記事更新日:2022年11月17日 | 初回公開日:2022年11月17日
人事・労務お役立ち情報 採用・求人のトレンド 用語集相対評価とは、相対的な位置によって評価を下すことを指します。組織の中において、その人材がどのあたりに位置しているのかということを基準に評価が下されます。企業においては業務実績などを評価基準として、上位から順に評価を振り分けていく形になります。学校教育などにおいても相対評価が採用されている場合が多いため、多くの人がイメージしやすいのではないでしょうか。多くの日本企業において、この相対評価という方式が従来から採用されてきました。
絶対評価とは、事前に定められた評価基準を満たしているかということを基準に下される評価です。ある一定の基準をあらかじめ定めておくことで、他の社員の成績とは関係なく個人に対して評価がなされます。相対評価とは異なり、周りの社員の成績が直接的な評価に関連しにくいというのが特徴と言えるでしょう。絶対評価においてはあらかじめ定める評価基準が非常に重要となりますので、職種や役職に応じて適切な評価基準を定めることが求められます。
企業の人事において求められるのは、常に社員から納得を得られる人事評価を行うことです。評価について社員の納得度が低いと仕事に対するモチベーションが著しく下がってしまい、最悪の場合には退職につながってしまいます。社員が納得のいく評価を下すために、評価内容に対するアンケートなどを実施するというのもひとつの方法です。適切な評価を実施して社員の満足度を維持するために、納得の得られるような評価方式を導入しましょう。
柔軟な評価制度であるということも、社員の評価を行う人事には求められます。相対評価や絶対評価をはじめとして、細かく分類すると評価制度には非常に多くの種類があります。どれが最も優れているということではなく、それぞれの組織にフィットさせていくことが重要となります。同じ企業において、職種によって採用すべき評価制度が異なる場合もあるでしょう。したがって相対評価と絶対評価、さらに他の評価方法についても正しく理解した上でそれらをうまく活用していく必要があります。
相対評価のメリットとして、評価者が評価を付けやすいという点が挙げられます。相対評価においては組織の中におけるそれぞれの社員を比較して順位をつけることになるため、成果を詳しく検証する時間を抑えられるでしょう。絶対評価と比べるとそこまで明確な評価基準を設ける必要がないということも、評価者にとってはメリットと言えます。部下ひとりひとりの成果について上司が評価をつける場合は大きな負担となってしまうため、そうした負荷を減らすことにもつながります。
評価者によるばらつきを抑えられるということも、相対評価を実施するメリットと言えるでしょう。成果が数字に現れにくく、明確な評価基準を設けるのが難しい職種などにおいては、評価者によってばらつきが生じてしまう可能性があります。同じ社員に対しても、評価者によってその内容が大きく異なる場合もあるでしょう。相対評価では評価者の判断基準が評価を左右しづらいため、そのようなばらつきを最低限に抑えることができます。
相対評価を採用することによって、企業内で社員同士の競争を活発化できます。相対評価においては組織内において社員の順位づけが行われるため、自然と競争意識が芽生えるでしょう。スキルやモチベーションの向上につながり、生産性を向上させていくことが期待できます。一方で競争意識が強くなるあまり、社員同士のコミュニケーションが疎遠になってしまうことなどには注意しなければなりません。相対評価によって、社員が互いに切磋琢磨できるような環境を作り上げるのが理想と言えるでしょう。
相対評価のデメリットとして、個人の成長が評価されづらいということが考えられます。相対評価においては組織の中での順位をもとに評価を行うため、個人がどれほどスキルアップしたかなどについては評価されづらいのが現状です。どれほど努力して成長しても、周囲の人間が大きな成果を上げることによって相対的な評価が上がりづらいというケースも考えられるでしょう。相対評価を実施する際には、なるべく社員個人の成長も評価指標とできるように工夫する必要があります。
所属先によって評価が異なる場合があるということも、相対評価におけるデメリットと言えるでしょう。先述の通り、相対評価においては組織における順位が評価に大きく影響します。所属している部署やグループ全体のレベルが高い場合などには、思うような評価を得られないケースもあるでしょう。同程度の能力を持っているのにも関わらず所属先によって評価の差があまりにも大きいと、社員のモチベーションが低下する恐れがあります。
