人手不足はなぜ起きるの?【対策を紹介】

記事更新日:2019年09月18日 初回公開日:2019年09月05日

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日本は有効求人倍率が1倍を超えて久しく、人手不足の状態が続いていると言われています。人手が足りず、仕事はあるのに受けられない状態で、業務の拡大や継続が困難になり、サービスの質が低下してしまいます。そればかりか、深刻な場合は人手不足倒産という事態にもなりかねません。このままでは日本の経済成長にも悪影響を及ぼすでしょう。それは一体なぜでしょうか。日本の人手不足の原因には、少子高齢化など日本の社会情勢の変化があります。どのように対処していくべきかを、解説いたします。

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人手不足とは

有効求人倍率が1を超えた状態

有効求人倍率とは、有効求職者に対する有効求人数の割合のことで、厚生労働省がハローワークの状況をまとめて、毎月算出しているものです。有効求人数を有効求職者数で割って、答えが「1倍以上」になると、求人の数が求職者の数を上回った状態ということ。従って、1倍を過ぎると人手不足の状態にあるこということになります。有効求人倍率は2014年ごろから1倍を超え、2019年4月には1.63倍と年々増加。人手不足が常態化している深刻な状況となっているのです。

企業で必要な人材が確保できていない状況

企業が成長するために優秀な人材の確保が不可欠なのは、もはや常識でしょう。人手不足の状態が続くと、企業は事業の拡大や新規事業の立ち上げができなくなり、現状維持または事業の縮小を余儀なくされてしまいます。人手不足が常態化すれば、成長していくことができないばかりか、事業の継続ができません。このように、企業で必要な人材が確保できていない状態を人手不足と呼び、大きな問題と言われています。沢山の企業で人手不足の状態が続くと、国の経済が停滞する原因にもなってしまうのです。

人手不足が起きる理由

少子高齢化による労働力人口の減少

総人口が減り続けている日本は、深刻な少子高齢化社会に突入しており、労働力人口が減少しています。労働力人口とは、15歳以上の労働する意思を持っている者の数のこと。就学している学生は含まれません。1950年代には15歳の4割が就職していました。ところが現在では高校進学率が限りなく100%に近づいており、15歳から18歳までの労働力人口はとても少ないのが現状です。このように、日本の労働力人口が減少していることが人手不足の原因のひとつなのです。

業種の多様化による求人数の増大

社会が多様化し、国の制度が変わったことなどで、以前は存在しなかった職種の求人が出ているのをご存知でしょうか。実は、求人の種類と数が年々増えているという状態なのです。例えば、厚生労働省の調査によると、介護保険制度が平成12年に施工されてから、介護職員数が15年間で3.3倍必要になっており、現在も増えつづけている状態です。平成28年度の介護職に限った有効求人倍率は3.02倍。介護職は慢性的な人手不足に悩んでいるのです。他にも、放課後児童健全育成事業が制度化されたことにより、「放課後児童支援員」という資格が新設され、新たな求人が出ているなど、枚挙にいとまがない状態となっています。

人手不足がもたらすもの

人手不足倒産

深刻な人手不足が進むと、企業は本来の業務が滞ってしまうものです。あまりにひどい場合は「人手不足倒産」が発生してしまいます。人手不足倒産とは帝国データバンクが名付けたもので、従業員不足によって収益が悪化し倒産すること。マンパワーが不足しているため、仕事は沢山あるのに、受ける事ができない状態が続いてしまいます。日本商工リサーチによると、人手不足倒産は年々増加しており、2018年度は387件という結果でした。原因として、人材の確保ができなかったことや、中堅社員の転職などが挙げられます。

サービスの低下

人手不足になると、少ない社員が不足している人数の分も働くケースが多くなります。オーバーワークになり、自ずと業務に支障がでてきて、サービスの低下を招くでしょう。悪くすれば、サービス残業やサービス出勤せざるを得なくなるケースもあるのです。また、営業時間を短縮することで人手不足を補うケースも出てきています。営業時間が短くなると、それまで顧客が得ていたのと同じサービスが受けられません。その結果、足を運ばなくなり売り上げが落ちるという悪循環に陥ってしまうのです。

