日本人が海外で働くにはどうすればいい?【職種・資格など何が必要か解説します】

記事更新日:2021年02月17日 初回公開日:2021年02月05日

外国人採用・雇用 グローバル経済 採用・求人のトレンド
現在海外で働く日本人が増加しているのをご存知でしょうか。海外で働くとなると英語が話せないといけないのではと不安に思う人もいるかもしれません。しかし、英語を話せない状態から海外で働き始めた人も実際はかなり多く、海外でも働きやすい環境になりつつあります。働き方が多様化している今、海外で働くことも視野に入れてみませんか。今回は海外で働いてみたいと考えている方向けに、海外で働く方法や海外で働く場合におすすめしたい職種についてお話しします。

この記事の専門家・監修

株式会社アスカ 取締役 浅見慶敬

全国17店舗を持つ人材紹介会社、アスカグループの取締役。グローバル人材の職業紹介と「グローバル採用ナビ」の責任者を歴任。人材紹介業界一筋19年。これまでに外国人採用で関わった企業は約1万社、企業と外国人の採用マッチングは累計1000件以上。

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海外で働く人が増加している背景

日本企業の海外進出が加速したから

海外で働く日本人が増加した背景に日本企業の海外進出の加速があげられます。平成30年に行われた調査では、海外に進出している日本企業は77651企業もあることが明らかになりました。その中でも近年アジアへ進出している日本企業が増加しています。このことからも多くの日本企業が海外へ進出し、同時に多くの日本人が海外で活躍していると言えるでしょう。たくさんの人が海外で住むようになった今、海外にいる日本人へサービスを提供できる日本人の働き手の需要が高まっています。

日本で生活し続けることに対する不安があるから

日本で暮らし続けることに不安を感じて海外で働く人も増えています。今後不安視される日本の問題と言えば、年金問題や少子高齢化、貧困問題などでしょう。十分な貯金がないと老後が不安と感じている人も多いことから、物価が安く生活費をかなり抑えられる地域で生活している人もいます。また、日本は災害大国。地震や津波、大雨、台風などの影響により多くの人が犠牲になっています。安全な場所に住みたいと考えている人にとっても海外が一つの選択肢となっているのかもしれません。

海外で働くためには

海外に留学後就職する

海外で働きたいと考えている人は、海外へ留学した後就職するのもおすすめでしょう。留学中、日本に帰らずこのまま海外で就職したいと思っていた人も実際多いです。そのため留学中にインターンをして海外で働くスキルを身に付け、海外での就職に繋げた人もいます。留学やインターンをしたことによって身に付けた海外の文化の知識や語学力は大きな強みとなるでしょう。海外でのインターンは海外で働くスキルを身に付けるために行うもの。無給になることもあるので、その点には注意しておきましょう。

転職エージェントを使用して就職・転職する

海外で働きたいと考えている人は、転職エージェントを利用して就職する方法もおすすめです。海外向けの転職エージェントは主要エージェントだけでも50社以上もあります。海外の環境や海外にある会社の特徴など分からないこともたくさんあるかもしれません。転職エージェントが仲立ちしてくれることによって、いろんな海外企業や国の環境を知ることができるでしょう。海外で働くのが不安な人や、どの会社で働くべきか分からないという漠然とした不安を感じている人には特におすすめできる方法です。

ワーキングホリデーを活用する

海外で働く方法の一つに、ワーキングホリデーを活用する方法があります。ワーキングホリデーとは18歳から30歳の人を対象とし、日本が協定を結んでいる国や地域に長期滞在することができる制度。ワーキングホリデーを利用すると海外でアルバイトをしながら留学ができるので、資金が少なく留学を諦めていた人にはおすすめできる方法です。カフェや日本食レストラン、農家、ツアーガイドなど様々な職種を海外で経験することができます。

フリーランスとして働く

海外で働く方法の一つに、フリーランスとして働く方法もあります。フリーランスは会社に属さず、個人で仕事を請け負って働くこと。日本では現在1000万人以上の人がフリーランスという働き方で仕事をしており、フリーランサーは近年増加しています。フリーランスの特徴は住む場所や働く時間を自分で決めることができる点。働く際の自由度が高いことから多くのフリーランサーが海外に住みながら働いています。特に物価の低い国で住むと生活費を安く抑えられるので効率良く貯蓄することもできるでしょう。