個人の成長を可視化することができるという点は、絶対評価を採用するメリットです。絶対評価においては個人のスキルなどに基づいた評価を行うため、社員の成長がそのまま評価に反映されやすくなっています。資格の取得や営業成績など、目に見える形で成果を出した社員は高い評価を得られやすいでしょう。企業側も個人がそれぞれどのようなスキルや経歴を身につけているかということを正しく把握することができ、今後の人材配置などにも役立てることができます。
絶対評価においては、社員に対して評価理由を明確に伝えられるというメリットもあります。目標への達成度など明確な評価基準が設定されている絶対評価においては、評価を下した理由も伝えやすいでしょう。社員としては、受けた評価に明確な理由が無いと納得がいかない場合もあります。社員に対して評価理由を詳しく提示して受け入れてもらうことで、引き続きモチベーションを維持しながら業務に取り組んでもらうことができるでしょう。
評価者の主観が入る可能性があるということは、絶対評価におけるデメリットです。相対評価よりも評価基準が複雑になる場合が多く、評価者の主観によってばらつきが生じてしまう恐れがあります。先述の通り、評価者ごとにばらつきが生じると社員が納得できず、モチベーション低下の原因にもなってしまいます。評価者の主観が評価を左右してしまわないように、評価指標については評価者たちの間でしっかりとすり合わせておく必要があるでしょう。
評価基準を明確に定めづらいということも、絶対評価を行う上でのデメリットと言えるでしょう。絶対評価においては一定の基準を設けて、達成度などに応じて評価を行うことになります。目標とする達成度の基準があまりにも低い場合や高い場合には、社員間における評価の差が生まれにくくなってしまうでしょう。社員の能力やこれまでのデータなどを参考にして、適切な評価基準を設ける必要があります。それだけ工数が発生しますが、優先度の高い業務となるでしょう。
絶対評価を実施することによって、組織全体のバランスが偏りやすいということも考えられます。設定していた目標に対して社員全員が達成した場合には、全員に最高評価が下されるケースもあり得るということになります。極端な例ではありますが、このような場合には評価制度として機能しているとは言えません。評価のバランスに偏りが生じてしまうと給与の決定などにも影響を及ぼすため、バランス良く評価に差が出るように基準を設定しましょう。
かつては相対評価が主流でしたが、近年では絶対評価を取り入れるのが主流になってきています。グローバル化の影響で多種多様な人材がひとつの組織に在籍しており、働き方もこれまでと比べて多様化しています。そうした中で社員それぞれに対して適切な評価を行うためには、相対評価よりも絶対評価が適していると考えられるようになってきました。しかし先述の通り、それぞれの評価方法においてメリットデメリットがあるのも事実です。どちらかの評価方式にこだわりすぎない、柔軟な評価を行うことが重要となるでしょう。
社員のモチベーションやスキルアップを促したい場合には、絶対評価を取り入れるべきでしょう。絶対評価においては周囲の成果に関わらず、個人のスキルや成績などが評価の軸となります。社員は積極的に新しい資格やスキルを習得しようと試み、より高い向上心を持って仕事に取り組むようになるでしょう。絶対評価の導入だけに限らず、評価方法を少し工夫するだけで社員のモチベーションは大きく変化し、生産性の向上も期待できます。
組織のポジションを決める場合などには、相対評価を取り入れるのが効果的でしょう。相対評価においては社員同士の順位づけがある程度なされるので、管理職などに昇格すべき人材を明確にすることができます。その部下となる社員にとっても、相対的な評価の結果であるため納得がしやすいでしょう。人材配置によって社員の企業に対する満足度は大きく変化するため、相対評価を活用することによって適切なポジション決めを行いましょう。
相対評価と絶対評価の特徴や、注意点などについてお分かりいただけたでしょうか。適切な評価がなされているかという点は、社員の企業に対する満足度を大きく左右します。絶対評価が主流とのことでしたが、必ずしも相対評価より優れているということではありません。相対評価と絶対評価を目的ごとに分けて活用することによって、さらに組織として成長していけるでしょう。社員や組織全体の特徴を正しく理解した上で、自社に合った評価方法を取り入れましょう。
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