記事更新日:2022年12月20日 | 初回公開日:2022年12月20日
人事・労務お役立ち情報 用語集 グローバル用語解説 グローバル経済ハッカソンとは、ハック(hack)とマラソン(marathon)による造語です。ITエンジニアやデザイナーなどのソフトウエア開発者が集まって、一定期間集中的にプログラムの開発やサービスの考案などの共同作業を行い、その技能やアイデアを競う催しのことです。企業内の研修として行われる場合や、大手企業が広く外部から参加者を集めて自社製品やサービスに役立つアイデアを競わせる場合もあります。また、ベンチャーキャピタルによる出資対象の選定に利用されることもあります。
アイデアソン(Ideathon)はアイデアとマラソンが組み合わさった造語で、ハッカソンの事前準備ともいえます。同じテーマについて集中的にアイデアを出し合って、新たな商品やサービス、ビジネスモデルなどのプランニングを行ないます。チームを編成し、制限時間を決め、成果を競い合うという点はハッカソンと共通していますが、技術者だけではなく、さまざまな業種の人たちが参加できるという特徴があります。そのためIT系のテーマに限らず、高齢化や子育てなどの地域課題の解決に向けたイベントもあります。
ハッカソンの実施により企業には、新規事業や新商品の開発についての発想を得られるというメリットがあります。ハッカソンを行うことで、企業の中にすでにある技術を活かして新しいものを生み出すことができます。また技術そのものを進化させることも可能です。ハッカソンの期間は長くても数日前後であることからも、自社の資源を活用できるアイデアを見つける良い手段として注目されているのです。自社の中で、それぞれの専門知識やスキルを持った人材が集まり議論し合うことで、新たな発想が期待できます。
ハッカソンは普段個人作業の多いエンジニアにとって、担当外の業務について知る機会となります。一つのゴールに向かってコミュニケーションを重ねることで、互いの業務理解が進みます。また、あまり接点のない社員同士の信頼関係を育むきっかけともなります。それぞれがシステム全体を俯瞰してみる視点を持てるようになるので、システムや業務全体の効率化も期待できます。ハッカソン終了後は参加者同士で定期的に情報交換を行うケースが多く、社内だけでなく社外を含めたコミュニティを形成できることも魅力です。
ハッカソンは他の参加者との交流を通して技術力の向上や知識、経験を得る機会となるので、IT人材の育成に役立ちます。普段の業務では部分的な業務を担当することが多いエンジニアにとって、システム全体を一貫して作り上げるのは良い経験になり、自分の手で作り上げたという達成感を味わうこともできます。また担当外の業務を知り、全体を俯瞰してみる経験は、今後のキャリアにプラスとなるのです。ハッカソンにより社外の参加者と交流することで、より専門的な技術や知識を吸収することもでき、成長につながります。
ハッカソンを行うことで、社内コミュニケーションの活性化が期待できます。ハッカソン実施後も定期的な情報交換が行われる場合が多く、社内のコミュニティづくりが可能です。社員の交流を深められることから、チームの結束力向上や普段接触の無い社員のコミュニケーションを促し信頼関係を築くことが容易になります。さらに、コミュニケーションや協力し合うことを通じてチーミングスキルを高められます。自分がプロジェクトに参加しているという当事者意識も得やすく、帰属意識の向上にもつながるでしょう。
ハッカソンは企業の知名度向上やブランディングが図れるというメリットもあります。ハッカソンに社外の人を招くことで、開催企業の名前や商品、サービスの知名度向上につながります。また開催するハッカソンのテーマより、どのような会社であるのかを社会に認知させることができます。認知度の向上によって、社員の帰属意識向上などの効果が期待できます。さらにハッカソンで自社の魅力を知ってもらい自社が求める優秀なエンジニアなどの採用につなげるダイレクトリクルーティングの手段にもなるのです。
ハッカソンはオープンイノベーションへつながります。近年では企業は他の組織が保有する知識や技術を取り込み、新しいビジネスモデルやサービスなどを生み出すオープンイノベーションが活発化しています。社外と協同でハッカソンを行う場合、異なるスキルや専門分野を持つ技術者たちが集まって作業を行います。お互いに今まで気づかなかった観点や物の考え方に触れることで柔軟性が高まる可能性があります。新たな発想やブレイクスルーが起こりやすくなり、オープンイノベーションを促進させる傾向があります。
