グローバル企業とは?【働くメリットや会社紹介も】

記事更新日:2021年02月17日 初回公開日:2020年03月04日

グローバル用語解説 用語集 採用・求人のトレンド
近年、TVやインターネットでも耳にすることの多い「グローバル企業」。経営的な戦略も視野に日本以外の市場に目を向け、早い段階から事業を世界規模に拡大する企業も増えてきました。日本企業のグローバル化も進んでおり、大企業に限らず設立間もないベンチャー企業などもどんどん海外に進出しています。今回は、日本発のグローバル企業を例を挙げながら、グローバル企業で働くメリットやデメリット、求めらるスキルなど紹介します。

この記事の専門家・監修

株式会社アスカ 取締役 浅見慶敬

全国17店舗を持つ人材紹介会社、アスカグループの取締役。グローバル人材の職業紹介と「グローバル採用ナビ」の責任者を歴任。人材紹介業界一筋19年。これまでに外国人採用で関わった企業は約1万社、企業と外国人の採用マッチングは累計1000件以上。

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グローバル企業とは

様々な国においてビジネス展開している企業

グローバル企業とは21世紀型のモデルで、拠点となっている国以外のさまざまな国においてビジネスを展開している企業を指します。もちろん、社員の国籍もさまざまで、ビジネス展開もその国の文化や手法に合わせて行われます。単に、製造工場などの生産ラインだけを海外に置いている企業は含まれません。拠点が違っていても同じ商品やサービスを提供し、企業としての機能がすべてが一体化しているのが大きな特徴です。

多国籍企業:海外の拠点が自立している企業

多国籍企業とは、主に20世紀頃に盛んだったモデルで2ヶ国以上の国で活動していること、株式市場に上場し売上をあげていることなど、いくつかの基準があります。海外の拠点が本国に頼りきりになるのではなく、ある程度の決定権がある自立した状態でビジネスを展開。各国共通の仕組みやガイドのみを本国手動で実施し、それ以外は各拠点がそれぞれの文化や習慣などの特性に合わせ行います。資源や人材などにおいては、国際色も豊で多国籍化が進んでいる状態です。

国際企業:一部の機能のみ海外で実施する企業

国際企業とは、海外に事業展開はしてはいるものの、拠点には決定権などの機能はなく、本社が拠点として機能している企業のことです。基本的にビジネスの機能の大部分が本国にあり、海外にある拠点では販売や製造ラインなどの一部の機能のみ実施。主に19世紀における企業の国際化モデルとして扱われ、一昔前の企業の国際化モデルと言っても過言ではありません。グローバル企業と謳いつつも、このような国際企業であるパターンもあります。

グローバル企業で働くメリット

海外で働くチャンスがある

グローバル企業では、世界各国に拠点があるため海外で働くチャンスも多くなります。企業にもよりますが、入社して数年の若いタイミングで赴任できる場合もあれば、管理職になってから海外子会社に転籍となり長期に渡り働くことになる場合もあります。海外でチャレンジしたいと思った場合、現地の会社に就職することもできますが、それは中々ハードルの高いことですよね。日本の企業で働きながら、海外にチャレンジするほうがリスクも少なくチャレンジしやすいでしょう。

自己成長につながる

グローバル企業で働くことで、語学力の上達はもちろん、日本とは違う風土や文化の中で育ってきたさまざまな国籍の人と働く機会が増えます。語学や専門分野の実力も国際色豊かな環境で磨くことで、より実践的なスキルが身につくでしょう。実際にグローバル企業をした経験したことによって自己成長に繋がったという人は多いです。グローバル企業での実務や海外勤務経験があることが、今後のキャリアにメリットになることも多いでしょう。

高給であるところが多い

日本においてグローバル企業はそれなりに大手企業の場合が多く、元々高めの給与水準です。さらに海外勤務となった場合は、給料の他に海外赴任手当が支払われるケースが多くあります。企業によっては、現地の家賃や光熱費等も負担してくれて、生活費がかからない分、海外勤務期間で貯金することができたという人も。もちろん、日本よりも生活水準の低い地域に赴任するケースもあり、住みやすさという点で一概には言えませんが、金銭的なメリットは大きいと言えるでしょう。

グローバル企業で働くデメリット

希望する場所で働けるとは限らない

グローバル企業で働く上で気をつけたいのが、希望していなくても海外赴任を命じられる可能性があるということです。また、勤務地も必ずしも希望どおりといくとは限りません。また、どこの地域で働くかはその時々のプロジェクトや景気に左右されるため、企業によっては海外を転々することもあり、子供の成長に合わせ単身赴任をしている人も多くいます。北米やヨーロッパで働きたかったけど、アジアやアフリカといった発展途上国への転勤を命じらるというのはよくある話です。

言語の問題

グローバル企業の多くは、英語の能力が求められるため、英語が苦手な人にとっては大変です。基本的に現地での業務や交渉の際は、英語や現地の言語が必須スキルとなるでしょう。例え、国内の英語を頻繁に使う部署でなくとも、昇格に英語力やTOEICの点数を求められる場合も多くなってきました。入社した時点では英語力が必要とは限りませんが、入社後に高い確率で勉強しなくてはいけなくなります。現地での言語問題の以前に、英語能力は一定基準以上を求められます。

人間関係に悩まされることが多い

文化や宗教などが異なる海外の人と一緒に働くことは、想像以上に難しいです。環境や風土、言語が違うと考え方が大きく違うこともあり、日本では常識であっても異国の人にとっては違うことも多々あります。納得できなくても受け入れなくてはいけないことも多く、現地の人にとっての常識を学び態度にも注意しなくてはいけません。実際、現地に馴染めず人間関係が上手くいかずに悩んでいる人も多くいます。

