クレドとは?【導入するメリットと注意点を教えます!】

記事更新日:2023年12月19日 初回公開日:2023年12月12日

用語集 グローバル用語解説 人事・労務お役立ち情報 外国人採用・雇用
皆さんは仕事を含めた善悪の判断に何を基準にしますか。とくに行動が急がれる場合には悩み多き中で決断を迫られることでしょう。そんな時に、企業が明文化した基準は非常に役立つとともに頼れるものです。そのような基準を誰もが分かるように明文化したものがクレドというものになります。ここでは、クレドの意味と必要性、および必要とされるようになった背景からクレド導入方法と導入による成功例も詳しく説明いたします。導入や導入方法で迷っている方々のお役に立てれば幸いです。導入によるメリットや、自社が導入に向いている起業かの判断にもご活用ください。

就労ビザ取得のためのチェックリストをダウンロードする

クレドとは

全従業員が心がける企業の信条や行動指針のこと

クレドと(Credo)は、ラテン語で「信条」とか「我は信じる」という意味を持ち、全従業員が心がける企業の信条や行動指針を指す言葉です。クレドを考案したのは、ヘルスケア商品などを販売するアメリカのジョンソン・エンド・ジョンソンで、クレドを企業の羅針盤と位置づけています。企業および働く社員が拠り所とする価値観や行動規範を簡潔に表したクレドによって、企業と従業員が自信を持って行動できるようになりました。

経営理念や企業理念よりも具体的である

クレドと経営理念や企業理念は同意語として扱われますが、クレドの方が経営理念や企業理念よりも具体的であるのが大きな特徴です。より具体的で、より実戦的であることがクレドであり、漠然と掲げる企業理念より業務活動や実践する行動に落とし込みやすい言葉となっています。経営理念や企業理念が企業側としての信条や価値観を示すものであるのに対し、クレドは従業員への共感や従業員全体への浸透を意識したものであり、時代の変化にも対応するものです。

経営理念や企業理念よりも具体的である

企業の不祥事から倫理観が重視されている

クレドが注目されるようになった理由に、企業の不祥事から倫理観が重視されるようになった背景が挙げられます。企業の一部とも言える従業員が、問題や不祥事を起こすことで消費者離れに繋がり、不買運動や抗議活動も行われました。こうした情報がニュースやSNSで拡散されるようになると、従業員の守るべき信条や価値観が問われるようになります。そしてクレドをもって、企業人としての自覚やモラルの向上、ひいてはコンプライアンスの順守が期待されるようになったのです。

クレド導入によるメリット

従業員の意識改革及び人材育成が可能となる

クレド導入による大きなメリットが、従業員の意識改革及び人材育成が可能になることです。クレドは明文化して、いくつかの具体的な指標を書き記すことができるため、経営者を含む従業員全員にクレドカードを作成して配布することができます。判断に困り必要なときにも、携帯しているカードを簡単に取り出して見られるのは非常に便利です。クレドカードには思考や判断および行動の基準が記載されているため、企業の価値観に沿った意識改革と人材育成に役立ちます。

従業員のモチベーションを上げられる

クレド導入では、従業員のモチベーションを上げるというメリットも得られます。前述のようにクレドカードによって従業員は行動方針が理解しやすくなり、どんどん主体的に行動するようになるでしょう。行動力が高くなることは、仕事へのモチベーションアップに直結します。課題への対処法や理想の企業人としての姿を想像できるようになることは、目標が定まり充実した日々を過ごすことになるでしょう。会社全体にクレドを浸透させることで、従業員のモチベーションをアップし維持することに繋がるのです。

企業のコンプライアンス遵守に繋がる

クレド注目の背景には、コンプライアンスの順守があると言いましたが、経営層もあわせて会社全体がコンプライアンス遵守に向かうことはクレド導入の大きなメリットです。企業全体の不祥事を防ぐ意味もありますが、企業全体が社会人の見本になるよう行動し、善悪の基準もクレドによって即断できるため法令順守が早く現実のものになります。会社全体が社会の見本となるような行動を取ることは、企業の組織力を高めるとともに善良な企業である証しにもなるでしょう。

競合他社との差別化が可能となる

変化する時代の中で競合他社に打ち勝つことは非常に難しいことですが、クレドの導入によって競合他社との差別化が可能となることは、大きなメリットと言えるでしょう。差別自体には悪いイメージがつきものですが、多様化する社会において特別な能力を持って多様な要求にも対応できる特別な企業は、逆に歓迎されています。特別な能力を有する将来性のある企業は、企業価値と競争力の双方とも高いのが特徴であり、就職を希望する有能な人材獲得にも有効です。

