トライアル雇用とは?【対象となる年齢から助成金まで】

記事更新日:2019年10月11日 初回公開日:2019年07月17日

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企業にとって大きな悩みの種の一つであるのが人材の確保です。昨今の人材不足や採用コストの負担で悩んでいる採用担当の方が多いのではないでしょうか。ニートやフリーターなど非正規雇用で働く人の数も増えてきており、優秀な人材の採用が難しくなっていますよね。そんな企業側と働く側の問題を解決するための雇用形態として注目され始めている採用制度がトライアル雇用です。トライアル雇用についての概要やメリットなど、これからトライアル雇用を検討する企業の参考になる内容をお伝えしていきます。

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トライアル雇用とは

トライアル雇用の目的

新卒一括採用がまだまだ根付いている日本社会ですが、その他の採用方式としてトライアル雇用があります。トライアル雇用とは就業経験が少なく、企業での正規雇用に対して不安を抱えている求職者が、一定期間(原則3カ月)を試行雇用として働くことができる制度。トライアル雇用期間中に求職者は仕事内容や社内環境を、企業側は求職者の適性を見極めることができ、お互いが納得した質の高い採用に繋がることが目的とされています。

トライアル雇用の対象者

トライアル雇用は求職者全員が利用できる制度ではなく、一定の条件を満たしている必要があります。過去2年以内に2回以上の離職や転職を繰り返している人や、離職している期間が1年を超えている人。妊娠・出産・育児を理由に離職し、安定した職業に就いていない期間が1年を超えている人や、ニートやフリーター等で満45歳未満の人。母子家庭の母や生活困窮者など就職の援助に特別な配慮が必要な人、など上記のいずれかに当てはまっている場合がトライアル雇用対象者とされます。

トライアル雇用が注目される理由

お互いのミスマッチを減らせる

トライアル雇用が注目されるようになった背景として、昨今の離職率への対策になることが挙げられるでしょう。現在新卒就職者の3人に1人が3年以内に離職するという結果になっている日本。離職理由については労働時間が長かったり、社内の人間関係であったり、入社前と入社後のギャップが多くの離職理由に繋がっています。そのためトライアル雇用では求職者と雇用者のミスマッチを減らすため、3カ月程実際に働ける期間があります。想像と現実のギャップを確認することができる、お互いにメリットがある制度ですね。

対象者の範囲が広がった

2019年4月からトライアル雇用制度を利用できる求職者の対象者の範囲が広がったことでも注目を集めています。2019年4月以前までは「就労経験のない職業希望の人」、「学校卒業後3年以内で、安定した職業に就いていない人」が対象者に含まれていました。これらが4月以降は除外され、新たに「ニートやフリーターで45歳未満の人」、「生活困窮者」が対象として追加されることに。企業としても多様な人材をトライアル雇用制度を通して求人することが可能になりました。

トライアル雇用のメリット

安定した人材確保が可能に

トライアル雇用は求職者と企業側との間のミスマッチを解消できると前述しました。そのため企業側の視点から見れば、求職者の適性や能力を把握し、今後活躍が期待できる人材を確保することができます。求職者も一定期間のトライアルを経て納得して就業するため、早期退職のリスクも減らせ、企業における人材の定着率も高めるというメリットにも繋がりますね。

助成金を得られる

トライアル雇用の対象者を雇用した企業には、一定の要件を満たせば国から助成金が支給されます。助成の金額は雇用する対象者によって異なり、大きく分けて「一般トライアルコース」と「障害者トライアルコース」に分けられます。トライアル期間中には最長3カ月間毎月助成金が支給されるため、人件費の負担を減らしながら採用活動をすることができます。

トライアル雇用のデメリット

担当者の負担が増す

企業側のデメリットとしては、担当者への教育負担が挙げられるでしょう。トライアル雇用ではこれまで就業経験が少ない人が対象なため、社会人として基本的なビジネスマナーから教育が必要な場合があり、担当者への負担が増す恐れがあります。さらに助成金を受給するためには、期間内に「実施計画書」や「支給申請書」を提出する必要もあるため、事務的な作業についても担当者への負担となります。

3カ月後に解雇も

求職者側のデメリットとしては、トライアル期間の3カ月が終了したのちに正規雇用へ移行できるとは確約されていないということ。企業側の基準に満たなければ不採用となり、3カ月という短い職歴が残ってしまいます。またトライアル雇用は複数同時の企業へ応募することはできないため、正規雇用を希望する人には少し時間がかかる可能性もあるでしょう。

トライアル雇用でおすすめの方法

一般トライアルコース

一般トライアルコースは上記に記載した対象者に当てはまる、安定した就職が難しい人たち向けのコースです。一般トライアルコースで対象者を雇い入れた企業には、トライアル期間の最長3カ月、一人あたり月額4万円の助成金が支給。また対象者が母子家庭の母や父子家庭の父である場合には、対象者一人あたり月額5万円の助成金が支給されます。トライアル期間中に離職や正規雇用への移行のため予定の就労日数に達しない場合は、支給額は実際に就労した日数の割合に応じて減額されます。

