ストレス耐性を決める6つの要素とは【ストレスの原因の種類やストレス耐性を高める方法なども解説します】

記事更新日:2023年04月11日 初回公開日:2023年04月07日

人事・労務お役立ち情報

近年の労働環境は、急速なグローバル化、競争の激化、技術革新の加速などによって、ますます複雑化・多様化しています。その影響で、社会全体が大きな変革を余儀なくされ、個人・企業ともに様々なストレスを感じているのではないでしょうか。このような状況下では、ビジネスにおいては、急激な変化に柔軟に対応できる能力が重要視されています。そのような能力は「ストレス耐性」と呼ばれています。組織においても、ストレス耐性の高い人材が求められているのです。本記事では、経営者や人事担当者向けにストレス耐性について解説します。

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ストレス耐性とは

ストレスに耐えられる強さ

ストレス耐性とは、ストレスに耐えられる強さのことです。ストレスによって引き起こされる不快な感情や心身の不調を、耐えることができる強さのことを指します。ストレス耐性が高い人は、ストレスに直面しても冷静で、効果的な問題解決策を見出すことができます。また、ストレスによって引き起こされる身体的な症状も軽減される傾向があります。一方、ストレス耐性が低い人は、過剰に反応してしまうのです。例えば、感情的になってしまうことや、身体的な症状を発症する人もいます。

ストレス耐性が注目される背景

業務によってメンタルを崩す人が増加している

ストレス耐性が注目される背景には、業務によってメンタルを崩す人が増加していることが挙げられます。長時間労働や過度なストレスが原因で、うつ病や不安障害などのメンタルヘルスの問題を抱える労働者が増加傾向にあります。また、社会的・経済的な影響も、多くの人々にストレスを与え、メンタルヘルスの問題が生じているのです。企業側も、従業員のメンタルヘルスに対する意識が高まっています。ストレス耐性が高い人材の採用や、ストレスを軽減する取り組みなどが進んでいます。

ストレス耐性を把握しないことで起きる問題

組織力が低下する

ストレス耐性を把握しないことで起きる問題は、組織力が低下することが挙げられます。ストレス耐性を把握せず、メンタルヘルスの問題を抱えた従業員が増えてしまいます。具体的には、ストレスによるメンタルヘルスの問題で従業員が長期間休職することがあります。また、パフォーマンスが低下して仕事がうまく進まなくなることも考えられるでしょう。さらには、ストレスによるコミュニケーションのトラブルや職場のモラルの低下など、組織の人間関係にも悪影響を与えることがあります。

採用や育成にコストがかかる

他にも、ストレス耐性を把握しないことで起きる問題は、採用や育成のコストが増えてしまうことです。ストレス耐性の低い人材を採用した場合、その人材がストレスによるメンタルヘルスの問題で退職する可能性が高くなります。退職となった場合、新たな人材を採用するためのコストと時間を要するでしょう。また、ストレスによってパフォーマンスが低下し、他の社員とのコミュニケーションに問題が生じることがあります。その結果、別の社員のモチベーション低下や、離職の可能性も高まります。

ストレスの原因の種類

物理的ストレッサー

ストレスの原因の種類は、4つに分かれます。まずは物理的ストレッサーです。物理的ストレッサーとは、温度・光・音などの物理的な環境刺激による身体的な負荷や環境の変化によって引き起こされるストレスです。長時間の立ち仕事や座った状態でのパソコン業務により、肩こりや腰痛などの身体的な負荷がストレスを引き起こすことがあります。他にも、社内の照明や音量の強さ、空調の不快感、混雑した場所などにストレスを感じることがあるのです。同じ環境下にあっても、人によってストレスの感じ方や影響が異なります。

化学的ストレッサー

ストレスの原因として、化学的ストレッサーがあります。化学的ストレッサーとは、公害物質、薬物、酸素欠乏・過剰などの化学物質による刺激や臭いのことです。オフィスで使われる印刷物やコピー用紙は、プリンターやコピー機で使用するトナーやインクなどの化学物質を含んでいます。これらの化学物質が揮発して、眼や喉の痛み・頭痛・めまい・吐き気・呼吸器系のトラブルなどを引き起こすことがあります。さらには、清掃用具でも同様の化学物質の刺激を感じることがあります。

心理的ストレッサー

他にも、ストレスの原因として、心理的ストレッサーが挙げられます。心理的ストレッサーは、過剰な仕事量や、時間的な制約のある仕事などでストレスを感じます。例えば、仕事量が多すぎると、時間内に仕事を完了できないためストレスを感じてしまうのです。また、常に多忙な状態が続くと、疲れがたまりやすくなるので、ストレス耐性が低下する可能性があります。また、長時間にわたって集中しなければならない仕事は、精神的に疲れやすく、ストレスがたまりやすいでしょう。

社会的ストレッサー

最後に、ストレスの原因として、社会的ストレッサーがあります。社会的ストレッサーは、政治や経済、家庭や職場などの周辺環境による影響が原因です。職場での人間関係が円滑ではなくなることで、トラブルが起こり、ストレスを感じることがあります。同僚との対立、上司からのパワーハラスメント、いじめなどが挙げられます。また、人とのコミュニケーションが少ない状況下では、孤独感や孤立感を感じることがあります。他にも、近年のグローバル化や、DX化などによる職場環境の変化も社会的ストレッサーとなります。

