優秀な女性が辞めてしまう理由とは【原因や兆候、対処法などを解説します】

記事更新日：2022年04月26日｜初回公開日：2022年04月20日

企業にとって、優秀な女性社員が早々に辞めてしまうというのは非常に大きな問題です。しかし、優秀な女性社員ほど辞める傾向があるという事実に、頭を悩ませている人事担当の方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、優秀な女性社員の特徴を踏まえた上で、優秀な女性社員が辞める理由や兆候を解説します。そして優秀な女性社員に活躍してもらうために会社がすべきことや、長く働き続けてもらうためのポイントをお伝えします。優秀な女性社員が辞めるので困っているという人事担当の方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。

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優秀な女性社員の特徴

キャリアアップを望んでいる

優秀な女性社員はただ与えられた仕事をこなすだけでなく、自分のキャリアアップについても考えています。自分の望むキャリアを叶えるためには、どのように仕事をするべきかを意識しています。さらに結婚や出産などのライフイベントとどうバランスをとるかなどを計画し、行動しているのです。そのため受け身な態勢で仕事をするのではなく、自ら仕事を見つけてきてリーダーシップを発揮する場面も多いです。自身の成長とキャリアアップを意識して、確実にレベルアップしていく社員と言えるでしょう。

責任感がある

優秀な女性社員は、仕事でミスをしても周りの人のせいにせず、自分の責任だと捉えます。自身の体調のせいにすることや、他人に責任を押し付けることはありません。謙虚な姿勢を常に持っているため、ミスをした場合は自分の悪かった点の改善に努めます。またリーダーシップが取れる女性は、自分の部下の行動にも責任を取ります。そのため部下ものびのびと仕事をすることができ、優秀な女性社員について行こうという気持ちになります。

優秀な女性社員が辞める理由

育児制度が整っていない

適正な評価が得られない

仕事の頑張りに見合う評価が得られない場合も、優秀な女性社員が辞めようと思うきっかけに繋がります。女性社員に指導する社員の中には、女性は結婚したら仕事を辞めるものだと考えている人がいます。すぐに女性社員が辞めることを視野に入れてしまうことで、女性に成長できる仕事を与えずに評価も適正でなくなる場合があります。優秀な女性社員にはキャリアアップを望む人が多いため、一生懸命に取り組んだ仕事が評価されないと分かったら早めに見切りをつけて辞めてしまいます。

セクハラやえこひいきなどがある

女性にとってセクハラやえこひいきが起きる会社は、とても働きづらいです。上司がセクハラをした時に事実がもみ消される場合や、セクハラされている女性を上司が見て見ぬふりをするようなことが実際に起こっている場合もあります。また、ある女性社員を特別扱いし、優しくしたり評価を高くしたりするえこひいきがあることも、辞める原因に繋がります。優秀な女性社員は、不平等な関係や評価に対して厳しい目で見るため、自分に適さないと判断し早々に辞めるのです。

優秀な女性社員が辞める兆候

積極的な姿勢がなくなる

他の企業への転職を決めている場合は、転職先の方に気が向いてしまう場合もあります。すでに転職が決まっているという場合、今の会社で頑張る姿勢を見せる必要がないと考えてしまう人材もいるでしょう。そのため今まで会議などで積極的に発言していた人が、急に発言しなくなるなどという行動が見られたら、転職を考えている可能性が高いです。周囲への気遣いが以前に比べて減ってしまうケースや、仕事に関する質問が減ってしまうということも転職の兆候として挙げられるため注意が必要です。

急な早退や欠勤が増える

今の会社を辞めずに転職活動を行う場合は、面接に行くために会社を休むこともあります。企業側から次の面接の日程を今週中に定められた場合、早退や欠勤を急にすることもやむを得ません。そして優秀な女性社員は、今の会社を辞めた後のことも考えて行動しています。有休を多く取り始めていたら、辞めるサインである可能性もあります。副業を始めて新しい働き方に変えるための備えや、資格取得に向けた勉強に励むなど、次のステップに移る準備を整えているのです。

優秀な女性社員を活躍させるために会社がすべきこと

採用方法を変える

優秀な女性社員を活躍させるためには、採用方法を見直すといいでしょう。女性は、職場の雰囲気を重視して仕事を選ぶ人が多い傾向にあります。オフィスや実際に働く社員の写真を載せることで、女性が働くイメージを具体的に想像できます。さらに、女性がこの会社で活躍できることを伝えるのも大切です。実際に働く女性社員のインタビューなどを載せることなどが効果的です。また、複数名採用だと転職したい女性も同期がいると分かって安心し、応募しやすくなります。

柔軟な働き方に対応する

優秀な女性社員に活躍してもらうには、結婚や出産などのライフイベントを乗り越えた後も安心して働けるように、会社で環境を整えなければなりません。育児休暇の取得率を上げることはもちろん、その後のフォローも大切になってきます。時短勤務やテレワークの実施を行い、育児と仕事の両立が行いやすい体制を整えましょう。また「ノー残業デー」などを導入し、長時間労働にならないように促すのもひとつの方法です。自社で取り組めそうな方法から、柔軟な働き方に対応する制度を導入していきましょう。