障害者トライアルコース

障害者トライアルコースは障害の原因や種類は問わず、「障害者雇用促進法」に該当する障害者を対象としたコースです。内容は一般トライアルコースと変わりはありません。助成金の額は対象者一人あたり月額4万円(最長3カ月)で、精神障害者を初めて雇用する場合は月額最大8万円。また精神障害者は最大12カ月のトライアル期間を設けることができます。障害者トライアル雇用を利用して雇用される障害者数は年々増加しており、トライアル終了後も8割の方々が正規雇用で継続して雇用されています。

トライアル雇用でおすすめのサイト

ハローワークインターネットサービス

ハローワークインターネットサービスは全国のハローワークが掲載する求人や、求職者や事業者向けに役立つ情報を閲覧できるオンラインサービスです。ハローワークでは事業者から登録された求人を、全国200万人いる求職者一人一人と相談しながら仕事の紹介をしています。インターネットサービスは事業者がオンライン上で求人を登録することができ、求職者にとってはハローワークに足を運ぶことなく、その求人を検索することができるため便利なツールですね。雇用保険やトライアル雇用助成金、各種手続き方法などについての情報もオンラインで確認できます。無料で登録可能なため、求人掲載にはまず登録しておいて間違いないサービスでしょう。障害のある方向けの求人検索ページもあるため、「障害者トライアルコース」を希望する求職者にとっても便利なオンラインサービスです。

indeed

indeedは求人特化型の検索エンジンとされ、求職者が希望のキーワードを検索すると、あらゆる求人サイトや企業ホームページの求人から集めた情報が表示されます。indeedはもともとアメリカの企業でしたが、2014年にリクルートが完全子会社化。そのためアクセスも世界中から集められ、日本だけでも月間2,000万人が利用しています。他の有名求人サイトでも月500~700万の利用者数が多い中、この数字は圧倒的ですね。求人掲載は無料ですることができますが、検索結果を閲覧されやすい上位にしたい場合は有料掲載がおすすめ。indeedでは「クリック課金」制度を取っており、求人に興味を持った人がクリックした際に初めて課金されるという仕組みを取っています。そのため、他求人媒体のようにただ求人を掲載するだけで何十万も取られることなく、興味を持った人にのみ広告費をかけることができる優れたシステムなのです。採用効率と広告費の削減が同時に叶えられるため、まずは無料登録をすることをおすすめします。

スタンバイ

スタンバイは日本企業である株式会社ビズリーチが運営する検索エンジンです。国内のみの運用ですが、求人掲載は約700万件以上とかなり大規模な検索エンジンです。スタンバイではスマートフォン一つあれば簡単に求人を作成し、無料で掲載することができるのが強み。人手不足や費用の面で悩む飲食業の方でも、手軽に求人掲載を行うことができることも人気の一つです。またスタンバイにはindeedにはない「職種ランキング」や「企業ランキング」が掲載されており、ユーザーが利用しやすい工夫がされています。応募者との連絡もアプリ内のチャットで可能だったり、動画面接機能により面接まで行うことができたりなど、ユーザー側にも企業側にも便利なシステムが充実。これからますます利用者が増えてくる検索エンジンで、採用などに手間を取りたくない事業者におすすめです。

求人ボックス

求人ボックスは価格.comや食べログなどで知られる株式会社カカクコムが2015年から運営する求人検索エンジンです。ユーザー数は約200万人、求人掲載数は約300万件以上とindeedには規模的には劣りますが、これからの利用者増が予想されている検索エンジンです。indeedの検索ページのデザインは簡素化されていますが、求人ボックスは日本人の好みに合わせた仕様やデザインを採用。検索についてもこだわり条件を追加するなど利便性を高める工夫に取り組んでいます。求人の掲載は無料で、またindeedと同じように求人がクリックされる度に課金される有料掲載の仕組みがあります。クリック単価も30円~50円と安価で、採用コストを抑えながらindeedとは違う求職者層を取り込める検索エンジンとして知名度も上がってきており、今後の動向が注目ですね。

careerjet

careerjet(キャリアジェット)は2003年からイギリスのロンドンにあるCareerjet Limitedが運営している求人検索エンジンです。indeedなどの検索エンジンより知名度は劣りますが、その分ライバル企業との競争を避けられるメリットがあります。careerjetには無料の求人掲載はありません。indeedなどと同様のクリック課金の有料掲載のみですが、費用は利用ユーザー数が少ないこともあり、低予算で求人を出せる可能性があるでしょう。あまり掲載に費用がかけられない企業にとっては、低予算で他の検索エンジンにはいない人材を発掘できるため、carreerjetを利用するメリットはありそうです。App StoreとGoogle Playからアプリも取得ができ、スマホでも簡単に利用できるのも利用者にとってはありがたいですね。

トライアル雇用で多様な人材を発掘しよう

求職者が企業の風土や仕事内容を事前に知ることができ、企業側も求職者の適性が事前に知れるトライアル雇用。お互いに納得した上で採用が進むために、より質の高い採用をすることができます。対象者も広がり、助成金も支給されることから、ますますトライアル雇用を導入する企業は増えていくでしょう。トライアル雇用で募集するためにはハローワークや各求人検索エンジンが有効ですが、それぞれのおすすめサイトの特徴を利用し、より良いトライアル雇用を行ってくださいね。

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