グローバル人事とは?【ミッション・人材・おススメの本を紹介します!】

記事更新日:2020年10月13日 初回公開日:2020年03月04日

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最近ビジネスシーンでよく聞かれる「グローバル人事」。今後グローバル化を目指す日本の企業には、本社、日本の各エリア、そして海外現地法人が各々の役割を明確に認識し、成果を最大化していくことが求められます。そのためには、国や地域を越えた人材の活用、交流、育成などのしくみを構築することが大切と言えるでしょう。日経企業が雇う全社員のうち、現地人社員の総数は、今後日本人社員を大きく上回っていくとされています。今回は、世界中の社員を統合するためのキーである「グローバル人事」について詳しくお伝えしてきます。

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グローバル人事とは

海外事業を展開する企業が導入する人材施策全般の事

「グローバル人事」は、海外でビジネスを展開する企業が導入すべき人事戦略全般を指します。世界の各拠点で働く外国人社員の能力をどのように引き出すか。また、人材の評価基準を全拠点で統一し、その成果を企業全体の国際競争力の強化にどのように結びつけるか。こうしたところで、グローバル人事施策の重要性が問われています。グローバル人事の一例としては、全拠点の社員の情報の一元管理。これはほとんどの場合で、本社の人事部担当者が行うことになるでしょう。社員の正確な情報の把握をもって初めて、人材の適正配置と評価が可能になります。

グローバル人事が必要な理由

国際競争力を強化するための経営戦略のため

国際競争力の強化、という目的の達成においては、グローバル人事は最重要の施策になります。各拠点の社員が、統一されていないバラバラの人事制度をベースに勤務したままでは、成果を出すことはおろか、目標に対しての達成度すら図ることができません。グローバル人事制度の構築には、強固な戦略作りが不可欠です。まずは、中長期的なグローバル事業の戦略を前提として、組織全体の戦略を策定する必要があります。国や地域の特性を踏まえた事業戦略を立てた上で、それに応じた人材管理の構築を進めていきましょう。

不足しているグローバル人材の育成のため

グローバリゼーションが急速化する中で、未だ多くの企業の課題として認識されているのが、グローバル人材の不足と育成と言えるでしょう。若手~中堅クラスだけでなく、部門長や経営者クラスにおいてもこうした課題が挙げられます。このような流れを受けて、すでに自社にいる外国人社員を活かすだけでなく、新卒採用などでも、外国人留学生や海外大学を卒業した人材などに注目する企業が増加。特にメーカーなど、製造や販売拠点のグローバル市場は既に成熟しきっており、次は人材のグローバル化を推進する時代、とも言われています。

国内マーケットの縮小のため世界に目を向ける必要がある

上記のように、業界によっては既に国内のマーケットが頭打ちになっているため、企業の存続をかけて世界のマーケットに視野を広げていく必要があるでしょう。例えば新しく海外に拠点を出す場合、その道の素人よりも、現地に精通した人材に働いてもらう方が、業務がスムーズになることは間違いありません。国籍やバックグラウンドの異なる人材を雇用することで、社内にダイバーシティが生まれます。(ダイバーシティ:多様性)多様な人材から新しいビジネスアイデアを積極的に取り入れることが、企業の競争力アップに繋がるでしょう。

グローバル人事に必要なスキル

外国語によるビジネスコミュニケーションが取れる能力

ここからは、世界に通用するグローバル人材に求められるスキルを紹介します。まずは外国語の運用スキルです。今や母国語と英語に加えて、もう1、2言語話せるという人材も少なくありません。グローバル人材を欲しているのであれば、こうした人材を採用するというだけでなく、今いる既存の人材を社内で育てていく姿勢も大切です。海外への進出機運が高まるにつれて、社内で語学セミナーなどを行う企業も多く見られるようになりました。社員にこうした機会を進んで活用してもらえるよう、工夫していきましょう。

各国の文化・歴史・価値観の差へ対応ができる能力

外国語の運用スキルよりもさらに重要と言えるのが、各国の文化的慣習などの違いを理解した上で、円滑にコミュニケーションを取る能力です。自分の国の常識を中心に据えて考えるのではなく、国ごとのを価値観の違いを理解しながら事業展開を目指しましょう。マーケットのリサーチおよびマーケティングにおいても、こうした姿勢が求められます。現地向けのサービスを売り出していくのであれば、現地の人が本当に求めている商品仕様や価格などを掘り下げていく必要があります。

日本文化・歴史に関する知識が豊富にある能力

国ごとの文化や考え方を理解すると同時に、自国の文化や歴史に対する知識を蓄えておくことも非常に大切と言えるでしょう。グローバル化が進めば進むほど、「日本人」であるこということそのものが、多様性のひとつとして捉えられるようになります。海外拠点とのやり取りの中で、日本について聞かれる場面も実際に多くありますし、日本に興味があって入社した、ビジネスパートナーになった、という人も少なくありません。日頃から自国についてしっかり学び、発信していくことで初めて相互理解に繋がります。

人事に対する見識や能力

人事全般の見識や実践的なスキルも求められています。グローバル規模での人事制度の立案および実行には、リーダーシップや高度なマネジメント能力が求められることは言うまでもないでしょう。多くのビジネススクールや大学院などが、次世代のグローバル人事を担う高度人材を育成するためのプログラムを提供しています。こうした学術機関での学びを経て得たスキルは、転職をする際にも間違いなく役立ちます。実際に求人を探してみると、グローバル人事のスキルや経験を持つ人材のニーズが高まっていることが分かるでしょう。

