果のメリットは、売り上げアップに繋がることです。バーナム効果を営業や広告に織り込むことによって、相手の悩みや関心を理解してくれていると思わせることができ、説得力が増します。企業に対して「人事業務で困っている事はありませんか」や、お年寄りに「健康で不安に感じる点はありませんか」といった文句は当てはまる場合が殆どです。バーナム効果を使う事で、悩んでいることが解決できそうな商品・サービスだと感じてもらう事が出来ます。結果として、売り上げアップに繋がります。

コミュニケーション能力が向上する

バーナム効果は、コミュニケーション能力が向上するメリットがあります。バーナム効果は初対面やあまり交流がない人に対して特に効果を発揮することが出来ます。そのため、バーナム効果を活用することで、相手と打ち解けやすくなりコミュニケーション能力が高まります。相手を特定する呼び方をすることで、この人は私のことを理解してくれていると思わせることが可能です。バーナム効果を活用したコミュニケーションは、ビジネスだけでなく恋愛や日常生活でも活用できるテクニックです。

バーナム効果のデメリット

顧客に怪しまれてしまう

顧客に怪しまれてしまう可能性があるのは、バーナム効果のデメリットです。バーナム効果を上手く活用すれば、相手から好意的に見てもらう事が出来ますが同じ相手に何度も使ってしまうと効果を発揮しなくなります。何度も同じ人に使う事で、抽象的な話ばかりになり発言の信ぴょう性も薄れてしまいます。ネットビジネスや情報商材の勧誘が典型的な例です。抽象的で不安になる言葉を投げかけ、顧客を集めていますが商品を買うまで内容はわからないため怪しいと感じる人が増えていきます。

まとめ

バーナム効果をマーケティングに上手く活用しよう

バーナム効果の具体例や、活用する際のポイントについて解説しました。バーナム効果は自分に当てはまると思わせる心理効果であり、営業やマーケティングで活用することで相手から信頼や好意を持ってもらう事が出来ます。バーナム効果を最大限活用するには、誰にれも当てはまるようなポジティブな内容を適度な頻度で活用しましょう。濫用してしまうと、信ぴょう性に欠け不信感を抱かれる可能性もあります。バーナム効果をしっかりと理解し、マーケティングに上手く活用していきましょう。