IT人材不足による影響とは【背景とその解決策について解説します】

記事更新日:2021年07月21日 初回公開日:2021年07月21日

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近年、世界のIT技術は著しく発展を続けています。しかしその一方で、そうした業界を支えるIT人材の不足が問題視されています。IT人材不足の傾向は今後も続くと考えられており、2030年には最大で79万人ものIT人材が不足してしまうと予想されているのです。どの業界においても欠かすことのできないIT人材の不足に対して、企業は対策を打つ必要があります。今回の記事ではIT人材不足の背景とその解決策について解説しますので、企業の担当者様は是非ご一読ください。

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IT人材とは

ITを使いこなせる人材

IT人材というのはおもに、IT技術を使いこなせる人材のことを指します。既存のシステムやソフトを活用して、効率的に業務を行うことのできる人材です。従来のシステムの運用や保守を担当しているエンジニアなども、これに該当します。しかしこれらの業務を行うために必要なプログラミングなどについては未経験からでも習得が可能ということもあり、今後のさらなる人材不足はそれほど懸念されていません。「従来型IT人材」とも呼ばれるこのような人材は、むしろ今後のIT技術の発展によってさらなるスキルアップが必要とされています。

ITを開発できる人材

既存のIT技術を使いこなすだけでなく、新たなIT技術を開発できる人材もIT人材であるといえるでしょう。AIやビックデータといった、より専門的で高度な知識を必要とするため「先端IT人材」とも呼ばれています。プログラミングに関する学校教育が日本でも早い段階から実施されるようになりましたが、これらの知識を習得するためにはさらに専門的な教育を受ける必要があります。したがって先端IT人材は今後も需要が増えていくにもかかわらず、特に不足が懸念されているIT人材なのです。

IT人材不足の現状

IT人材への需要は増加している

IT人材が不足している一方で、IT人材への需要は高まってきています。世界的にデジタル化が進み様々な業務がIT技術を駆使して行われるようになったため、それらを扱えるIT人材の需要が高まるのは当然といえるでしょう。さらに新型ウイルスの影響で自宅でリモートワークを実施する企業も増えたことから、企業内でのIT技術の向上も重要視されるようになりました。そういったIT技術の需要の増加に対して、人材の供給が追いついていないのが現状です。

IT業界への就職率は低い

IT人材不足の現状として、IT業界への就職率が低いということも課題としてあげられます。近年プログラミングを学べるスクールやインターネット上での学習講座が充実してきたということもあり、少しずつですが就職者の数は増えてきています。しかしIT人材への需要が今後も増えていくことを考慮すると、今後はさらに多くのIT人材が必要とされるでしょう。したがって、プログラミングなどのITスキルについて学習できる環境は今後もさらに整備していく必要があると考えられます。

IT人材不足は今後さらに加速していく

現時点で既にIT人材の不足はかなり問題視されています。しかし今後のさらなるIT技術の発展によって、それらを活用する業界が増えていくと想定すると必然的にIT人材不足は加速すると考えられるでしょう。それと同時にAIなどに代替が可能な業務を行っているIT人材の需要は、今後爆発的に増加することはなくむしろ減少していくでしょう。したがってAIやビッグデータに関する高い技術を持ったIT人材の不足は特に深刻化し、そういった人材に対する価値はさらに高まっていくと予想されます。

IT人材不足の原因

少子高齢化による労働力が減少している

IT人材不足の原因としてまず考えられているのは、日本の少子高齢化によって労働力が減少しているということです。若い世代の労働人口の減少はすべての業界において課題となっていますが、IT業界は特にその影響が大きいと考えられます。理由として常に新しい技術が反映されていくIT業界において、それらに柔軟に対応できる若い世代が非常に重要であるからです。少子高齢化の問題を企業が直接解決することはできませんが、現状で確保できる人材を最大限活用することによって労働力をカバーすることはできます。

IT市場が拡大している

IT市場の拡大が著しく進んでいるということも、IT人材不足が生じている大きな原因のひとつといえるでしょう。ビジネスシーンだけにとどまらず普段の日常生活においても、ITを駆使した技術を目にする機会はここ数年でかなり増えてきました。このようなIT市場の拡大に伴って、それを支えるために必要なIT人材の数が増えていくことは必然的です。少子高齢化により労働人口の増加が見込めない中で、需要だけが爆発的に増加していることからIT人材不足が生じています。

IT技術の変化が著しい

IT技術の変化は著しく、常に新しい技術が導入され続けています。したがって今までIT業界で仕事をしていた人材でも、新しいシステムの導入によって突然需要が無くなってしまうというケースも考えられます。実際にはそこまで極端な事例は限られていますが、新しい技術について常に学び続ける姿勢が無い人材はIT業界において生き残ることは難しいです。こうしたことからIT人材として活躍し続けることの難しさを感じ、業界から離れていく人材も多いのが事実です。

