テレワーク助成金はどんな種類があるの?【申請方法も解説します】

記事更新日:2020年09月24日 初回公開日:2020年04月19日

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日本社会の労働力不足が深刻化する中で、様々な事情を抱えた人材の活躍を推進するために、働き方を柔軟に用意する必要が生まれました。柔軟な働き方の用意ができれば、社員は生活と仕事の調和を保つことができるため満足度が向上し、優秀な人材の採用や継続雇用にも効果が発揮できます。テレワークもその「働き方改革」施策のひとつ。テレワーク導入の目的は「多様な働き方」「ワークライフバランス」「経営目的」の3つ。導入すれば、仕事の生産性向上や業務効率のアップにつながり、経営的にもメリットがあります。助成金を上手に活用してテレワークを導入しましょう。

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テレワーク助成金とは

国や自治体がテレワーク導入に関わる費用の一部を助成する

テレワーク助成金とは、時間外労働等改善助成金(テレワークコース)のこと。残業規制による長時間労働の是正や、育児や介護などのライフイベントによって働く時間が制限される社員に対して、在宅勤務やサテライトオフィスなどの勤務を行うテレワークを推進するための助成金制度です。時間外労働等改善助成金はコースごとに成果目標が決まっていて、目標を達成するための取組みを実施し、成果目標を達成することで助成金が受給可能。テレワーク助成金である、時間外労働等改善助成金(テレワークコース)以外にも東京都が実施するはじめてテレワーク(テレワーク導入促進整備補助金)など様々なテレワーク導入に関わる助成金が公表されています。

支給額は支給対象の目標達成状況によって異なる

助成金受給には目標が課され、支給額は支給対象の目標達成状況によって異なります。支給対象となる取組は、次の「成果目標」達成。まず評価期間に1回以上、対象労働者全員が、在宅又はサテライトオフィスにおいて就業するテレワーク実施。次に評価期間において、対象労働者が在宅又はサテライトオフィスにおいてテレワークを実施した回数の週間平均が、1回以上。達成の場合、1企業当たりの上限額300万円、未達成は200万円。

テレワーク助成金が注目される理由

IT技術の発達によりテレワーク体制が確立しやすくなった

テレワーク導入を希望する企業や労働者は多いものの、業務の棚卸しにかかる手間や設備投資にかかる費用が必要なため、導入に踏み切れない企業が多いのが現状。IT技術が発達してきたため、導入にかかるコストも見直されてきています。テレワーク導入を推進する助成金制度を活用すれば、テレワーク導入の障害となっている、導入にかかる手間や費用などのコスト面の問題を緩和できるでしょう。IT導入補助金などは、1企業最大450万円を補助されます。

新型コロナウイルスの影響

テレワークとは、情報技術を活用して、会社以外の場所で働くことを実現する勤務形態のこと。在宅勤務だけでなく、サテライトオフィスや、出先のカフェで働くこともテレワークに含まれます。出社はもちろんのこと、物流などにも影響が出る東京オリンピック開催期間の交通混雑懸念もあり、2019年からテレワークへの注目度は上昇。それが、2020年に入り、新型コロナウイルスの影響で、予想外に実現加速を余儀なくされました。パーソル総合研究所の調査では2020年4月現在、全国で約28%の企業がテレワークを導入しており、東京都では49%もの企業が取り入れているようです。

テレワーク導入のために必要なこと

勤怠管理を検討する

テレワーク導入のために必要なことはまず勤怠管理の検討です。テレワーク社員の分単位での勤務状況確認までは必要ではありませんが、労働時間の管理、作業状況の確認など、最低限の管理は必要でしょう。タイムカード打刻のリアルタイム把握や、自動で社会保険や雇用保険などの書類作成、給与計算の自動化などの検討が必要になります。テレワークに最適化されたソフトウェアも提供されています。中には従業員のPCのスクリーンショットをランダムに記録し、勤務状況をモニタリングして管理するというようなことが必要な管理です。

