オンボーディングとは?【意味や施策・プログラムを解説します!】

記事更新日:2020年04月20日 初回公開日:2019年12月18日

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オンボーディング、という言葉を聞いたことありませんか。最近、企業から注目されているオンボーディングですが、企業のマネジメント、特に人事の分野で使われる言葉です。新入社員らを早期に即戦力へと導く、新しい社員教育ブログラムの手法です。オンボーディングについて、言葉の意味から、導入のメリット、設計のプロセス、実施する際のポイントを説明します。この新しい人材育成の手法を使って、企業のマネジメントに役立てましょう。

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オンボーディングとは

企業の早期適応を目的とした教育プログラム

「オン・ボーディング(on-boarding)」とは、「船や飛行機に乗っている」という意味の「on-board」から派生した言葉です。もともとは、船に新しく乗り込んできたクルーに対して、出港前に船の扱い、船上でのルールを教育することでした。なぜなら、クルーには出航したらすぐに働いてもらう必要があるからです。今では、企業の人材育成のプロセスにおいて、新たに採用した社員を組織の一員として定着させ、戦力化させるまでの教育プログラムを意味するようになりました。

オンボーディングが注目される背景

人材定着率の低下の解決策となる

オンボーディングが注目されるようになった背景には、主に次の2つの理由が挙げられます。新入社員の即戦力化と、新入社員の定着です。育成については、新人研修などの形態で従来の企業経営においても取り組まれていました。ゆっくりと時間をかけて人を育てる、というスタンスで取り組まれていたものです。しかし、近年オンボーディングがクローズアップされている背景には、新入社員の早期離職を防ぎ、即戦力化するためには、組織的なサポートプログラムが効果的だということがあります。

オンボーディングを導入するメリット

新入社員を即戦力にできる

新入社員がやらなければならないことは、業務内容を覚えるだけではありません。仕事を円滑に進めるためには、コミュニケーションが必要です。新しい環境で新たな人間関係を築くことは誰にとっても時間がかかるものです。オンボーディングは、アウトプットとフィードバックを繰り返す作業ですから、コミュニケーションに基礎にして、早く会社に馴染めるようサポートします。新入社員が早期に受け入れられているという実感が持つことが、離職防止に有効なのです。

新入社員の定着率向上が見込める

早期に会社に馴染めるサポート

新入社員がやらなければならないことは、業務内容を覚えるだけではありません。仕事を円滑に進めるためには、コミュニケーションが必要です。新しい環境で新たな人間関係を築くことは誰にとっても時間がかかるものです。オンボーディングは、アウトプットとフィードバックを繰り返す作業ですから、コミュニケーションに基礎にして、早く会社に馴染めるようサポートします。新入社員が早期に受け入れられているという実感が持つことが、離職防止に有効なのです。

社員のエンゲージメントの向上が図れる

エンゲージメントとは、愛着や思い入れのことです。即戦力として企業経営に貢献しているという実感。会社に受け入れられていいるという実感。自分の頑張りが評価されているという実感。これらが、従業員のエンゲージメントが高いことを意味します。エンゲージメントが向上することで、従業員のモチベーションの上昇が期待できます。

組織の結束力を高められる

オンボーディングでは、常に目標を共有し、成果を共有します。コミュニケーションの活性化は、従業員のモチベーションの向上につながります。従業員が自発的に業務に取り組んだり、従業員同士がお互いに協力し助け合う関係性が構築されたり、チームとしての一体感が生まれます。組織の結束力が高められ、企業全体の業績向上も期待できるでしょう。

採用コストを抑えられる

再採用などの不要なコストを削減

オンボーディングにより新入社員が定着することで、新たに人を雇用する費用が削減することができます。新たに人を雇用するということは、採用費用がかかります。離職率が高いと、その分の再採用の費用が必要となります。離職がなければ本来払う必要のない費用ですので、新入社員の定着はコスト削減に大きな意味があるといえるでしょう。

オンボーディング設計のプロセス

目標を設定する

目標の設定は、新入社員にどのようなスキルを求め、どのような成果を求めるのかのに重点を置きましょう。漠然と目標を設定するのではなく、会社の抱えている課題解決のアプローチが必要です。目標は比較的簡単に捉えることができるものですが、このとき重要なのは現在のスキルを把握することです。目標の設定と同時に、スキルの棚卸しをします。つまり、新入社員ができることを整理します。具体的な資格だけでなく、できることに注目しましょう。

プランの原案を作成する

設定した目標と現在のスキルの差が、プランになります。つまり、スタートからゴールまでのプロセスです。その差は、本人の努力で埋めるものなのか、組織的な支援が必要なのか、という視点でプランを作成します。具体的には、1年を目安にスケジュールを組みます。中目標、小目標も設定し、1カ月、3カ月、半年と細分化することで、よりイメージしやすく取り組みやすいプランにします。新入社員が活躍する姿をイメージしながら、より具体的なプランをつくることで魅力的なオンボーディングとなるでしょう。