求職者にはメリットになることも

人手不足とは、求人の数が求職者の数を上回っている状態の事で、言いかえれば「売り手市場である」ということになります。どの企業も喉から手が出るほど人材が欲しい状態。従って人材を確保するために高待遇の条件になることもあり、求職する側にはメリットとなることもあります。しかし、人手不足の度合いは業種によって雲泥の差があるのをご存知でしょうか。就職したい業種が人手不足の分野であれば高待遇が望めます。しかし、人気の業種は条件を上げるなくても、求職者が殺到している状況なのです。

人手不足の主な種類・タイプ

高度な専門技術者数の不足

高度なスキルを持った人材が不足しています。特にAIやITの分野では人手不足が顕著。企業もIT化の流れに乗るために、専門的スキルを持ち、なおかつ技術の質が高い人材を求めています。外資系企業などは、そうした高度な専門技術者を高待遇で求人しており、優秀な人材の流出が問題になっているのは誰もが知る事でしょう。また、介護分野をはじめ、様々な分野で、長年従事して熟練技術を持った中堅社員の離職が目立っています。その結果、人手不足に陥ってしまうのです。

未充足求人数が多い

未充足求人数が多い業種は人手不足の状態です。未充足求人とは、事業所において、ポストがあるにもかかわらず人材が無く、欠員状態であるために求人を出していることです。厚生労働省によると、未充足求人数の最も多い業種は「宿泊・飲食サービス業」。次いで続くのが「卸売・小売業」「製造業」「運輸業・郵便業」「建設業」「医療・福祉」です。未充足求人が多い業種は、人手不足感を強く感じているのです。逆に未充足求人数が低く人手不足感が無い業種は「金融・保険」。その次に「複合サービス」「不動産・物品賃貸」「教育・学習支援」と続いています。

終身雇用制度の崩壊

日本的な雇用制度として経済成長を支えた終身雇用制度ですが、崩壊しつつあるといわれて久しくなりました。2019年4月には、経団連の会長が「終身雇用制度を続けるのは難しい」と発言し話題になったのも記憶に新しいところでしょう。終身雇用制度があることで、社員は定年まで働き続けることができました。長年業務を続けることで、熟練した技術や知識が企業に蓄積されていったのです。しかし終身雇用制度が崩壊すると、社員が転職を繰り返すことになるでしょう。熟練した技術を持つ中堅社員が転職してしまえば、その穴を埋めるために社員を何人も投入する必要が出てきて、人手不足の状態になってしまうのです。または、熟練した社員が辞めたことで外部の高度スキル人材に仕事を依頼しなければいけない状況になり、経費が増すことにもなるのです。

人手不足の対策

外国のグローバル人材を雇用

日本は少子高齢化社会に転じて久しく、国内の労働人口が減少し続けている状態です。従って、労働力を海外に求める企業が増えているのが現状です。インターネットの普及によって国境がなくなり、グローバル化した現代は、従来の業務に加えて、世界に向けたビジネスを行うための新しいポストが必要になりました。グローバル人材は、異文化理解や多言語対応ができます。人手不足解消の手段として、グローバルな外国人材の採用をぜひ検討しましょう。

女性の雇用を促進

性的役割分担がタイトであることで有名な日本は長い間、「男は外で仕事」「女は家で家事と子育て」という図式がまかり通っていました。しかし現在では、そうした価値観が薄れつつあるのを実感できるのではないでしょうか。1986年に施工された男女雇用機会均等法の後押しもあり、女性の社会進出が多くなってきました。しかし、女性が真に社会進出するためにはまだまだ障害が多いものです。女性が一生働くことができるような体制づくりをして、女性の雇用を促進すれば、人手不足の解消につながるでしょう。

