記事更新日:2022年10月03日 | 初回公開日:2022年09月20日
用語集 人事・労務お役立ち情報ラテラルシンキングとは既成概念や思考の制約となる前提にとらわれることなく物事を多面的に考察し、発想を広げる思考法のことです。ラテラルシンキングを和訳すると水平思考という意味になります。1967年に心理学者のエドワード・デボノが論理的な思考方法を垂直思考と呼び、それとは対照的に論理に頼らない直感的かつ斬新な発想方法としてラテラルシンキングを提唱しました。そのため、斬新でユニークなアイデアや発想を行うのに向いています。
ラテラルシンキングとロジカルシンキングは思考の前提と過程にそれぞれ違いがあります。ロジカルシンキングは垂直思考とも呼ばれています。既成概念をもとに筋道を立てて深く掘り下げていく考えであるため、正しい結論が一つに絞られていく考えとなります。ロジカルシンキングは論理的思考とも呼ばれ筋道が通っているかなどを客観的に分析し、本当に正しいのかを判断する思考法です。一方でラテラルシンキングは自由な発想を求められます。
クリティカルシンキングとは、批判的思考法のことです。クリティカルシンキングは、自身の思考プロセス全てに対して常に「本当にそうであるか」と問い続けて思考を行うことを特徴としています。あらゆる要素を鵜呑みにしないことから結論に至る過程や結論そのもの、問題提起自体の性差に強いとされていて、この思考方法を実践するメリットは、短期的でその場しのぎではない最善を尽くす思考を行う上での基本姿勢が整うところにあります。
ラテラルシンキングのメリットは、固定概念や既成概念などを度外視して思考するため、前提や常識に囚われない斬新な発想ができるようになります。斬新な発想ができることで、新たな商品やサービスを考案できたり、息詰まっていた課題解決の打開策が浮かんだりするでしょう。また、ロジカルシンキングやクリティカルシンキングなどで出た解決方法が必ず成功とは限りません。そのため、前提条件を崩して新たな答えを導くのに役立つでしょう。
ラテラルシンキングは直感的な発想で提案されたアイデアを精査します。そのため、直面している課題解決を図れるか否かを判断するため、結論に辿り着くまでのスピードが速く、物事を迅速に実行できます。ロジカルシンキングの場合、そもそもの決められた前提内で思考をする必要があるために、合理的ではあるものの結論に辿り着くまでにかかる時間が多いものもあります。しかし、ラテラルシンキングを利用することで問題解決への抜け道を見つけることが可能になります。そのため結論へ辿り着くまでが早い場合もあります。
ラテラルシンキングは自由な発想で問題を解決に導きます。しかし、自由すぎるが故に方向性を見失わないように注意しなければなりません。「自由な思考法」に関して、「何をどのように考えるとその発想ができるのか」ということを体系的に立てながら説明できるようにすると良いでしょう。また、ラテラルシンキングを活用するにあたって「ラテラルシンキングをどう問題解決に活かすのか?」という解決方法を自分なりに持っておくことが重要となります。
また、ラテラルシンキングは結論が一つになるとは限らないため、さまざまな結論が生まれてしまうというデメリットがあります。その結論の中には、解決方法としては微妙なものが生まれてしまう可能性もあるでしょう。先程解説した方向性を見失わないために「ラテラルシンキングをどう問題解決に活かすのか」と疑問立てるというように、ロジカルシンキングなども併用しながら考えると問題に対する適した結論を出すことができるかもしれません。
ラテラルシンキングの手順は大きく分けて5つあります。まず初めに、不満の感情を洗い出していきます。不満というのは現状に問題がある場合作り出される感情です。逆に考えれば、不満を解決していくことで一歩前に進むことができるようになります。ラテラルシンキングを活用するために、「今の仕事に不満はないか」「仕事の手順に不満を感じていないか」などの業務に関する不満の感情を洗い流していきましょう。また、些細なものでも、現状の不満に気がつくことで、それを解決しようという思考が生まれます。
次に出てきた不満などに対して問いかけていきます。ラテラルシンキングは思考の前提条件を疑うところから始めます。「普段何気なくこなしている業務」「定型業務」、「上司から指示された業務」など、言われるがまま取り組んでいるようなことに対して、「なぜこのような手順になっているのか」「どうして取り組む必要があるのか」などと問いかけていきます。そしてそこから不満を改善するためのキーとなる物事を発掘していきます。