海外で働きやすい職種

日本語教師・日本人学校教師

海外で働きやすい職種に、日本語教師や日本人学校教師があります。2018年時点で、日本語教育が実施されている国は142か国と過去最多。海外で日本語を学習している人は384万人と、たくさんの人が日本語を学んでいます。特に日本語を学べる機関が多いのは韓国やインドネシア、中国などのアジア圏。日本語を海外で教えたいという人は特にアジア圏が狙い目かもしれません。またアルバイトや個人レッスンで日本語教師として働く場合は資格がなくても働くことができます。

ITエンジニア

海外ではITエンジニアが不足していることもあり、ITエンジニアも海外で働きやすいと言えるでしょう。ITエンジニアにとって最も重要となるのは技術力。そのため英語を話せない日本人も多く海外で活躍しています。また海外で働くITエンジニアの待遇や給料は日本よりもいいと言う人も多いようです。現地採用された人や海外支社に転勤になった人、フリーランスとして働いている人などいろんな働き方ができるのもITエンジニアの魅力の一つかもしれません。

看護師

海外で看護師として働く方法もおすすめでしょう。看護は万国共通ですが、実際に海外で看護師として働くとなるとその国に応じた免許が必要となります。難易度が高く感じる人もいるかもしれませんが、国際ボランティアに関しては英語の資格を持っていない人でも働ける場合があります。英語が話せないと苦手意識を持っている人も比較的応募しやすいでしょう。海外で看護師として働くことで自分のスキルアップを目指すことができるかもしれません。

客室乗務員

客室乗務員として海外で働く方法もあります。海外で日本人の客室乗務員を採用している企業は100社程。特に日本人の乗客へのサービスを任せたいという考えで日本人の客室乗務員を採用しています。日本人旅行客の中には英語を話せないことから海外への渡航を不安視している人も多いでしょう。また日本人出国者の数は近年増加しています。このことからも多くの日本人に高度なサービスを提供できる、日本人の客室乗務員のニーズが高まっています。

保育士

海外で働く方法として保育士もおすすめでしょう。国によって給料や採用の際に重視される点、保育士の求人数は大きく異なります。しかし海外へ進出する日本企業の増加と海外で働く日本人の増加により、日本人保育士のニーズは高まっています。英語力は日常会話程度できればいいところも多いので、英語を話すことに不安を感じている人でも比較的働きやすいでしょう。保育士資格は基本的に現地の資格を取得し直す必要があります。その点には注意しておきましょう。

ツアーガイド

海外で働く方法としてツアーガイドもおすすめでしょう。海外ツアーガイドは旅行するお客様のサポートをする仕事。具体的には、ホテルへのチェックインや空港での出迎え、観光地の案内など多岐にわたります。場合によっては通訳のような仕事をすることもあるようです。海外の情報や語学力も必要となってくるので、専門性が高い仕事とも言えるでしょう。海外に住んでいた経験がある人には特におすすめできる仕事かもしれません。実際にワーキングホリデーを利用した後、海外でツアーガイドとして働いている人も多いです。

ホテル

海外のホテルで働く方法もおすすめです。海外のホテルでの仕事としては、料理人やフロントでの受付スタッフ、日本人のお客様や日本の旅行会社からの宿泊予約を取る営業部門などがあります。求められる語学力に関してはホテルによっても様々。特に日系ホテルや海外出張者向けのホテルの場合、日本人が多く宿泊するため語学力はそれほど求められません。しかし、フロントでの受付スタッフや料理人は実務経験が求められることもあるようです。これまでホテルで働いた経験のある人にとってはおすすめできる働き方と言えるでしょう。