グロバール人事戦略の課題

会社とマッチしたグローバル人材を判断できるか

グローバル人事の課題のひとつとして、企業の理念や経営戦略とマッチしたグローバル人材をいかにして採用するか、という点が挙げられています。適正な人材配置のために、現時点での人事および現場の課題をしっかりと認識すること、そして課題の解決に向けて前向きに動ける人材を活用することが大切です。人材選出の場面では、決して人材の判断を見余らないようにしましょう。本社、日本の各拠点および海外現地法人のいずれのエリアでも通用する、全拠点共通の評価制度が必要とされるのはこのためです。

労務問題発生時の中立の立場であることが重要

グローバル規模でビジネスを行う際、最も発生しやすいトラブルの一つが労務に関する問題です。海外進出に当たっては、ロジスティクスや販路の確保といった課題と比べ、労務問題があまり重要視されていないのが現状。企業内では、まず社員が労務についての法律や社内の規則を正しく理解することが大切です。実際に問題が起こってしまったら、人事労務の担当者は独立性を保ち、中立の立場で対応しましょう。なぜなら、労務系のトラブルの中には、いじめや嫌がらせなどセンシティブなものも存在するからです。

企業のミッションへの理解

グローバル人事においては、企業のミッションを正しく理解することも不可欠です。特に海外拠点での勤務の場合、明確なミッション、期待される役割などを明らかにしてから社員を送り込む必要があります。目標や達成度に応じた変動給の相場、その後のキャリアパスなどをきちんと明確化させましょう。海外で働く、というのは社員のキャリアにとって貴重な経験の一つになります。そうした人材をいずれグローバル人事を担う高度人材に育て上げるためにも、具体的なミッションを理解させることが必要です。

グローバル人事制度を導入するために重視すべき事は

目的達成のために必要な人材を決める

グローバル人事制度の導入にあたっては、正確な目標を立てた上で、達成のための適正な人材配置が求められます。目標を意識しつつ、グローバル人材を管理していくための方向性を定めることも忘れずに。具体的には、事業上の課題を踏まえた今後の採用や異動、人材育成などの具体案です。中長期の目標が明確に定まることで、達成にフォーカスするために必要な人材像を割り出すことができます。日本法人だけでなく、海外拠点における人事の役割分担も定めておくようにしましょう。

外国人採用に対する理解

グローバル人事の推進とともに、外国人採用に対する理解を深めていきましょう。外国人社員とのトラブルの原因として、「語学力(日本語能力)の不足」が挙げられがちですが、実は本当の原因はコミュニケーション不足。特に、日本人の業務指示は欧米諸国などと比べて曖昧なことも多く、混乱を招くケースも多くあります。外国人を雇い入れる際には、マネジメント層だけでなく中堅、若手社員にも事前の通告をし、ダイバーシティ理解の研修などを実施することをおすすめします。

グロバール人事に役立つ本

グローバル人事 課題と現実: 先進企業に学ぶ具体策

ここからは、グローバル人事に関する必読本をご紹介します。一冊目は、「グローバル人事 課題と現実: 先進企業に学ぶ具体策」。米国の大手コンサルティングフォーム、ヘイコンサルティンググループ出身者2名の共著になります。グローバル化が激化する中で、今後日本企業はどのような方法で国際競争に参加し、多様化が進むマーケットからのニーズをいかにとらえていくか。グローバル化に対応しながら成長し続けるための人事戦略について、先進企業の事例を交えながら具体的に示唆してくれる良書です。

日本企業のグローバル人事戦略

日本を代表する大手企業、野村ホールディングスの人事企画室長である山内氏による「日本企業のグローバル人事戦略」。グローバル人事の導入を急ぐあまり、肝心な自社の人事制度の課題把握ができていない企業が多く見られます。この書籍では日本企業の人事制度が分かりやすく解説されており、グローバル化に際してどのような抜本的改革が必要となるのか、分かりやすく解説されています。自社の人事制度を見直そうと考えている人事担当者、また外国人社員の活用で悩んでいるグローバル企業の社員にも是非読んで頂きたい一冊。

人事こそ最強の経営戦略 日本型・グローバル人事の教科書

SAPジャパン在籍、人事戦略コンサルティングのスペシャリストである南氏による「人事こそ最強の経営戦略 日本型・グローバル人事の教科書」。グローバル化に苦戦する企業が多い一方、南氏は、「実は日本の企業ほどグローバル人事に向いている企業はない」と断言します。日本の企業が国際競争で勝てる組織に変わっていくための、グローバル人事を最短で実現させるノウハウを知ることができるのが本書。パナソニックやオムロンなど成功事例の紹介も多く、具体的なイメージを持って読み進めることができます。

グロバール人事を戦略的に導入して企業のグローバル化を

ビジネスのグローバル化が進むにつれて、決して外すことのできないキーワードとなったグローバル人事。世界中で働く社員の能力モチベーションを高め、企業の競争力を底上げするために、積極的に導入していきたいものですね。グローバル人事には専門的な知識の習得も必要とされますので、上記の書籍を読み込むほか、外部のビジネススクールやセミナーに足を運ぶのもおすすめです。人材の評価基準を明確化し、世界のマーケットで勝ち残っていけるような強固な組織を作っていきましょう。

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事例

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