ハッカソンの実施による参加者のメリットの一つに、開発における全工程を経験できるということが挙げられます。社内ハッカソンによって担当以外の業務を知ることがシステム全体の理解を深める助けとなります。また、社内ハッカソンを重ねることで事業全体を俯瞰して捉える力を養うことができます。このようなことから、従業員のキャリア形成にもつながっていきます。さらに社内の交流も増えていくので、社内に新規事業が生まれやすい風土を醸成していくことも期待できるでしょう。
ハッカソンの参加者は最先端の技術に触れられるというメリットがあります。ハッカソンでは、人工知能(AI)やIoT、フィンテックなどの最新技術をテーマとするものもあります。また、最新のプログラミング言語やフレームワークを使用して開発を行う場合もあるのです。最新技術についての知識が豊富なエンジニアが参加する場合もあり、外部講師として専門家が参加することもあります。参加者は専門家から直接教わることができるため、技術と知識の向上につながるのです。
ハッカソンは開催形態や対象者、テーマなどによっていくつかの種類に分類されています。その中で、一般ハッカソンとは企業や団体が外部に向けて行うハッカソンのことです。開催する企業は大企業からベンチャー企業まで多岐にわたります。参加者にあまり制限を設けず、広く外部に向けて募集を行います。多くの場合はテーマの幅も広く、細かい制限を設けないため人が集まりやすい傾向があります。主催者側も自分たちの組織や技術をアピールするよい機会にすることができるので、大規模に開催される場合が多くなっています。
産学連携ハッカソンとは、一般企業と大学を中心とした教育機関が連携して行うハッカソンです。新技術の開発や学生の育成、社会問題の解決などを目指して行われるものです。若い力を事業開発などに活かすことはもちろん、人材育成の側面も強く、次世代に向けた技術者の育成や才能の発掘の場として活用されます。2013年に、東京工科大学と日本ベンチャーキャピタル株式会社が連携して大学ハッカソンを行ったのがその始まりと言われています。現在では多くの大学や企業で開催されています。
社内ハッカソンは、社内のエンジニアやデザイナーを対象としたハッカソンです。現在では国内外を問わず多くの企業で行われているのです。新規事業の開発のために行われる場合や、社内エンジニアの技術力向上のため勉強会として行われる場合もあります。社員の交流を深められるため、チームの結束力向上や普段接触の無い社員間のコミュニケーションを促し信頼関係を築くことを目的に行われるのです。エンジニア同士の繋がりを作ることで、社員の意識改革が起こりやすく、企業、従業員の双方にとってメリットがあります。
ハッカソンの運営におけるポイントとして、適切なタイムスケジュールを設定することが大切です。あらかじめ、主催者によるルール説明や参加者によるアイデア出し、チーム編成や開発、発表という流れについてのおおよその時間を決めておくのです。そして事前に時間やタイムスケジュールは公開しておきましょう。また、ハッカソンは数日間にわたって行うことが多いので、中間発表などを挟みながら集中力やモチベーションが途切れないようメリハリよく進行することも重要になります。
ハッカソンでは、能力を考慮したチーム編成にしましょう。人数は1チーム5〜6人を目安とします。プログラマーやデザイナーなどさまざまな技術者を募るハッカソンでは、チームごとに技術レベルや専門性が偏らないようにバランスよくチーム分けしなければなりません。事前にアンケートなどでスキルや経験に関するヒアリングを行っておくと、チーム分けに役立ちます。最初は参加者は緊張していますから、円滑なコミュニケーションを図れるよう、自己紹介や簡単なゲームなどのアイスブレイクを考えておきましょう。
ハッカソン終了後もフォローアップを行うことが望まれます。折角ハッカソンを行っても、1回だけのイベントでは成果をブラッシュアップすることや、参加者の交流を深めることも中途半端で終わってしまいます。成果を実際の事業につなげていくために、ハッカソンの様子や結果をホームページなどで一般公開することをお薦めします。また、事業化へ結びつけるための勉強会を継続することや、開発と交流が途切れないにための事後サポートをして、ハッカソンを継続させることにつなげましょう。
ハッカソンは新規事業の開発やイノベーションを促すだけでなく、技術者同士の交流やモチベーションアップ、技術向上の場としても機能するものです。参加者にとっては知識や技術の習得だけではなく、コミュニケーション能力やリーダーシップなどのヒューマンスキルも高められる良い機会となります。また企業にとってはオープンイノベーションを期待でき、組織力や帰属意識の向上も見込めるのです。ハッカソンによって技術力の向上を図り、ものやサービスを創造し、人材を育成する機会として効果的に企業活動に取り入れましょう。
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