記事更新日:2023年03月01日 | 初回公開日:2023年03月01日
人事・労務お役立ち情報 採用・求人のトレンド 用語集 グローバル用語解説ケース面接とは、面接官である企業側がお題を提示し、志望者がその場で回答する面接方式のこと。志望者は、ある特定の課題に対して効果的な解決策を導き出すことが求められます。ケース面接で一般的に出題されるお題は、実際にコンサルティングの現場で向き合う可能性がある課題に対する解決法です。コンサルティングファームにおける試験の中でも5~6割を占めるため、企業側にとっても志望者側にとっても重要視するべき試験となっています。
ケース面接を行うと、現場での問題解決力があるかを見極めることができます。ケース面接では、実際に入社後を想定した問題出題をする場合が多いです。短時間で効果的な解決策を提示する求職者がいれば、入社後に活躍してくれることが期待されます。現場での問題解決力があるということは、解決策を導くまでの論理的思考力をも保持していることも指します。そのため、ケース面接を行い現場での問題解決力を見極めることは、優秀な人材を受け入れるためにも重要です。
ケース面接で見極められる能力には、コミュニケーション能力もあります。ケース面接では、志望者が提示した解決策に対して企業側はその考えについて深堀りしていきます。面接官とのコミュニケーションを行いながら解決策に肉付けしていくため、コミュニケーション能力があるかどうか見極めることができます。実際の現場では、チームで物事に取り組んでいくことが多いため、コミュニケーション能力があるか見極めておくことは重要です。
プレッシャー耐久力も、ケース面接で見極められる能力の1つです。ケース面接において、志望者は「時間的プレッシャー」と「精神的プレッシャー」に耐える必要があります。限られた時間の中で面接官を説得できる解決策を考案することが求められるため、この2つのプレッシャーが志望者に襲い掛かります。自分が持っている最大限の力を短期間の間に発揮することは、実際の現場においても求められる重要な能力です。このプレッシャーの中で、しっかりとした回答ができているか注意深く見ていく必要があります。
ケース面接が始まったら、面接官はすぐに志望者に対してお題を提示しましょう。面接時間は30分前後で終わることが一般的とされているため、1分ほどで次の手順に移行するように心がけることが大切です。出題するお題の形式はいくつかあります。1つのお題を提示するパターンと、複数のお題を提示するパターンです。また、問いと回答を複数回繰り返すパターンもあります。どのようなパターンで行うかは事前にしっかりと決めておきましょう。
お題を与えたら、志望者に回答を作成してもらいましょう。志望者は問題を分析したうえで回答準備を行うため、15分以上時間を設けることが一般的です。回答を準備してもらう際には、個室に移動して作成してもらうパターンと、面接官がいる前で作成してもらうパターンがあります。個室であれば現場での問題解決力をより図ることができ、その場であればプレッシャー耐久力をより図ることができます。目的に合わせてどこで作成してもらうか考えていきましょう。
回答を作成してもらったら、志望者とディスカッションを行っていきましょう。ディスカッションは、15分程度で行われる場合が多いです。口頭で行うだけでなく、紙やホワイトボードを駆使しながら行っていく方法もあります。志望者の持つ能力を見極めるためにも、志望者の回答を深堀していくことが大切です。テンポよくディスカッションができているか、プレッシャーに負けず独創的な意見を提示できているか確認していきましょう。
ケース面接で出題しやすいお題には、売り上げの推定を計算するものがあります。企業や組織、団体の売り上げを志望者に推計してもらいます。例えば、ある都市におけるカフェ1店舗の売り上げ推計、東京都内におけるカフェ市場の売り上げ推計などがあります。その他にも、有名なチェーン店における全店の売り上げを推計するお題などが出題しやすいでしょう。ディスカッションを通じながら、どのような思考力を持っている志望者なのか判断することができます。
売り上げの拡大策に関するお題も、ケース面接で出題しやすいお題です。売り上げ拡大系の問題は、ケース面接で最も出題されている問題であると言えます。売り上げを拡大するためには、顧客数を増やしたり、顧客一人当たりの売り上げを上げることが求められます。どの要素に注力すれば売り上げが向上すると考察したのか、論理的に説明させましょう。現状にどのような問題があり、それに対する策は筋が通っているのか確認することが求められます。
