記事更新日:2021年04月26日 | 初回公開日:2021年04月26日
用語集 外国人採用・雇用 グローバル用語解説 人事・労務お役立ち情報内発的動機づけとは自分の意思で興味や関心を持って行動につなげることです。つまり、内発的動機づけは自分の内部から生まれる好奇心が原動力となるので、その行動に対して「もっとやりたい」や「こだわりたい」という気持ちが高くなります。多くの社員が内発的動機づけで仕事に取り組んでくれれば、企業は利益の最大化を狙うことができるでしょう。つまり、内発的動機づけは企業にとって、良い組織づくりへの一歩になることが期待できそうです。
内発的動機付けは心理学者のエドワード・デシが1975年に提唱しました。当初の内容は行動に対しての評価や報酬を得ることが目的となる外発的動機づけだとモチベーションを低下させる可能性があるというものでした。つまり、外発的動機づけだと短期間のモチベーションのアップは見込むことができるが長期間となると厳しいと考えられました。そこでエドワード・デシは長期的にモチベーションを保つことができる内発的動機づけに着目したわけです。
内発的動機づけによって行う仕事は、その仕事を行うことに対して興味や好奇心を持っている状態といえるでしょう。例えば人が興味や探求心などを感じる行動に「面白さ」を感じます。つまり、その「面白さ」が仕事に対しての高いモチベーションにつながり、仕事のクオリティーにも影響を与えることが期待できます。もし、仕事そのものに「面白さ」を見出すことができれば、仕事を毎日ストレスなく楽しむこともできるでしょう。是非、内発的動機づけを浸透させたいですよね。
内発的動機づけに相反する外発的動機づけは行動に伴って得られる報酬や評価などが目的となってしまっていること。例えば、ビジネスの世界でいうと高い給料を獲得するため、または出世をすることを目的として仕事に励むことでしょう。外発的動機づけの特徴として、目的がわかりやすく成果もすぐに出やすい、もしくは全くでないという両極端のことが多いです。そして何よりも、高いモチベーションを保つことが困難なことがデメリットとして挙げられます。
内発的動機づけは好奇心や向上心などといった内側からのモチベーションが湧き出る状態を指します。例えば人をまとめることが好きな社員にプロジェクトリーダーを任せると、高いモチベーションで自らの行動で仕事を進めます。また新商品を開発したい社員に新商品開発部隊への配属を任命すると同様な結果が期待できるでしょう。多くの社員は自分の力が活かせる、または自分が興味のある仕事内容を任されることで、好奇心や向上心がくすぐられます。それこそが内発的動機づけにつながります。
現在、日本のビジネスシーンでリモートワークが定着してきているように多様な働き方が求められています。それは政府の意向である働き方改革がその影響の一つでしょう。また日本における少子高齢化が原因で企業は人材不足の問題を抱えています。その問題が起因して、仕事自体が受け手(社員や求職者)の要望に合わせて変化する多様な働き方が生み出されます。つまり、現代社会における仕事は、個人のやりがいや好奇心を重要視する時代へ生まれ変わっているでしょう。
従来、日本では外発的動機づけで社員のモチベーションを保っていた傾向にあります。例えば報酬や出世を社員にほのめかすことは当たり前で、ときには強く叱責することもありました。しかし、そのような外発的動機づけは現代社会では通用しません。現在の20代、30代に共通していえることは報酬などの外発的動機づけで働いているわけではないということ。必ず内発的動機づけが重視されるため、社員を定着させるには、どのようにして好奇心や向上心を刺激するのか、しっかりと見定めることが大切でしょう。
どんな仕事にもいえることですが、内発的動機づけを高める際にも仕事への適切なフィードバックは非常に大切です。仕事を自ら進んで行っている行動が果たして合っているのかどうか、不安になるものです。そんな不安に対して、適切なタイミングでフィードバックし、もし合っていれば個人の自信となるし、さらなるモチベーションアップへとつながるでしょう。また仮に方向性が間違っていれば軌道修正ができるので、仕事の問題は解決へとつながります。
内発的動機づけには適切な目標設定が大切です。この時、注意が必要なのは決して厳しいノルマを設定することではありません。あくまで自主性を重視し、自分で目標を立てることが大切でしょう。その目標のポイントは簡単に達成できる目標ではなく、やりがいを持ち、少し難易度が高い目標を立てることです。そして、その上司は社員がその目標を達成できるように、達成までの期限や進捗状況の小まめなチェックとサポートを行うことも大切でしょう。
人それぞれ価値観が違えば目標も違います。内発的動機づけにこだわり、社員のモチベーションを上げるには、それぞれ社員の価値観や目標を的確に把握することが必要でしょう。例えば、その社員が掲げる目標や価値観を明確にできれば、その社員が興味を持てる仕事を勧めることもできるかもしれません。実現は困難ですが、全社員の目指すものを把握し、内発的動機づけによる仕事を実現できれば企業にとって大きなメリットとなりそうです。