クレドを導入するためには

クレド作成にかかわる構成や方法・スケジュールなどを決める

クレドを導入するためには、クレド作成にかかわる構成や方法・スケジュールなどを決めることから始めます。これらは企業の中で選ばれたプロジェクトチームによって進めていきますが、一般社員はもちろん、経営層や管理部門も含めた多様なメンバーを揃えることが重要です。その中で、クレド作成に沿って綿密にスケジュールを話し合います。なぜクレドを作成するのか、どのようにクレドを作成するのか、いつまでにクレドを作成するのかを決定しましょう。

経営陣や従業員へのアンケートを行う

企業側と働く従業員が一つになるには、企業側である経営陣とともに従業員へのアンケートを行うことが有効です。両方のヒアリングを行うことによって、クレドへの温度差を知るとともに、両者のすり合わせが可能になります。とくに、経営層が将来に向けて考える経営姿勢や、企業としてあるべき将来のビジョンなどは聞き逃せない事項です。これらの経営層と従業員が考える企業の理想と、ユーザーの求めなどをクレドに盛り込むことが大きな課題となります。

実際に文章化しフィードバックを得る

経営層と従業員が考える企業の理想やユーザーの求めを知ることができたら、実際に文章化して全従業員にフィードバックすることが賢明です。クレドを文章にして明文化するためには、短い言葉で分かりやすい簡潔な表現にしてください。誰もが分かりやすい言葉を使い、覚えやすいように短い言葉で、一度聴いたら忘れないようなフレーズが最適です。プロジェクトチームでいくつかの候補ができたら、文章化したものをフィードバックして調整をしましょう。全員で作ったという意識と、愛着および責任感が芽生えるはずです。

全従業員へ浸透させる

クレドの作成とともに重要であるのが、クレドを全従業員へ浸透させることです。クレドは全従業員と経営層の全てが同じ信条を共有することで、大きな効果が期待できます。そのためには部署に明文化したものを張り出すだけでなく、前述のようにクレドカードという普段から個人が携帯できるカードを作り常に持ち歩いてもらうことです。いちでも、どこでも簡単に見ることができるようにすることで、クレドは自然に浸透していくでしょう。またステークホルダーである従業員以外の関係者に配布することも検討してください。

クレドを導入する際の注意点

意義や目的をしっかりと共有する

新しい制度を導入する際に注意することとして、制度の意義や目的を理解してもらうことが重要なのはご存じの通りです。クレドを導入する際にも、その意義や目的をしっかりと従業員全員に共有してもらいましょう。クレド作成に関わった経営層は理解していたとしても、あとで経営層に加わった人にとっては無駄な活動と捉えられることも多いでしょう。全員に周知させるためには、全員を巻き込むことです。朝礼や重要事項決定の際にクレドを読み上げたり、社内での通達や社員への言葉の中にクレドを入れたりして、その意義や目的を十分に理解してもらうようにしましょう。

実現可能な範囲で設定する

クレドの内容は、実現可能な範囲で設定しないと全く意味のないものになってしまいます。現実から遠く離れた目標や理想は、絵に描いた餅になりやすく、いつの間にか忘れられてしまうものです。クレドは全従業員が一丸となって気分を盛り上げ、企業の発展に繫げていくことになります。ですから、クレドの内容は高い理想でありながらも、頑張れば手が届く目標とするべきです。理想が現実となったときには、大きな達成感と喜びがわき、次の理想と目標へと向かっていくでしょう。

導入後の成果も共有する

クレドの内容を考えて社員に浸透し運用することは非常に重要なことですが、クレドを導入後の成果も共有することも大事です。クレドは継続して行うことや、変化する時代に応じて変化させる必要があります。クレドの評価単位の決定も大事ですし、評価の方法も導入とともに考えておきましょう。成果やゴールの見えない取り組みは、全員参加が難しいうえに、達成感も小さくなってしまいがちです。クレドが掲げる羅針盤は簡単なことではなく、大きな評価に値するものです。成果が出た暁には、担当者だけでなく従業員全員を褒めたたえ、次のステップに進むようにしましょう。