プランのすり合わせを行う

従業員と管理職のズレの修正

プランの原案ができたら、関係者と共有し、すり合わせすることが必要です。現場の従業員と管理職とでは、課題と感じていることにズレが生じている可能性もあります。ここにズレが生じていると、目標設定のやり直しになってしまいます。新入社員と会社との期待値のズレも考えなくてはなりません。この場合、新入社員は、入社後に「思っていたのと違った」となり、早期離職に繋がる原因になる恐れがあります。ズレというと僅かな違いという認識なのかもしれませんが、プランが進むにつれ、大きく乖離していくものです。小さいうちに解消しておきましょう。

プランを実施する

プランが完成したら、プランを実施します。プランどおりに実施するわけですが、新入社員を受け入れる環境を整備できるかがとても重要です。新しい環境への不安というのは、中々解消されません。先輩、上司が常にサポートできる体制を作り、組織として全面的にフォローする姿勢を示します。組織として積極的なコミュニケーションを図りましょう。そのためにも、教育体制を整備しておくことがポイントです。研修やマニュアルで仕事への入り易さを支援できます。しかし、実際の現場では、研修やマニュアルどおりにはいかないものですね。そういったときのサポートやフォローのなど、新入社員を受け入れる部署、チーム、上司がしっかりと受け入れる準備をしているかがとても重要です。新入社員が安心して働ける環境を提供することで、新入社員の成長を促し、プランの実効性を高めることができます。

プランを見直し、再実行する

プランが一旦終了したら、必ずプランの見直しを行います。関係部署など新入社員を受け入れた側の意見と、実際にオンボーディングを行った新入社員からの意見の両方を聞き取ります。目標設定は適切だったか、期待値にズレはなかったか、スキルの見込み違いはなかったか、課題解決への貢献度はあったか、と、プラン自体の評価を行いましょう。それから、プランの実施にあたり、環境に問題がなかったかも評価する必要があります。新入社員が力を発揮できたか、安心して働ける環境が作れたか、孤立することはなかったか、教育体制が十分であったか、と、プランの実施の障害になるような要素を洗い出しましょう。PDCAサイクルを回し、問題点を抽出し、課題を改善していくことで、より精度の高いプランを練ることができます。そして何よりも、このオンボーディングにより新入社員のスキルを伸ばし、組織として効率化を図り、企業の価値が上がることを意味します。

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オンボーディングを行う際のポイント

オンボーディングの必要性を理解してもらう

メリットしかないようなオンボーディングですが、やはりデメリットもあります。オンボーディングの導入にあたり、その事務量が業務を圧迫するかもしれないということです。現場においては、オンボーディングが業務以外の事務となってしまいます。サポート体制を強化することで、社員一人当たりの負担も大きくなりますね。プランの作成、評価には常に現場からのフィードバックを求められます。この手法は現場からのフィードバックの精度がとても重要です。現場での負担が大きいからといって手抜きで取り組まれては、改善点も見つけられないし、プランの評価も意味をなさなくなります。オンボーディングの導入にあたっては、その必要性をよく説明しましょう。結局は回り回って、新入社員の即戦力化というかたちで、現場にも十分なメリットがあるということを理解してもらう必要があります。

費用対効果の測定を行う

コストを無駄に消費している可能性に注意

オンボーディングを採用する人事担当においても、同じように事務量は増えることが考えられます。プランの作成し、PDCAサイクルを回すとなると、相当の事務量となります。新入社員の離職が減り、再採用のコストは下げることができても、増えた事務量でコストが増えるようでは、本末転倒ですね。職種によっては、効果が得られないということも考えられます。コストを無駄に消費している可能性に注意する必要があります。人材育成にお金をかけるというのは一般的には当たり前のように思いますが、企業経営においては数字がすべてです。「人は資産」、とはよくいいますが、貸借対照表には「人」という資産の項目はありません。ですから、オンボーディングにかかったお金は、投資ではなく費用になります。そうなると、費用対効果については、数字化できないメリットをよく考える必要があります。

具体的なオンボーディングの施策は?

オリエンテーションやメンター制度の導入

具体的なオンボーディングの施策として、オリエンテーションがあります。このオリエンテーション自体は入社前オリエンテーションなどといって、以前から行われていたものです。入社式もその一つといえますし、歓迎会もそうですね。ですが、オンボーディングでは、もっと幅広い小規模のものもオリエンテーションとして、位置付けます。例えば、ランチ会、同期会、他部署との交流会、など、定期的な小規模のミーティングです。小規模の会なので、顔の見える関係で、コミュニケーションもとりやすく、情報交換や仕事の相談がしやすくなるでしょう。もう一つは、メンター制度というものです。メンターとは、指導者、助言者という意味です。新入社員にとって、最も近い立場で、指導、助言します。新入社員が支援を求めやすい、また相談しやすいというのが、メンタル面での支援になるでしょう。

オンボーディングは双方に様々なメリットが存在する

オンボーディングは、新入社員のためだけでなく、企業が全体で新入社員をフォローしていくことで一体となり、企業の価値を向上させることが目的です。企業がオンボーディングを導入することで、新入社員の即戦力化や人材定着率アップなどのメリットが得られます。また、新入社員も安心して働ける環境で仕事への意欲が高まったりと、双方にとってメリットがありますね。現在の企業のあり方としては、多くの人を巻き込んでのオンボーディングの効果で企業価値を高めるということは、思っている以上に大きいものが期待できると考えられます。

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