ストレス耐性を決める6つの要素

容量

ストレス耐性を決める要素は6つあります。まずは、キャパシティ(容量)です。キャパシティとは、個人の能力や受容力によって決まります。キャパシティが高ければ、より多くのストレスを受け止めることができるため、ストレス耐性が高いと言えるでしょう。一方で、キャパシティが低ければ、少しのストレスでも過剰反応を起こし、ストレス耐性が低いと言えます。なお、キャパシティは、先天的な遺伝的要素や生まれつきの性格、後天的な環境要因などが影響しているのです。

処理

ストレス耐性を決める要因の2つ目は、ストレスを処理する能力です。ストレスを処理する能力は、ストレスに直面した際に、どのように対応するかなどの適切な対処方法を見つける能力のことです。さらに、ストレスに対してどのような態度で向き合うかなどの処理する能力などを含みます。ストレスを適切に処理できる能力があれば、ストレス耐性が高いということができるのです。ストレス処理能力は、個人の性格や環境要因、過去の経験、ストレス管理の方法などによっても影響を受けます。

感知

ストレス耐性を決める要因の3つ目は、ストレスを感知する能力です。ストレスを感知する能力は、感受性や直感力によって影響を受けます。同じ環境下でも人によってストレスレベルが異なることがあります。ストレスを感知する能力を高めるためには、自己認識を高めることが重要です。自分がどのような状況でストレスを感じやすいのか、どのような要因がストレスを引き起こすのかを理解することが大切です。また、ストレスを感じた場合には、自己管理技術を習得することで、ストレスに対処する能力を向上させることができます。

経験

ストレス耐性を決める要因の4つ目は、過去のストレスへの経験です。過去にストレスを経験したことがある人は、同じような状況に直面しても、ストレスに対してより適切に対処できる可能性が高いと考えられています。例えば、ストレスフルな状況での対処経験が豊富な人は、自己効力感が高く、ストレス耐性が高いとされています。また、失敗や困難に直面した経験を通じて、自己改善や問題解決力が向上します。その結果、ストレスに対処するためのスキルやリソースを蓄積することができます。

回避

ストレス耐性を決める要因の5つ目は、ストレスを回避することです。回避とは、ストレスに対して、真正面から受け止めるのではなく、受け流すようなイメージです。受け流せる人は、一般的にストレスと感じるようなことにも、ニコニコと笑って過ごせるような人です。笑っていることは、健康面においてもプラスに働きます。自律神経系や内分泌系、免疫系の安定とも関連性があるのです。なお、笑って過ごすためには、気持ちの余裕も重要です。日頃から、疲労の蓄積をさせない健康的な生活をすることを意識しましょう。

転換

ストレス耐性を決める要因の6つ目は、捉え方の転換への経験です。ストレスを感じたとき、それをネガティブなものとしてとらえるか、ポジティブなものとしてとらえるかで、その後の対処やストレスへの対応が大きく変わってきます。ストレスをポジティブにとらえ、新しいチャレンジの機会として捉えることで、自己成長や自己実現に繋げることができます。よって、過去の経験からストレスに対処する方法を習得し、それを転用することがストレス耐性を高めるために重要な要素とされています。

従業員のストレス耐性を高める方法

働きすぎを未然に防ぐ

従業員のストレス耐性を高める方法は、働きすぎを未然に防ぐことです。過度な労働負荷は、ストレスの原因となり、従業員の健康に悪影響を与える可能性が最も高いと言えます。そのため、従業員の仕事の負荷を適切に調整し、長時間労働を防ぐことが必要です。また、ストレス耐性を高めるためには、従業員が仕事に対して自己決定権を持たせることが有効です。仕事のやり方や進め方について、自分で判断し、自分なりの方法で進めることができる環境を整えましょう。その結果、従業員は自己成長を促進し、ストレス耐性を高めることができます。

ストレスの少ない環境を整える

ストレスの少ない環境を整えることも、従業員のストレス耐性を高める方法の一つです。従業員が自分のペースで働くことができるように、時差出勤やテレワークなどのフレキシブルな労働時間を導入する企業が増えています。また、快適な職場環境を整備することで、ストレスの少ない職場を実現することができます。具体的には、室内の照明や温度、湿度、騒音の管理、快適な椅子や机の提供、清潔な環境の維持などです。他にも、社員同士のコミュニケーションが活発に行われる職場は、ストレスを軽減することができます。

ストレス対処法が学べる研修を実施する

ストレス対処法が学べる研修を実施することも、従業員のストレス耐性を高める方法の一つです。研修では、ストレスの原因やストレスが引き起こす身体的・精神的な影響について学ぶ機会を設けます。その結果、ストレスを軽減する方法やストレス対処法などについて学ぶことができるでしょう。また、ストレスを感じた場合にどのように対処すればよいか、具体的なケーススタディを通して学ぶこともできます。従業員がストレスに遭遇した際に、的確な対処法を持つことで、ストレス耐性が向上することが期待されます。

まとめ

ストレス耐性について理解して従業員が働きやすい環境を作ろう

近年、ストレス耐性を見極めることが人材採用において重視されるようになっています。重視されている理由は、業務によってメンタルを崩す人が増加しているからです。その結果、ストレスに対する対処能力が重要視されています。。ストレス耐性を高めるためには、個人では働きすぎを防ぐことや、日ごろの生活を健康的なものに変えていきましょう。また、企業はストレスの少ない環境を整えることが重要です。ストレス耐性について理解して従業員が働きやすい環境を作りましょう。

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