飲食店接客

海外で働く方法として飲食店での接客の仕事もおすすめです。飲食店の求人数は非常に多く、ワーキングホリデーを利用しながら飲食店で接客の仕事をしている人もたくさんいます。基本的には日本の飲食店で働く場合と仕事内容は同じ。フロアでの接客はもちろん、簡単な料理やドリンク作り、店内の掃除などの仕事をする場合が多いです。また海外と日本との違いとしてチップ制度があげられます。自分が努力した分チップがもらえるので、働きながらモチベーションが上げることもできるでしょう。

留学エージェント

海外で働く手段として、留学エージェントで働く方法もあります。留学エージェエントとは留学をしたいと考えている人の相談にのる仕事。具体的には留学希望者に留学先をおすすめしたり、留学先が決まった際の手続きなどを行います。これまで海外に留学したことがある人や、ワーキングホリデーを利用して海外に長期滞在した経験がある人におすすめの仕事です。海外で過ごした経験を活かし、親身になって留学希望者の相談にのることができるかもしれません。

不動産業

海外で働く方法として不動産業への就職もあるでしょう。海外で働く日本人が増えていることもあり、日本から移住してきた人へ住む場所を提供する不動産業のニーズも高まっています。家を借りたり購入する場合、多くの日本人は日本語が通じる仲介業者を利用します。海外不動産仲介業者は不動産会社と移住希望者の間に立ち、物件の紹介や契約、トラブルの対処などを行う仕事。物件探しに失敗しないためにも、英語が話せない移住希望者からは重宝される仕事と言えるでしょう。

事務職

海外で働く方法として事務職を選ぶ人もいます。海外でも総務や経理、コールセンターや医療事務など様々な事務職が存在します。日本で事務職として働いたことがある人にはこれまでの経験も生かせる環境とも言えるでしょう。国や会社によって必要な語学力は様々。英語を話せないと苦手意識を持っている人でも、日本語のみ話せればいい企業は存在するので安心してください。事務職は女性でも働きやすい職種なので、女性や語学力に不安がある人に特におすすめの仕事でしょう。

海外で働くための準備は

海外で働く目的を確認しておく

海外で働く前に、海外で働く目的を明確にしておきましょう。海外で生活してみたいという人もいれば、海外でしかできない仕事に就きたいと思っている人もいるかもしれません。また家族の転勤などによって海外での生活を送ることになった人もいるでしょう。日本を離れて慣れない土地に住んで働くとなると、どうしても不安やストレスが重なってきます。海外へ旅経つ前に海外で働く目的やビジョンを明確にしておくと、海外での生活も楽しく乗り切ることができるでしょう。

必要なビザを確認しておく

海外で働く準備として、ビザが必要かどうかを必ず確認しておきましょう。ビザは多国籍の入国希望者を入国させても問題ないことを証明する証書。ビザを取得していなくても渡航できる国はありますが、ビザを必要とする国も多いです。ビザを取得する場合はパスポートも必要となるので、パスポートの有効期限が迫っている人はパスポートの更新も忘れないようにしましょう。またビザの取得には2週間から1か月ほどかかります。早め早めに手続きを始めるように注意しましょう。

現地の情報を収集しておく

海外で働く前に現地の情報をたくさん収集しておくようにしましょう。国によって働き方や給料体制、福利厚生は様々。また海外で一緒に働く人も国によってキャラクターが変わってくるかもしれません。海外で働く目的を明確にさせた後は、海外で働く際に譲れないポイントをリストアップしておきましょう。実際に海外で働いている人の経験談をネットで調べると、より現実味のある情報が出てくるかもしれません。妥協できない点と妥協できる点を明確にしておくことが大切です。

海外で働くスキルがあるか確認する

語学、資格、経験等

海外で働くための準備として自分のスキルを確認しておきましょう。特に海外の就職先を見つけるうえで大切になってくるのが、語学力や資格の有無、経験職種や海外渡航の経験があるかどうかです。英語を話せない人ができる仕事と日常会話レベル英語が話せる人とでは働ける場所が違ってきます。また海外への滞在経験がある人は過去の経験を活かした仕事に就くことも可能です。自分の強みを自己分析しておくと、就職活動の際に役に立つかもしれません。