キャリアアップを支援する

優秀な女性社員のキャリアアップが実現するように、会社からも支援を行いましょう。女性社員向けにキャリア開発の研修を行い、具体的なキャリアアップのイメージを持ってもらうことが有効です。女性社員が活躍しやすい環境作りのためには、上司となる管理職人材への教育も大切です。管理職は男性が行う仕事であるという偏った意識は、改革していくべきです。女性社員も男性社員と変わらず平等に上司から評価がされるように工夫しましょう。

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優秀な女性社員に会社を続けてもらうためのポイント

社員を平等に扱う

女性社員を容姿や年齢で比べて差別をすることや、個人的な理由で接し方を変えることは、女性社員のモチベーション低下に繋がります。先ほども記述したように優秀な女性社員の中には、えこひいきなどが会社で起こることに気がつくと、辞めてしまう人もいます。さらに女性だからと大切な仕事を任せないことや、逆にむやみに持ち上げることも女性社員が快適に働く妨げになります。優秀な女性社員に長く続けてもらうためにも、社員を平等に扱うことを心がけて女性社員の上司となる人にも呼びかけるようにしましょう。

コミュニケーションをこまめに取る

優秀な女性社員に長く続けてもらうために、1対1での定期的な面談を行うなどコミュニケーションをこまめに取ることをおすすめします。そうすることで、働く女性社員に安心感を与えることができます。相談をされた時には、女性は共感をしてもらいたいということを念頭に置いて話を聞き、共感しつつアドバイスすることがポイントです。話の中からこの会社を辞めようとしている兆候を見抜いて、対処することも可能になります。他にも普段から過程を見て、ねぎらいの言葉をかけることも大切です。

仕事と子育ての両立の支援を周知する

仕事と子育ての両立の支援を社内で周知するために、社内研修やセミナーの中に関係するテーマを取り入れることや、経営者から社員に話してもらうことが有効です。これは、社員の中に育児休業制度を取る人がいることに不満を持っている人がいることで、育児休業後も働きたいと考えている女性社員にとってプレッシャーになるからです。企業として仕事と子育ての両立の支援をしていることを周知するよう体制を整えることで、会社全体の風土が変わり、優秀な女性社員も長く働きやすくなります。

育児休業制度を男性にも取りやすくする

優秀な女性社員に会社を続けてもらうために、育児休業制度を男性にも利用しやすくするという方法もあります。男性社員も女性社員のように育児休業制度を取得できるようにすることで、女性社員が気兼ねなく制度を利用できるようになるという効果が期待できるからです。また近年では男性の育児に対する認識も変わってきており、育児に積極的に参加する男性もいます。そこで男性社員も育児休業制度を取得できるようにしておくと、それに伴って女性社員が活躍することができます。

女性社員活躍の成功事例

サイボウズ株式会社

サイボウズ株式会社には、時間や場所や働き方を単発で選択できる「ウルトラワーク」という制度があります。社員が100人いたら100と通りの働き方があってよいという考え方がベースとなっており、社員が望む働き方を実現できるような体制になっているのです。育児や介護などに限らず「ウルトラします」と上司に伝え、許可を取ることで利用できます。ワークライフバランスに配慮した制度や社内コミュニケーションを活性化する施策によって、離職率が28%から3％前後まで下がったようです。

味の素株式会社

味の素株式会社は、自宅やサテライトオフィスで働ける「どこでもオフィス」という制度を設けています。試用期間中や、新卒採用者で勤続1年未満の社員などを除く全社員が対象です。最大週4日まで、終日のみならず30分単位で活用できるなどの大幅な改革を2017年より導入しています。この制度は男性も利用できます。この制度の導入によって、時間外労働時間の10％削減を実現しました。遠方から会社に通う社員もこの制度のおかげで通勤時間がなくなり、拘束時間が削減されてプライベートの充実に繋がっているようです。

ソウ・エクスペリエンス株式会社

ソウ・エクスペリエンス株式会社には、1歳から2歳の子連れ出勤OK制度があります。他の会社と違う点は、会社に連れてきた子供を社内保育所に預けて仕事をすることや、ベビーシッターに世話を頼むことをしない点です。社員である大人が仕事をしている場所に子供を連れてきて、社員同士で協力して面倒を見ます。当日にいきなり子連れで出勤するということも可能です。この制度があることで、社員が望めば産休育休を取得した後に早く復帰することが可能になりました。また保育園に子供を預けることができず、復職を諦めている方を採用できるというメリットもあります。

まとめ

優秀な女性社員が活躍できる環境を整えましょう

優秀な女性社員は、自社でキャリアアップできるかということや、結婚後や出産後も長く働き続けられるかという会社の環境をよく見ています。育児休業制度やその後のフォロー体制を整えることはもちろん、女性社員も男性社員と同じようにキャリアアップできるような環境にすることが大切です。そのためにも、社内でもっと女性社員が活躍できるような風土を確立する必要性があります。そして女性社員とのコミュニケーションをこまめに取るよう心がけるなど、安心して働ける会社作りに努めていきましょう。