ICT環境の整備

テレワーク環境を構築するためには、PCとそのリモートシステム、モバイル端末などのICT環境が必要です。PCはサーバー端末のシンクライアント型が、セキュリティ上優れています。また既存の社内サーバー上のデータを利用してリモートワーク型へ移行した後、バックアップの利くクラウド型にすれば、BCP上の安全性も向上するでしょう。また、チャットツールやTV会議システムを導入し、在籍確認やスケジュール管理などの労務管理システムも必要です。

就業規則の見直し

通常勤務とテレワーク勤務において、労働時間制度やその他の条件が同じである場合は就業規則を変えなくても、そのままでテレワーク勤務が可能です。テレワークにより、通常勤務でないことが生じる場合、既存の就業規則にその規定がなければ就業規則の変更が必要になるでしょう。必要な規定として、テレワーク勤務を命じることに関する規定。テレワーク勤務用の労働時間を設ける場合、その労働時間に関する規定が必要です。また、勤務地を規定している場合は既定の変更が必要です。通信費などの負担に関しても規定も必要になるでしょう。

資料の電子化

テレワークに際しては職場にある一つの印刷された文書のファイルを皆で共有することは不可能です。資料の電子化が必須です。電子化されたデータを共有する方法で、外せないシステム・ツールの一つとして、クラウドサービスなどがあります。ただし社外PCから簡単に社外秘のデータにもアクセスが可能に。そのため、情報漏えい、ハッキングのリスクもあるので、セキュリティブロック、アクセス制限などの設定が行えるものを選びましょう。

テレワーク導入による助成金の使い道は何がある?

外部専門家によるコンサルティング費用として

テレワーク導入による助成金には目的に応じ各種施行されていますが、有効活用には、受給条件や目的などの横断的な理解が必要です。企業単独での申請が困難な場合には、外部専門家によるコンサルティングを利用すると良いでしょう。無償のサービスとして、テレワーク相談センターによる「労務管理の訪問コンサルティング」はコンサルタントを3回まで無償派遣。総務省の「テレワークマネージャー派遣事業」も専門家の派遣を3回まで無償で利用できます。

労働者に対する研修費用として

テレワーク最大の課題は「紙の書類」と「コミュニケーション」といわれます。新しい職場規定、ワークルールの理解、データ共有化、時間管理などそれまでにないスキルが必要、それに伴う教育も必要です。人材開発支援助成金はその困難解消の一策。自社で「訓練計画書」を作成し、計画通りに訓練を実施した場合に、助成金の申請が可能。また「生産性要件」を満たした場合、通常よりも多くの助成金が支給される仕組みとなっています。

就業規則の作成・変更の費用として

在宅勤務のためのルールは、就業規則の法的な作成義務の有無に関わらず作成するべきです。在宅勤務者は自宅勤務になるので、仕事とプライベートの区別がつきにくくなります。労働時間の取り決めは慎重におこない、在宅勤務者の始業時間や終業時間をどうやって記録するか、また勤務時間中の在籍確認をどうするかなどの規定が大切でしょう。その他にも人事評価やセキュリティ問題などの規定も重要。参考に、厚生労働省の「テレワークモデル就業規則 作成の手引き(冊子)」があります。

人材確保に対する取り組み

従業員の中には育児期にある者、介護が必要な家族がいる者、通勤が困難な高齢者など、さまざまな課題を抱えている者もいます。働く場所や時間に制約がある方でも自宅や自宅近くの施設などで仕事を行うことができれば、通勤の負担軽減や、通勤時間の削減などにより働きやすくなります。従業員が個人的に抱える問題を解消できる働き方改革・業務改善がベスト。求人募集とは別の観点で、人材確保に対する取り組みのひとつとなり、優秀な人材の離職を防ぐことができます。