次に、「ならば」を言語化していきます。「どうなったら解決するのか」「何ならば良いのか」というように、「ならば」にいついて突き詰めて考え、新しい視点で問題を捉え直します。あるべき理想像を言語化していきましょう。少々理想が高くなってしまっても構いません。思いもつかない方法を見つけれことができれば、理想に届く可能性があるからです。ラテラルシンキングは斬新な新しい発想を大事にする思考法なのでまず理想像を具現化することが重要です。
次に解決策を探っていきます。固定観念や常識、フォーマット、法則やルールといったあらかじめ決められている固定されたものさしだけで考えることをやめましょう。ラテラルシンキングでは、できる限り視野を広げ、直感的な感覚や斬新な発想などを最大限活用していきます。さまざまな観点から問題解決の具体案を検討していきましょう。理想に近づけるために「何をどのようにすれば良いのか」という解決策を出していくことがポイントです。
最後に前提を疑います。不満に気づく、「なぜ」と問いかける、「ならば」を言語化する、解決策を探るという工程の最後に問題解決の具体案を導き出してきました。再度、ラテラルシンキングを使い「なぜ」「どうして」と問い直していきます。「どうして具体案が必要なのか」と再試行することでラテラルシンキングに一層の深みが生み出されていきます。ラテラルシンキングでは不満要素を洗い出して理想を言語化し問題解決を探り続けます。
ラテラルシンキングを鍛える方法は三つあります。一つ目は「ランダム発想法」です。「ランダム発想法」とはどんな方法なのか解説していきます。「ランダム発想法」とは物事をある一定の決まった基準で選んだり考えたりするのではなく、無作為に選んだり考えたりすることで問題解決につながるための発想を広げていく方法です。「ランダム発想法」は常識では思いつかないアイデアや前例のないアイデアを簡単に発想できるようになります。
ラテラルシンキングを鍛える方法の二つ目は「刺激的発想法」です。「刺激的発想法」とはどんな方法でしょうか。「刺激的発想法」とは物事に対して常識に捉われることなくまた人が驚くような発想により、問題解決のアイデアにする方法です。「刺激的発想法」では人が考えそううもない発想を多く出すことが大事になります。その発想の中から問題解決のアイデアが生まれます。つまり突飛しもない物が新しいアイデアを生むのがこの方法です。
ラテラルシンキングを鍛える方法の三つ目は「挑戦的発想法」です。「挑戦的発想法」とはどんな方法でしょうか。「挑戦的発想法」とは物事に対して「なぜ」そうなるのか、「なぜ」こんなところにあるのかなど「なぜ」「なぜ」と根本から考えることで問題解決のアイデアを生み出す方法です。「挑戦的発想法」では「なぜ」と疑問を持つことが大事になります。またそのことで問題解決のアイデアが広がります。「挑戦的発想法」は一方通行のような考え方をします。
「3分でわかるラテラルシンキングの基本」は、3分シリーズの一つです。ラテラルシンキングの入門書で、ロジカルシンキングとの対比でラテラルシンキングを解説しています。柔軟な考え方を鍛え、ラテラルシンキングが生まれやすい試行方法に変えることができます。また、基本、実践、思考に分かれているためそれぞれのレベルに合わせて読み進めることもできます。出てくる結果の違いも分かりやすく表現されているので入門書としておすすめの本となっています。
「ラテラルシンキング入門 発想を水平に広げる」という本は水平思考について入門的な知識を細かく説明してくれる本となっています。水平思考を鍛えるためのゲームも収録されているので、すぐに取り組むこともできます。また、著名人や大手企業がラテラルシンキングに取り組み、成功した例なども記載されているのでどのようにラテラルシンキングを利用して成功したのかも知ることができます。こちらの本もラテラルシンキングの入門書として読んでみてはいかがでしょうか。
ラテラルシンキングはこれまでにない発想やイノベーションを生み出したい時に有効な思考法です。クリティカルシンキングやロジカルシンキングと組み合わせて実践するとより効果が高まります。新たなアイデアを生み出すのに適したラテラルシンキングはこれからのビジネスに欠かせない力です。しかし、ラテラルシンキングを身につけるためには日々のトレーニングが欠かせません。また、すぐに使いこなせるものではありません。そのため、日頃からさまざまなものに着目し、ラテラルシンキングに取り組むようにしましょう。
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