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海外で働くことのメリット

外国語学習に役立つ

海外で働く最大のメリットは、外国語を学べるという点でしょう。国内でも外国語学習はできますが、常に外国語を話す環境で住むのと比べると経験値は格段に違ってきます。海外で働くことによって、自分の語学力は海外でも通用するのだと感じることができれば自分に自信もついてくるでしょう。現在もグローバル化は進んでいます。外国語を話すことができるスキルや外国で働いた経験は、今後日本で生きていくとしても大きな武器となるでしょう。

異文化を体験できる

海外で働くと異文化を体験できることもメリットの一つでしょう。国によっても常識は変わってきます。日本では当たり前だったことが、海外では違うというケースも多いでしょう。特に海外で働くと自由度が増えたと感じている人が多いです。他国で働くことで自分に合った働き方を知ることができるかもしれません。また休日も日本とは違う環境を楽しむことができるでしょう。おしゃれな街並みや絶景を見て、海外での休日を謳歌するのもいいかもしれません。

海外で働く時に注意すること

現地の環境に適用する必要がある

海外で働く際は、海外での生活に適応していく必要があります。海外で働くとなると、英語が通じるか不安に感じている人も多いかもしれません。しかし語学力よりも大切になってくるのが、環境に適応する力。柔軟性のある人は特に海外で働くのが向いていると言えるでしょう。海外の住居や食事、習慣は日本と全く異なります。海外での生活が自分に合うかどうかできる限り情報収集しておくことで、ミスマッチを防ぐことができるでしょう。

雇用の不安定がある

海外で働く際は、雇用の不安定さには注意しておきましょう。特に海外は日本と違い、実力主義社会。日本企業の場合、長期間雇ってもらうこと前提で働くことができますが、海外では自分の実力不足の場合解雇されてしまう可能性もあります。海外で働く場合でも、日系の企業に就職するのと現地の企業に就職するのとでは全く待遇が変わってくるので注意しておきましょう。また、働く先の国の経済状態や政治によっても雇用の不安定性は変わってくるかもしれません。

海外で働く際のおすすめ求人エージェント

JACリクルートメント

海外で働きたいと考えている人におすすめなのがJACリクルートメント。JACリクルートメントは年間6万7000人の人が登録している、海外就職に特化した求人エージェント。JACリクルートメントを利用して海外企業に内定した人の多くは30歳以上の求職希望者となっています。日本で仕事をしていて海外へ転職したいと思っている人に特におすすめの求人エージェントでしょう。またJACリクルートメントは他のWEBサイトに載っていない非公開求人も多いため、たくさんの求人の中から自分に合う職種を探すことができるかもしれません。

リクルートエージェント

海外で働きたいと考えている人におすすめの求人エージェントとして、リクルートエージェントもあります。登録者数は2018年時点で約88万人とたくさんの求職希望者に利用されている求人エージェントと言えるでしょう。リクルートエージェントの特徴は充実したサポート体制。履歴書を英語で書くためのサポートから英語での面接シミュレーションまでしてくれるので、利用者からの満足度はとても高くなっています。英語を話すことに苦手意識を持っている人や海外で働くのが初めてという人には特におすすめです。

ビズリーチ

海外で働きたいと考えている人におすすめの求人エージェントとして、ビズリーチもあります。ビズリーチの登録者数は2017年に100万人を突破。海外で働きたいと考えている人にも使いやすい求人エージェントです。ビズリーチの海外求人は現地採用と駐在員採用の二つの形態に分けて求人情報を掲載しています。駐在員として期間を決めて滞在したいと考えている人は駐在員採用を、長期間海外で働きたいと考えている人は現地採用を選ぶといいでしょう。

海外就職を失敗しないためには入念な準備が大切

海外での就職に失敗しないために大切なのは入念な準備や情報収集。パスポートやビザの取得に時間がかかることを踏まえたうえで、計画を立てて就職活動をする必要があるでしょう。また働きたいと考えている職種や地域によっても給料や雇用形態は変わってきます。ネットで調べると海外で働いたことがある人の経験談や失敗談などもたくさん掲載されています。いろんな情報を入手して自身の就職活動に生かし、充実した海外生活を送れるようにしたいですね。


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