サーバントリーダーシップとは【メリットやデメリット、導入方法についてお伝えします】

記事更新日:2022年12月26日 初回公開日:2022年12月26日

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組織をまとめ上げるためには、優れたリーダーシップを持つ人材が必要とされます。これまでの一般的なリーダーシップにおいては、とにかく頑張ってメンバーを引っ張っていく姿勢などが重要視されていました。しかし時代の変化にともなって、リーダーシップの新しい在り方であるサーバントリーダーシップも注目されるようになりました。この記事ではサーバントリーダーシップの導入におけるポイントやメリットについて、事例も合わせて解説します。

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サーバントリーダーシップとは

相手に奉仕して主体的な行動を促すリーダーシップ

サーバントリーダーシップとは、相手に奉仕して主体的な行動を促すリーダーシップのことを指しています。先述の通りリーダーシップとは一般的に、メンバーや部下をどんどん引っ張っていく能力とイメージされることが多いです。一方でサーバントリーダーシップにおいては部下の意見を尊重しつつ、付いてこさせるというよりも納得のいくように誘導を行います。先頭に立って引っ張るだけではなく、メンバーそれぞれを支える脇役のような役割も担うことができるのが、サーバントリーダーシップと言えるでしょう。

サーバントリーダーシップが注目されている背景

VUCA時代に対応しなければならない

サーバントリーダーシップが注目されている背景には、VUCA時代に対応しなければならないということがあります。VUCAとはビジネスなどにおいて未来の予測が難しくなる状況のことを意味しており、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとった造語です。近年の新型感染症の流行などをはじめとした、予測できない未来に対応するための新たなリーダーシップの形が注目されているのです。

サーバントリーダーシップの導入方法

リーダーが自分の役割を理解する

サーバントリーダーシップを導入するにはまず、リーダーが自分の役割を理解する必要があります。サーバントリーダーシップでは、メンバーの主体性を尊重しつつ育成や指導を行います。一方で、メンバーに業務の責任を任せすぎてしまうと十分な成果を得ることはできないでしょう。メンバーがそれぞれのスキルを活かせるように、まずはサーバントリーダーシップをとるリーダー自身が役割を理解して業務に取り組む必要があります。メンバーに対して誠実な姿勢で向き合えているか、などということを常に意識するようにしましょう。

明確な目標を決める

サーバントリーダーシップの導入による明確な目標も決めておきましょう。リーダーの独断のみで決めてしまうのではなく、メンバー全員の意見をしっかりと聞き入れた上で明確な目標を設定しましょう。リーダーだけの判断で目標を定めてしまうとチームの一体感が薄れてしまい、方向性が定まらなくなってしまいます。さらに、話し合って設定した目標については、メンバー全員で共有する必要があります。全員が目標について正しく認識し、目標達成に向けて一致団結できるようにしましょう。

多様な考えや価値観を受け入れる

多様な考えや価値観を受け入れるということも、サーバントリーダーシップの導入においては重要となります。近年ではグローバル化が進んでいるということもあり、これまでよりもさまざまな人材が共に働く環境が増えました。そうした中で異なる考えを持つメンバーがいるのは、当然のことと言えるでしょう。それらの意見をリーダーが否定せずに受け入れることによって、他のメンバーから積極的に意見を引き出すこともできるでしょう。

サーバントリーダーシップを導入する際のポイント

短期と長期の目標を設定する

サーバントリーダーシップを導入する際には、短期目標と長期目標の両方を設定するようにしましょう。チームの結束力をさらに高めるためには、適切な目標設定が非常に重要となります。立てた目標をさらに、短期的な目標と長期的な目標に分けて考える必要があるでしょう。両方の目標において具体的な期間や数値を設定して共有することによって、メンバーのひとりひとりが常に目標を意識しながら業務に取り組むことができるでしょう。

メンバーに共通理解を持たせて一体性を保つ

メンバーに共通理解を持たせて一体性を保つということも、サーバントリーダーシップを導入する際のポイントとなります。チームとしての方針や掲げている目標などについてメンバー内で認識の違いがあると、十分な成果を得ることはできません。メンバーにチームの方針がうまく伝わっていないと感じたら、もう一度よく指導して共通の理解を持たせるようにしましょう。メンバーが共通の理解を持って業務に取り組むことで、さらに生産性を向上させることが期待できます。

チームとしての成果を共有する

サーバントリーダーシップを導入する際のポイントとして、チームとしての成果を共有するということも挙げられます。メンバーの意見を取り入れて設定した目標に対して、実際にどの程度の達成度であったのかを共有しましょう。チームが一丸となって得た成果を共有することによって、メンバーのモチベーションの向上につながります。チームの人数やメンバーの勤務体制などを考慮して、全員で成果を共有できる仕組みを整えるようにしましょう。

サーバントリーダーシップを活用するメリット

顧客の満足度向上に繋がる

サーバントリーダーシップを活用するメリットとして、顧客の満足度向上に繋がるということが考えられます。効果的なサーバントリーダーシップを発揮することでメンバーの士気が上がって組織の生産性が向上していくと、その結果として顧客満足度も改善されていくことが期待できるでしょう。顧客満足度の向上は企業の業績アップにもつながるため、サーバントリーダーシップが及ぼす影響は非常に大きいものだということが分かります。