クレドを導入している企業の事例

ザ・リッツ・カールトン

世界でもトップブランドとして知られる、マリオットグループが展開するホテルチェーン「ザ・リッツ・カールトン」は、クレドを導入して成功した代表例になります。ザ・リッツ・カールトンの企業理念は「ゴールドスタンダード」です。それを6つに分け、「クレド」「モットー」「サービスの3ステップ」「サービスバリューズ」「第6のダイヤモンド」「従業員との約束」として定めています。ザ・リッツ・カールトンのクレドは以下のものです。「リッツ・カールトンはお客様への心のおもてなしと快適さを提供するもっとも大切な使命とこころえています」。これを130ヵ国以上に浸透しているのが、マリオットグループの強みです。

タイガー魔法瓶株式会社

日本でもクレドを導入して成功した企業の事例は多くあります。その一つがタイガー魔法瓶株式会社です。1970年に誕生し、電子ジャーや炊飯器の「熱コントロール技術」を用いて成長し、日本を代表する長期発展企業に成長しました。長く発展を維持できたのは、「働気概のある会社」を目指し、企業理念を基に以下のクレドを共有したおかげと言われています。以下がタイガー魔法瓶株式会社のクレドになります。志を高く持て・主体的に動け・アイデアを出せ・技を磨き抜け・挑戦し続けよ・スピードを上げよ・仲間に貢献せよ・妥協するな・感謝の心を持て・規律を考えよ、です。

楽天グループ株式会社

楽天グループ株式会社では、「イノベーションを通じて、人々の社会をエンパワーメントする」と掲げ、企業理念を基に5つのlコンセプトを設けています。「大義名分」「品性高潔」「用意周到」「新年不抜」「一致団結」を定めています。これらを大前提として、それぞれの項目に具体的な価値観や実践行動などの規範を盛り込んでおり、クレドを実践して成功しているグループと言えるでしょう。コンセプトにも分かりやすい英語や、四字熟語を理解しやすくする言葉も付け加えられており、従業員が理解しやすい文言になっています。

まとめ

クレドについて理解し適切な手順で導入してみよう

クレド開発者と言える3代目ジョンソン・アンド・ジョンソンの社長「ロバート・ウッド・ジョンソンJr」は、いち早く企業の果たすべき義務としてクレドを提唱しました。企業人の不祥事によって再注目されることになったクレドですが、社員の規則順守などに大きな効果があるため、各国の大企業やファミリー企業で重宝されてきたものです。時代は変わり、一人の法令違反が企業の存続にも影響するようにもなり、企業は経営者を含めた企業人の正常な判断を求めています。クレドは常識ある善悪の判断を瞬時に行うのに有効です。クレドについて全従業員が理解し、適切な手順で導入を検討してみましょう。

外国人・グローバル人材の採用をお考えの企業様へ

事例

「日本語+英語+さらに語学が堪能な社員の採用」「海外の展示会でプレゼンが出来る人材」「海外向けサービスのローカライズ出来る人材」「海外向けWebサイト構築・集客」など、日本語も堪能で優秀な人材へのお問い合わせが当社に相次いでいます。

他社の外国人採用成功事例はこちらからご覧ください。

【無料】就労ビザ取得のためのチェックリストがダウンロードできます!

就労ビザ取得のためのチェックリストダウンロードバナー

グローバル採用ナビ編集部では外国人の採用や今後雇い入れをご検討されている皆様にとって便利な「就労ビザ取得のためのチェックリスト」をご用意いたしました。また、在留資格認定申請書のファイル(EXCEL形式)もこちらよりダウンロード可能です。

こちらのチェックリストはこのような方におススメです!


  1. 外国人採用を考えているがビザの申請が心配。
  2. 高卒の外国人は就労ビザの申請できるの?
  3. どのような外国人を採用すれば就労ビザが下りるの?
  4. ビザ申請のために何を気を付ければいいの?
  5. 過去に外国人のビザ申請をしたが不受理になってしまった…
  6. 外国人材を活用して企業の業績アップを図りたい方。
  7. 一目で分かるこんな就労ビザ取得のチェックリストが欲しかった!


他社での事例やビザ申請の際に不受理にならないようにまずは押さえておきたい就労ビザ取得のためのポイントを5つにまとめた解説付きの資料です。

就労ビザ取得のためのチェックリスト(無料)のダウンロードはこちらから!

ページトップへ戻る
ダウンロードはこちら
ダウンロードはこちら