ICTの導入費用として

テレワークでは、社員がどのような案件を担当し作業をしているか、ひと目で分かるようなプロジェクト管理システム・ツールが必要不可欠。その課題の解決のために検討すべきが、ICT(情報通信技術)の導入です。プロジェクト管理ツールの中でも、タスク管理に特化したもの、工数管理に特化したものなど様々種類があるので、用途に応じて比較・検討すると良いでしょう。合わせて、テレワークを機に業務効率化・売上アップといった経営力の向上・強化を図ることも可能になります。

テレワークを支援する具体的な補助金制度

IT導入補助金特別枠(経済産業省)

IT導入補助金はテレワーク導入や業務改善の費用に対しての補助金です。補助率が2/3に拡充されました。最大450万円を補助。PC・タブレット等のハードウェアにかかるレンタル費用も補助対象です。審査や一定の条件がありますが、公募前に購入したITツール等についても補助金の対象になります。新型コロナウィルスの影響によってテレワーク環境の整備や、非対面型ビジネスモデルの転換などに取り組む事業者のIT導入を優先的に支援するために創設されました。

ふるさとテレワーク(総務省)

「ふるさとテレワーク」とは地方のサテライトオフィス等において、テレワークにより都市部の仕事を行う働き方に対する総務省の支援の取り組みです。またふるさとテレワークの推進により、都市部から地方への人や仕事の流れを創出し、地方創生の実現も目指します。地方における時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方を促進し、働き方改革の実現も目的。総務省では、平成28年度から、地方自治体や民間企業等に対し、地方のテレワーク環境を整備するための費用の一部を補助する事業を行っています。

時間外労働等改善助成金(厚生労働省)

時間外労働等改善助成金には5つのコースが設定されており、自社に合ったものを取り組むことができます。各種助成金は中小企業を対象に、その実施に応じた費用の一部が助成されるもの。まず「テレワークコース」があり、この助成金は、在宅またはサテライトオフィスにおいて就業するテレワークに取り組むことが対象。その他、時間外労働上限設定コース、勤務間インターバル導入コース、労働時間削減支援の職場意識改善コース、労働条件改善支援の団体推進コースなどがあります。

テレワーク活用・働く女性応援助成金(東京しごと財団)

テレワーク活用・働く女性応援助成金は都内に勤務・常時雇用する従業者数が2名以上999名以下で、都内に本社または事業所を置く中堅・中小企業が対象。他にも平成30年度働き方改革助成金、ワークスタイル変革コンサルティングなど。加えてITツールを導入する経費の一部を補助するIT導入補助金なども。目的に応じた有効利用を目指しましょう。

はじめてテレワーク(東京しごと財団)

はじめてのテレワークは東京都がテレワーク導入に向けたコンサルティングを受けた都内の中堅・中小企業等に対してテレワークをトライアルするための環境構築経費、および制度整備費を補助します。受給の条件は、東京都が実施するテレワーク導入に向けたコンサルティングを受けていること。都内に勤務している常時雇用する労働者を2人以上999人以下、かつ6か月以上継続して雇用していること。就業規則にテレワークに関する規定がないこと。東京都が実施する「2020TDM推進プロジェクト」に参加していること。とあります。補助金額は従業員数300人~999人の企業は110万円、従業員数100人~299人の企業は70万円、従業員数100人未満の企業40万円となっています。いずれも制度整備費10万円を含んでいます。

助成金を上手に活用しテレワークを導入してみてはいかがでしょうか?

以上のように、テレワークは、国や政府が推進する働き方改革の一つとして、様々な制度や運動で推進されています。導入には、関係する業務改善目的の各種助成金や、IT導入の助成金も。加えて労働時間削減に成功すれば、助成金の支給を受けられるだけでなく、生産性が向上、職場環境も改善。また専門家によるコンサルティングも用意があり、より確実に成果目標を達成できるように、専門家の指示を仰げます。助成金を上手に活用し、テレワークを導入してみてはいかがでしょうか。

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