バディ制度とは【メンター制度との違いやデメリットなどについても解説します】

記事更新日:2022年11月16日 初回公開日:2022年11月16日

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厚生労働省の2020年度のデータによると、新卒社員の約3人に1人は入社して3年以内に離職しています。会社の人間関係のストレスは、若手社員が離職を選ぶ大きな理由の一つです。今回は、新入社員が先輩社員から受ける細やかな成長支援によって、会社に定着することが期待されるバディ制度をご紹介します。バディ制度を成功させるためには、教育を担当するのにふさわしい人材を選び、適切な指導方法を浸透させることが重要です。この記事ではバディ制度のメリットや運用の注意点を解説していきますので、会社に導入するときの参考にしてみてください。

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バディ制度とは

新入社員に先輩社員がマンツーマンで指導を行う制度

バディ制度とは、入社して間もない新入社員に先輩社員が教育担当としてつき、会社や業務に慣れるまでマンツーマンで面倒を見る教育制度です。新入社員は業務知識が不十分な上、コンプライアンスやビジネスマナーが分からない状態です。経験のある先輩社員が業務内容から社会人に必要なスキルまで広くサポートすることで早い段階から一人前の社員としての活躍が期待できます。バディ制度は二人一組で行動しながら指導する環境で手厚いフォローができるため、社内でのコミュニケーションを活性化させる施策の一つとしても挙げられます。

バディ制度とメンター制度の違い

メンター制度はメンタル面のケアを中心に行う

メンター制度は、新入社員の相談相手となりメンタル面をケアすることが目的の制度です。メンターは日本語で「助言者」や「指導者」を意味し、新入社員の兄や姉のように近しい相談相手となって、日ごろの悩みの解決やキャリア形成をサポートします。メンターがフォローする範囲は、バディより狭いためバディ制度に比べると社員同士のコミュニケーションは少なくなります。メンターは常に行動を共にするバディと違い業務中の新入社員を知らないこともあるため、業務の悩みに適切なアドバイスがしづらいこともあります。

バディ制度とOJTの違い

OJTは実際の業務を通じて指導を行う

OJTは「On the Job Training」の略で、実際の業務に携わりながら新入社員を指導する教育方法です。OJTでは担当の指導者を明確に決めないこともあるため、バディ制度と比べると新入社員と先輩社員のコミュニケーションは少ない傾向にあります。OJTは新入社員が早いタイミングで業務に実践できて仕事を学べるメリットがありますが、業務が忙しくて質問や相談する場が設けられないこともあります。また、業務指導のみで完結すると独り立ちしたときに必要な社会人としての知識を学ぶ機会がないことがデメリットです。

バディ制度を導入する目的

早い段階で業務に慣れてもらう

バディ制度は、新入社員に早い段階で業務を覚え一人前の社会人になってもらうことが目的とされています。新入社員は業務内容だけでなく、組織のルールや社会人に必要な知識が不十分な状態です。先輩社員が一対一で幅広く指導することで新入社員の成長度を把握しやすく、教えたことに照らし合わせて今後の教育の計画ができます。一人が担当することで、社員同士で新入社員の状況を引き継ぐ手間も省けます。新入社員にとっても自分の状況を把握している先輩は質問や相談がしやすく、フィードバックも納得しやすいためスムーズな育成が可能です。

相談役がいることで安心感を与える

バディ制度は身近に相談できる相手がいるため、新入社員に安心感を与えることができます。新入社員は誰に相談したらいいのか分からないと、一人で悩みを抱え込むことがあります。新入社員と先輩社員がマンツーマンで行動することで新入社員が頼ることができる相手が明確になることはバディ制度の大きなメリットです。近くに質問や相談ができる相手がいることで、新しい業務にもチャレンジしやすくなります。新入社員が安心して業務に取り組める環境は、若手社員の組織定着率アップにもつながります。

指導を行う先輩社員の成長も促す

バディ制度は新入社員の育成のみではなく、教育担当の先輩社員にとっても後輩を教育する経験を通して成長を促す良い機会です。先輩社員は教育を担当することで、仕事を教えることの難しさや後輩の成長に携われる楽しさを学ぶことができます。教育を通して先輩社員としての今後の課題や、新たなモチベーションを見出すこともできるでしょう。バディ制度の主な目的は新入社員を教育指導することですが、先輩社員が新たな視点に気がつき、発想を得ることで業務改善を考えるきっかけにもなります。

若手社員の定着率が向上する

バディ制度は社員同士のコミュニケーションが活発になるため、新入社員が会社に馴染み若手社員が組織に定着しやすくなります。新入社員は進捗状況を把握し、できることとできないことを正しく評価してくれる相手が近くにいることで成功体験を得ることができます。教育担当の先輩が自分にとっての目指すべき姿と感じれば、近い目標としてモチベーションの維持もしやすくなります。相談相手が決まっていることで、悩みを抱える前に早い段階で解決できることも若手社員の定着が期待される理由のひとつです。

バディ制度の導入によるデメリット

サポート内容にばらつきが生じる場合がある

バディ制度のデメリットは、指導する先輩の経験や技量によってサポートする内容にばらつきがあることです。バディ制度は先輩社員と新入社員が常に行動を共にします。教えることが苦手な場合や業務で必要な知識が不十分な場合は、新入社員にとって大切な時期に適切な教育が受けられない可能性があります。人事担当者は教育担当として選ぶ先輩社員の人物像を把握した上で選定することが必要です。新入社員が平等に教育を受けられる環境を作ってトラブルを未然に防ぎましょう。

