記事更新日:2018年11月15日 | 初回公開日:2018年06月25日
グローバル経済越境ECが世界的な広がりを見せており、その顕著な成長が注目を集めています。今回は、越境ECにおける化粧品市場のデータから現在のトレンドと動向を探ります。越境ECでは、どのような企業のどんな化粧品が売れているのでしょうか。
2017年の世界の越境EC市場規模は5,300億ドルとなっており、その成長率は前年比で32.5%と大きな伸びが見られます。この成長率は、2020年まで対前年比20%台が続くことが見込まれているようです。日米中の3か国間の越境ECの市場規模も総じて拡大しています。日本事業者と中国消費者間では2017年で1兆2,978億円の購入額となり、前年1兆366億円に対し、前年比25.2%の増加となっています。
中国消費者の越境EC購入額の拡大が著しいことは注目ポイントとなっています。同年アメリカ事業者からも、1兆4,578億円の購入額、前年比28.2%と日本よりさらに大きな伸びが見られます。国内事業者のEC市場は、化粧品やアパレルなどを含む、物販系分野で8兆6,008億円。2016年比で7.6%の伸びがありました。国内市場のEC化も進んでおり、物販系分野のEC化率は、2016年の5.43%から、2017年は 5.79%に上昇しています。
化粧品・医薬品においては、雑貨、家具、文具などに続いて伸び率が高く、2017年のEC市場規模は5,670億円、2016年の5,268億円に対して7.63%の伸びとなっています。 経済産業省 電子商取引に関する市場調査
越境ECでは、消費者層が海外にも広がるという点が大きなメリット。対する消費者の国が変われば、それぞれにある祝日に対する概念も異なります。トレンドデーを把握しながらの動向を見ることも大きなポイントの一つと言えるでしょう。
たとえば、中国では2009年あたりから、アリババが11月11日の独身の日「双十一」として大きなキャンペーンを始めました。独身にオンラインショッピングの楽しみを提供することを目的として、大規模な割引キャンペーンが行われるようになったのです。これをきっかけにして、中国ではEC市場が大きく活況するトレンドデーとなり、定例化しているようです。この日の取引が前年比で200%以上の伸びを見せる中国のECサイトもあるようです。
また、毎年1月から2月あたりになる旧正月も、年貨商戦とも呼ばれるほど市場が活発になる時期のようです。春節に欠かせない食品や装飾品などの年越し用の買物など、日本のお正月とは比較にならないほど需要や取引が盛んになります。日本事業者にとっても商機を狙える期間といえるでしょう。
大手企業も参入している越境ECです。資生堂、コーセー、花王などの商品は知名度も高く人気のブランドとなっているようです。しかし、必ずしも有名ブランド商品だけが売れるというわけではありません。日本のドラッグストアなどで売られている低価格商品がヒットしているケースも数多くみられます。
中国をはじめ外国人が日本に旅行などで訪れた際に、購入したいものは、化粧品、食品、医薬品などが上位を占めるといわれています。日本の商品は、高品質度への信頼性が高いのが特徴であり日本の強みとも言えるでしょう。越境EC市場では、とくに、訪日の際に購入した商品のリピートユーザーの消費者層拡大への期待も高まっているようです。
化粧品ブランド「Fujiko」が販売する「フジコポンポンパウダー」「フジコ眉ティント」。化粧品開発を手掛けるスタイリングライフ・ホールディングスBCLカンパニーの朝用マスク「サボリーノ」。炭石鹸なども人気商品となっています。在庫切れが発生するほどのニーズにより成功している事例もあります。
そのため、大手企業に限らず、知名度の低さがネックとなっている中小企業や、それらが持つ商品においても大きな商機の狙える媒体といえるでしょう。
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