IT業界へのネガティブなイメージがある

IT業界に対してネガティブなイメージを持っている人が多いというのも事実です。具体的には「残業が多そう」、「ストレスが溜まりそう」といった印象を持っている人もいるのではないでしょうか。もしくはIT業界について全く想像もつかないという人もいるでしょう。このようにIT業界についてなんとなくマイナスなイメージを持つ人がいることから、就職や転職の際の選択肢から外されてしまうこともあります。人材不足に悩んでいるIT企業は、まずは自社について良いイメージを持ってもらうことが重要でしょう。

IT人材不足によるデメリット

情報セキュリティに関するトラブルが起こる

IT人材不足が進むと、情報セキュリティに関するトラブルが起こる可能性が高まります。データの流出などに関するトラブルは、大手企業でもしばしばニュースで目にします。こうしたトラブルは企業に対する信頼度を大きく下げてしまうので、絶対に避ける必要があります。したがって特に多くの顧客や従業員に関するデータを保持している企業にとっては、IT人材の不足はかなり大きな問題といえるでしょう。企業の大切なデータやシステムを守るためにもIT人材の不足を防ぐようにしましょう。

IT技術によるサービスの開発が困難になる

IT人材が不足してしまうと、IT技術に関する新たなサービス開発が困難になってしまいます。AIやIoT、ビックデータ解析などを用いたシステム開発は他社との競合を勝ち抜くために今後さらに重要視されていくと考えられます。そうした新サービスを開発するためのIT人材が不足することによって、企業として業績を伸ばすのが困難になってしまうでしょう。もちろん業界によってIT技術の重要度は異なりますが、多くの業界においてITサービスの需要は増加していきますので、IT人材の確保はかなり重要となります。

既存のエンジニアの負担が増える

IT人材不足が進むことによって、既存のエンジニアたちの負担が増えるということも懸念されます。IT人材の不足が進んでも、基本的に業務の量は減っていくことはなく、むしろ増えていくと考えられます。したがって、IT人材ひとり当たりの業務量は必然的に増えてしまいます。その結果として残業を余儀なくされるなど、労働環境が悪化してしまうことも考えられるでしょう。社員の健康や業務の質に悪影響を及ぼしてしまわないようにするためにも、IT人材不足は避けなければなりません。

IT人材不足を解消するためには

IT業界の魅力をアピールする

IT業界の魅力を積極的に発信することによって求人への応募数が増え、IT人材不足の解消が期待できます。IT業界に対する漠然としたネガティブなイメージを、まずは払拭するようにしましょう。具体的には企業のホームページや求人媒体など、様々なところで企業の魅力をアピールするのが効果的だと考えられます。特に若い世代に関していえば、SNSなどからも多くの情報を仕入れる人が多いのでそちらも活用してみるとより効果的でしょう。

海外の人材を雇用する

IT人材不足の解決策として、海外の人材を雇用するのも効果的だと考えられます。特にインドや東南アジアなどの国々は近年IT教育に注力しており、そこからIT人材を受け入れる企業も増えているようです。海外の人材を雇用する上では入国の手続きやコミュニケーションなど様々な課題もありますが、人件費などの面を考慮すればメリットも大きいでしょう。しかし雇用期間が限られている場合が多いため、あくまで一時的な対策として考えておくようにしましょう。

社員への技術学習を実施する

社員への技術学習を実施することによって、社内でIT人材を育成するという方法もあります。IT人材に必要となるスキルは常に更新されていくため、上司から直接指導できる内容はどうしても限られたものになってしまいます。したがって社員に対してIT研修を行う場合は外部の講師に依頼をするか、新たに研修のプログラムを作成するなどの必要があります。IT人材を新規採用するコストと比較すると低コストでIT人材を獲得できますが、スキルを身につけた社員への還元も同時に忘れないようにしましょう、

IT人材への待遇を改善する

IT人材への待遇を見直してみるのも有効な手段です。具体的には賃金の引き上げや福利厚生の充実などが効果的でしょう。現時点ですでに、IT人材の年収は、平均と比較すると少し高い傾向があると言われています。しかしIT業界においては常に新しい技術やトレンドが発生するため、IT人材は他の業界に比べて必要な勉強量は多いでしょう。それに対して待遇を見直すことは重要であるといえます。今後さらに重要な分野となってくることからも、IT人材への待遇はより手厚くしていく必要があると考えられます。

まとめ

IT人材が安心して働ける企業にしましょう

IT人材不足の現状と、今後の見通しについてお分かりいただけたでしょうか。IT技術の発展に伴って、これからさらにIT人材の需要は増えていくと考えられます。つまり優秀なIT人材をしっかりと確保して役立てられるかが、他社との競合に勝ち残るために重要になってくるでしょう。IT人材不足を解消するために、まずは社内のIT人材への待遇を見直してみてはいかがでしょうか。そして今後のさらなるIT化のために、海外人材も含めた社外からのIT人材の雇用も視野に入れてみてください。

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