タックマンモデルとは?【チームビルディングの例・おすすめ本も紹介】

記事更新日:2020年06月26日 初回公開日:2020年06月21日

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ビジネスにはチームでの活動が不可欠ですが、チームが成長・発展していくには、一定の段階を踏むというセオリーがあります。これを説明したのが「タックマンモデル」。本記事では、タックマンモデルについて、概念やこれを理解する目的、活用事例・方法について紹介しています。チームで活動するメンバーも、チームを管理するマネジメント職も、全てのビジネスマンにとって、この概念を理解することがより良いチームを作る近道になるでしょう。最大限の成果を生み出すチームを作りたい方は是非参考にして頂くことをお勧めします。

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タックマンモデルとは

1965年にタックマンが論文で記述したチーム成長のモデル

タックマンモデルとは、心理学者のブルース・W・タックマンが1965年に発表した論文で提唱された考え方で、組織の成長の段階を示したものです。チーム(組織)は作っただけでは正しく機能するものではなく、段階を踏み理想的な成果をもたらすというのがタックマンの考え方。組織形成やチームワークに関しては現在まで様々な研究がなされてきましたが、その中でも最も重要な理論の一つに位置付けられています。タックマンは、チームには4つの発展段階があることを示し、その過程を体系化しました。そして1977年に新たに1段階を加え、現在では5つの段階があるとされています。

結果を出すチームが通る5つの発展段階がある

タックマンモデルでは、チームの発展段階を「形成期/Form」「混乱期/Storm」「統一期/Norm」「機能期/Perform」「散会期/Adjourn」の5つに分類しています。全てのチームはこの成長の段階を必ず通ると言われており、どこかの段階を飛ばすことはできません。残念ながら「混乱期」を避けて「機能期」へ進むことはできないどころか、成果の出せるチームになるにはこの「混乱期」をいかに乗り越えるか最重要ポイントだと言われています。混乱期をできるだけ早くさっぱりと乗り越え、チームが自律的に動けるようにするための方法を学んでいきましょう。

タックマンモデルの5つの発展段階とは

1.形成期 Forming

では、5つの段階がそれぞれどんな段階なのか、確認していきましょう。まず「形成期」とは、その名の通りチームが形成されたばかりの状態です。この状態では、互いの人となりが分からず不安や緊張・遠慮が見られます。成熟したメンバーや、コミュニケーションスキルの高いメンバーが集まっている場合、一見和やかに見える場合もありますが、だからと言ってチームワークが醸成されているとは限りません。この時期は、リーダー主導のもと早い段階で各人の役割、チームのゴールや達成イメージを共有することが必要です。お互いを知るための交流会や飲み会を開催するのも有効です。

2.混乱期 Storming

いざ仕事を始めてみると、それぞれの仕事の進め方の違いなどが明確に浮かび上がり、意見や主張のぶつかり合いが起きる時期がやってきます。これを「混乱期」と呼び、より強固なチームに成長するためには大変重要な時期として位置付けられているのです。この段階のチームは、チーム内のヒエラルキーを気にする動きや、他のメンバーに対して「私ならこうするのに」といった意見の食い違いが散見されるのが特徴。これらは単なる飲み会やゲームでは問題が解決されないため、お互いの認識を合わせるための対話が有効になります。

3.統一期 Norming

混乱期を乗り越え、個人の思考や特性を理解したうえで共通の規範や役割を持つことができている段階を「統一期」とみなします。目標がしっかりとメンバーに共有され、メンバーの持ち味が生かされてくる状態といえるでしょう。この時期の特徴として、責任の範囲が明確になり、互いの価値観や意見を受け入れやすい状態であることが挙げられます。そうすると今まで発言の少なかったメンバーも含め、活発な議論がされやすくなりますよね。リーダーとしては、この議論から導き出されている結論に誤りがないか、判断し修正をしていく必要があります。

4.機能期 Performing

チームが機能して成功体験を得られる時期が「機能期」です。リーダーから言われなくてもメンバーが自律的に、補完的に活動することができるので、更なる成果を産みやすいといえるでしょう。統一期まではリーダーの指示のもと規律やルールが提示されますが、この時期ではチーム自ら規律が生まれてきます。個々のメンバーがパフォーマンス・モチベーション共に高くキープできる段階のため、リーダーはこの時期をできるだけ長期化させることが必要です。細かな指示を避けてメンバーの自立を助けつつ、仕事から離れたアクティビティでのリフレッシュを促進させるのが有効でしょう。

5.散会期 Adjourning

どのチームにも、目的の達成もしくは時間的な制約などにより解散をする時期が訪れ、タックマンモデルではそれを「散会期」と呼びます。目的達成、成長の結果として、メンバーそれぞれにやりたいことにずれが出てくるのは自然なことで、各人が別のミッションに向けて動き出す段階と言われています。この時期に差し掛かれば、解散の時期を見据えて、最後の締めくくりをすることもリーダーの役目の一つでしょう。このメンバーでまた仕事をしたいという声が挙がれば、リーダーとしては役割を果たしたといえるのではないでしょうか。