コミュニケーションが活発になる

コミュニケーションが活発になるということも、サーバントリーダーシップのを活用することによるメリットと言えるでしょう。サーバントリーダーシップにおいては、メンバーをリーダーが支えるにあたって意見交換をすることなどがより重要となります。さらにリーダーがメンバーに対して奉仕的な行動を示すというサーバントリーダーシップの特徴を考えると、メンバー間で強い信頼関係を持ちながらコミュニケーションが生まれるでしょう。

信頼関係が構築されてエンゲージメントが高まる

サーバントリーダーシップを活用することによって、社員同士の信頼関係が構築されてエンゲージメントが高まるという効果も期待できます。メンバーを支配する傾向のあるリーダーシップにおいては、仕事へのモチベーションが大きく低下してしまうケースが多いです。サーバントリーダーシップによってひとりひとりに寄り添うような形を取ることができれば、やりがいを持って業務に取り組むことができるでしょう。業務や企業への満足度が向上することによって、離職率を大幅に下げる効果も期待できます。

メンバーが当事者意識を持つようになる

サーバントリーダーシップを効果的に実践することによって、メンバーのそれぞれが当事者意識を持つようになるでしょう。リーダーがメンバーひとりひとりの意見を尊重して耳を傾けることによって、自分の意見がしっかりと反映されることで当事者意識を強く持つことにつながります。サーバントリーダーシップによってメンバーの当事者意識を大きく変化させることができれば、それがモチベーションや生産性の向上にもつながるでしょう。

サーバントリーダーシップを活用するデメリット

メンバーの数が多いほど決定に時間がかかる

メンバーの数が多いほど決定に時間がかかるという点は、サーバントリーダーシップにおけるデメリットと言えるでしょう。従来はおもにリーダーの意思によってさまざまな事を決定するケースが多かったのに対して、サーバントリーダーシップではメンバーの意見をまとめた上で決定することが重要とされています。したがって、メンバーの数が多いほど決定にかかる時間が増加すると考えられます。素早い決定が求められている場合には遅れをとってしまう恐れもあるため、業務に支障をきたさないように臨機応変に対応しましょう。

ついていけないメンバーが出る可能性がある

サーバントリーダーシップを導入しても、ついていけないメンバーが出る可能性もあります。先述の通りサーバントリーダーシップでは、従来のリーダーシップとは異なり、メンバーの自主性などが重要となります。したがってメンバーが能動的に動けていないと、サーバントリーダーシップの効果を得られません。経験の浅い若手社員などは上司からの指示によって行動する場面が多いため、サーバントリーダーシップとの相性があまり良くないケースもあるでしょう。

知識や経験が少ないメンバーには難しい

知識や経験の少ないメンバーには難しいという点も、サーバントリーダーシップにおける課題として挙げられます。先述の通り、十分な知識や経験のあるメンバーに対して、サーバントリーダーシップは大きな効果を発揮します。一方で経験の少ない社員は、自分で考える能力が十分に備わっていないという場合もあるでしょう。経験や知識の少ないメンバーに対しては意見を聞き出すだけではなく、必要に応じてリーダーからの指示も与えるようにして成長させていきましょう。

サーバントリーダーシップを活用する企業

資生堂

資生堂ではこれまでに、サーバントリーダーシップによって現場を中心に考えた経営改革を行いました。顧客や店舗スタッフなどを会社経営におけるピラミッドの頂点として考えて、社長をはじめとするリーダーはそれらを支えるという体制です。顧客や店舗スタッフの声を反映することによって結果的に売上の向上にもつながり、満足度の高いサービスを提供することができました。サーバントリーダーシップによって、顧客の満足度が向上したことを示している例と言えるでしょう。

良品計画

無印良品でよく知られる良品計画においても、サーバントリーダーシップが導入されています。業績が急落したタイミングで就任した当時の社長は、全国にある店舗のほとんどに自ら出向いて現場の声を聞きました。そこから得られた課題を解決するために、「MUJIGRAM」という業務可視化のためのマニュアルと、現場の声を取り入れるためのシステムを開発しました。その結果として業績は回復して、現在に至るまで業績の拡大を続けています。

ダイエー

生鮮食品などを扱うダイエーはトップダウン経営で成長を遂げてきましたが、業績不振により拡大が行き詰まったタイミングでサーバントリーダーシップが取り入れられました。生鮮食品の鮮度における課題などがうまく共有されていなかったのに対し、ダイエーでは鮮度向上プロジェクトチームを発足しました。従業員が自由に意見出せるように、当時の代表は全てのミーティングに参加して従業員の意見を聞き出しました。こうした取り組みによって、顧客からの信頼を取り戻すことができたのです。

まとめ

サーバントリーダーシップを導入して企業を成長させよう

サーバントリーダーシップの導入におけるポイントなどについて、お分かりいただけたでしょうか。メンバーの声を反映しつつサポートを続けることによって、さらなる生産性の向上や新しいアイデアが期待できます。一方で知識や経験の少ないメンバーに対しては、適宜リーダーから指示を出すなど工夫が必要となるでしょう。サーバントリーダーシップを導入して組織の力を強めることによって、企業をさらに大きく成長させていきましょう。

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