バリューチェーン分析とは【手順や分析方法についても解説します】

記事更新日:2024年01月31日 初回公開日:2024年01月22日

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ビジネスで勝ち残るためには、他社よりも魅力ある商品やサービスの提供をすることで、ユーザーに選ばれるようにしなければいけません。他社よりも魅力ある商品を提供するには、自社の強みと弱みを知り、競合優位性を高めることが重要です。バリューチェーン分析は、自社の工程ごとの連鎖で生じるコストや利益の増幅を細かく分析するマーケティング手法です。ここでは、バリューチェーン分析の意味と必要性から、具体的なバリューチェーン分析の導入方法と導入事例などをご紹介致します。今後の企業マーケティングの参考になれば幸いです。

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バリューチェーン分析とは

ビジネスを工程ごとに評価するフレームワーク

バリューチェーン分析とは、ビジネスを工程ごとに評価するフレームワークで、価値の発生および価値の連鎖に注目したマーケティング手法です。アメリカの経済学者であるマイケル・ポーターは、原材料の調達から販売後のサービスまでのビジネス過程を「価値の連鎖」と捉えました。そして各工程を経ることで変化する価値に着目し、それぞれの工程が関わり合い、工程が連鎖することで価値が生まれるという考え方を提唱したのです。その考え方に基づいて工程ごとに価値の変化を分析し、最良の企業活動を導き出すのがバリューチェーン分析になります。

サプライチェーン分析との違い

サプライチェーン分析は、原材料の調達から顧客が購入するまでの流れと「供給量」に注目した分析法で、商品の安定供給や人的リソースの最適化を目的に使われる分析法です。混同されやすい2つの大きな違いは、サプライチェーンは主に「供給量」に注目しており、バリューチェーンは工程で生まれる「価値」に注目していることにあります。またバリューチェーン分析では自社の工程のみで価値を考えますが、サプライチェーン分析では、自社を取り巻く様々な企業の活動も含めて全体像を把握するものです。

バリューチェーン分析が重要な理由

競合他社との差別化が求められるため

バリューチェーン分析が重要とされる理由の第一に、競合他社との差別化を求められていることが挙げられます。同等品質の商品であれば、廉価商品もしくはブランド力の強い商品をユーザーは選ぶでしょう。しかし廉価販売にも限界があり、ユーザーの欲求も「安かろう悪かろう」より「自分が求める商品」に移行しています。他の商品よりも優れた部分にユーザーの視線が集まっており、他社製品との違いと、痒い所に手が届くような付加価値が求められているのです。

バリューチェーン分析を行うメリット

他社との差別化を狙える

新しい付加価値を見出すためにも、工程ごとの付加価値を把握するバリューチェーン分析が重要視されているのは前述の通りです。競合他社も同様に分析することで、自社と他社の違いを明瞭に把握できます。他社との違いを認識することは、他社との差別化を図るための第一歩です。自社との工程や付加価値発生の違いを知ることによって、変化することの必要性に迫られるでしょう。そして他社との差別化を意識して工程や付加価値を考えることで、新しい発想や商品開発に繋がるはずです。

自社と他社の競争優位性を把握できる

バリューチェーン分析を行うことで、自社と他社の競争優位性を把握できます。そして自社の強みをより強化し、弱みを克服して強みに変えることで他社には無い付加価値を生み出すことができるでしょう。自社の弱みは他社の弱みと重なることも多く、弱みの克服は新しい付加価値となり自社独自の強みになります。また、弱みを克服するときや新商品の開発には、自社の強みを使うのが有効です。バリューチェーン分析で自社と他社の違いを分析し、有利なポジションを獲得しましょう。

無駄なコストを把握できる

バリューチェーン分析では、各工程でのコストや利益を把握できるため、無駄なコストを削減する効果をもたらしてくれます。競合他社との差別化を図るために新商品を開発したとしても、開発および生産にかかるコストが大きければ結果的には失敗です。新商品の開発とコスト削減は同時進行で行い、少しでも多くの利益を獲得しなければいけません。工程ごとのコストを知ることで、どの工程で大きなコストが発生し、どのようなコスト削減が可能なのかを見極めることに繋がります。

経営資源を再分配できる

バリューチェーン分析では、経営資源を再分配できるメリットがあります。資金だけでなく労働力や労働時間を最適に分配することで、企業の利益を効率的に獲得できるのです。バリューチェーン分析では、工程ごとに投入される全ての経営資源を知ることができます。利益に対する資源の投入が適切であるかを見極めることもできるため、利益に見合うように再調整した資源の投入が可能になるのです。また、コストがかかりすぎているのに、生み出す利益が少ない工程も容易に見つけることができ、経営を根底から見直すことができるでしょう。

バリューチェーン分析の流れ

企業活動の工程を主活動と支援活動に分けて書き出す

バリューチェーン分析で最初に行うことは、企業活動の工程を主活動と支援活動に分けて、可能な限り書き出すことです。それぞれの活動が価値を生み出すことに影響しているのかを細かく分析することが重要であり、複雑に絡み合う複数の活動を、ときほどくようにして解析していきます。とくに関連する活動をまとめておき、どのような関連性があり、相互に影響し合っているかを分析しましょう。バリューチェーン分析では、全ての活動を一つ残らず分析することが重要です。

主活動とは

バリューチェーン分析でいう「主活動」とは、サービスも含む有形無形の商品が、生まれてから消費者の手に渡るまでの活動を言います。製造業に例えれば、購買物流・製造・出荷物流・販売およびマーケティング・サービスが、主活動に分類されます。購買物流は製造に使われる原材料の調達などのプロセスで、製造は調達した原材料を加工製造する活動や設備のメンテナンスも含みます。出荷物流は梱包や保管に輸送や受注処理を含む活動のことで、販売とマーケティングでは製品販売の他に販売促進を目的とする営業活動全般です。