ケース面接では、対象の改善策に関するお題も出題しやすいです。現状を把握し、どのように現状改善を行っていくかということを考えてもらいましょう。例えば、プロ野球の人気を復活させるにはどうしたら良いかというお題を出題することができます。この場合、改善策としてグッズの売り上げを上げることや、テレビの視聴率を改善させることなどが挙げられます。対象をどこに絞ったのか、またなぜそこに着目したのかについて説明させましょう。
社会問題の現状と改善策も、ケース面接で出題しやすいお題となります。企業や組織の問題に関わらず、公共の課題を改善させる案を出してもらうパターンがあります。例えば、地球温暖化を防止するにはどうしたら良いか、都心における満員電車の問題を改善するにはどうしたら良いか、といったお題が挙げられます。公務員試験で問われそうな問題も、ケース面接では出題することができるのです。対象が広範囲である社会問題を出題することで、志望者の多角的な視点を見ることができるでしょう。
ケース面接で出題しやすいお題には、新規事業の提案も挙げられます。ある特定の企業における実行すべき新規事業などをお題として出すことができます。例えば、「スターバックスがすべき新規事業」や、「新たなスマホアプリの提案」などが挙げられます。なぜその新規事業を提案したのか、どのくらいの期間で黒字化する予定なのか、論理的に説明してもらいましょう。このようなお題は、志望者の持っている知識の量によってアイデアの質が変わってきます。
ケース面接を行う際には、フェルミ推定ができているかを見ていきましょう。フェルミ推定とは、本来予想することができない数字を、論理的思考力を駆使することで概算する計算方法のこと。現状の売り上げを推計するお題を出題した際には、フェルミ推定を用いているかを確認することが大切です。社会問題の現状を考える際にも、フェルミ推定を使用することができます。どのように計算をして推定値を出したのかを、ディスカッション中に質問していきましょう。
フレームワークを用いているかも、ケース面接で見るべきポイントです。フレームワークとは、思考の「型」や「公式」のことを指します。例えば、売り上げの拡大策をお題として出題した際には、「売り上げ=客単価×客数」というフレームワークを用いることが必要となります。要素を2つに分解すると、売り上げの拡大策という大雑把なお題から、客数を増やすにはどうしたらいいか、客単価をどうやってあげるかという点に着目することができます。志望者の思考力を把握するためにも、フレームワークを用いているか見ていきましょう。
ケース面接では、対策なしで挑んでいないかも着目するポイントになります。ケース面接は、難易度が高いとされるために苦手意識を持つ志望者が多いようです。しかしながら、ケース面接では、ほとんどのお題がしっかりと対策をしておけば答えることのできるものとなっています。フェルミ推定やフレームワークを用いることによって、お題を解くことができるのです。しっかりと対策をしていきている志望者は、入社後も活躍してくれることが期待できるでしょう。
アクセンチュアは、ケース面接を取り入れている企業です。入社後に活躍できる人材を採用するためにも、ケース面接を重要視しています。アクセンチュアでは、一次面接の段階でケース面接を取り入れる場合が多くなっています。出題されるお題は、ITやテクノロジーを用いた施策や解決方法などです。通過率は、中途採用で20~30%、新卒採用で50%とされています。この数字からも分かるように、アクセンチュアはケース面接を導入することで、その段階で志望者を見極めていることが伺えます。
ケース面接を取り入れている企業には、デロイトトーマツコンサルティングも挙げられます。デロイトトーマツコンサルティングでは、採用までに4回の面接を行い、二次面接の段階ではケース面接を取り入れています。ケース面接を導入することで、志望者の論理的思考力を見極めています。ケース面接は、社員一人と志望者一人によって行われ、50分ほど設けられています。出題される問題は、年代ごとに多岐に渡るため、突発的な問題にも対応できる力を持っているか確認しているようです。
ケース面接を取り入れることで、志望者が持つ問題解決力やコミュニケーション能力、プレッシャー耐久力を測ることができます。これらの能力は、実際の現場で必須となるために、面接段階で見極めることが大切です。ケース面接は、難易度が高いと感じる志望者も多く苦手意識を持つ人が多くなっています。しかしながら、フェルミ推定やフレームワークを用いることで、解くことが問題ばかりです。ディスカッションを通じて、志望者の思考力をしっかりと図り、優秀な人材を見極めましょう。
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