内発的動機づけによって行う仕事は自分の強い意思が原動力となります。それは興味や関心から「もっとやりたい」や「こだわりたい」という意思が高まるので、仕事に対してのモチベーションが向上します。このように前向きな感情で行っている仕事は途中で投げ出すこともなく、最後までやり遂げるし、仕事のクオリティーも上がるでしょう。また内発的動機づけの一つの特徴として長期的なモチベーションを保つことが挙げられます。つまり、仕事の質も長期的に上がることが期待できるでしょう。
人は自分のやりたいことや熱中できることに取り組んでいるときでこそ、一番良い精神状態を保つことができるでしょう。つまり、そのような環境こそストレスも少なく精神が安定している状態です。例えば外発的動機づけによる取り組みを行えば報酬などを目的に仕事を行います。仮に悪い評価を受けた場合や想定より悪い報酬になった場合にはモチベーションが一気に下がってしまい、精神が不安定な状況となります。つまり、内発的動機づけで取り組んでこそ、仕事に「面白さ」も感じることができるので良い精神状態で安定的に仕事に取り組めるでしょう。
内発的動機づけで仕事を取り組む人員で社内の組織が構成されれば社内の雰囲気がよくなります。それは仕事に対してのベクトルが同じで、おのずと協力体制を築くことができるからです。会社組織において部署が違えば衝突が起こる可能性は大いにあります。特に外発的動機づけが萬栄している環境では衝突する姿がしばしば見受けられるでしょう。だからこそ、内発的動機づけで仕事を取り組む人員同士であれば部署を跨いでも協力体制を築くことができるので、社内全体の雰囲気がよくなることが期待できそうです。
内発的動機づけによって自ら行動する社員は会社に対しての満足度が高く、会社に定着する傾向があります。それは、その社員が主体性をもって仕事を取り組み続ける傾向にあるので、仕事が成功する可能性が格段に上がります。その結果から生まれる自信や満足度が会社の居心地の良さへとつながるでしょう。また仕事が上手くいき、周りからの評価が上がることで、会社に自分の居場所が構築されます。そうなると、その社員にとって会社が離れられない場所となっていくに違いありません。
その仕事や取り組みに対して興味関心がないと内発的動機づけができません。それは内発的動機づけが自分の意思から出てくる好奇心や研究心を原動力としているからです。ビジネスの世界において、必ずしも自分の興味のある仕事に就けることは保証されません。むしろ自分の興味や関心がない仕事の方が多いのではないでしょうか。しかし自分の割り当てられた仕事に対して、すぐに内発的動機づけができない仕事だと判断してはいけません。もしかすると最初は興味関心がなくても、長く続ける中で新たな発見があり、内発的動機づけにつながるきっかけが生まれる可能性もあります。
人それぞれ性格が違えば考え方も違うので、外発的動機づけの方がモチベーションが上がる場合もあります。例えば仕事を行うことで報酬や出世につながるという明確な目標の方が、モチベーション向上につながる人材もいるということです。しかし、そのような外発的動機づけは目標を達成すると、すぐに次の目標を立てなければなりません。また目標達成ができなければモチベーションダウンにつながるなどのデメリットもあります。外発的動機づけを重視する場合は、それらのデメリットを考慮した上、常に目標に対して強い意思で取り組み続ける覚悟が必要でしょう。
当たり前ですが人によって考え方や価値観が違うため、内発的動機づけの汎用は困難です。例えば簡単な事務処理において、一つの作業をクリアしていくことに価値観を見出せる人もいれば、そうでない人もいるということです。それを踏まえると、一つの仕事で多くの人の内発的動機づけをクリアすることは不可能でしょう。それゆえに個人個人の特性をしっかりと把握することで、それぞれの特性にあった仕事を与えることができます。その結果、内発的動機づけがしやすい環境が生まれるでしょう。
会社は仕事をするための最低限の環境を用意する必要があります。しかし、社員の仕事に対してのモチベーションまで管理することは困難です。それは、社員が全ての仕事に対して、興味や関心を持つ保証がどこにもありません。だからこそ、社員一人一人が仕事への価値を見出し、内発的動機づけをする必要があるでしょう。まずは社員が真剣に仕事を取り組むことで、その仕事と向き合うことができ、きっと新たな発見があるはずです。その発見こそが、もしかすると内発的動機づけができるきっかけになるかもしれません。社員一人一人がどのようにすればモチベーションを保てるのか、会社として個人が管理できるような教育を準備するのも良いかもしれませんよね。
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