先輩社員の負担が増える

バディ制度は、教育を担当する先輩社員の負担が増えるというデメリットがあります。新入社員の指導は業務内容に加えて社会人として必要な教育、習熟度の把握など多岐に渡ります。先輩社員は普段の業務を処理した上で新入社員の指導やサポートに当たります。定期的な面談や上司への報告も実施する場合、同じ業務量だと仕事のパフォーマンスが悪くなることも考えられます。人事担当者は教育担当者の後輩指導に割く時間を配慮し、業務過多にならないように調整することが必要になるでしょう。

必要以上に気を遣ってしまうケースもある

バディ制度はマンツーマンで行動をするため、今後の関係を気にして必要以上に気を遣ってしまうケースがあります。バディの二人は教育が終わった後も会社内で関わっていくため、社内での人間関係でプレッシャーを感じることから、気を遣って気軽な相談ができないこともあります。人事担当者はあらかじめバディ制度の仕組みや到達点を、先輩社員と新入社員の双方に明らかにしておく必要があります。社員同士がお互いに目指す方向を理解していれば、必要なコミュニケーションが分かり関係の構築がしやすくなるでしょう。

バディ制度を成功させるためのポイント

企業文化を正しく理解している社員をバディに選ぶ

バディ制度を成功させるには、新入社員に正しい企業文化を伝えられる社員を教育係として選定する必要があります。新入社員は会社に慣れない状態から教えてもらうことになるため、バディとなる先輩社員の影響を受けやすいです。間違った知識を植え付けられると組織文化になじめなくなり、会社の方針と異なる方向性で業務を進めるなど仕事内容にも悪影響が出る可能性があります。新入社員を正しい方向で教育指導するためには会社の文化や方針を正しく理解し、共感できている人を指導者として選定することが重要です。

若手社員が考える機会を与える

バディ制度では一方的に指導するだけでなく、若手社員が自ら考える機会を与えることも成功の秘訣です。新入社員はバディ制度での教育を終えて独り立ちすると、自発的に考えて問題解決をしなければならない場面が出てきます。先輩社員が教育の段階から考える機会を与えながら指導することによって主体性や思考力、課題解決力が身に付きます。例えば、先輩社員は新入社員の間違いを指摘するときに正しい答えを教えるだけでなく、なぜ間違っているかを考えさせて気付きを与えることが有効的です。

程よい距離感で指導を行う

バディ制度は、教育担当をする先輩社員は新入社員にとって親しみやすくも尊敬できる、程良い距離感を保つことで高い効果が出ます。新入社員と先輩社員が親しくなりすぎて友人に接するようにコミュニケーションを取るようになると、指導がしづらくなり業務に支障をきたします。一方で業務的なやり取りばかりで親しみやすさに欠けると、相談役としてのバディの良さが失われます。バディを担当する先輩社員は、近しい相談相手でありながら先輩社員として成長意欲を刺激できるような距離感を意識できるといいでしょう。

バディ制度におけるバディの選び方の例

共通点の多い社員を選ぶ

バディの決め方の例として、共通点の多い社員を選ぶことが挙げられます。共通点は家族構成や性格、入社した理由などが参考にされる一例です。共通点の多さから選ぶメリットは新入社員が悩んだ時に気持ちに寄り添ったアドバイスがしやすいことです。例えば、人見知りをする性格という共通点がある場合、新入社員は同期に馴染めないという悩みを抱えるかもしれません。同じ性格の先輩社員は同じことで悩んでいた可能性が高く、悩みを自分ごとのように捉えてアドバイスができるでしょう。

考え方の異なる社員をあえて選ぶ

バディ制度においては、あえて考え方の異なる社員同士を選んでバディを組むこともあります。異なる考え方の社員同士は、意見がぶつかることが想像されるかもしれません。しかしお互いに理解する努力をすれば、双方の刺激となって新たな視点が生まれるメリットがあります。仕事をする上で、人とコミュニケーションを取ることは避けて通れないことです。バディ制度をコミュニケーションの学びの場のひとつと考えることで、新入社員が組織の中で異なる性格の人とどのように付き合っていくべきか学ぶ場にもできます。

バディ制度の導入事例

タペストリー・ジャパン合同会社

バディ制度の導入事例として、ブランド製品の輸入・販売業をしているタペストリー・ジャパン合同会社が挙げられます。3ヶ月かけておこなわれるバディ制度の教育は新入社員と先輩社員で毎月の目標を決めます。チェックシートに沿って毎月フィードバックをして、次の月はさらに高い目標を作ってスキルアップします。新入社員は具体的なアドバイスをもらいながら、自分の成長を認めてくれる先輩がいることでモチベーションが刺激されています。先輩社員は、自分のアドバイスをもとに努力して成長する新入社員の姿を見ることで、お互いに高め合う関係になっている良い事例です。

まとめ

バディ制度によって若手社員の定着を促しましょう

バディ制度は、新入社員の早期育成だけではなく先輩社員の気づきの醸成や、社内のコミュニケーションが活発になるなど多くのメリットがあることが分かります。しかしバディ制度は会社の人間同士で成り立つことなので、一歩間違えるとトラブルに発展する可能性もあります。若手社員が会社に定着するためにも、人事担当者はあらかじめ対策を取っておくことが必要です。人事担当者は教育担当者に任せきりにせず、定期的に進捗度を確認することでバディ制度が有効に働いているか把握し、新入社員が馴染める環境を作りましょう。

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