定性目標とは【目標の立て方や具体例、定量目標との違いについて解説します】

記事更新日:2023年12月15日 初回公開日:2023年12月15日

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企業や個人が継続して経営および業務を行うには、目標を持つことが不可欠になります。さらに企業と従業員が長期的な成長を望むのであれば、最適な目標設定が重要です。目標には「月間売上目標〇〇円」などのように数値化できる目標と、数値化できない「定性目標」の2つがあります。定性目標は、成果よりも成果に至るまでの行動に注目して作成する目標です。ここでは、定性目標の意味や定性目標のメリットおよびデメリットから、定性目標の設定の手順やポイントまで詳しく解説致します。職種別の具体的な設定例も加えておりますので、定性目標作成の参考にしていただければ幸いです。

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定性目標とは

数値化できない目指すべき指標

定性目標とは、数値化できない目指すべき指標のことで、結果よりも行動価値に着目した目標であるため、行動目標と呼ばれることもあります。つまり定性目標は、成果よりも成果に至るまでのプロセスを重んじるため、評価の基準が曖昧であることが特徴です。そのため行動価値を測定するための仕組みが必要となります。また定性目標では、成果となる数字を追いかけるばかりに、道徳的な価値観を破るような行為や、ルールを無視して社員同士で卑劣に争うようなことにはならないでしょう。

定量目標との違い

定量目標とは定性目標の対極にあるもので、プロセスよりも結果の数値を重視するものです。数値化が可能であるため、目標への達成度を簡単に知ることができます。客観的な評価としても分かりやすく、個人が目標を立ててモチベーションアップを図るにはうってつけです。ただし前述のように、数字に固執するばかりに社会的ルールから逸脱したり、チームワークを乱したりすることもあるため注意しなければいけません。目標策定には、定性目標と定量目標の二つをバランスよく設定することが望ましいでしょう。

定性目標のメリット

従業員の理想が明確になる

定性目標の大きなメリットは、従業員の理想が明確になることです。目指すべき方向性が明らかになれば、どんな状況に陥ってもブレなく目標に突き進むことができます。とくに新入社員などは社会人としての経験が殆どないため、あるべき社会人としての理想の姿を目標とすることで、社員教育の一環にもなるでしょう。数値にはあらわすことができないものの、理想の状態を言葉で表現することは可能なため、従業員のあるべき姿として配布することも良策と言えます。

現状の課題を把握できる

定性目標のメリットとして、チームや個人が現状の課題を把握できることが挙げられます。理想の状態を知り現状も知ることで両者のギャップを知ることができるでしょう。それは問題の認識であり、問題解決のための課題である「何が不足しているのか」「何をすれば理想に近づけるか」ということが明確になり、次の行動に移ることができます。また、不足した部分を繰り返し補っていくことで、企業人としての大きな成長も見込めるでしょう。

定性目標のデメリット

客観的に評価しにくい

定性目標の大きなデメリットは、客観的に評価しにくいことになります。数値ができたならば誰が見ても目標に対する達成度が明らかになりますが、プロセスを重視した定性目標の達成度を測定するのは難解です。同様に、数値化できるものであれば、何人もの人が評価しても変わらない評価をしてくれるでしょう。定性目標の評価は、見る人や見る角度によって違ってくることも多くあります。とくに目標に向かって邁進している最中に評価する樹脂が変わった場合などは、評価される側も評価に納得いかないことも発生しかねません。

達成すべき事柄が人によって異なる

定性目標のデメリットには、達成すべき事柄が人によって異なることが挙げられます。個々の定性目標は、会社の大きな目標達成に向かって立てるものではあるものの、個々によって役割分担も異なるため、達成すべき内容が違ってくるでしょう。また目指す理想像は同じであっても、個々の現状は異なるため、人によって達成すべき事柄が変わるのは致し方ないと言えます。そのような状況の中で、個々を正当に評価することは非常に難しい問題です。

定性目標を設定する手順

従業員の理想を言語化する

定性目標を設定する手順として第一に行うことは、従業員の理想を言語化することです。数値に変えられない目標であっても、言語化できなければ誰にも伝わりません。「どのような人物を理想とすべきか」「経営目標達成には、どんな人材が必要か」「どのような人材を育成すべきか」などの視点から、理想像を具体的に言語化しましょう。これらは中長期的な定性目標になるものです。また、お客様を相手にする企業の場合には、顧客満足度を優先に定性目標を言語化して設定しましょう。

短期的な行動目標を定める

言語化した中長期的な定性目標を達成するためには、短期的な行動目標を定めることが重要です。中長期的な目標の一つずつに必須の要素を洗い出し、短期的な目標として設定していきます。短期的な目標を全て達成することができれば、中長期的な定性目標を達成でき、大きな目標である理想の状態に限りなく近づけるということです。長い道のりのように思えますが、大きな目標を細かい目標に落とし込んでいくことで、最終目標達成へ早く近づくことができます。

定期的に目標を見直す

定性目標は一度の作成で終わりではなく、定期的に目標を見直すことが必要です。社員が目標達成に苦慮している場合には、その理由を考えてフォローすることもあります。考え方を少し変えるだけで、目標達成に近づける場合には適切なアドバイスをしてあげましょう。また、時代と状況は常に変化していますので、最初に設定した定性目標がいつまでも正しいとは限りません。変化に合わせて目標設定を見直すためにも、定期的な話し合いの席を設けるようにしましょう。