定年制を廃止し高齢者を雇用

日本は世界的にも長寿国のひとつに数えられ、健康寿命も年々高くなってきています。内閣府男女共同参画局の調査によれば、平成25年度の平均寿命は男性80.21歳、女性86.83歳でした。その中で健康寿命は女性が74.21歳、男性が71.19歳。70歳を過ぎるまで、日本人は健康に過ごしていることがわかります。ところが現在は多くの企業の定年は60歳。法制度によって希望する者は65歳まで延長されることになっているものの、技術や知識の蓄積がある元気な60代が仕事をしていないケースが多いでしょう。人材不足解消のために、定年制を廃止し高齢者を雇用するのは有効な手段といえます。

人材の紹介を受ける

人手不足解消のため企業が必要な人材を確保したいときに、人材の紹介を受けるのはとても効果的です。企業の関連団体に直接人材を紹介してもらえる場合もありますが、そのようなリソースを持っていない場合は、人材紹介会社を利用しましょう。「人材紹介・人材派遣事業のアスカグループ」は、厚生労働大臣の許可を得ており、的確な人事の紹介が可能です。日本の人材はもちろん、グローバルな外国人材の紹介も得意としています。特にグローバル人材を初めて雇用する時は、準備の仕方などがわかりません。その様な時、アスカグループは親身に相談に乗り、きめ細やかなフォローをいたします。

通年採用や青田買いで人材を確保

日本では4月に新卒者を一括採用するという方式が慣例化していました。しかしその方法では、優秀な人材の確保が難しくなってしまうことから、通年採用に切り替える企業が多いのが現状です。通年採用することで、入社が4月にこだわることが無くなり、留学生や海外の学生などの秋採用がしやすくなるでしょう。秋採用とは、海外の多くの大学が採用している、秋入学の教育システムに対応したもの。また、早くから有望な学生にコンタクトし、青田買いを行うこともできるようになります。青田買いとはもともと先物取引の用語ですが、現在では将来有望な人材を早期に確保することを指しています。通年採用には採用コストがかかってしまいますが、優秀な人材を集める事ができるので、人手不足解消の良い手段になるでしょう。

企業セミナーや説明会を積極的に開催

企業はイメージがとても大事です。学生や求職者を対象に、企業セミナーや会社説明会を実施するのは、人手不足解消のための第一歩です。求職者や学生に会社の理念や展望を知ってもらうことは、イメージアップにもつながるでしょう。昨今は有効求人倍率が1倍を超えて売り手市場となっているので、まずは求職者にアピールして、企業のことを知ってもらうことが重要なのです。SNSを駆使して世界中に求人情報を流すことや、多言語対応のホームページを作ることも行うべきでしょう。

機械化などの省力化投資

どうしても人手不足が解消できない場合、機械化などの省力化投資をすることも有効でしょう。莫大な初期投資が必要になりますが、労働生産性が向上するなど高い効果が期待できます。省力化投資をしたことで省エネとなり、光熱費が大幅に削減されたという例もあります。オートメーション化やIT化、ロボット化などを採用している企業が増えているのは誰もが知るところでしょう。業務プロセスを見直して費用対効果を計算し、良ければ省力化投資を積極的に行うこと。どうしても人の関与が必要な場所とロボット化ができる場所とのバランスも良く考えましょう。

人手不足解消の為には思い切った対策が必要

日本の人手不足には、少子高齢化という社会的な問題が要因になっていることがわかりました。人手不足が続くと事業が続けられなくなり、最悪の場合人手不足倒産になります。また、人手不足感は業種によって違います。良い人材を確保できない状態が続く場合には、省力化投資をするのもひとつの方法なので検討しましょう。慢性化している人手不足を解消するために、思い切って人材紹介会社を利用したり、優秀なグローバル人材や女性、高齢者の雇用を促進したりするのはとても有効です。通年採用の実施や企業セミナーの開催も企画し、人手不足解消に努めましょう。

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