グローバル企業で求められるスキル

異文化におけるコミュニケーションスキル

グローバル企業は、言わば人種のサラダボールです。今までの日本式の考えが当たり前と思わず、異文化を柔軟に受け入れ、自ら積極的にコミュニケーションを図ることが求められます。「発言をしない」ことは、意見がないとして取られることも多く、自ら発信することが求められるでしょう。ただし、一辺倒なアピールだけでは周囲の支持を得られない可能性があります。さまざまな価値観を持つ人の中で、相手の意見を受け入れつつも自分がやりたいことをロジカルに説明するために、専門的な知識やコミュニケーション能力も必要となります。

文化に溶け込む柔軟性

世界には、時間や仕事に取り組む姿勢が日本とは異なる国が多々あります。とくに中東や南米の時間のルーズさに驚く人も多いのではないでしょうか。日本人なら怒って帰りたくなるようなこともありますが、現地では文化として定着している場合はあるため、柔軟に受け入れることも必要です。それ以外にも水道や電気などのインフラトラブルを生むケースもあるかもしれません。ビジネスだけでなく、日常生活していくうえでトラブルが起きる可能性を想定し、臨機応変対応していくことが必要です。

行動への積極性

グローバル企業では、日本人の美徳とされる謙虚さや遠慮がちな態度がマイナスになる場合もあります。海外では、周囲の人と同じ意見だとしても、自分の意見をしっかり言葉に出して主張をすることが求められます。会議においても発言がないのは参加していないこととみなされ、周囲からの評価も得らません。周囲の意見や指示に受動的に動くのではなく、自ら積極的に人と関わり、ビジョンを実現していく行動力が求められます。

グローバル企業を選ぶ上での注意点

企業の将来性を見る

グローバル企業だからといって、必ずしも将来性があるとは限りません。大企業であったとしても大幅なリストラや事業縮小など、その時々の景気に左右されるものです。企業の将来性を見る上で、メインとする事業のマーケットの需要と供給をしっかりと自分自身で考えて見つめることが大切です。また、働き方改革にあるようにワークスタイルや福利厚生の有無もこれからの企業選びには欠かせないでしょう。

企業によって働き方は異なる

海外勤務ができるか

総合職で入社した場合、入社後に配属される部署が海外勤務ができる部署とは限りません。経理やシステム系の本社内勤の可能性も十分にあります。海外勤務ができるかだけを軸に選んでしてしまうと、希望通りに行かない場合のモチベーション維持に悩む人も。グローバル企業であっても海外勤務を一度もしないという人もたくさんいます。その場合でも、海外の人と一緒に仕事をする機会があったりと、グローバル企業でなければできない経験をすることができるでしょう。

英語を使う頻度

海外赴任になると多くは、英語か現地の言葉でビジネスでのコミュニケーションを取ることになります。そのため、TOIECなどの英語スキルを必須としている企業もあります。しかし、海外に行かないと英語を使えないのかといえば、そんなことはありません。近年では、日本企業でも社内の共通言語を英語にしている企業も出ています。多くはグローバル企業など国際色豊かな人が働く企業ですが、英語を使う頻度は国内にいても鍛えることは可能です。

外国人がいない場合がある

グローバル企業の中には、部署によっては外国人がいない場合もあります。多国籍の人々と働けると思っていても、自分のイメージする働き方とは異なりガッカリする人も。それは、国内に限らず海外勤務になっても同様のことが考えられます。現地での交渉では英語や現地の言語を使用してビシネスをしますが、オフィスは日本人だけということも少なくありません。人種に関係なく、グローバルに仕事を行える環境で何をしたいかと考え選ぶようにしましょう。

日本のグローバル企業

トヨタ自動車

販売台数が世界一なるなど、グローバル企業になるためのお手本とも言えるのがトヨタ自動車。トヨタがグローバル化に伴い取り組んだのが、相手国の生活文化や行動様式を理解し、現地の市場独自の好みや需要を取り入れた製品づくりです。アメリカ、イギリス、タイなどに生産の起点になるグローバル生産推進センター(GPC)を設置し、現地顧客への徹底した対応を行うことで今もなお躍進を続けています。

キャノン

1937年にカメラメーカーを目指して創業したキャノン。その後は、世界最小の小型レーザービームプリンターの独自技術を筆頭に、電子機器の多角化に取り組むことで、事務機のグローバル化を進めてきました。今では78%が海外での売上となっており、50年代半ばからいち早く世界市場に目を向け、事業展開をしてきた結果と言えるでしょう。ヨーロッパをはじめ、欧米やアジア圏など赴任先も世界規模になっています。

ソニー

電子機器をはじめ、音楽、映画などのエンタテインメント、金融などさまざまな事業を手がけるソニーグループ。ソニー躍進の特徴のひとつが、積極的に現地の人材を採用し、国際色豊かな人材が働ける企業としての歴史を積み重ねてきたことです。東京本社でもアメリカ人、韓国人、スウェーデン人など多国籍で取り組むビジネスモデルを維持。人種を超え「みんなが働きやすい会社」を目指しています。

自分に合ったグローバル企業を見つけましょう

グローバル企業とはどんなものか、日本を代表するグローバル企業や働くうえでのメリットやデメリットについて紹介しました。グローバル企業で求められるスキルや待遇など、国内で働く場合とは異なる点もたくさんあります。こうした違いもあり、グローバル企業で働きたいと思っている人も多いでしょう。今後、増えていくであろうグローバル企業で活躍するためにもぜひ参考にしてくださいね。

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