タックマンモデルの目的

メンバーがそれぞれの役割を認識する

チーム形成にあたりタックマンモデルの考え方を利用する目的を考えてみましょう。一つ目の目的は、チームメンバー一人一人がそれぞれの役割を認識するためです。チームとして成果を残すためには、それぞれが自分の強みを発揮し、役割を全うすることが不可欠ですよね。つまり、チーム内で一人一人にふさわしい役割を与え、活動を実行していく必要があります。タックマンモデルを通して現状のチームの状態を分析することができれば、その時期にあった対応策を取ることができます。特に、混乱期をうまく切り抜けることで、お互いにメンバーの役割を認識しあえる、良いチームになることができるでしょう。

チームパフォーマンスの向上

第二に、チームでのパフォーマンスを向上させるためです。特に管理者やチームリーダーがタックマンモデルを学ぶことで、チームの段階に応じた打ち手を取ることができます。そうすることでチームをより早く「統一期」および「機能期」に到達させることができるのです。いくら能力が高いメンバーを集めても、チームとしてうまくパフォーマンスを発揮できないこともありますよね。しかし、タックマンモデルの段階を踏まえて正しく導かれたチームは、最適なパフォーマンスを発揮し、成果を残しやすいと言われています。

タックマンモデルの事例

株式会社オアシスライフスタイルグループ

タックマンモデルを踏まえ、新しい社内コミュニケーションツールを導入することでチームを発展させた事例があります。飲食事業を展開する株式会社オアシスライフスタイルグループでは、社員数の増加に伴い、うまくコミュニケーションが取れず情報共有に課題感がありました。そもそも誰が何をやっているのかが不明瞭で、典型的な「形成期」にいたといえます。そんな同社はSNS形式でのコミュニケーションツールを導入し、社員同士もすぐに打ち解けられ情報共有もスムーズになりました。このように、社内コミュニケーションツールの見直しはチームの発展においてとても重要だといえます。

株式会社TonTon

株式会社TonTonでも、社内コミュニケーションツールを見直すことで、チームの発展を促すことができました。同社では他部署・他事業とのコミュニケーションが取りづらかったこと、会社全体の状況を把握できていなかったことを課題として持っていました。会社全体を1つのチームと見ると、それぞれの部署が独自に活動を進めてしまっている「混乱期」といえるのではないでしょうか。コミュニケーションツールを見直すことで、会社全体で統一した規範や役割を認識することができ、一体感が高まったといいます。これは混乱期から「統一期」へチームが昇華したということができるでしょう。

タックマンモデルを学べるゲーム

マシュマロゲーム

タックマンモデルによると、チーム段階ごとに相応しいアクティビティ・ゲームが提唱されています。「形成期」に必要とされるゲームとしてよく紹介されるのが、「マシュマロゲーム」です。このゲームは、チームごとに乾麺のパスタ、マシュマロ、テープ、ひもを使い自立可能なタワーを立て、最も高いタワーを作れたチームの勝ちとなります。メンバー全員で高いタワーを作るという目的意識がはっきりしている点、チームで協力しなければ勝てない点、単純に誰でもゲーム自体を楽しむことができる点というのがポイントです。

NASAゲーム

「NASAゲーム」はお互いの価値観のズレを理解し、チーム内の合意形成の取り方を学ぶことができるアクティビティで、「混乱期」にいるチームに有効だといわれています。やり方は簡単で、「機械の故障により月に不時着した宇宙飛行士」という設定で、320km先の母船にたどり着くために、残った15個のアイテムを優先順位の高い順に並び変えるというもの。まずは自分1人で考えた後に、チームとして答えを共有し、チームとしての回答を導き出します。多数決による決定などではなく、全員が納得できる回答を話していく中で、合意形成のプロセスを学ぶことができるゲームです。

タックマンモデルが学べる本

『チームビルディングの技術』

より深くタックマンモデルを勉強したいという方には、この参考書籍を手にとってみてください。この本は、「みんなを本気にさせるマネジメントの基本18 」という副題がついており、自律したプロ人材で構成するチーム、人を育てるチームをどのようにつくるのか、著者の経験とマネジメント理論から導く内容になっています。著者の関島康雄は日立製作所入社、アメリカの日立PC社社長、日立総合経営研修所社長を経て2006年より3Dラーニング・アソシエイツ代表として独立。現在は総合的な人材育成を支援する、人材開発コンサルタントとして活動しています。

『グーグルに学ぶ最強のチーム力』

「グーグルに学ぶ最強のチーム力」では、 米グーグル社が成果を上げ続けるために、チームを成功へと導くために提示している5つのキーワードについて解説しています。「心理的安全性」「信頼性」「構造と明瞭さ」「仕事の意味」「仕事のインパクト」、この5つのキーワードをもとに、グーグル流の「チームのつくり方、運営の仕方、採用の仕方、失敗を恐れない仕事の進め方」などを紹介。フリージャーナリストとして様々な企業への取材経験を持つ桑原 晃弥による著書で、効率UPではなく成果UPを目指すチームを作りたい人にお勧めの1冊です。

タックマンモデルの理解がチーム力向上の鍵になります

タックマンモデルの5段階を理解し、適切な要素を取り入れることで、チームはより良く成長することができます。各チームにおける発展段階を見極め、次の段階へ昇華させるために必要なものを考えてみましょう。ポイントとなるのはチームとしての「目的共有」、メンバー間での「コミュニケーション」、各メンバーによる「コミットメント」。この観点での課題を取り除くことがチームを「機能期」に導く近道となりますよ。タックマンモデルを理解しチーム力を向上させ、より良いパフォーマンスを生み出していきましょう。

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