定性目標を設定する際のポイント

目標達成までのプロセスもよく考える

定性目標を設定する際のポイントとして、目標達成までのプロセスもよく考えることをおすすめします。目標は定まったものの、目標までの道筋が見えてこないことには目標達成には近づけないでしょう。どのようなプロセスを踏んでいけば目標を達成できるかを、具体的にイメージできるようにしてください。できれば短期的な目標を立てるときに、中長期目標達成のプロセスを考えて、より具体的な短期の具体的な行動目標を設定するのが良いでしょう。

定量目標とのバランスを考える

目標を設定する際には、定性目標とともに定量目標とのバランスを考えることで、より大きな効果が期待できます。また、両者の欠点を補うこともできるため、二つを併用することがおすすめです。定性目標では目標達成が曖昧であるものの、定量目標と組み合わせることで目標達成が分かりやすくなります。また定量目標では数値に拘りすぎて個人的な行動やルール違反にも繋がってしまうため、定性目標と組み合わせれば、規範の中で目標達成を目指すようになるでしょう。場面や状況によって両者の適切なバランスは変わりますが、定量目標6に対し定性目標4の割合が丁度よいとされています。

定性目標の具体例

製造業

製造業では生産性を第一と考えることもあり、定量目標が主になる傾向があります。ただし、品質管理やチームでの連携作業では、定性目標が重要となっているのも事実です。また、作業の改善や安全に関する事項も、定性目標であることが望ましいでしょう。事故数0を目指すのは当然であり、前月に軽微な事故が2回あったからといって、今月は1回までに減らしましょうということにはなりません。製造業において事故は皆無でなければならず、そのために行うべき予防策などを定性目標とします。またコストに関する意識づけや、品質向上に繋がる改善策、チームや部署間の連携なども定性目標が効果を発揮するでしょう。

建設業

建設業では製造業と同様、生産性およびコストに目が向けられてきましたが、人材不足問題とコスト競争が熾烈になったため、定性目標が重んじられるように変化しています。建設業における定性目標とは、安全面とミスのない業務が中心になっているのが現状です。とくに安全面では「安全第一」の旗を掲げながらも、事故が絶えない状況となっています。これも人材不足からくる負担増が大きな原因であり、負担を減らすような定性目標や、作業前に行う安全確認なども定性目標になっているのが現在の状況です。

飲食業

飲食業はサービス業の代表であり、顧客満足度を最優先に考えるため、定性目標は非常に重要です。お客様に与える印象や、サービスのスピードアップを図るためのチームワークなどを定性目標とすることが多いと言えます。またサービス業にとって「誠実さ」は非常に重要であり、人間の基本の理想像とも言えるでしょう。近年では飲食業界といっても様々なスタイルがありますが、定量目標である売り上げと利益だけを追求する店舗は窮地に追い込まれています。人間の基本である「誠実かつ正直」であることを定性目標に掲げる店舗が増えているのは良い傾向と言えるでしょう。

営業職

営業職は契約数が実績に直結するため、数字で表す定量評価が一般的です。ただし、企業の長い存続と繁栄を考えるならば、実績および結果だけでなく、結果までの過程を評価する定性目標にも力を入れるべきでしょう。強引な営業は度々問題視されますが、何度も繰り返されています。現代においても見えないところで不正な営業が行われ、少しずつ社会問題にも取り上げられるようになりました。営業職は契約を取ることが仕事ですが、接客業であることも事実です。誠意をもった対応で正しい方法で良い商品を売るのが理想の姿になります。それらを定性目標に設定しましょう。

事務職

事務職は非生産部門であるため、目標の殆どが定性目標です。事務部門も多くの分野に分かれますが、従業員が働きやすいように手続きをスムースに行うことなどが求められます。また、日々同じ作業の繰り返しになることが多いため、メリハリをつけた仕事をすることも定性目標にされることも多いのが現状です。また業務改善の余地も多くあるため目標としたり、迅速な対応を目標にしたりと考え方も多彩になっています。事務用のソフト開発もすすんでおり、それらを使いこなすことを定性目標に設定することも可能です。

システムエンジニア

システムエンジニアは、クライアントの要望に応えたシステムやソフトを開発する職業です。大量に同じものを販売する職種ではないため、定性目標が主となる業種と言えるでしょう。システムエンジニアが目指す姿は、高いスキルを持つSE(システムエンジニア)です。新しいスキルの習得などもSEとしての定性目標であり、資格取得なども目標になり得る職業になります。まずは、顧客となるクライアントの要望に応えることが第一と考えることもあり、クライアントに寄り添うSEであることが理想の姿とも言えるでしょう。

まとめ

定性目標を評価に取り入れて従業員の満足度を向上させよう

職種別に定性目標を考えてみましたが、個々によって理想とする姿は全く違うと言って良いでしょう。それこそが定性目標の大きな特徴であり、魅力とも言えます。多様性が叫ばれる中で、皆が同じ目標を持つことは定量目標を掲げる企業では喜ばれるかもしれません。従業員が個性を主張し、それぞれの定性目標を持って仕事にあたることは企業にとって嬉しいことですが、評価制度を整える必要があります。企業は定性目標を評価に取り入れて、従業員の満足度を向上させるように努力してください。

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