支援活動とは

「支援活動」とは、主活動をサポートする活動を指し、商品管理・人事および労務管理・技術開発・調達など、商品成型や商品販売に直接関わっていない分野になります。支援活動では企業に収益をもたらす販売から遠い位置にあるため価値の測定が難しくなりますが、コスト削減や商品開発に関わる重要な活動であるため軽視できない活動です。主活動を支える支援活動が有効に機能することで、企業の利益を十分に確保することが可能になります。バリューチェーン分析では、書き出された全活動を、主活動と支援活動に分けることから始めることが重要です。

各工程のコストや内容を把握する

企業活動の工程を分かりやすくまとめたら、各工程や活動にかかるコストを加えて書いていきます。工程は細分化した方が、どの部分に大きなコストが発生し価値が生まれているかも分かるため、なるべく細かく分類しましょう。そのため工程の項目も多くなるので、エクセルなどやGoogleスプレッドシートなどを使うと、自動計算やコストの多い部門順にソートすることもできるので便利です。各工程と活動に担当する部署とコストを加えて書き、全体の工程の流れとコストの変化などを把握しましょう。活動に対してコストがかかりすぎている部分や、活動ごとの関連性も良く理解できるはずです。

強みと弱みの分析をする

活動ごとのコスト分析ができたら、自社の強みと弱みを主活動と支援活動に分けて分析しましょう。単純に自社の強みと弱みを列挙すると、同じ項目に集中することが多いため、工程ごとに順序よく分析していくことが大きなポイントになります。全ての工程を細かく分析することで、いままで気付かなかった自社の強みや弱みを見つけることができるでしょう。また競合他社と比較することにより、客観的な根拠にもなり得るため、分かる部分があれば他社と対比して強みと弱みがどの程度なのかを数値化して表すようにしてください。

VRIO分析を行う

ここまででも十分に自社が行うべき方法が見えてきますが、最後に「VRIO分析」を行ってみましょう。VRIO分析とは、「Value・経済的価値」「Rarity・希少性」「Imitability・模倣可能性」「Organization・組織」という4単語の略語です。自社の強みについて4要素の質問に答えることで、自社の優位性を把握できる画期的な分析法になります。VRIO分析によって、自社の優位性がどの程度なのか、どの活動が自社の優位性に繋がっているかを知ることができ、次への経営戦略立案に役立つでしょう。

アパレルでの分析例

アパレル業界でのVRIO分析を例にすると、活動項目は「商品企画」「原料調達」「製造」「マーケティング・営業」「カスタマーサポート」などに分けられます。この活動項目の自社の優位性を分析するために、「VRIO」の4要素に対しYesとNoで答えていきましょう。Yesという答えばかりが多い活動は自社優位性が高く、経営活動資源を最大限に活用すべきだと判断できます。逆に優位性が高いと思い込んでいた活動が一時的なものであるとか、他社と競争が均衡している分野であると気付くことができるでしょう。

バリューチェーン分析の成功事例

スターバックスコーヒー・ジャパン

アメリカ生まれのスペシャルティコーヒーストアを謳い文句に日本進出した「スターバックスコーヒー・ジャパン」は、バリューチェーン分析で成功した代表例です。スターバックスでは、単に美味しいコーヒーを提供するだけでなく、職場や学校などとは別のリラックスできる居心地の良い空間を付加価値として提供しています。気分を変えて店内で勉強や仕事をするお客様も多く、日本では新しい「サードプレイス」という概念を打ち出すことで成功した事例です。さらに会員向けのプログラムやWebサイトからの注文を受けるなど、デジタル機能も駆使して他社との差別化を図り集客に繫げています。

IKEA

経済を含む多くの分野で革新的な発明を続けるスウェーデンで生まれた家具量販店「IKEA」は、在庫管理費用や物流コストを限りなく削減することで成功を収めています。組み立てられた家具製造販売から目線を変えて、顧客に必要なパーツだけを購入してもらい、顧客自身が組み立てる新しい発想に特化した家具店です。完成品を販売しないことによって梱包のコストを抑えることや、部品に分けて発送することで荷が縮小されることで、物流コストの削減に繫げています。顧客自身も自分が組み立てることで愛着が湧き、独自の付加価値として提供しているのがIKEAの特長であり魅力です。

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ZARA

ファストファッションの先駆けともいえる「ZARA・ザラ」は、ヨーロッパの代表的なカジュアルブランドです。スペインに本拠を構え、専任のデザイナーがトレンドを見極めてデザインを担当し、早いサイクルで新しい商品を発信しています。安価でカジュアルな商品でありながらも、高いファッション性が顧客のニーズとマッチして人気を博しているブランドです。豊富なラインナップと、商品の展開が早いのが大きな特長であり、安価ながらも他の人とは違うファッションを楽しみたいという人たちに付加価値を与え続けています。バリューチェーン分析によるコストダウンと付加価値を高めた好例です。

まとめ

バリューチェーン分析を行い他社との差別化を図ろう

厳しいビジネス競争の中で生き残りを図るためには、まず自社の強みと弱みを良く知ることが重要です。そのうえで、いまできる競合他社との差別化をしアピールすることで、顧客に選ばれなければいけません。バリューチェーン分析は競合優位性を高めるために非常に有効であり、より顧客が魅力を感じる商品開発に繋がる分析法です。コストや付加価値がどの工程で、どのように変化していくのかを見て、最適なコストと最高の付加価値を考えなければいけません。積極的にバリューチェーン分析を行い、自社の強みを最大限に高めて、他社との差別化を図りましょう。

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